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583北条さん(会社経営) Fri Jan 26 23:42:00 JST 2007
マロリーさま

レスありがとうございます。

仰るとおり単体でも充分というご感想から判断しました。
で、私はこれを他メーカーも含めて一切のプリを接続していない単体使用でのご感想か
と思っておりましたのですがこの解釈でいいでしょうか。

どちらにしても素晴らしい音と推奨されているのでその点は安心して楽しみにしており
ますし、ゼロとの違いについても完成しましたらまた、インプレいたします。  

582マロリーさん(音楽愛好家) Fri Jan 26 22:02:52 JST 2007
遅ればせながらご返事を(やっと書けました)

川西さま
>  知らないついでにお聞きしたいのですが、その場合でも内臓D/A でアナログ出力とし
> て聴けるとすれば、当然その音質はそのD/A のグレードに依存すると思われますが、そ
> の点については如何なものでしょうか。
との問いかけを頂戴しておりましたが、ご返事しそこなっておりました。
皆さまもいろいろ書いてくださっていますが、現段階では「諸説あり」「理屈/予想通りの
結果にはならない」ということのようです。
実体験が伴わないので書きすぎないように注意しますが、アナログ出力で好結果を得ている方、
外部DACで試行錯誤している方などおられます。iPodの機種によって音が違うという話しもあ
ります。以上はもちろんWAVでの話しです。
ご存じかもしれませんが、下記の記事はiPodのアナログ出力をCDプレイヤーと比較した例です。
話しの種に…。
http://arena.nikkeibp.co.jp/tokushu/gen/20050930/113716/
この話題についてはいくつかのファクトと伝聞情報を知っているのみだったため「これから先が
たのしみです」以外の「意見」は述べないように注意したつもりです。
掲示板の趣旨を気にしつつも結果的にこの話題を長く引っ張ってしまい、申し訳ありませんでした。
今後ともよろしくお願いいたします。

北条さま
Alpha4MOS単体での感想とのことですが、当面セッティングを変更できる状況になく、ご容赦
ください。以前こちらに書いた感想文を読み返し、記憶をたどると「単体でも十分」と感じて
いたようです。
何を求めるかで感じ方は違うと思いますが、大丈夫、きっとすばらしい音がしますよ。
(むしろZeroをお持ちの方がAlpha4MOSをどう感じられるのか…が気になるところです。私は
直接比較の経験がありません)  

581川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Fri Jan 26 18:10:00 JST 2007
日フィル1月定期、マーラー交響曲第9番を聴く

 所謂、「マラ9」である。両端に陰鬱で長大な緩徐楽章的曲想を置き、中間部に舞曲風、スケ
ルツォ風の無理に明るさを装ったような2つの楽章を挟む、一風変わった編成の交響曲である。
ベートーベンやブルックナーが9つの交響曲を作曲して死んだ事を気に病んで、9番目の交響曲
に「大地の歌」と名付けた程、マーラーは9番という数字に戦いていた。

 しかし、この曲は純粋器楽曲として作曲した手前「9番」と名付けざるを得なくなったのだが、
マーラーの予感通り、この曲は完成した最後の交響曲になってしまったのである。だから、この
「マラ9」はマーラーの告別の歌であり、内容的にも死の恐怖感と戦いながら書いたと思われる
雰囲気が漲っている。そのモチーフが第1楽章冒頭から支配し、暗く圧し掛かる。途中一旦止む
ものの、最終楽章で止めを刺されるのである。

 終楽章の最後は段々と意識が遠のき、生と死の狭間をゆっくり彷徨いながら息絶えて行くよう
だ。昨日の演奏会もそれを肌で感じる事ができた。少なくても最後の終わり方は、指揮者も団員
もそして聴衆も、皆一つになってその死に立ち会ったと思えた。今期限りで音楽監督を降りるコ
バケンの右手が下りてからも1分以上の沈黙があった。皆が凍りついてるようだった。静かに起
こった拍手はやがて賞賛の嵐に変わった。

 健闘した団員達が代わる代わる立たされて聴衆の拍手を受ける。コバケンも何回となく舞台袖
から呼び戻される。それが決して義務感で行われているのではない事は明白だった。弦楽器群は
綺麗に揃って美しく響き、時には弦を撫でるようにして絶妙な弱音を聴かせる。ホルンは安定し
た音を奏でてマーラー独特の雰囲気を作る。木管群もオーボエを除いては十分合格だった。今期
限りで定年を迎えるティンパニー奏者の切れ味は、まだ辞めるには惜しいと思わせた程だ。

 ファンの一人がコバケンに花束を渡した瞬間に拍手がピタリと止んだ。会場が無音になった。
コバケンが口を開いた。開口一番「今、私の歯がカタカタ音を立てています」と言った。それ程
曲に没入していたのだろう。柔和な顔が綻んでいた。会場が一つになり切り、幸せな空気が充満
していた。誰も席を立たない。これが真の演奏会だ。日フィルの定期会員になって良かったと思
った。何処かの一流オケはこの点が全く欠けている。

 この曲のもつ深い内面性とそれを支える確かな演奏技術がこの感動を可能にしたのは確かな事
なのだが、実は80分以上もかかるこの長大な曲の頭から快調だった訳では決してない。少なくて
も第2楽章までは、何処か纏まりに欠け、感動が伝わって来なかった。調子を上げ出したのは第
3楽章に入ってからだ。これまでの定期でもしばしば経験した事なのだが、日フィルは頭から全
開とは行かないようだ。

 100 人近い人の集まりである以上仕方のない事かも知れないが、これが超一流オケとの違いで
もあるのだろう。ウィーンフィル、ベルリンフィル、アムステルダム・コンセルトヘボー、シカ
ゴ響と言えども、指揮者によっては調子が出ない事もないではないが、良い指揮者が振れば最初
から緊張感を持続できる技量を有している。

 我が家に帰ってから、ちょっとだけ「マラ9」を聴いてみた。私の「マラ9」はジュリーニ/
シカゴ響である。こういう内面性が重視される曲には打って付けの指揮者だ。音楽界の商業主義
に最後まで妥協しなかった稀有な指揮者だけの事はある。緊張感の持続と凝縮されたオケのコン
トロール技術は他の指揮者を寄せ付けない。録音が1976年にドイツグラモフォンよって行われて
いるのも好条件だ。

 ドイツグラモフォンがアナログ時代に最も調子の良かった時期の録音だけに、30年前の音とは
到底思えない。演奏の良さと相まって「マラ9」の良さを100%発揮している。このレコードを初
めて聴いたのは、確かNHK-FMだったと思うのだが、早速LP(MG8241/2)を買って見た。期待通りの
演奏・録音だった。今はCD(437 467-2)を48KHzにリサンプリングし、DVD-AUDIO 化して聴いてい
る。44.1KHzのままでもDVD-AUDIOは可能だが、48KHzにした方がDACのローパス・フィルタが有利
に働く為か音がいいようだ。

 家に帰って音を出したのは既に深夜だったが、QUAD LITE のお陰で近所迷惑にならない。規模
の大きいこの曲でも、WRアンプで鳴らせばまた感動が蘇る。常識的には生の演奏会から帰ってCD
を聴いても大方は幻滅するものだが、QUAD LITE でも感動のエッセンスは聴き取る事ができる。
場合によっては、よりドライブの効いたジュリーニの指揮とそれに見事に応えるシカゴ響の演奏
技術に「流石!」と言う思いが込み上げる。日フィルにない密度の高さだ。

 QUAD LITE と息子のSPアレンジによって「音楽に感動するのに重厚長大は必須条件ではない」
と言う思いが最近しているのだが、昨日はそれを確証した気分になった。確かに、第1楽章が始
まって間もなく爪弾かれるコントラバスのピッチカートは量感的には寂しいが、だから音楽に感
動できないかと言えば決してそんな事はないだろう。

 「小粒でもピリリと辛い」の例え通り、WRアンプとQUAD LITE の組み合わせは正しくその良い
例だろう。こういうハイエンド・オーディオの在り方も否定できないと思う。だから日本の家屋
事情にWRアンプは大きな福音になるはずだ。勿論、間もなく発売されるWRアンプキットでも良い
のだが、真のハイエンドを狙うなら、やはりアンプはZERO系だろう。

 あなたも、贅肉を削ぎ落とした、エッセンスのみが浮かび上がるこの聴き方を体験されて見て
は如何だろう。試聴会は四畳半ではないが、多分、会場でもお聴かせできると思う。百聞は一聴
にしかずである。


* * * 北条さん、αZEROの試聴レポートありがとうございます。 * * *

 久しぶりにCDプレーヤーでαZERO をお聴きになられたようですが、相変わらず良い音でお聴き
になられたご様子、何よりと思います。αZERO に対するご評価も当を得たもので、こういう風に
理解されてお使い頂いている事に、設計者として大変嬉しく思います。これからも末永くご愛用
頂きますように改めてお願いする次第です。

 ところでCDのクオリティですが、何だかんだ言っても良く録音されたCDの可能性は否定できな
いと思います。確かに、24bit/96KHz で録音してきたソースをCDフォーマットに変換すると、特
に高い音の抜けが悪くなる傾向があります。それでも、自主録音CDである「田園」をお聴き頂い
た方はお分かりだと思いますが、十分な音質を保っています。

 上述の音質劣化は、CDフォーマットに問題があるとは言えず、寧ろ44.1KHz に落とす時のアル
ゴリズムの問題の方が大きい可能性があります。結局はそこで当初の情報が一部失われる訳です
から、どの情報が切られるにしても多かれ少なかれ音質劣化は避けられず、ある意味当たり前の
結果なのだと思います。だから、CDにする事が確定している場合は、最初からCDフォーマットで
録音すべきなのでしょう。

 先月行ったピアノ録音のメインは24bit/96KHz で録りましたが、バックアップ用にCDレコーダ
ーを回していました。手軽にバックアップできるので有用な手段ですが、出来上がったものを聴
き比べて見たところ、24bit/96KHz で録音したものをCD化したものに敵いませんでした。ここで
問題になるのはCDレコーダーそのものです。特にA/D 部分の質が悪ければ音のグレードが落ちる
のは当たり前です。なかなか思うようには行かないものです。

 以上の事をいろいろ考えると、情報の変換は非常に難しいと言う事です。D/A の部分にWRアン
プを使ったものが欲しい、と言うWRアンプユーザーの方々の切実な願いも分かろうというもので
す。ですから、最近話題になっているiPodとパソコンを利用した聴取方も一筋縄では行かないで
しょうが、ただmp3 のままで聴くよりは音質の改善が期待できると思います。

 WRアンプキットの発売を機に、最近の若い方がiPodを代表とする携帯型デジタルプレーヤーを
使ってハイエンド入門をされる可能性について、皆様のお力を借りていろいろ考察して来ました
が、大体の事は分かったように思います。どうもいろいろとありがとうございました。  

580北条さん(会社経営) Wed Jan 24 00:56:46 JST 2007
久々にCDをプレヤー(パナソニックH1000)で聴いてみました。

映画ゴースト、ニューヨークの幻のオリジナルサントラ盤でαゼロとプリも結構いけま
した。
大半がオケだったこともあってクラシックに強いWRならではの名再生です。
冒頭のライチャスブラザーズのアンチェインドメロディはゆったりとしたαゼロにピッタリですね。

厳密に比較するとメディア再生のほうが固定メモリーに録音したものより優れておりま
すが、至便性と単独で聴いてると次第に気にならなくなるので今後の再生手段の主流に
なるのもわかりますが、それもヤマハのHD1500で聴く場合でやはり、圧縮音源となると
しかもポータブルではそういうわけにもいかないです。
据え置きのMP3等の圧縮音源でHDに録音するサン電子のビビオで320レートにしても及び
ませんでしたからそれ以下の筐体では難しいでしょう。

だから、どうしてもお気に入りの曲とかを聴く場合にのみ、SACDやDVDオーディオ等は
それらのニーズに応える形で残るのかもしれませんが、CDで充分なクォリティが得られ
るのでやはり、CDまでかもしれませんね、メディアで残るのは...

とにかく、WRのいいところは高解像度、分解能で余計なものが付帯していない
シンプルでクリーンで透明感のある再生ができることです。
ゆえに楽器やボーカルがより自然に浮き上がってますし、一言でいって無理がない、無理
のない増幅再生って感じがします。

これがメーカーアンプにはないところで聴き疲れのないこと再認識いたしました。
どちらにも偏向していないニュートラルポジションのアンプ、これがWRを形容するに
ふさわしいのかもしれません。
クラシック、ジャズ、その他ボーカル(声唱)オケものならジャンルを問いませんので
αゼロとプリで聴くことお奨めします。  

579北条さん(会社経営) Mon Jan 22 09:47:19 JST 2007
マロリーさんへ

音楽を楽しむということで携帯プレヤーは多くの人に評価されてるものだと思いますし
ミュージックサーバーとしての方向性はまさにその通りと思います。

ただ、それには非圧縮では難しく、どうしても圧縮音源での活用が主体になるでしょうし
これを前者に底上げするとなると今度は携帯プレヤーとしての筐体が維持できず、サーバ
としては現状の技術ではどうしても据え置きタイプにならざるを得ないのではとのことです。

ハードディスクやフラッシュメモリーに録音する流れは万人が認めるところですから..

たまたま、携帯プレヤーという話にそれてしまったのでコメントしたのですが、もともと
マロリーさんの書き込み感想に影響を受けてMOS-FETの発注をしたわけですので
さしつかえなければ前回の書き込みに対しての感想いただけないでしょうか?

他メーカーのプリを使用されてのご感想だったそうですので、プリなしの単体の感想も
是非お伺いしたいのでよろしくお願いします。  

578マロリーさん(音楽愛好家) Mon Jan 22 08:15:40 JST 2007
ミュージックサーバとしてのiPod/iTunes

掲示板の趣旨から外れることを気にしておりますが、もう一度だけ。

方向性は2つに分かれます。
1:携帯用プレイヤーとしてのiPodその他
2:ミュージックサーバとしてプリアンプに接続されるiPodやパソコン(iTunesなど)
2の方向は今後の動向が注目されます。
WAV/AIFFデータを抱えるiPodやパソコンをプリアンプにつなぐ方法は多岐にわたります。
(USB/FireWire接続可能なDACも増えてきました。)
どの方法がベストなのかはまだ結論が出ていないようですが、かなりの好結果を得ている
人もいるようです(私自身は試していませんので、あくまで伝聞ですが)。
海外ではハイエンドオーディオ向けと称するミュージックサーバ単体機も出てきています。
これらはラインインプットとADCも備えるため、LPのデジタルアーカイブ化などにも便利
そうです。

「ミュージックサーバという形態がひとつの地位を確立しそうですので、その流れの中で
iPod/パソコンを捉えることもできますね」とだけ、お伝えしたく再度お邪魔しました。  

577川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Sun Jan 21 23:09:02 JST 2007
東山さん、iPod等に関するご報告ありがとうございます。

 東山さんは、通勤時間の関係でiPodのような小型携帯型プレーヤーを常時ご愛用になっておら
れるようなので、WRアンプユーザーの中では取り分けこれらに関する知識が豊富なのではないか
とご推察申し上げます。

 その東山さんから、iPodは余り音が良くないのでケンウッド製に買い換えたとのご報告を頂き
大変興味深く読ませて頂きました。最終的にアナログ信号に変換して聴く限り、多かれ少なかれ
音質の違いは生じるものですからある意味当然の話ですが、元祖より国産メーカーの方が音が良
いと言う結果は少し意外ではありました。

 普通の方はそれを見抜く事はできないと思いますが、日頃から音質に厳しい目を向けている東
山さんだからこそ分かった事なのかも知れません。ケンウッドではWAV で録音する為に60GBに改
装されているようですが、これだけの容量があればWAV でも相当長い時間の音楽が入れられます
ね。私がよく利用するDVD-AUDIOでは、16bit/48KHzでオーサリングすると約5GB で6時間、そう
ベートーベンの交響曲全曲が入ります。

 ただ文面からでは、その音質に関する評価は読み取れませんでしたが、その後に買われた東芝
製を使って、可逆圧縮ファイの実験をされた結果では、多少大味に聴こえたとの感想は常識的に
納得できるものと思います。iPodでは別筐体のドックに接続する事によりライン出力が得られる
そうですが、確かにあの小型軽量のボディにその機能を積むのは合理的ではないと思います。

 可逆圧縮ファイルのアルゴリズムで100%元に戻る事が保証されているのであれば、直接WAV で
記録したものと原理的には同じ結果になるはずですから、今回の実験が取り敢えず16bit リニア
の音だったとして考えて見たいと思います。

 東山さんのCDプレーヤーは結構いい音がするそうですね。β3 とのコンビで十分お楽しみ頂け
ているご様子、開発者としてこんなに嬉しい事はありません。いい音で再生する事を通して他人
様を少しでも幸せにする事が出来ているとすれば、もう少し頑張ってその輪を広げたいと心新た
にしているところです。

 さて、広い意味のD/A でいろいろ音が変わる事は今更申し上げるまでもありません。ですから
同じCDディスクでも直接CDプレーヤーで聴くのと、そのCDをパソコンでリッピングしてWAV にし
てから小型携帯プレーヤーに記録し、さらに再生してアナログ信号に変換するのとでは、当然音
質が異なる訳です。

 CDプレーヤーが変わっただけでも大きく音質が変わるのですから、少しくらい大味に聴こえて
もそれは仕方のない事だと思います。寧ろ東山さんが仰るように、小型軽量の筐体にしては十分
いい音だと言わねばならないのかも知れません。

 特に、日頃から圧縮系の音に慣れた耳には、ワングレード上の音に聴こえるのではないでしょ
うか。人間の感覚はなかなか絶対評価をする事ができません。相対評価を繰り返して音を憶える
のだと思います。だから、東山さんに取っては大味な音も、ハイエンド・オーディオ入門者には
素晴らしい音に聴こえる事は十分有り得る事だと思います。

 マロリーさんの証言や東山さんの行動から、小型携帯プレーヤーの常用者で音に目覚めようと
している人はmp3 を卒業する方向に行くでしょう。そしてそこにWRアンプがあれば、ハイエンド
への階段を上って行けるのではないかと思うようになりました。

 話は変わりますが、東山さんが仰るように密閉箱も理想のものではありません。本当は無限大
バッフルが理想なのだと思います。そこまで行かなくても、昔は結構大き目のベニヤ板にSPの穴
を唯空けただけで聴いていた人も多いですし、私もいい音で鳴っている例を何件か体験していま
す。この無限大バッフルを小型化したものが密閉箱ですが、一つ問題点があります。

 それは密閉されたキャビティ内の圧力が、空気の逃げ場がないので上昇してしまう事です。そ
の影響で音に開放感がなくなる事があり、東山さんが仰る「粘っこい音」はそこから来てるので
はないかと思います。その点、バスレフポートを音響抵抗でダンプする方法は確かに低音の量感
はなくなりますが、余計な音を削ぎ落とした非常にピュアな音になると思っています。最近こう
して聴くQUADの音が病み付きになりました。

 これは枯淡の境地なのかも知れませんが、一つのハイエンド・オーディオの行き着くところだ
と思うようなっています。部屋は四畳半でよいし、音量も絞り目で十分ですし、スピーカーも安
いです。ただ必要なのはWRアンプだけです。それもαZEROやβZEROであれば最高です! 

 皆さんもゴテゴテした音に悩んでおられるのなら、思い切って試して見ては如何でしょうか。


* * * 隼さん、WRP-α1MK2の高速化ありがとうございます。 * * *

 α1MK2をAVアンプのフロントとしてもお使いだそうですが、その定位があたかもセンターSPの
音だと錯覚するほど、左右のSPの個々の存在が分からなかったとか、WRアンプの過渡特性の良さ
を表す良いエピソードかと思います。日頃、私がWRアンプで映画鑑賞する場合はセンターSPが無
くても台詞は正確に定位すると申し上げていた事が、強ち大げさではなかった事が分かり頂けた
のではないかと思います。

 高速化に伴いより隼さん好みの音になったのも大変良かったと思います。多分、今回の高速化
により中高域のトランジェントも向上したのだと思います。過渡特性の良い音は耳障りでない為
に、自然にボリュームを大きくしてしまう傾向にあります。前に聴いておられた位置よりも右に
回し勝ちであれば、明らかにアンプの性能は向上したと言えるでしょう。

 勿論、それには高速化以外の条件もあったと思っています。製作担当の平野紘一氏は唯高速化
だけの作業をする訳では決してなく、経年変化でどうしてもづれて来る調整を修正するなどメイ
ンテナンス的な作業もサービスとして行っています。勿論WRアンプは5年でも10年でも鳴り続け
るとは思いますが、偶にはメインテナンスをすれば性能維持に大いに役立つと思います。そう言
う意味でも高速化のご注文は非常に有益且つ効果的だと考えています  

576さん(会社員) Sun Jan 21 17:11:12 JST 2007
高速化しました。

良いですね音が柔らかくなり。細かい音の分離が良くなりより好みの音になりました。
(エージング不足の部分でチョイと堅い音もありますが)
また入力の一つにAVアンプのフロントのプリアウトを入れているのですがつけた時に
テレビ音声が入っておりピタリとセンターに定位した為初めフロントスピーカーから
出ていないような錯覚に陥り接続がちゃんと出来ていないのかと思いました。(故障か?とチョイと悩みました)

ただ欠点が一つ音がさらりとする性でついついボリュームがあがりがちになり後で耳に
負担がかかっている事に気がつく事ですね。うれしい欠点ですが。
  

575東山さん(一般庶民) Sun Jan 21 01:29:42 JST 2007
通勤時間が長いもので、DAPを第二世代iPodの時から使っています。このiPodは音はお
世辞にもいいものではありませんでした。
今はケンウッドのHD20GA7を使っています。所詮ポータブル機ではありますが、少しでも
いい音(WAV)で聞きたいので、60GBに改装して使っています。
最近のiPodは、ドックにつなげばライン出力もあり、音は言いという人もいるようです。

たまたま正月に東芝のS30を格安で買ったので、これで試してみます。
WAVで入れたかったのですが、タグ管理などちょっと難しく、可逆圧縮WMAにしました。
私のCDPは古く高級機ではありませんが、β3で聞く音はわれながらニヤニヤしながら聞い
ています。
さて、S30をβ3につないで聞いて見ましたが、一言で言えば、大味です。
S30自体にはライン出力はありませんので、ヘッドホン端子につないでいます。
ボリュームはMAXでも音は小さいです。
正直申しまして、私のCDPと比べても、音質は格段に劣りますね、据置機と比べること
事態が間違いなのかもしれません。
ただ、聞くに堪えない音かと言うと、私にはそんなことはありません。それなりに
楽しく聞けますし、こんな小さなものから、これだけの音が出ると思うと、それほど
悲観することはありません。
入門として、DAPを音源とするのもありだと思います。しいて言えば、まだ、ポータブル
CDPの方が音がいいかなと思います。
以上、簡単にDAPをつないで聞いて見た私の感想です。

SPの話ですが、私はバスレフはあまり好きではありません、私もよくタオルなどを
つめたりしました。密閉は粘っこい感じもしますし、息抜き程度のバスレフが無難
でしょうか。 

574北条さん(会社経営) Sat Jan 20 14:11:06 JST 2007
マロリーさん、ご意見ありがとうございます。

私も一応、WAVがWindows用、AIFFがマック用の音声ファイル形式であることは
知ってたのですがご承知のとおり、ipodはmp3をはじめとする数種の圧縮音源
で使用することをコンセプトに開発されていたものですから、実用上から述べました。

圧縮率の低いアップルロスレスもありますが如何せん容量が非圧縮になると全然足りま
せんので、もしこれで音楽を鑑賞となると本来の企画目的から外れることになり、おそら
く誰も使用しないのではないでしょうか。

小さな筐体に手軽に膨大な音楽(CD等)を詰め込み持ち歩けていつでも聴ける、これが
売りで、この条件で非圧縮でないのならそれは結論からいえば圧縮プレヤーということ
になるという私の結論から申し上げました。

ついでにこのような媒体はダウンロードすることが多く、リッピング段階で間引きされ
ていないか、仮にここを通過してもエンコードするわけですから厳密には極めて圧縮率が
低いということになりますし、川西先生も仰ってた最終段階のDACの優劣が大きく影響
してきます。

おそらく、アップルに高性能なDACを搭載する意図はなくユーザー層も上記の圧縮で満足
できる(違和感を感じない)人たちだろうと思いますのでどちらにしてもポータブルプレヤ
としてのクオリティは鑑賞用としては現状では難しいのではと思っております。

それより、マロリーさんがお持ちのMOS-FETアンプはプリなしの単体でお聴きになると
どうでしょうか?
日立の違いがありますが大筋変わらないと思いますのでよろしくお願いします。  

573川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Sat Jan 20 11:40:03 JST 2007
マロリーさん、誤りご指摘ありがとうございました。

 ロートルは思い込みが激しく「iPodはmp3 で聴くものだ!」と思い込んでおり、大変
失礼しました。WAV/AIFF対応を有効に使っている方が多くいらっしゃる事を知りません
で、私の勉強不足でした。

 前項でmp3 と言う前提で書いてしまいましたが、多くの方は小型軽量を生かし、メモ
リーを節約する為にmp3 で聴いていらっしゃる事も、また事実ではないかと思います。
私の主旨は、そうした方がWRアンプで聴いた場合に、どのような音質で聴けるのかと言
う事でした。

 しかし、まさかiPodでWAV/AIFFのフルスペックで録音している方が少なからず居ると
は、思ってもいませんでした。マロリーさんのご指摘で初めて知ることができました。
ありがとうございました。

 知らないついでにお聞きしたいのですが、その場合でも内臓D/A でアナログ出力とし
て聴けるとすれば、当然その音質はそのD/A のグレードに依存すると思われますが、そ
の点については如何なものでしょうか。   

572マロリーさん(音楽愛好家) Sat Jan 20 10:00:24 JST 2007
iPodに関する誤解

掲示板の趣旨からはずれると思いましたが、一点だけ。
iPod/iTunesはWAV、AIFFに対応しています。
「iPodは圧縮音源である」というのは誤解です。
多くの方はmp3で聴いているでしょうけど、音にこだわるならWAV/AIFFでというのは定説です。
iPod/iTunesをオーディオマニアとして使いこなそうとしている方は少なからずいらっしゃいますよ。  

571川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Fri Jan 19 19:20:03 JST 2007
北条さん、デジタルソースに関するご見解ありがとうございます。

 CDはじめ、いろいろなソースがデジタル化している現在、デジタルを介在しないで音楽を聴く
事は稀になっているのが現実だと思います。江原さんはLPでさえもPCM 化して聴いておられます
し、東山さんは諸々のソースを全てパソコンに取り込んでから聴いていらっしゃいます。

 このように、純粋にアナログ伝送だけで聴く事が寧ろ特別なケースになってきている昨今、本
来的にはデジタルパワーアンプで聴くのが一番合理的な話になります。勿論、北条さんがご指摘
の圧縮系ソースを再生するコンポなどでは、その殆どがデジタルアンプ化しているのは周知の事
実であり、メーカーはデジタルアンプだから音が良いと宣伝しています。

 確かに出来損ないのアナログ帰還アンプよりは益しな音が出ているのかも知れませんが、こと
ハイエンドに関しては、たとえ100 万円もする超高級デジタルアンプと言えどもWRアンプに敵わ
ない事は、多くのユーザーの方が証言してくれています。

 デジタル化した信号を再びアナログに戻してまでも、WRアンプで聴く価値がある限り、私はそ
の使命を全うしたいと思っています。これからWRアンプをお買いになる方の為に話を整理して置
きますと、以下のようなケースが考えられます。

1.CDやDVDのようなデジタル化されたメディアを専用プレーヤーで再生する。
2.アナログ又はデジタルのソースを自分でPCM 録音機やパソコンなどに取り込み再生する。
3.BS放送のようなデジタル放送のアナログ出力を聴く。
4.圧縮系デジタルソースであるMDやiPodを再生する。

 この中で1から3までは、これまでにWRユーザーの方によってWRアンプで十分鑑賞できる事が
証明されています。ただし、その為にはバッファ効果が期待できるWRプリアンプの併用をお奨め
します。WRプリは単体(WRC-α1MK2)が望ましいですが、プリメインアンプに組み込まれたもの
でも十分機能する事が分かっています。

 さて問題は圧縮系のソースですが、さすがにこれまでWRアンプユーザーの方からは何の報告も
受けておりません。これまではハイエンド・オーディオを追求するWRアンプに置いては考慮の対
象外でしたが、WRアンプキットを発売してユーザーの裾野が広がると、あるいはその中にそれら
のユーザーが含まれて来るかも知れません。

 日本の音楽家の多くがご自分の録音をMDで聴いていると言う現実もありますので、その良し悪
しは別にして、その事を強ち無視するわけにも行かないと思っています。この件に付きましては
音楽家でWRアンプユーザーである板倉さんのご意見を是非お伺いしたいものと思います。

 可能性としてiPodなどをWRアンプで聴いた場合、
1.粗が見えて聴くに耐えない。
2.WRアンプの効果でそれなりに楽しめる。
の2通りが考えられます。できれば後者であって欲しいと思いますが、1の可能性は捨てきれな
いでしょうから、その場合の有効な対策が打てるかどうかが問題かと考えています。

 皆さんの中にMDやiPodをお持ちの方がいらっしゃったら、是非視聴レポートをお聞かせ下さい。
尚、WRアンプキットの方の準備も大分進み、分かり易い組立・配線指針も整いつつありますので、
2月下旬頃には発売できるのではないかと思っています。どうぞご期待下さい。

 また、3月3日(土) 13:30よりWRアンプ試聴会を八王子北野市民センターで開催する予定です。
主なテーマは
1.バランス入力対応ハイパワーアンプWRP-αZERO/STUDIOのデモ
2.ウエストリバー初のキットアンプWRP-K1/18、WRP-K1/30の発表
3.東芝パワーMOS搭載のWRP-α4/Tの3通りのバリエーションの紹介
4.超小型SPであるQUAD LITEのWRアンプでの試聴
5.各種WRアンプの試聴、CDなどのリクエストetc
となっております。

 万障お繰り合わせの上、是非ご来場を賜りたくお願い致します。WRアンプスタッフ一同心より
お待ち申し上げております。追って、HP上でお申し込みの受付をさせて頂きます。   

570北条さん(会社経営) Thu Jan 18 21:23:15 JST 2007
川西先生の仰る通り、今後はネット(放送)配信と固定メモリーになると思います。

録音にはハードディスクが現状主流ですが理想的なのはフラッシュメモリーでしょう。
容量さえ増大させる発明がなされたらHDはフラッシュにとってかわるのは必定ですか
ら是非フラッシュの技術者には頑張ってほしいものです。

ただ、今後どのような技術発展があってもアンプ(増幅器)は不可欠ですから不用には
ならないでしょう。
IC構成のデジアンでWRのメリットがでるようになれば別ですがこれは当分難しい
のではないかと思います。

ipodは聴いておりませんし、目下、所有の意向もありませんので判りませんが、どちら
にしてもハードディスクに記録したものをアナログ変換して増幅するという流れでいう
と私が使用しているヤマハHD1500をWRで聴いておりますのでこれは問題ないです。

むしろ非圧縮か否かが問題でその点、ipodは間引きソースのMDみたいなものですから
鑑賞の対象にはなりません。

そんなわけで、WRは次世代になっても充分生き続けるでしょうから安心できると思い
ます。  

569川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Wed Jan 17 23:15:00 JST 2007
北条さん、MOS型パワーアンプの完成を今暫くお待ち下さい。

 何時もWRアンプに深いご理解を頂きまして本当にありがとうございます。開発者や製作者が
「WRアンプはいい音がしますよ」と幾ら言ったところで、それを鵜呑みにしてくれる程世の中
は甘くありません。しかし、第三者の方にそう仰って頂ければ、WRアンプに興味をお持ちの方
には大いに参考になると思います。

 今回はWRP-α4MOS/T単体でのご注文ですが、マロリーさんも仰っている通りBTL 接続にする
と、さらに音に厚みが加わることは確かな事だと思います。ただ、省スペースでダウンサイズ
を目指しておられるのであれば、それは仕方ないと思います。何とか北条さんのお好みに合う
ように、ここは平野紘一氏にもてるノウハウを発揮して貰う事にしましょう。

 北条さんも仰っておられるように、WRアンプ程ディスクリート・アンプの本領を発揮できる
アンプは他にないと思いますので、何とか満足して頂けるアンプを完成できるのではないかと
私も期待しています。

 最近北条さんは既成メディアより、放送を主体に聴いておられるようですが、それで最高の
音が楽しめるのであれば結構な事だと思います。確かに、SPにLPが、LPにCDが取って代わりま
したが、CDに取って代わるものはもう現れないかも知れません。僅かに欧米でSACDが普及しつ
つあり、輸入SACDが安く手に入るようになりました。4チャンネルで聴くSACDもそれなりの良
さはありますが、住宅事情からしてこれが日本を折檻する事はないでしょう。

 だからCDが最後のメジャーなメディアになるのかも知れません。そのCDの発売も今は激減し
ており、今後はネット配信と固体メモリーで音楽を聴く事になって行くのではないでしょうか。
そしてそういう時代には、WRアンプも無用の長物になってしまうのではないかと思います。ど
なたかiPodをWRアンプで聴いた方はいらっしゃいますか?

 ところで北条さんは、音楽もさることながら映画がかなりお好きのようですね。私の息子も
そういう傾向があり、WOWOW をやはり観ております。私は音楽に神経を集中して聴く方なので、
現在のBS放送の音質がどの程度かはよく分かりませんが、デジタル伝送の問題だけを考えれば
かなり上質なものと想像できます。

 同様に、FM放送もアナログではあってもかなりの伝送品質をもっている事は承知しておりま
す。FM東海(現在のFM東京)が試験放送を開始した頃は、自作FMチューナーから流れっぱなし
の音楽を凄く感激して聴いた憶えがあります。当時アマチュアはLPの再生にはクリスタル・ピ
ックアップを使うのが常識でしたから、ムービングコイル(MC)型やバリレラ型ピックアップを
使っていた放送局のLP再生は、本当にいい音に聴こえたものです。

 また、ベルリンフィル、ウィーンフィルなどの海外有名オーケストラが来日するとNHK-FMで
はよく生中継なるものを行っていましたし、国内ジャズバンドをスタジオに招いて生放送もし
ていました。それこそ本当にいい音だと思いましたし、カセットデッキに録音してもその良さ
は満喫できたのです。
 
 ところが時が経って、放送局が音質より時間内に番組をキッチリ終える事を重要視するよう
になり、音楽番組であっても生でLPを再生するのではなく、放送用録音テープに予め録ったも
のを流すようになったのです。それは、音楽が流れだす直前に僅かなテープヒスが聞こえ出す
のですぐ分かりました。

 こうなると音の鮮度は落ちて、FM放送の魅力も半減してしまったのです。その頃は既に良質
なMC型カートリッジを持っていましたので、ソースにFM放送を使う事を諦めてしまったのです。
それ以来LPやCDの収集に専念して、そのまま現在に至っています。それから何十年も経ってい
ますし、FM放送とBS放送では事情も違うと思いますが、是非、現在の放送がどのような形態で
行われているか知りたいところです。

 北条さんが、WRアンプで聴くFM放送は生々しく圧巻だと仰っているので、現在のFM放送は生
でソースを流しているのかな、とも思っています。この辺りの事情をお知りの方は是非ご披露
して頂けませんでしょうか。


* * * QUAD LITE に関する補遺 * * *

 前回の稿で重要なことを書き忘れたので、ここで補足させて頂きます。それはQUAD LITE の
バスレフポートに息子が、一種の音響抵抗と考えられるティッシュ・ペーパーの丸めたものを
詰めたのですが、それが全体の奥行き感などを感じさせる大きな要因になっていた、という事
実です。

 小型SPはどうしても容積が足りない為に、低域に共振峰を作って低音の出方を増やしていま
すが、これは両刃の剣であり、一方で低域の過渡特性を悪くします。分かり易く言えば、低音
の量感は増えても、低域の質はブーミーになるのです。そしてそれが全体のプレゼンスを悪く
している事がよくあります。日本人の多くは低音音痴だと言われ、それを余り気にする人は少
ないようです。

 その点、ヤマハは昔から密閉箱を多用しているようです。NS-1000Mやテンモニはその代表的
な存在でしょう。密閉箱は低域の特性が早くから落ちてしまいますが、低音の質は良く、従っ
て全体の感じもスッキリするので、密閉を好んで使う人も中にはいますが、それは少数派では
ないでしょうか。

 B&W805MATRIXはバスレフですが、中に楔状の音響抵抗が詰められており、余りブーミーさを
感じさせませんが、最近のスピーカーはその辺りを自分で選択できるように、ポートの中に差
し込めるポリウレタンのようなもので出来た詰め物を付属させています。

 好みによって使い分ければよいのですが、さすがに超小型SPには付いてきませんでした。し
かし、息子は少し聴いただけで迷わずティッシュを詰め「これでモニターできる音になった」
と言ったのでした。私はその状態で「ラフマニノフP協2番」が素晴らしいと思ったのですが、
後日、試しに詰め物を取り去ると、昔から気になっていた低音のブーミー感がQUADからも聴こ
えてきたのです。

 確かにバスレフポートを音響抵抗でダンプすると、低域共振峰は低くなってしまいますから
低音の量感は減るのですが、全体がスッキリして演奏会場が見渡せるような音になる可能性が
あります。これは好みの問題だとは思いますが、私はたとえ低音が増えても全体が濁った音に
なってしまっては、音楽を楽しめないと感じました。「ラフマニノフP協2番」が良い例とな
りました。

 皆さんのスピーカーはバスレフではないですか?  

568北条さん(会社経営) Tue Jan 16 14:24:16 JST 2007
川西先生ありがとうございます。
楽しみにしております。

デンオンアンプもすべて整理し、WR以外では今はヤマハのデジタルアンプのYPC1と
MX-D1のみです。
理由は省スペース、軽量化からと必要最小限、最低限のみのシンプル化への移行で、
CD、DVD等も最近は殆どメディアから視聴することはなくなりました。
それまではレンタルビデオの常連でしたがWOWOWに加入し、更にハイビジョン録画
対応機器を購入してからというものこれらを録りためては視るということが重なり、その
必要がなくなったのです。
それにしても、WOWOWの精度は高くDVDより上質の送信ですし、音声についても
優るとも劣りません。
加えて、FMチューナーもアキュフェーズのT1000ですからこれまたCD並のクォリ
ティーゆえ、ますますもってこれまでのような大きくて重い機器は不要になりました。

おそらく、かつて山水が提唱して消えた4チャンネルのようにDVDオーディオもSACDも
従来のCDの間に埋没し、その後は上記のようなオンデマンド式に移行するのだろうと
思います。
これも、デジタル技術の送受信の精度の高さがなせる結果ですね。
一昔前には想像もつきませんでしたが大変便利になり、重宝してます。

ただ、そんな中でもひとつだけ解決していないのがアンプの分解、解像能力で既存のメー
カーアンプでは得られないものがWRにはあります。
アナログアンプではありますが重量はデジタルアンプ並の軽さですから、音楽再生
に関しては現状ではWRアンプ以上の秀逸で軽量なものはないと思います。

BTLとかその他未知数の課題はあるようですがそれはさておき、単体使用においては
上記の通りですので皆さんもよければアキュフェーズのT1000でFM放送を聴いて
みてください。
WR(αゼロとプリ)で聴くクラシックはその楽器の質感も含めて生々しさは圧巻です。
優れた製品のコンビならではのものですがホントに凄いですよ。
ノイズのない静寂の中から浮き出るその音は何度も録音のよいCD演奏と錯覚したもの
です。

この度のMOS-FET東芝も違ったジャンルでこのような完成度の高さを期待して
発注したものです。
メーカーでもディスクリート構成の廉価アンプはありますが、ディスクリートイコール
良なのではなく、各所に適材の優秀な部品を載せることが可能な仕組みがディスクリート
ですから秀逸な回路構成、部品搭載を施したディスクリートができるのはWRのみかも
しれません。

αゼロとプリをお持ちの皆さんは是非、アキュのチューナーでNHKFMを聴いてみては
いかがでしょうか。
FMのよさとWRの精度の高さを再認識できると思います。  

567川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Sun Jan 14 20:00:00 JST 2007
北条さん、WRP-α4MOS/Tカスタムをご注文頂きましてありがとうございます。

 北条さんには既にWRプリと組み合わせてWRP-αZEROをお買い上げ頂いており、特にクラシ
ック音楽を再生した場合のαZEROの素晴らしさを、機会あるごとに説いて頂いており、本当
に感謝しております。北条さんのコメントを読まれてあとに続かれた方も多いかと思われま
す。

 今回は、平野紘一氏のアイデアとWRの技術がコラボレートして作り上げられたα4MOS/Tの
WRプリ内臓によるカスタム品をご注文頂きました。北条さんの持論であられるWRプリを通し
た再生音の優位性を、今回もカスタムで実現されようとなさっており、その確かな洞察力に
敬意を表したいと思います。

 WRP-α4MOSは当初日立のパワーMOS を搭載してスタートし、人気も上々でしたが日立の石
が入手し辛く、直ぐに売り切れてしまいました。その後、平野氏が山水時代に開発していた
アンプに搭載され、素晴らしいパフォーマンスを示した東芝のパワーMOS に載せ替えてWRP-
α4MOS/Tとして限定発売され現在に至っております。

 しかし、正直に言って日立の石を搭載したものに比べて売れ行きは良くありません。これ
がネームバリューと言うものが成せる業なのかと思いつつも、技術屋として多少理不尽さを
感じている次第です。我々もその事を考慮してプライスダウンしているのですが、それでも
埋まらぬ溝があります。アンプはパワーMOS のメーカーが違うだけです。東芝の石は日立の
石の存在を知った上で、あとからオーディオ用に開発されたものです。

 だからアンプとしての技量が日立のパワーMOS を積んだものに勝るとも劣らないのは当然
なのです。是非、このWRP-α4MOS/T に頑張って貰いたいと思っていた矢先に、北条さんから
カスタム注文のオファーがあり、流石にアンプを見抜く力にかけては長年のご経験が生きて
いるなと感心致した次第です。今回はクラシック以外の音楽を主にお聴きになる目的だそう
ですが、多分その期待に十分応えてくれる事と思います。

 平野氏は今回のカスタム品の為に1台予備実験をしたくらいですから、かなり力が入って
います。α4MOS/Tに使うブロックケミコンにも色々な種類があり、それらによっても、又パ
ワーMOS に加える電圧やアイドリング電流、さらには高域補償などによっても音の傾向が色
々と変わるようですから、北条さん用に最適な解をきっと見付けてくれるものと思っていま
す。この辺りにカスタム品の優位性があります。

 北条さんのα4MOS/Tが出来上がり、ご視聴になられた暁には、この場において詳細なレポ
ートが報告さるでしょう。α4MOS/Tに触手を動かしながらも迷われている方は、その時こそ
是非決断して頂きたいと思います。何れにしてもお買い得なアンプには変わりはないと思い
ますので、東芝の石を是非信用して頂きたいと思います。


* * * QUAD LITEのその後について * * *

 前回の視聴はB&W805MATRIXが置いてあったところに設置した為に、スピーカーの大きさの
割りには、2つのスピーカーの距離が離れ過ぎていたようです。あれから息子にも視聴して
貰ったのですが、これではモニターには向かないと言うことで、MATRIX用スピーカー・スタ
ンドに乗せ替えてもう少し2つのスピーカーの位置を近づけ、さらに指向性を考慮して、聴
き手の方にスピーカーの方向を正しく向けるように設置し直しました。まさしく四畳半で聴
くような寸法感覚です。

 これでQUAD LITE の良さが発揮されるようになり、オーケストラなどの奥行き感や、室内
楽奏者の距離感などが、かなり正確に把握できるようになったとの事でした。これならヘッ
ドフォンでモニターしても分かり難い、奏者相互の位置が適当かどうか、奏者とマイクの距
離が適正かどうかなどがよく分かると言う結論になりました。

 また、ヘッドフォンだと高域が十分録れていると思っていたのに、現実には倍音が余り入
っていなかった、などと言う失敗も少なくなるのではないかと言う事でした。スピーカーの
方がそれだけ厳しい音でモニターできると言う事です。

 それにしても、前回の報告でも書きましたが、中高域の音に多少硬さが感じられます。エ
ージングが進めば解消される類のものと思っていたのですが、どうもスピーカーのせいだっ
たようです。実は、片側のツイターが鳴らないと言う新品不良があり、展示品を一時借りて
鳴らしていたのです。

 週末に替えのスピーカーが入荷したと言う事で取り替えてみると、どうも印象が少し違い
ます。硬いドライな感じが改善されていて、どっちがエージングされたスピーカーだか分か
らないような感じでした。これが何の為に起きたのか推量の範囲ですが、
1.展示品は初期ロットで、その後に予告なく部品が交換された。
2.展示品を鳴らしてるアンプによって、ヘンな音にエージングされてしまった。
3.あくまで個体差であった。
などの理由が思い当たりました。

 1について十分可能性はありますが、そういう場合メーカーは公表しないのが普通です。
従って真偽のほどは分かりません。2は少し科学的でないところがありますが、WRユーザー
である後輩が次のような事をよく言っていました。曰く「へんなアンプで鳴らすとスピーカ
ーの音がおかしくチューニングされる」と、また「WRアンプで暫く鳴らしたら、段々元に戻
った」とも言っていた事があります。私自身は経験していないので、何とも言えませんが皆
さんはご経験お有りでしょうか。3については、左右とも個体差があったとはちょっと考え
難いと思っています。

 何れにしても音が良くなったので文句はないのですが、逆でなくてよかったと胸を撫で下
ろしたのでした。最近聴いていたCDなどをいろいろ聴いてみましたが、随分練れた音に聴こ
え、超小型スピーカーが有する厳しさが少し和らいだと感じました。そこで、これまでどう
も思うように再生された事がないCDを思い出しました。

 それは、中学の時に初めて聴いて魅せられてしまった、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2
番です。「のだめカンタービレ」の時にも書いたので重複しますが、中学以降一時忘れてい
たその音楽に再会したのは、大学入学後だったのです。演奏はピアノ独奏がジュリアス・カ
ッチェン、指揮がジョージ・ショルティ、オーケストラがロンドン交響楽団の英デッカ録音
です。

 当時、文化放送で放送されたものを自作テープレコーダーに録音して聴いていたのですが、
それでも十分にHiFiに聴こえたのでした。演奏は言うまでもなくもの凄くシンフォニックで、
メランコニックなメロディーに似合わぬ強引な演奏が堪らなく魅力的に聴こえました。

 それ以来、この演奏以外はラフマニノフのP協2番ではない位に思って、他の演奏を買う
気にならなかったのです。これまでに輸入LPで発売されているのを見付けて買ったり、CDに
リマスターされたものを買ったりして聴いてみましたが、今一ついい音で鳴ってくれなかっ
たのです。1958年録音ですから仕方ないとは思うものの、昔のイメージを何とか再現したい
と常々思っていました。

 今回ダメ元でこのCD(KICC-8482) の方を再生してみて吃驚しました。ピアノやオーケスト
ラの配置感もよく分かるし、弦も比較的綺麗に聴こえます。当然ながらブーミーだった低域
も気になりません。どう聴いても1958年録音には聴こえないのです。最近の録音だと言って
も騙される人が続出しそうです。

 このCDが昔のイメージに勝るとも劣らない状態で再生できただけでも、このQUAD LITE を
買った甲斐があったと思っています。これからまだまだこれに続くCDが出てきそうです。楽
しみが一つ増えたことは事実のようです。   

566北条さん(会社経営) Fri Jan 12 20:43:44 JST 2007
α4MOS-Tカスタムを注文しました。

きっかけはこの掲示板の、その12の479番の書き込みにあるマロリーさんの感想が私の
希望と一緒だったからです。
特にマロリーさんの希望内容がピッタリであらゆる音楽に対応したものというのに魅かれ
ました。
ゆえに、違いはBTLもバイアンプ駆動もしない私としてはこれらの切り替えがないことと
MOSが日立と東芝というだけでマロリーさんがお買い上げになったものと同レベルのもの
となっております。

唯一違うのはマロリーさんは他メーカーのプリを接続してお聴きになっているということ
でこの点は私の方はWRプリの基盤を追加内蔵させていることで、これでカスタムとなって
いるくらいです。

初めカキコをみるとパワーをプリメインとして使用している感想と思っていたので少し
戸惑いましたがWRのプリで統一する分その点は心配ないだろうと思い、完成を楽しみに
している次第です。

クラシックについては初期のαゼロとプリで満足しておりますのでその他のジャンルに
ついてのある意味試金石となるかもしれませんので、ひと月ほど先になりますがそのとき
にまた、感想を書きたいと思います。  

565川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Tue Jan 9 20:14:00 JST 2007
超小型SP、QUAD LITEを購入して

 録音時にヘッドフォンでモニターすると、両耳効果の為か大体は良い音に聴こえてしまいま
す。しかし、そのつもりで録音し出来上がりを聴くと裏切られる事がよくあります。やはり最
終的にSPで聴いて楽しむものは、録音現場でもSPでモニターすべきであると常々思っていまし
た。

 B&W805MATRIXはその意味で格好なSPなのですが、録音現場にはマイクプリ、マイクスタンド、
パソコン、ハードディスク、各種ケーブル一式、台車等々を運ぶ必要があり、結構な荷物にな
ります。そこに小型とは言えB&W805MATRIXを2本持参するのは大きな精神的重圧になり、これ
まで実現しないまま推移してきました。そこで、もう少し気軽に運べるSPが欲しかったのです。

 一方、先日東山さんから超小型SPをWRアンプでどの程度鳴らせるものか、というご質問があ
り、これはWRアンプユーザー共通のご興味かと思いましたので、正月休みに息子と一緒に近く
の量販店でいろいろ物色して見ました。横幅が150mm 以下で軽く運べるという必須条件を満た
すSPはそれ程多く展示されてはいませんでした。

 それでALR/Jordan Classic1 とQUAD LITE を聴かせて貰う事にしました。使用CDプレーヤー
はマランツの最高級SACDプレーヤーSA-7S1、使用アンプはアキュフェーズのプリメイン E-408
でした。ソースはお店にあったグラモフォンのCDと、先月録音してきたばかりのピアノによる
「ベト7」をかけて貰いました。

 何時もB&W805に慣れた耳には、同じケブラーコーンであるQUADの方がよりナチュラルでモニ
ターSPに向いていると思いました。Jordanはソフトで聴き易いと思いましたが、今回の目的に
は合わない感じがしました。それにしても、何時も聴いているピアノの音とは異質で、倍音が
綺麗に聴こえません。アンプのせいなのか、OFC 系ケーブルの為なのか、QUADが辛うじてそれ
らしく聴こえましたので、QUADに決めました。6Ωで86dB という能率もまずまずでしょう。価
格も片手で買えるので手頃です。

 参考に少し大き目のB&W DM600 も聴かせて貰いましたが、中抜けの力の無い音に聴こえまし
た。確かに低域は少し豊かな気はしましたが、肝心の中音域に力がないとお話しになりません。
やはり楽器の音響エネルギーが集中する中音域が一番大切なのです。低音が豊か、高域が伸び
てる、と言う以前の話しだからです。流石のB&Wでもやはり安いものはダメなようです。

 実は我々の前に先客が居てB&WのCM-1 を中心に、7万円前後のCDプレーヤー及びプリメイン
と組み合わせて音を出していましたが、正直酷い音だと思いました。お客と店員が席を外した
ちょっとした隙に「ベト7」をかけて見ましたが、全く別の録音に聴こえました。B&W のせい
ではないはずなので、多分プリメインのせいだと思われます。見た目には豪華に見えるメーカ
ー製プリメインは要注意です。それでも良い音だと感激していたお客さんのその後が気になり
ました。こうして迷える子羊が生まれて行くのでしょう。
 
 さて、QUADを持ち帰ってキットアンプと組み合わせて聴いて見ましたが、お店で聴いたより
音がきつく聴こえました。特にクロスオーバー周波数辺りに「キリキリ」する音が聴こえます。
低音がB&W805より出ないのは仕方ないにしても、耳につく音は頂けません。最初は気楽にやろ
うと思い、SPケーブルに平行ビニール線を使い、SPも何時も台として流用している中型SPの上
にただ置いただけでしたが、やはり本気でやらないといい音は出ないようです。

 それでSPケーブルを、MITSUBOSHIの電源ケーブルに120Ω を付けたものに交換し、SPをただ
置くだけでなく、B&W805と同じように地震対策用粘着シート(3cm四方で厚み5mm)を四隅に張
って固定して聴いて見ると、見事に「キリキリ」音は消失し、いい感じで鳴るようになりまし
た。SPボックスの平面度は知れているので、ただ置いただけでは密着しないのでしょう。それ
で変な振動が起きていたと考えられます。この状態でSPを片手で持って揺すると、台になって
いる中型SPごと揺れます。完全に一体化している事が分りました。

 もう一つ大切な事があります。最近の2waySPの殆どはウーハーとツイターの端子が別々に出
ていて、バイワイヤー接続などができるようになっています。問題はこれを1台のアンプで鳴
らす場合に、アンプからのケーブルをどちらの端子に接続するかです。ショートバーの電気抵
抗は僅かなので、どちらでも音は変らないように思われますが、実際は微妙に違って聴こえま
す。今回はウーハー側に接続した方が音が落ち着きました。B&W805MATRIXの場合はツイター側
の方が良いのですが、原則的には煩く目立つSPの方に接続すると良いようです。

 QUADの持てる力がフルに発揮できるようになったところで、いろいろ聴いて見ましたが、ど
うしてもこれまでのB&W805と比較して聴いてしまうので、特にオーケストラものを聴くとスケ
ールがちょっと小さく聴こえるのですが、これは物理的に仕方のないところです。その割には
よく鳴る方ではないでしょうか。何しろ低域が70Hzまでですから、深く沈む低音は望むべくも
ありません。こう言う時αZEROやβZEROのような安定化電源を積んだアンプで聴きますと、持続
的に一定のエネルギーが供給できますので、多少スケール感を補う事ができます。

 それでも低音が明示的に入っているJazzや小編成の室内楽、ピアノは結構なプレゼンスを醸
し出してくれます。このSPなら4畳半でも十分置けますし、またさり気なく本棚にSPを置いて
聴く事もできそうです。キットアンプと合わせて11、2 万円ならお買いになる方も揃え易いで
しょう。確かにCDプレーヤーも大切ですが、プリやパワーアンプよりは罪は軽いと思いますの
で、取り敢えずはお手持ちのCDプレーヤーを使う事ができると思います。

 QUADはコンデンサーSPで有名なメーカーですから、やはり音造りも明快な音が志向されてい
るようです。そう言う音が好みの方にはお勧めできる代物です。まだ試していませんが、低域
の量感以外は十分モニターSPとして使えそうなので、ヘッドフォントと併用すればより的確な
モニターができるようになると思います。  

564川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Sat Jan 6 15:08:02 JST 2007
日比さん、αZEROの高速化やMCヘッドアンプ等のご購入ありがとうございます。

 今回、日比さんにはWRP-αZEROの高速化と、バッテリー駆動型MCヘッドアンプWR-αMC/BD
及びそれらの結線に必要なライン・ケーブルWR-αC110 2本をお買い上げ頂きまして、誠に
ありがとうございました。

 高速化については、視聴会でご体験になった感じがご自宅でもほぼ再現されたようで、私
も安堵致しました。ハイエンド・オーディオでは環境が変ると、全く逆の印象になる場合が
有り得るなかで、これまで何人かの方からも同様な感想を頂いており、これでαZEROの高速
化は概ね定番になったかなと思います。

 また、その一部にラインケーブルの効果もあったようですが、日比さんのお口から吐露さ
れたOFC 系ケーブルの存在は少し意外な気も致しました。しかし、人それぞれの事情もあり、
これが現実なんだと理解しております。

 MCヘッドアンプは凄く快調のようで嬉しく思っています。オリジナルは安定化電源駆動で
すが、どうしても高額になってしまう為、平野紘一氏の発案でバッテリー駆動型もご用意さ
せて頂いております。最近、携帯電話やウォークマン等の普及から、小型で長持ちのする電
池が種々開発されていますが、平野氏の実験によると、結局音が一番良いのは鉛蓄電池であ
る事が判明しました。私も安定化電源と有意な差はないと判断しました。

 その理由は電池の内部抵抗にあると思われます。未だに車のスターターに使う電池には鉛
蓄電池が使われている事からもお分りになると思いますが、これがもっとも内部抵抗が低い
電池であると考えられます。MCヘッドアンプから見れば、電源インピーダンスを最も低くで
きる電池なのです。幸いLPを10数枚かけても殆どバッテリーの減りは無く、使い勝ってもそ
う悪くはなさそうなので良かったと思います。

 バッテリー駆動の良いところは、ハム・フリーである事です。安定化電源ではどうしても
電源接続ケーブルなどの関係から、ハムを皆無にする事は難しいのですが、その点バッテリ
ーは基板と同一シャーシに納められるので有利に働きます。昇圧トランスも置く向きによっ
てはハムを引きますので、この特長はバッテリー駆動型ヘッドアンプの独壇場です。

 音質は日比さんが仰る通りです。昔、ヘッドアンプが流行った頃は帰還アンプに問題があ
った為、結局成功した機種は殆どなく、何時しか昇圧トランスに駆逐されて今日に至ってい
ますが、負性抵抗を排した、正常に動作する帰還アンプが用意できるなら、ヘッドアンプに
はトランスに勝るポテンシャルが秘められています。

 私は相当前からLPは自作ヘッドアンプで聴いてきましたし、それがベストと思って来まし
たが、今回やっと日比さんにその一端を理解して頂く事ができて本当に良かったと思います。
ヘッドアンプの良さの一つは、録音された音場感がアナロガスに再現されるところです。楽
器個々の音質もさることながら、例えばオーケストラ全体の遠近感や楽器同士の距離感など
の再現が非常に正確だと思います。この点はお聴きになる音楽のジャンルによっては、あか
らさまに表に出ない事もありますから、追々お分りになって頂けるものと思います。

 これでWRのMCヘッドアンプも第三者の方に公の場で認知された事になります。未だ昇圧ト
ランスでお聴きになっている方が居られましたら、価格は標準的な昇圧トランスより高価で
すが、それだけの効果は絶対にありますから、是非お試しになって頂きたいと思います。ど
うせLPをお聴きになるのなら、溝に刻まれた信号を100%引き出して見ては如何でしょうか。
WRのヘッドアンプはそれを力強くサポートします。

 それから、雑誌オーディオ・アミーゴVol.10の件ですが、あれは編集者の方と私の合作の
結果です。お読み頂いてありがとうございました。


* * * 江原さん、音楽会のプログラムご紹介ありがとうございます * * *

 プログラムをざっと拝見させて頂いて目に付いたのは、クリュイタンス、クレンペラーそ
して小澤です。クリュイタンスは私も7番を若い時に聴いて凄いと思いましたし、割りと最
近全集も購入しましたので、どれも素晴らしい演奏だと思っています。録音は50年代が殆ど
ですが、今でも十分楽しめる音質だと思います。

 クレンペラーのベートーベンは殆ど買った事がないのですが、モーツァルトの40番はいい
演奏だと思いますし、盤鬼西条氏が推薦していたメンデスゾーンの「真夏の夜の夢」も素敵
な演奏だと思います。クレンペラーの録音も60年前後のものが多いですが、意外に良い音の
ものが多いと思います。クリュイタンスもそうですが、これら古い録音の再生にWRアンプは
威力を発揮します。不安定帰還アンプに取っては致命傷になるような信号が、古い録音には
多く含まれているからです。

 小澤のベートーベンは正直なところ殆ど持っていませんが、ニュー・フィルハモニアとの
第九はLPで何枚か買いました。確かな事は忘れましたが、一部に不備があり買い直した記憶
があります。グラモフォン時代の小澤は良かったと思いますし、事実かなり多くのLPやCDを
持っています。指揮者は円熟すると言われますが、私は油の乗り切っている時の元気の良い
演奏が好きです。

 WRのEQを生かす為にCDに頼らずに、これらのLPを再生してPCM 録音機に取り込まれて聴い
て居られる姿に感心致しました。それがCD再生より音が良ければ言う事がないと思います。
私はそこまでやる勇気はなく、原則的にLPしか手に入らないものしか聴いていません。

 例えば、カラヤンの「オテロ」はLPに入っていたバレエの場面が、CD2枚に無理やりに詰
め込まれた為にカットされています。カルショウが生きていれば憤慨したと思いますが、こ
のような場合は、江原方式でデジタル化し、CDを編集して完全盤も作れると思いました。

 今年の音楽会は例年より高音質でお楽しみ頂けたようで何よりと思います。偶々来られた
オーディオには無縁のお客さんの感想も、案外当たっているのではないでしょうか。日比さ
んの奥様の鋭いご意見はさることながら、お子様の感想も案外当を得て場合があるようです。
昔の話しで恐縮ですが、この掲示板の「その1」に登場する八尋憲太郎氏のお子様はWRアン
プの音の良さをズバリ指摘されたそうです。

 長い間時間をかけて音の調整をしていると、何が何だか分らなくなる時があります。そう
いう時は、誰か第三者に意見を求めて見るのも良い方法だと思います。それがオーディオに
全く無縁な人であっても、第一印象は案外当たっている場合があるものです。   

563江原 常夫さん(自営業) Fri Jan 5 21:57:24 JST 2007
 川西様、交響曲の情報を有難うございます。

 追記します。私が聴いたベートヴェンの交響曲は次のものです。

1番:クリュイタンス/ベルリンフィル
2番:クリュイタンス/ベルリンフィル
3番:ワルター/コロンビア
4番:クレンペラー/フィルハーモニア
5番:小沢/ボストン
6番:セル/クリーヴランド
7番:スウィトナー/ベルリン・シュターツカペレ
8番:クレンペラー/フィルハーモニア
9番:小沢/ニュー・フィルハーモニア

 総てレコードですが昨年の夏から暮にかけて時間を見つけてはちょこちょこと録
音(下記の①②)したものです。録音したものをパソコン上で編集してデーターを一
気に録音機に取込み再生しました。ソースはCDの方が楽ですが、せっかくのWRプリ
(EQ内蔵)ですのでレコードに拘ってみました。EQですが驚く程の低雑音で気に入っ
ています。

 1番から9番迄を通して聴いていますとドラマを感じます。まるで9番に向かって
時にはゆっくりと時には疾走している様です。交響曲は弱音部と強音部の差が激し
いので、其れが有るからこそ弱音部に耳を傾けてしまいます。WRアンプに常々感じ
ている事は大人しい音です。実はこれが重要な事だと思っています。静かさの中か
ら和音や低音が広がる感じがします。私が気に入っている箇所です。昨年(2006年
1月3日)と比べますと満足しています。早くも、来年の曲を考えてしまいます。

 朝からWRアンプは14時間稼動していましたがWRパワーの天板がほんのりと暖かく
なる程度でした。結局、1番から9番迄を二順しました。

 途中、電話そして知人が訪ねて来ました。応接間に微かに自室から音楽が流れて
来ます。興味を示しましたので自室に移動し、リクエストされて、映画音楽そして
FM放送(邦楽をやっていた)を聴きながら近況や世間話に花が咲きました。オーディ
オに無縁の知人ですが「良い音だ」と言っていました。

 ①録音機 ソニーPCM-D1
 ②レコードプレーヤー リンLP12+K9(MM型)  

562日比さん(公務員) Fri Jan 5 20:32:53 JST 2007
皆さん、あけましておめでとうございます。

 さて昨年末の12月30日にハイスピード化されたαZEROとバッテリー駆動ヘッ
ドアンプ、シールドケーブル2本が届きました。平野さんありがとうございました。そ
れぞれの印象を記そうと思っていましたが、全部いっぺんに取り替えましたので、個々
の機材をどうこうは言えなくなりました。それで、これまで聴いてみたおおざっぱな感
想を書いてみることにします。

 ハイスピード化でまず最初に感じたのは中高音域の変化です。以前、この掲示板で、
八王子の試聴会から帰って、我が家の音を聴いてみて、少しくすんだ印象だったと書い
たことがありました。試聴会とはスピーカーも違うことだし、ちょっと表現に適切さを
欠いたかな、とも思いますが、今回、改造後の音を聴いてみると、中高音域が輝きを増
した感じに聴こえ、張り切った感じで鳴っているように思います。ああ、やっぱりこれ
だったか、と納得したのでありました。ハイスピード、という表現が当たっているかど
うかは僕にはわかりませんが。その分、低域がちょっと薄れたようで、あれ、とはじめ
は思ったのですが、聴いているうちにそれは気にならなくなりました。ここのところは
以前、多田さんが仰っていたのと違うかな、とも思います。やっぱり、これは好みで選
択するものだろうと感じます。

 当たっているかどうか自信はありませんが、音の粒子がいくぶん細かくなっているよ
うにも思います。もちろん比喩として、ですけれど。私のつれあいなどは、あるCDを
聴いて、こんな音が入っていたっけ、などと驚く場面もありました。この人は高域に敏
感で、どこかで装置の試聴などしていて、刺激的な音で鳴っていたりするとすぐに指摘
します。もしかするとラインケーブルを換えた、ということも影響しているかもしれま
せん。以前のは、まあ、OFCの物だったわけですから。
 背景の静寂感も以前に増して際だったようにも感じます。

 いずれにせよ、出資した分の満足感は十分にあると申し上げておきましょう。

 それから、ヘッドアンプを通して聴くレコード、これはいいです。ノイズ感は皆無、
明らかにこれまで使っていたトランスより、音の鮮度が数段上がります。歯切れも良
く、クリアーな印象。雑味やひずみ感も皆無。特にピアノが美しい。川西先生は音場の
ことを言われていましたが、これまでのところ、それは僕にはよくわかりませんでした。

 このヘッドアンプでこれまで聴いたレコードは16~7枚程度になりますが、充電し
ようと思ったところが、まだ大して減っていなくて、さほど手間のかかるものでもなく、
商用電源から隔離されるというメリットもあるので、これも良い選択だったと考えてい
ます。

 ところで、遅くなりましたが、9月の試聴会でご一緒した宮崎・Yさん、僕はFAL
のスピーカーを聴いたことはありません。二言三言お話をしましたが、僕はひげのポニ
ーテイルです、と申し上げれば思い出していただけるでしょうか。またお会いしたとき
には、今度はゆっくりお話ができればと思っています。

 さて、この間、掲示板の516で川西先生が触れられていたオーディオアミーゴ10
号を手に入れました。一般のオーディオ情報誌とは毛色が変わっていて面白いと思いま
した。WRのお二人と、お世話になった相島技研さんの記事もあり、興味深く読みました。
この中に宮崎・Yさんが使用しているFALの古山氏も採りあげられていて、さらに平
面スピーカーの試聴記、開発者である景山さん親子の紹介もあり、なかなかの目配せだ
なあと感心しました。これを読むと、是非景山氏の平面スピーカーを体験してみたくな
ります。

 川西先生の記事のエンディングは含みがあっていいですね。もう一つのほうの「いま
ブレイクしそうな、超高級パーツを使った半導体のアンプ」というさりげない紹介と評
価もいけてる感じです。地味ですけれど、志のある雑誌だな、と思いました。

 雑駁な文になりました。本年もよろしくお願い申し上げます。  

561川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Thu Jan 4 23:00:00 JST 2007
飛鳥さん、江原さん、下河さん、ご投稿ありがとうございます。

 少し遅くなりましたが、皆さん新年明けましておめでとうございます。今年もWRアンプを
よろしくお願い申し上げます。

 飛鳥さん、WRアンプへの高い評価ありがとうございます。そのWRアンプをIVコンバーター
などに使ったCDプレーヤーが実現なくて残念ですね。私も、もし実現できればCDプレーヤー
の音はもう少し良くなると密かに思っています。特に市販の安いものは、ビニールのような
粘っこい、湿った音がします。

 私が使っているTEACのDV-15の音も、アキュフェーズのDC-91に比べると少し鈍い気がしま
すが、許せる最低ラインかと思っています。ですから、SACDでサラウンドを楽しむ時以外は
どうしてもアキュフェーズで聴く事になります。

 ところでアキュフェーズの高級プリであるC-290 をお使いのWRユーザーの方のお宅で、WR
プリとの鳴き比べをしたのですが、パワーアンプをアキュフェーズにしようがWRにしようが、
WRプリの方が音が良かったと言う経験をしています。これは第三者の証人も居たので確かな
結果です。

 この事から、これは非常に乱暴な推理ですが、CDプレーヤー又はDAC のIVコンバーター部
とその後のアナログ増幅に適切なWRアンプを使えば、CDの音はもっと良くなる可能性は十分
に残されていると考えられると思います。WRアンプを搭載して見たいと言う奇特なデジタル
エンジニアの方は居ませんか?

 江原さん、ベートーベンの交響曲連続演奏会を毎年お一人で行っていらっしゃるとか、演
奏団体もお聞き出来ると良かったですが、取り敢えず有意義な敢行に拍手を送りたいと思い
ます。特に今年はWRアンプになって初めての演奏会だったそうですが、そのプレゼンスは如
何だったでしょうか。例年より満足されていれば大変嬉しい事ですが。

 概ね6時間という長丁場ですが、亡くなられた岩城さんも生演奏会で頑張って居られまし
た。私はCDを何回もかけ直すのが嫌なので、DVD オーディオ1枚に纏めてあります。ですか
ら、やる気になれば仮に途中で眠ってしまっても最後まで到達できるのですが、最近はそこ
までやる気力に欠けています。

 今のDVD の演奏者は、1番がクーベリック/ロンドン響、2番がコンビッチニー/ゲバン
トハウス、3番がクーベリック/ベルリンフィル、4番がクーベリック/イスラエルフィル、
5番がショルティ/ウィーンフィル、6番がワルター/コロムビア響、7番がショルティ/
ウィーンフィル、8番がクーベリック/クリーブランド管、9番がイッセルシュテット/ウ
ィーンフィルとなっています。偶に良い物が見つかった時などに入れ替えます。先日のレイ
ボビッツも非常に良かったので、差し詰め2番を入れ替えたいと思っています。

 下河さん、ユニウェーブに関する詳報ありがとうございます。下河さんはユニウェーブの
ユーザーなので、私よりずっと詳しく、東山さんにも大いに参考になったと思います。これ
は全くの私見ですが、ユニウェーブのリニア・フェーズ、言い換えれば伝達関数1と言う考
え方には100%賛成できますが、どうも錘の印加については納得できないところが正直ありま
す。

 確かに質量が無限大ならば、フレームが機械的に固定されたと同じですから良いと思いま
すが、あくまで空中に浮いているとすれば、ある時間差で必ず反作用がフレームに帰って来
ると考えられるからです。そうだとすれば、フレームがタイムディレーのある反作用の影響
を受けて、自由に動けた時より複雑な振動をするのではないかと思われます。即ち、錘が1
つの質量になり振動の自由度が1つ増える事にならないだろうか、と言う素朴な疑問がある
のですが、ここはユニウェーブの掲示板ではないので、これ以上の深追いはしない事にしま
す。

 正月に入って相変わらずキットアンプの詰めを急いでいます。一つ良いアイデアが浮かび
結果も非常に良いので、3月までに発売する予定のバランス入力対応の高音質パワーアンプ、
WRP-αZERO/STUDIO にも採用したいと考えています。念の為、そのモニターを愚息に頼んだ
ところ、プロの耳からもOKサインを貰いました。キット共々ご期待下さい。  

560下河さん(研究者) Thu Jan 4 14:16:29 JST 2007
ユニウェーブについて

  私もカロッツェリアSPによるユニウェーブ方式を使っていますから、ユニウェーブ
についての理解を述べておきましょう。(1) 重りをSPの背面に取りつけるのは、ボイ
スコイル振動によりフレームが振動することを抑え、ボイスコイルに加えた振動エネ
ルギーをそのままコーン紙に伝えようとするものです。したがって、その効果は低音
ばかりでなく全周波数域に影響がある筈です。これは低音SPばかりでなく、中音SPや
高音SPにも重りをつけていることから判ります。これによりピュアな音の再生が原理
的に可能になる筈です。また一般のSPでも、マグネット・アセンブリの大きいSPは重
りを追加したのと同じ効果があり、音色も似ています。(2) 通常ユニウェーブ方式は
小型密閉タイプのボックスを使用しています。これではどう頑張っても低音は出にく
くなりますし、抑圧された重たい感じになります。よほどコーン紙の質量を大きくし
ハイパワーアンプを使用しないとこの傾向は残るでしょう。これを上記の重りでかな
りカバーしていることは事実です。(3) SPとボックスはフェルトを介して取りつけら
れていますが、これもボックスに振動を伝えない効果があります。(4) ユニウェーブ
kit-201はフルレンジSPでなくウーハーを使っていますが、ボックスが小さい密閉型
ですから低音側はかなり早めに落ちていると思います。このままでは低音が淋しいの
は当然です。しかし東山さんの言われる「もっさり聞える」という表現は良く理解で
きませんが、低音が淋しい上に、ボックスが小さいためやはり抑圧されて聞える所為
でしょうか。
  そこでどうすれば良いかですが、カロッツェリア・ユニウェーブSPではプリアンプ
とメインアンプの間に低音上昇フィルターを挿入して、低音の音圧低下を補正してい
ます。しかしこれでもかなり不満な状態にあります。その後の高橋氏は低音自由自在
と称して、さらに大幅な低音上昇フィルターと上昇し過ぎて困るf0共振周波数範囲を
引き下げるためのノッチフィルターの両方を挿入して、SPのフラットな低音範囲を広
げる試みをしています。これはそもそも己波氏のアイディアのようで、SPの音圧-周
波数特性として平坦部を拡大しようとする考え方です。ここまでは私も試みています
が、これによりかなり改善されます。しかしもっと軽やかな低音が出て欲しいと感じ
ますけど、これ以上はブリッジ方式のMFBに頼る必要があると考えています。これは
そう簡単でないため、まだ手をつけていません。
  なお高橋氏によるLo-D HS-500をベースとしたユニウェーブと川西先生によるWRア
ンプのBTL接続によるジョイントコンサートは、私も聴かせてもらいましたが、SP
ボックスが大きくウーハーが20cmということもあり、低音も含め全体的にかなり満足
のいく再生ができていたことをつけ加えます。

559江原 常夫さん(自営業) Wed Jan 3 20:58:59 JST 2007
 新年恒例の私だけのお祭り(?)を今年も行いました。

 今年は交響曲で門出です。ベートーヴェン交響曲第1番から第9番迄の音楽を一日中流
しっぱなしで過ごしました。音量は生活優先で控え目です。システムの変更箇所はスピー
カー、そしてWRアンプに替えた事です。日がな一日、音楽に包まれた生活も良いもので
す。

 皆様、本年も宜しく。  

558飛鳥さん() Wed Jan 3 02:50:58 JST 2007
返信が遅れてすいませんでした。

D/Aコンバーターの件ですが、発売予定は無いとの事で残念です。
どうしても現行CDプレイヤーの出す音の彫り、陰影が実際の楽器よりも浅く聞こえてしまうので、
ウェストリバー回路を搭載したCDプレイヤーか、D/Aコンバーター
があれば最高なのになぁと思い質問してみました。

最近は新規のWRアンプユーザー様の書き込みも増えてきたようで、嬉しいことですね。
現状ではピアノやバイオリンの音をまともに鳴らせるアンプはWR意外に無いわけですから
今年もより多くの方々に聞いて戴きたいです。  

557川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Sun Dec 31 22:52:00 JST 2006
東山さん、スピーカーの低音についてお答えします。

 ちょっと私も誤解したところがあり、ユニウェーブは小口径SPに分類しておりました。
しかし、東山さんはそのユニウェーブの低音が今一つ綺麗に出ない事を問題にされていた
ようですね。

 私がユニウェーブのSPを聴いたのは高橋和正氏宅とWRアンプの第1回の試聴会をラジオ
技術編集室で、ユニウェーブの高橋氏とジョイントの形で開いた時にしかなく、正直のと
ころその正体を詳しくは理解しておりません。ですから、能書きを述べる資格は余りあり
ません。

 ただ、推察するところによれば、重めの実効質量をもつコーン紙を小さめのエンクロー
ジャーに入れたものだとすれば、それをフルに駆動するにはそれ相応のパワーが必要に思
えます。また、低音の出方を補う為にユニットのマグネット部分に大質量の錘を印加する
方式も重い低音を強引に出す為のものであり、ちょっと東山さんがお望みになっている低
音とは方向性が違うように思います。

 実はわたしも高橋氏宅から帰宅する折にお土産に重いコンクリート質量を頂いてきまし
たので、折から実験中のヤマハNS-1000Mのウーハーに付けて聴いて見た事がありましたが、
息子とこの低音は不自然で頂けないと言う話しになりました。

 当時は完全にWRアンプが完成していた訳ではなかったと思いますが、それでもWRアンプ
であった事は事実であり、結局WRアンプには必要ないものと言う結論になりました。今回
東山さんが錘をお付けになってお聴きになったのか、また付けないで聴く事も許されてい
るのか、など不明な点がありますので断定はできませんが、出来れば錘なしで実験された
方が良いのではないかと思います。

 無酸素銅もそうですが、どうも世の中のアンプに合うように作られたアクセサリーは正
攻法のWRアンプには向かないようです。ユニウェーブの本領を発揮できないとすれば少し
残念な事ですが、次善の策で行くしかないと思います。

 WRアンプは、音圧としては余り感じないものの分解能の良い低音、言い換えればスピー
ド感のある低音再生に効果があります。パワーで無理に押し出す低音とは一線を画すもの
だと思います。この辺りも好みの分かれるところでしょう。サントリーホールで体験する
低音は、量は別にして質そのものはB&W805MATRIXで鳴らすWRアンプの低音と似ており、普
段演奏会場で大きな違和感を感じません。

 幸い東山さんも軽く出る、スピード感のある低音をお望みのようなので、WRアンプその
ものは合っていると思います。あとは、αZEROのようなパワーの送り込めるアンプで聴い
て見る手はあると思いますが、本質的解決にはならない気がします。

 要するに市販アンプやそれに準じるものを使って開発された、正攻法でない物の中には、
WRアンプでその本領が発揮できないものが存在する可能性は否定できないでしょう。しか
し、そう言う例外は極僅かであり、大抵のものには適合できると思っています。

 ユニウェーブに関する込み入った話しは少し特殊な話しになりますので、またメールな
どでご相談させて頂ければと思います。  

556東山さん(一般庶民) Sun Dec 31 21:04:19 JST 2006
川西先生、ご解説ありがとうございます。

[無味乾燥]と書けば、他の方に悪いイメージを与えてしまいますね。すいません。
ご解説の通りです。入力に対して、そのまま出力してる、ただそれだけって感じです。

小口径SPがあっているととの意見は、多少言葉足らずでした。
パワー的には、大きいほうが有利な気はしますが、小口径が向いているとは、別の意味合
いの方が大きいです。ユニウェーブの低音がもっさり聞こえる時があります。SPがスピー
ドについていっていないように思えるんです。もっと追従性のいいウーハーか小型にした
ほうが、もっと楽しく、もっと自然に音楽を楽しめるのではないかと思います。
それとも、本当にパワーが足りないのか、ZEROで鳴らしてみないことにはわからないです
ね。
はたまた、アンプのスピードが速すぎるのか?  

555川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Sun Dec 31 17:21:00 JST 2006
東山さん、WRI-β3のお買い上げとユニークな感想ありがとうございます。

 先ず、東山さんの表現の中に「無味乾燥な音」という字句が出てきますが、アンプ受領
直後に頂いたメールで、それは決して悪い意味ではないとのお断りがありましたので、そ
れならば、ある意味でWRアンプの音を一番上手く言い当てているのではないかと思いまし
た。

 「無味乾燥な音」と言う表現は普通は余り良い意味で使いませんが、それは東山さんご
自身も仰っている通り、アンプは必ずある種の色をもつ、と言う従来の概念に基づく印象
だと思います。私は、アンプは原信号を唯正確に増幅すれば良い、と言う立場を取ってい
ますので、このような表現はWRアンプの本質を的確に突いていると考えます。

 また、どのようなSPをつないでも同様な音が出てくる、というのも至極納得するところ
です。これは、WRアンプがSPを選ばない、即ち組み合わせ理論の及ばないアンプである事
を物語っています。従って、お手持ちのSPの殆どはWRアンプと組み合わせた場合、SP本来
の性能を発揮するという事が言えると思います。

 東山さんは、これまでホールトーンを主体にした2階席で聴くような、即ち少し距離を
おいて聴くようなCDがお好きだったようですが、WRアンプになってからは、段々と体が前
に傾くようになり、結局は噛り付きの席で聴くような感じのCDに魅力を感じるようになら
れたようですね。実演さながらのいい音がSPから再生されれば、誰だってど真ん中で聴き
たくなるのは、自然の成り行きです。

 また音の調整に自然音をお使いになるとか、その音がそれらしく聴こえ、まるでエーテ
ルが漂うような「ふわっ」とした音が室内に充満する様は、かなり高度な再生ができてい
る証だと思います。私はそれが弦楽合奏で聴こえないものかと、何時も気にして聴いてい
ます。

 DVD 再生も楽しまれているようですが、これが映画なのか音楽なのか、何れにしてもこ
れまでは2枚程で聴き疲れしていたものが、WRアンプにしてからはそれが無くなったとか、
如何にWRアンプが余計な音を出さないかと言う事がよく分る事例です。耳が疲れる原因が
ソースそのものにある場合もありますが、アンプの不安定さに基因する事が実は多いので
す。

 音量と音質の関係については、以前にもフレッチャー・マンソン特性の時にお話しまし
たが、そういう人間の耳の特性ではなく、アンプの音質がVRの位置で変るという事が実は
結構あるようですね。だから東山さんは聴く音量を音の大きさで決めるのではなくて、最
良の音質になるように決めておられたのだと今回のレポートで知りました。

 人間の癖は暫く抜け切れません。WRアンプはVRの位置で音質が大幅に変る事はありませ
んので、東山さんが戸惑われるのも無理からぬ事かと思います。でもそれが正しいアンプ
なのです。VRの位置で音質が大幅に変るのは、アンプの不安定さが絡んでいる事が多いの
です。

 一般のアンプに比べれば安定なWRアンプでも、アナログ及びハイエンド・オーディオに
完璧という事はありませんので、深夜に多少音が良くなる事は十分にあると思います。エ
コキュートの仕組みがどうなっているかよく分りませんが、最近の電気仕掛けに高周波ノ
イズが無関係だとは思えませんし、日本の規格は甘いので昼間の電磁環境が汚れている可
能性は十分にあるでしょう。

 最後にWRI-β3 が小口径SPに向いていると言うご意見は当たっていると思います。パワ
ーも30W 以下ですし、大型SPをガンガン鳴らす事は殆ど想定されていないからです。勿論、
能率の良い大型SPをほどほどに鳴らす事はできますが、そのような方にはWRP-αZEROをご
用意しております。

 それでも物足りなくなった方には、バランス伝送によるBTL 接続ステレオをお勧めして
います。その場合は170W+170W のハイ・パワーが期待できます。WRアンプの170Wは空恐ろ
しい可能性を秘めています。またBTL 接続ステレオはパワーアンプが2台になるので、ス
ペース的に問題があるとお考えの方には、バランス入力対応の高音質モニター・サウンド
パワーアンプ、名付けてWRP-αZERO/STUDIO を来年の春の試聴会には準備して置く予定で
す。どうぞご期待下さい。

 以上、東山さんのレポートを吟味して参りましたが、これまでの方のレポートにはない
ユニークな表現があり、大変感心致しました。これからWRアンプをご購入になろうとされ
る方にも大いに参考になったのではないかと思います。どうも有難う御座いました。

 今日は大晦日です。再び、皆さん良いお年を! そして良い音を!  

554東山さん(一般庶民) Sun Dec 31 00:56:50 JST 2006
WRI-β3と、スピーカとも慣れてきたようなので、この辺で感想を書きたいと思います。
と、その前に、簡単ながら、私のシステムと言うほどではないですが、紹介など。
SPはユニウェーブkit-201、CDPはパイオニアPD-HS7とかなり古いです。要するに私も
オーディオを一度はあきらめた部類です。CDは全部パソコンにリッピングして、TTA圧縮
のMKA化して、ジャケ付の1ファイル化にしておき楽再生しています。なので、CDPは
DAコンバーター代わりになっています(安くていいのがあったら教えてください)。
聞く音楽は、ライトクラシックとでも言えばいいのか、ニューエージ,環境音楽みたいな
曲を、オーディオ装置を意識することなく、さりげなく流したいというところです。
なのでSPもアンプも極力小型にしたいという希望があります。

さてアンプの音のほうですが、予想のとおり無味乾燥と言う感じでしょうか、たいてい
メーカー特有の○○トーンなんてよく言いますが、WRI-β3は良くも悪くも、そのまま
増幅しているだけって聞こえます。なので、今までお気に入りで聞いていた、チェロの
音が違うんです。今までは、自分の好みの音になるように、紙コーンのSPを好んでメイン
にしていました。実のところ、ユニウェーブは、好みの音が出せずお蔵入りになっていた
んです。高かったんでさすがに勿体ない。
β3がきてから、SPをとっかえ、セッティングであーだこーだして、自分の結論としては
どれも同じ音がする、です。大小により、低音の量感の違いはありますが、アコースティ
ック系を聞く限りでは、小さなSPでも低音が少ないとは感じません。
好きなチェロのCDもSPにより音色の違いがあったのが、どのSPでも同じく、荒々しく
ざらつた、生々しい音でどれも聞こえます。
クラシックなんかは、ホールトーンたっぷりな、2階席で聞くような音が好みなのですが
このアンプで聞くと、そんなCDも気持ちよく聞けるんですが、いかにもかぶり
つき、指揮者の視点で録音しているような好きでないCD、心地よくというとおかしいですが、
知らぬ間に自ら前のめりになり、音楽に没頭しているのには驚きです。
真剣に聞くことが楽しいと言ったら変でしょうか。

SPの自作の際に自然音のCDでチェックするのですが、これが実にそれっぽく聞こえます。
ふわっと広がる空間。エーテルが満ちてるようです。

DVDを何枚か見てみました。2作品も続けて見たら疲れていたのが、ぜんぜん疲れません。
面白いですねー。ということは、音に対して疲れていたということでしょうか。
TVの音もウェストリバーのアンプに変えたら面白そうです。

音量なんですが、ボリュームの位置がいまだに決められません。届いたときなんかは
一番悩みました。右に回せば音は大きくなるのですが、なぜか、この位置でという
音量が決められません。以前のAVアンプでは明らかにボリューム位置による音質変化が
あり、音のいい位置で(音の大小ではなく)聞いていたのですが、その癖がついたのか、
どこでも音質が同じせいなのか決められないようです。実に不思議です。
こんなアンプはじめてです。

いつ聞いても、音質の変化は格段に減りましたが、やはり家族が寝静まってからの方が
多少いい音になります。どうも我が家はノイズが多いようです。エコキュートだからかな?

大きなSPは持っていないのでわかりませんが、たぶん問題なくドライブできると思います。
ただこのアンプ、大型よりも小型の方があっているように思えます。どうも小口径の方が、
心地よく聞こえるのですが気のせいでしょうか。

最後に、変な話なのですが、オーディオマニアを自称していながら、SPに面と向かって
聞くのが実はあんまり好きではなかったんです。左に寄ったり右に寄ったり、後ろを
向いて聞く、なぜかまっすぐ聞くのが苦痛だったんです。それが上にも書いてますが、
自ら前に突っ込む形で聞きたいと思う。そんな自分の変化が楽しいです。

おかげさまで、これで正月休みは、音楽三昧です。  

553川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Sat Dec 30 18:00:00 JST 2006
先輩教官I先生との慣例の二人だけの試聴会

 毎年年末になると、必ずI先生が来宅されて一緒に音楽を楽しむ習慣になっている。もう、
40年くらい続いていると言っても過言ではない。だから、今のWRアンプが完成する前からの、
私が真空管アンプを作っている頃からの行事なので、その間我が家の音もいろいろ変ってき
た。

 今年は来年発売予定のキットアンプで最後まで聴いて頂いた。このアンプにはI先生が考
え出されたひずみ打消し回路が採用されているので、考案者に敬意を表して聴いて貰うのが
筋と言うものだろう。

 I先生は私が見る限り、どちらかと言えばピアノ派である。多分、ご幼少の頃にピアノを
習われた事や、ご近所から素敵なピアノの演奏が聴こえて来たからではないかと思う。だか
らピアノには人一倍詳しいし、音の判断にも厳しいものがある。

 「耳を打ん殴られる音がする」と言い出したのもI先生である。私がアンプの音の評価に
悪い音に注目する方式を採用するようになったのも、元はと言えばI先生の影響である。普
通は如何にいい音がするかを表現するものだが、そんな生易しい事を言っていられない状況
が25年くらい前にはあったのである。

 事実、今でもハッキリ覚えているが、メンデルスゾーンの「イタリア」の第三楽章でホル
ンの重奏が「パッパカパー、パッ、パッパカパー、パッ」と弱音で吹くところがあるが、そ
こでリスニングルームのガラス戸が「ビリビリビリビリ」と強烈に振動したのである。この
時、これは最早単純な現象ではないと悟ったのである。

 それ以来、アンプから発せられる異常音に真剣に取り組んで来た訳であるが、今回のキッ
トアンプでは、その面影は微塵もなかったのである。I先生には先ずピアノを聴いて貰うの
が手っ取り早いと思ったので、例の「田園」や12月に録音したばかりの「ベト7」を再生し
て聴いて頂いたが、「耳を打ん殴られる音」は皆無だったし「このアンプで、この録音なら
十分楽める」とまで言って頂いたのである。キットアンプは特にピアノに強い傾向があるよ
うだ。

 マイクプリにWR製を使って録音したソースを、WRアンプ、今回の場合は一番廉価なキット
アンプ、で聴いた場合には最早完全に異常音から解放されたと言って良いだろう。市販のCD
をソースにした場合は、録音時に入り込んだ異常音が、稀に顔を出す事があるが、その確率
はかなり小さくなったと言って良いと思う。

 それにしても、今回収録した「ベト7」のリスト編曲版は相当の超絶技巧を要するらしい。
I先生も聴きながら左手を動かして「左手の動きが難しそうだ」と盛んに仰っていたし、演
奏者ご本人も「運命」を含めた3曲のなかでも一番難しかったと語っている。それ程「ベト
7」はリズムが複雑で四声以上の多声で書かれている部分が多いのだろう。

 だから「ベト7」は聴く者を興奮状態にするのだし、「のだめカンタービレ」でも最後の
サントリーホール公演を飾ったのである。特に第四楽章の終わり方が素晴らしい。「ブラボ
ー」とつい叫びたくなる盛り上がり方である。ピアノ版は簡単には購入できないかも知れな
いが、オケ版なら幾らでもある。

 皆さんも部分的に入っているCDではなく、是非全曲盤を買って聴いてみては如何だろうか。
それが切っ掛けでクラシック音楽が好きになるかも知れない。食べ物だって食わず嫌いで食
べなかったものが、何かの切っ掛けで突然好物になる事もある。何でも好きになるに越した
事はないし、それが人生を豊かにするのである。ただ「ベト7」はどれでも良いと言う訳に
行かない難局なので、指揮者とオケは吟味する必要があるだろう。私の推薦盤は既にこの掲
示板に書いてある。

 今回の二人だけの試聴会で好評だったキットアンプの発売の方は、いろいろ資料の準備が
必要なので、まだ少し時間が掛かりそうであるが、3月までには発売できると思う。こちら
の方も是非期待して頂きたい。このアンプでハイエンド・オーディオの入門を果たせば、一
番安上がりで一番いい音が直ぐに聴けると思う。

 今年も押し詰まったが、31日は「第九」などと型に嵌めずに、自分の好きな曲をWRアンプ
で目一杯鳴らして欲しい。来年もいい音を目指して頑張るつもりなので、是非WRアンプをよ
ろしくお願いしたいと思う。今年WR製品をご購入頂いたユーザーの方々にはこの場を借りて
厚く御礼申し上げたい。

 ユーザーの皆さん、良いお年を!  

552川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Sat Dec 23 18:49:00 JST 2006
谷津さん、WRP-α3のお買い上げと試聴レポートありがとうございます。

 谷津さんのように、市販アンプで固められた中にWRのパワーアンプだけが入る場合は
本当にWRアンプの本領が発揮できるのかどうなのか、何時も心配になるところなのです
が、どうやら、それは取り越し苦労だったようで一安心致しました。

 これまでの市販アンプも相当グレードの高いものとご推察申し上げますが、低音の質、
歯切れ、楽器の質感などの点でWRアンプは勝るとも劣らなかった、と言うご報告を頂き
大変嬉しく感じております。今回同時にお申し込みになった高速化の効果も谷津さんの
好みに合ったのではないかと思います。

 WRアンプを最初にお聴きになった方の殆どは、静かなアンプとか、SN感が良い音とか
仰って頂きますが、谷津さんのお感じになった、静けさの中から音が立ち上がる様子が
リアル、音の強弱が明確、表現がダイナミック、演奏者の意思が感じられる音、と言う
表現はWRアンプの特長をよく捉えられていると思います。きっと谷津さんの耳も相当良
いのではないかとご推察致します。

 WRP-α3のパワーは8Ωで10W弱ですが、谷津さんがお使いのSPは4Ωと伺っていますので
17W 位は出ると思います。それにしても市販アンプに比べれば、月とスッポンの違いが
ありますがそう感じずに十分満足してお聴き頂けているのは、1Fと言う超大型ケミコン
とNRL 回路採用によって、アンプが非常に安定した音を出しているからだと考えられま
す。

 この件については以前から時に触れて申し上げて来ましたが、パワーの数値はあくま
で正弦波による定常特性です。この数値が大きければ、単純に迫力のある音が安定して
聴ける訳ではありません。逆にWRアンプのようにこの数値が低くても、立派に迫力ある
音楽が楽しめるアンプも存在します。それを谷津さんが明確に証明してくれました。ど
うか、皆さんもWRアンプの出力の数値が低い事を余り心配なさらないで下さい。

 また、高価な銀線によるスピーカーケーブルをわざわざ回避して、WR方式に革めて聴
いて頂くと言うご配慮を頂き、重ねてお礼を申し上げたいと思います。確かに、無酸素
銅系のスピーカーケーブルには問題のあるものが多いのですが、銀線はそういう意味に
於ける問題点はないと思っております。

 即ち、音が曇ったり硬直したりする癖は銀線にはありません。一般的に、銀線は寧ろ
音を輝かしくする働きがあると言われていますが、私も数少ない経験でそう感じた事が
あります。今回、谷津さんが唯一WRアンプが劣るとすれば、金属楽器の輝きが少し足り
ない点だと仰っていますが、その原因は銀線使用を中止した事にあるのではないかと考
えております。

 銀線は使用不可に指定していませんので、是非従来からお使いの銀線をWRアンプにも
適用して見て下さい。多分、金属楽器の輝きの問題はそれで解決するのではないかと思
います。ただ、いろいろなソースをお聴きになり、最終的にどちらが谷津さんの好みに
合うのか、それには少し時間がかかるものと思います。

  もう一点インシュレーターのようなアクセサリーが余り音に関係しなくなったとの事
ですが、これもWRアンプの特徴の一つです。アンプが安定に動作しているので、そのよ
うなメカニカルな影響を余り大きく受けなくなっているのだと思います。強いて言うな
らアンプは強固な台の上に載せて下さい。

 最後に、今回のヒアリングが市販のプリアンプを使っての結果、又はCDダイレクトの
結果であれば、まだまだWRP-α3の音が良くなる可能性は残されています。耳が慣れた頃
に、WRユーザーの方にも評判の高い、WRプリとの併用をお考え頂ければ幸いに思います。  

551谷津さん((農業)) Sat Dec 23 13:58:54 JST 2006
WRアンプを聞いてみて。

先月に、届いたWRP-α3を聞いてみた感想を少し書いてみたいと思います。
ただ、自分はアンプを入れ替えるだけではまずいかと思い、ホームページにあった
スピーカーケーブルを作って交換した上での試聴としました。
それまでは3N程度の銀単線(1.2㎜)を使用していました。
静けさの中から、音が立ち上がる様子がとてもリアルだと感じました。SN比が上がった
と言うのとは少し違うと思うのですが、音の強弱が明確になって演奏者の意思が感じら
れ、演奏の表現がダイナミックになった印象です。
パーカッションや、ドラムの連打での歯切れ良さも気持ちよいです。
ボーカル物がパワー的に1番きついかと思い聞いてみてもそこに居るようなイメージで
鳴ってくれます。自分が聞く音量(ボリュウム9~10時)では問題ありません。
聞いてみたCDはマルチモノ的に収録したソースがほとんどなので定位がどうのこうの言う
事は出来ませんが、仕掛けが分かってしまうような聞こえ方と感じました。
古いジャズのモノラルのソースでは遠近感の様なものは感じられました。
低音の質、歯切れ、楽器の基音の質感などはすごいなあと思います。
今まで使用していたアンプだって、そんなに不満があった訳ではないのですが、比べて
しまうとWRアンプのほうが基本性能が上と思います。
じゃあWRアンプには100%満足かと言うと、あくまで現段階ではの話ですが楽器の倍音
、特に金属の響き(トライアングル、鈴、シンバル等)の表現においては今まで使用して
いたアンプのほうが魅力的に聞こえます。
使いこなし方の問題だと言う気もしますが、アンプの安定性が高いのかインシュレーター
などのアクセサリー使用でもあまり変わらない感じです。
最後に、製作していただいた平野氏には、途中で仕様変更を依頼してしまい少なからず
ご迷惑をお掛けしたことを、お詫び申し上げます。 

550川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Wed Dec 20 18:17:00 JST 2006
菅原さん、WRの準コンアンプの試聴レポートありがとうございます。

 私はこれまでお手軽で音が良いと、何かにつけて準コンアンプの音の良さを吹聴してき
ましたが、「スッと音が出る」と言う私の表現を菅原さんに理解して頂き、やっと溜飲が
下がった気がします。

 私は掛け値なしにいい物はいいと何時も言ってきたつもりですが、人が広告を100%信用
しないのと同様に、私の言う事はどうも余り信用されていないようです。ですから、菅原
さんのような第三者の方にお認め頂けると、やっと皆さんにも「やはりそうなんだ」と思
って頂けるのではないかと嬉しくなります。

 準コンはトランジスタアンプの創世記、コンプリの石が無かった頃に作られた事、準と
いう字が二番目という意味に取られ勝ちであるという事など、不利な条件があるのでそれ
を乗り越えて、準コンの良さを認めて頂くのは大変な事だと思いました。

 しかし、最近はコンプリの石が次から次と廃品種になる中、メーカー製のアンプにも結
構使われて来ていますし、パワーICの殆どは実は準コンが多いのです。ですから知らず知
らずの内に実際はお買いのなっている可能性もあるのですが、メーカーはその事を積極的
に明らかにしようとしません。しかし、WRのように正直に書かれてしまうと躊躇してしま
う、と言うのが現実なのでしょう。

 でもWRの準コンは先輩教官のアイデアがものを言って、準コンの最大の欠点であるひず
みが実用上問題ない位に低減されていますし、NRL 回路も採用されていますので、多量の
NF量で強引にひずみを下げている一般メーカーの準コンアンプとは訳が違います。

 だから、明らかにα系純コンアンプより良い面もあるのです。それが「スッと」軽く音
が出て来るところなのです。理由に付いてはこれまでにも言及して来ましたが、負性抵抗
の権化であるエミッタホロワの数が半分になっているからだと考えられます。その事によ
る音の良さは、WRP-α1MK2とWRI-βZEROのどちらもお持ちの飛鳥さんによっても証言され
ています。豪華客船を選ぶか、高速フェリーを選ぶかのような感覚かもしれません。

 もうWRP-α5 はディスコンになりましたので商品としての準コンアンプは、準コンの良
さを100%発揮させる為に、SEコン等を使い可能な限り高級化したWRI-βZEROとその普及型
である WRI-β3の両プリメインしか現存しませんが、もうすぐWRのキットアンプが発売さ
れる予定です。今現在キット化にした場合の諸問題をクリアすべく細かな点に関して詰め
を行っている段階です。

 私もキットアンプのプロトタイプで暫く音楽を聴きましたが、仮にこの先他のアンプが
使えなくなっても、このWRのキットアンプがあれば音楽は楽しんで行けると正直思いまし
た。菅原さんが、あの日立のパワーMOS-FETを使ったWRP-α4MOS と使い分けるのに困られ
ていらっしゃるのも十分に分る気がします。本当にハイC/Pアンプだと思います。

 市販アンプの音に何処か不満がある方で、ちょっと腕に自信のある方は、1月から2月
にかけて発売予定のWRアンプキットに是非挑戦してみて下さい。手前味噌と言う言葉があ
るように、自ら作った物はさらに音が良く聴こえると思います。

 キットには18Wタイプと30Wタイプが用意されていますが、本質的な音の違いはありませ
ん。入門用には躊躇なく18W タイプをお勧めします。使用SPの能率が極端に低いとか、聴
く部屋がかなり広い、などの理由をお持ちの方は30Wタイプをお選び下さい。

 団塊の世代の方が昔懐かしい、あるいは昔憧れていたアンプをお買いになりたくなるお
気持ちは良く分りますが、昔良いと思った音が現在に蘇るとは限らないと思います。自分
の耳が変ってしまっていると言う事も勿論ありますが、デジタル技術が氾濫し、数多くの
電波が飛び交う現在の厳しい電磁環境下では、仮に完動品であっても、その事を考慮して
設計されていない昔の名機が、その実力を発揮できないと言う大きな問題があります。

 菅原さんがWRの準コンアンプは途轍もなくハイC/P であると仰っています。何を信じて
良いか分らない不透明な時代ですが、信用に足ると思ったものを先ずは素直に信じて見る
事が、何時の世でも人間に取って大切な事なのではないでしょうか。  

549菅原さん(公務員) Sun Dec 17 14:55:23 JST 2006
今週初めWRP-α5カスタムアンプ届きました。

届いてから、短時間ではありますが、アンプの音の感想をご報告いたします。
特に、α4MOSとの入替えでの比較でしたので、先生が言われた準コンの良さとして、
「一言で言えば軽くスッと音が出るところでしょうか」と言われたことが実感として
良くわかりました。

音の軽さ(決して悪い意味ではなりません。)と言うのでしょうか明るさと言うのでしょうか、
うまく言えませんが、軽快感があります。

α5が、とてつもなくコストパフォーマンスの高いアンプだったことを再認識しました。
購入できて本当に幸運でした。

今度、WRクオリティーのキットが販売とのことですが、このキットからスタート出来る方は、
幸運だと思います。よい音で音楽を楽しむと言うことに最短で到着することが可能であり、
その先、それ以上を求めようと思えばαゼロやβゼロが用意されているからです。

α4とα5の使い分けに悩みますが、これも楽しい悩みです。
これからの人生の中で、音楽を聴くということの土台が完成しました。
本当に有り難うございます。

548川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Fri Dec 15 19:31:00 JST 2006
ルネ・レイボビッツという指揮者をご存知だろうか?

 この指揮者の名前を知っている人はかなりのクラシック通であろう。日本では余り聞かない
名前であるが、シェーンベルク、ラベル、モントゥーと一緒に学び、パリ一流の音楽家になっ
たと言われている。指揮者としては何故かアメリカで人気があったようだ。

 私がこの人の名前を知ったのは、若い頃お金がなくて豪華なベートーベン交響曲全集が買え
ず、中古レコード店で思案していた時に、ふと目に付いた廉価な全集を見た時が最初である。
当時リーダーズ・ダイジェストという、アメリカに本拠を置く雑誌があったのだが、その出版
社がRCA ビクターと組んで企画した「ベートーベン交響曲全集」が存在した。

 値段にして半値近かったので、内容を確かめるまでもなく、兎に角買ってしまったのである。
家に帰ってから調べて見ると、レイボビッツという指揮者がロイヤル・フィルハーモニー管弦
楽団を振ったものだった。当時は第2番や4番はレコード数も少なく、録音の良し悪しはよく
分からなかったが、全曲を自由に聴けるという事で取り敢えず満足だった。

 それまでに持っていたベートーベンの交響曲は、トスカニーニが指揮する「第九」くらいで
それもモノ盤だった。トスカニーニの解釈は楽譜に忠実だと言われ、それまでの大概の演奏に
比べてテンポが早くスッキリしていた。私はテンポの揺れるドイツ系の演奏にはついて行けな
いので非常に新鮮で好感がもてた。

 トスカニーニの「第九」とレイボビッツのそれは合い通じるものがあり、あまり違和感なく
聴けたのを憶えている。「第九」は第二楽章が緩徐楽章ではなくスケルツォである。「タータ
ラタッタタッタタッタ」という余りにも有名なフレーズはご存知だと思うが、トスカニーニの
演奏では、そこに強烈なホルンの重奏が加わり非常に気持ちがよい。レイボビッツの方でも同
様にホルンが重畳されていた。

 だからそれが当たり前だと思っていたのだが、後になって他のレコードを聴いて見るとホル
ンが殆ど聴こえない。「あれれ」と思って音楽にも詳しい例の先輩教官に聞いて見ると、楽譜
には木管しか書かれていないと言う事だった。それ以来「第九」と言うと必ずこの部分に注目
して聴いたのだが、ホルンを明確に確認できたものはこれまでに存在しなかった。強烈なホル
ンの重奏に慣れてしまっていたので何か物足りなかった。

 それ以後、私の経済状態も少しは改善されて一人前の交響曲全集も買えるようになったので、
そのリーダーズ・ダイジェスト盤は親戚の子にあげてしまって、このレコードの事については
「第九」の第二楽章の事も含めてすっかり忘れてしまっていた。

 それから何十年という年月が過ぎて、割と最近、WRアンプユーザーでもある大学の後輩が我
が家に遊びに来た時に「これ聴いて見ませんか」と言って置いていったCDが、当時のリーダー
ズ・ダイジェスト盤と同じソースを音源にした、チェスキーのCDだったのである。5枚からな
るそのベートーベン交響曲全曲は明らかに当時のものと同じであった。チェスキーだけに音質
に期待がもてる。(CD17、CD66、CD69、CD74、CD81)

 指揮者は勿論レイボビッツ、演奏はロイヤルフィルハーモニー管弦楽団で、名録音エンジニ
アだったK.E.ウィルキンソンが1961年にイギリスのウォルサムストウのタウンホールで録音し
たものだったのである。そんな事は昔のLP時代には知る由もなかったが、価値ある録音だった
のである。余白に「トルコ行進曲」と「レオノーレ第三番」が入っている。

 当時のロイヤルフィルはビーチャム卿の息がかかった全盛期にあったし、ウィルキンソンの
録音も、ノイマンのM50 を3本使った元祖デッカツリーだし、レイボビッツの解釈も楽譜に忠
実な即物的演奏である。今回のCD化に当たっては、アンペックスのレコーダーを特別にカスタ
マズしたとあるし、20bit128倍オーバーサンプリングのADコンバーターも使われている。

 期待に胸を膨らませて「のだめ」で有名になった「ベト7」を先ず聴いてみた。第一楽章の
ホルンも、第二楽章のホルンも、第四楽章のホルンも朗々と鳴る。イギリスはブラスの国だけ
の事はあって金管が特に素晴らしい。ふっと「第九」の事を思い出して例の第二楽章を聴いて
みると、見事にホルンがやっているではないか。思わず顔が綻んでしまった。弦も木管も十分
に美しい。この頃のロイヤルフィルのオーボエはちょっとチャルメラだ。

 その他の曲を聴いても、普通の演奏なら殆ど聴こえないか、弱くしか聴こえないトランペッ
トやトロンボーンまでがバリバリ鳴っている。「英雄」の第二楽章のホルンも立派だし、「レ
オノーレ第三番」や「運命」「田園」でのトロンボーンもよく聴こえる。1961年の演奏がいま
聴いても非常に新鮮だ。古典の曲は大体の指揮者が金管を抑えて吹かせるが、レイボビッツは
楽譜どおりに鳴らしたのではないか。ある意味では伝統を否定した演奏かもしれないが、ベー
トーベンはこう言う風に金管を使ったのだ、という事がよく分る演奏である。

 音質も今時のハッキリしないどっちつかずのデジタル録音より余程優秀である。チェスキー
の復元も良いのかも知れないが、これはやはりウィルキンソンの腕だろう。録音機材の特性が
必ずしも良いとは言えなかった時代の録音にしては本当に良く録れていると思う。勿論、電磁
環境も今に比べればクリーンだったに違いない。このCDを見つけたらお買いになって損はない
と思う。

 こういう古い録音を聴くにはWRアンプは本当に適している。古い録音には再生に難しい信号
が多く含まれているが、そういう信号に対してもWRアンプは簡単に負けないので、原音に忠実
に再生できる。負性抵抗を包含する市販アンプでは不安定さを曝け出して音が混濁する事が多
いはずだ。WRアンプが古い録音に強いと思うのは私だけではなく、WRユーザーの方からもよく
聞くので、古い録音を中心に聴く方にもWRアンプはお勧めである。

 それにしても、あれから45年以上が経とうとしているのに、録音技術は果たして進歩したの
だろうか。そう真剣に考えてしまう程の録音である。私は再生と同じように録音も高周波ノイ
ズで音質が害されていると思っている。例えば、独グラモフォンと言えども1970年頃から1975
年頃までは明らかに音が硬直して万全ではなかったと思うし、4D録音の中にも怪しいものがあ
る。

 最近WRのマイクプリを開発・録音して見て分ったが、現在でもWRのマイクプリを使えば優秀
録音は可能だと思う。齋藤さんや耳の良い飛鳥さんもピアノ版「田園」の音の良さを認めてく
れている。


* * * 飛鳥さんお答えします。* * *

 飛鳥さんのご希望はごもっともな事だと思いますが、私も平野紘一氏も根っからの「アナロ
グ屋」ですので、ハイエンドに使えるDAC を設計できる程の技術がありません。高周波ノイズ
に強いWRアンプを、例えばIVコンバーター等に使えば、CDプレーヤーやDAC の音質は向上する
に違いありません。

 ですから、アナログ技術には疎いのでアナログ部分は市販ICオペアンプに頼っているという
優秀なデジタル屋さんが居れば、コラボレーションによって素晴らしいDAC が作れる可能性は
大いにあると思います。できれば、WRアンプユーザーの方でWRアンプの良さを理解してくれて
いるデジタル屋さんが居られると、話しは早いのですが。    

547飛鳥さん() Wed Dec 13 22:31:25 JST 2006
WR製のD/Aコンバーターは出さないのでしょうか?

前に購入させて貰ったWRマイクプリで録音したCDの音を聞く限りかなりのものが出来ると思いますが。 

546川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Wed Dec 13 18:26:59 JST 2006
無藤さん、MJ誌へのご登場おめでとうございます。

 早速、MJ誌の12月号及び1月号を拝見させて頂きました。12月号では巨大ホーンの設計から
施工が中心に書かれていましたが、低音ホーンは家から造り直す必要があり、日本でも稀有な
例ではないかと本当に吃驚致しました。1月号ではそれらのホーンを駆動するアンプシステム
の見事な写真が載っていて、その中に特別注文のWRプリを含むパワーアンプ以前のアンプ群が
見事に並んでいました。

 パワーアンプは、何処かの工場に置いてある大きな機器を思わせるラックに納められ、WRの
パワーアンプ基板を複数枚使った特殊なマルチチャンネル・システムを形成しているとの事で
した。まだ完成して間がないようですが、これらのシステムが完全に調整されて完璧な音が出
れば、過渡特性に優れた、紙スピーカーでは絶対味わう事ができない音が楽しめると期待され
ます。その時には是非一度その音を聴かせて下さい。

 巨大ホーンの元祖とまで崇められた故高城重躬氏が力説されたように、コーン紙を使ったス
ピーカーでは絶対出ない音があると言われています。私は低音ホーンまで全て純粋ホーンドラ
イバーで駆動された音は正直聴いた事がありません。好学の為に一度は聴いて見たいと思って
おりますのでよろしくお願い致します。WRユーザーの中にこのような方がいらっしゃる事を私
は誇りに思います。WRユーザーの方にも巨大ホーンシステムがどのようなものかを是非ご紹介
頂きたく、代表してお願い致します。

 末筆ながら、9月の試聴会の時にはいろいろとお手伝いを頂きまして本当にありがとうござ
いました。ここに厚くお礼申し上げます。


* * * TOMさんご投稿ありがとうございます。 * * *

 昔からラウドネス・コントロールと言うものがあって、音が小さくなった場合は低域と高域
を少し持ち上げる事が推奨されてきました。それは人間の耳のフレッチャー・マンソン特性か
ら正当化されてきましたが、どうもWRアンプで聴く限り小音量時に低域や高域を持ち上げて聴
く必要は全くないと思いますし、TOMさんを含め多くのWRユーザーの方がそう仰っています。
本当に音圧レベルが下がると人間の耳の低域及び高域の感度は下がるのでしょうか。

 これには音圧レベルの問題だけではなく、実はその分解能も関係しているのではないかと思
います。フレッチャー・マンソン特性はあくまで正弦波による定常的な耳の感度特性ですので、
音楽という過渡信号を聴く行為がこれと完全に符合しなくても不思議な事ではないかも知れま
せん。昔の電蓄のように過渡特性に問題があるアンプで聴く場合は、確かにその効果はあった
訳ですから、強ちフレッチャー・マンソン特性を持ち出す事が不適当だとは思いませんが、WR
アンプのような過渡特性の良いアンプで聴く限り、その必要性はないのではないかと思います。
寧ろ、WRアンプでラウドネス・コントロールを行えば、逆に不自然に聴こえてしまう恐れがあ
ります。

 昔から簡単の為に理論は定常特性で解析し、それを音楽のような過渡特性にも適用する事が
便法として行われて来ました。そして大概の場合はそれで大きな問題はなかったのですが、こ
のラウドネスの問題は、もしかしたら定常特性がそのまま適用できない特殊な例なのかも知れ
ません。

 これと似た現象が人間の耳には他にもあります。即ち、普通人間の耳は若い人で20KHz まで
聴こえると言われていますが、これはあくまで定常信号に対してです。最近SACD等では 50KHz
くらいまでの再生が可能だと言われ、その為のスーパー・ツイターを付けた装置も見受けられ
ますが、もし過渡音も含めて20KHz までしか耳が認識できないのであれば、これは全く無意味
な事だと言わねばなりません。事実、この件はむかし日本音響学会では否定されていました。

 もし20KHz 以上の再生が必要だとするなら、音楽の中に含まれる超音波成分に対して人間の
耳が何らかの反応をするという事が前提にならなければなりません。これにはいろいろな説が
あり、超音波の過渡音に対しては人間の皮膚を含めた五感が感じるのだと言う風にも言われて
います。

 このように人間の聴覚能力は一元的ではないようですので、定常音に対して感度の下がった
低域や高域でも、分解能の良い音楽信号ならば、人間は苦もなく認識できるという事が言える
のかも知れません。そうだとすれば、アンプの過渡特性を判別する有効な手段としてこれを使
う事ができるのではないでしょうか。

 即ち、深夜のような暗騒音の少ない時にアンプの音量を絞り、低音域の楽器の動きが明瞭に
聴こえるか、高音域の楽器の音が正確に聴き取れるか、というテストをすれば当該アンプの過
渡特性は一目瞭然に判別できる事になります。皆さんもこの手法でお手持ちのアンプを是非テ
ストして見て下さい。WRアンプは勿論無事パスする事でしょう。

 もう一点TOMさんの記述の中に、市販5.1ch サラウンド・システムの音が大雑把であると
書かれていました。確かに大型電気店などでデモされている音を聴く限り、「さもありなん」
と思われます。その最大の原因はAVアンプの貧弱さにあると言っても過言でないでしょう。確
かに数字上の出力は大きく、DSP など便利な装置が使えるメリットはありますが、最終的な音
が大雑把ではTOMさんがそうであったように、何時しか飽きて聴かなくなるのが落ちではな
いでしょうか。

 この件についてはWRでは4ch サラウンド再生を提唱し、試聴会でも何回かデモを行いました。
WRアンプのように過渡特性の良いアンプを用いてサラウンド再生を行うと、センターSPは不要
になります。2ch ステレオでもお分りになると思いますが、WRアンプは非常に定位が良いので、
センターSPがなくても台詞など何ら問題なく自然に聴こえます。この為に用意されているのが
4ch 対応のWRプリ(WRC-α1MK2/4)で、この他にWRパワーアンプが2台あれば4ch サラウンド再
生が可能になります。

 こうして得られる音は決して大雑把な音ではなく、音楽であれ映画であれ十分満足して楽し
む事ができます。WRアンプユーザーの将来構想として、あくまで2ch ステレオを追求してバラ
ンス伝送に行くか、再生の次元を高める為に4ch サラウンドに行くか、大きく分けて2つの道
があるように思います。住宅事情が許せば、自分のリスニングルームにはバランス伝送を、家
族の居るリビングルームには4ch サラウンドを導入するのがベストでしょう。

 これは遠大な構想のようにお感じになるかも知れませんが、何もパワーアンプにαZEROを使
わなくても良い訳です。完全バランス伝送BTL 接続にしろ、4ch サラウンド再生にしろ、今お
持ちのWRパワーアンプを2台揃えれば実現できるのです。来年早々にはお買い求めが楽なWRア
ンプキットが発売されます。キットアンプもWRの基本性能は満たしていますから、これらの事
は十分体験できます。

 オーディオへの好奇心はまだまだ尽きるものではありません。皆さんも積極的にチャレンジ
して見て下さい。WRアンプを使えば完成したけど飽きちゃったと言うような事は決してないと
思います。これまでに挫折した方、自然消滅した方の一番の原因はアンプだったと私は敢えて
申し上げたいのです。  

545Tomさん(★) Mon Dec 11 22:13:15 JST 2006
★★★
「皆さん多かれ少なかれ高周波ノイズには泣かされたようですね。TOMさんが何時し
かオーディオの熱が冷めてしまったのもそれと無関係ではないでしょう。今回ご購入に
なったWRプリとαZEROのコンビで思う存分音楽とオーディオをお楽しみ下さい。」
とのことありがとうございます。

WRプリとαZEROのコンビ・・・夜遅く、小さな音で聞いていると、少ない音量にもかかわ
らず、飽きないのは、音量少なくとも、音数が多いこと、透明感あること、低音もラウ
ドネス等の増強なしでも十分なことなどがあることに起因するようです。

かつて、私がオーディオ熱冷めてしまった理由は、いろいろあるのですが、AVサラウ
ンドシステムの普及、日本の住宅事情が大きいように思えます。

AVサラウンドでは、かなり程度の良いサラウンドアンプを導入し、100インチのプ
ロジェクタ導入していますが、映像が存在すること、サラウンドアンプが、5.1チャ
ンネル対応にするため、スイッチング電源を採用したデジタルアンプであることから、
どうも、音が大雑把なのです。

最初は映像があるため、映像に気をとられ、サラウンドの影響で音がぐるぐる回るおも
しろさから、音質はどうでもよくなっていました。ごまかされてしまうのですね。

また、同時に子供が育ち、家庭の中心は、TV中心で、リビングのオーディオは聞く機
会を失います。このあたりから、オーディオ熱が冷めてしまったようです。

しかし、最近、我が家のものではないですが、ハイエンドの2チャンネルオーディオを
聞くチャンスを得て、その音のすばらしさにオーディオ回帰しました。

最近の音楽シーンでは、パソコン音源でipodを代表とする音源で若者達が音楽を楽しん
でます。あたかも、ハンバーガで育ったようなもので、本当の音を聞かずに育ってしま
ってます。彼らは、そのままジャンク音でいくか、本物の音を知って、オーディオの世
界に入り込むか・・・。何割かの人は、後者に気づくでしょう。


なお、私が、WRプリとαZEROのコンビを購入したのは、川西先生のしっかりしたオーディ
オ理論で裏付けられていたからです。理論なくして購入したら、他のものと比べたと
き、自分の耳に自信がないと、なんとなく、そちらの方がよいのではと迷いを感じてし
まうのではと思います。ただでさえ妙なオーディオ論が氾濫しているので、正確な理論
的裏付けは安心できます。


日本の住宅事情でオーディオを普及させるには、小型スピーカでしかもHifiを目指すこ
とだと思います。そんなことで、最近は自作で、日本の住宅事情に合うスピーカを作っ
ています。今度、WRアンプのキットが出たら、そのような小型スピーカに合うのでは
と思う次第です。 

544無藤里志さん(サウンドハイツの常連です) Sun Dec 10 09:45:06 JST 2006
川西様、皆様

  試聴会のときはお世話になりました。このたび平野氏のはからいもありましてMJ1月号にて
リスニングルーム紹介に登場させていただきました。微力ながらウエストリバーアンプの紹介も
させていただきましたのでご報告いたします。  

543川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Sat Dec 9 20:17:00 JST 2006
菅原さん、TOMさん、東山さん、WRアンプお買い上げありがとうございます。

 菅原さんには今回WRアンプとしては2台目になるWRP-α5 を、TOMさんにはWRプリに引き続
きWRP-αZEROを、東山さんには初めてWRI-β3 をそれぞれお買い上げ頂きまして、本当にありが
とうございました。

 準コン、純コンなどアンプの形こそ違い、皆さんにはWRアンプの本質をきちんと見抜いて頂い
ており、私としてはこれに過ぎる喜びはありません。少しでも皆さんの音楽ライフを豊かにする
事ができれば本望であります。

 菅原さんはその昔オーディオでかなり苦労されたとか。私もそうでしたが、昭和40年代に入る
と、ただアンプを作っただけではいい音で鳴らなくなって行ったように思います。多分、世の中
に高周波ノイズが氾濫し出した頃だったのでしょう。

 東山さんは辺りの工場が休みになる日曜日の深夜に音が良くなったご経験があり、皆さん多か
れ少なかれ高周波ノイズには泣かされたようですね。TOMさんが何時しかオーディオの熱が冷
めてしまったのもそれと無関係ではないでしょう。今回ご購入になったWRプリとαZEROのコンビ
で思う存分音楽とオーディオをお楽しみ下さい。それでも物足りなくなったら完全バランス伝送
があります。

 確かに40年代以降に趣味が多様化した事は事実ですが、好きな音楽がゴキゲンな音で鳴ってく
れていれば、そう簡単に音楽を聴くという趣味を放棄しなかったのではないかと思います。私も
経験しましたが、あの不快な音で音楽を無理に聴く事は、余程音楽そのものを聴こうとしない限
り、我慢できなかったと思います。

 私は幸いにも、古き良き時代に大学に席を置いていましたので、研究の合間に同じオーディオ
と音楽を趣味とする物理学専攻の先輩教官のお部屋にお邪魔しては、先輩の作ったアンプで音楽
を聴きながら、先輩の淹れてくれた紅茶を頂き音楽談義やオーディオの問題点について議論をす
る機会がありました。そういう時間が自由に取れた時代に大学に居れたのは非常に意義深かった
と思います。

 本当にあの頃の教授は、現在のようにインスタントに作り上げられる軽い教授とは違って、教
授になるべくしてなった全ての面でポテンシャルの高い本物の教授であり、大学にはアカデミッ
クな雰囲気が漲っていました。だから、オーディオには高周波ノイズが関与しているのではない
か、と言う重大なヒントが導き出されたのだと思います。一見無駄だと思われる事に時間を掛け
ることができたのでした。

 そのヒントが切っ掛けとなり私の帰還アンプの研究が始まり、高周波ノイズに曝された帰還ア
ンプから負性抵抗を除去する事が、アンプの安定性を確保する上でどうしても必要であると言う
結論に行き着いたのでした。今でも覚えていますが、大型計算機センターに通って数値計算を根
気良く繰り返し行い、これでオーディオの全ての回路が負性抵抗無しで設計できる、と頭の中で
確信できた時は、行き詰まっていたオーディオアンプに明るい光がパッと射し込む思いがしまし
た。

 それから紆余曲折はありましたが、今こうしてお一人またお一人と、私の研究成果によって一
度は諦めていたオーディオライフを再開される方が増えつつある事は、本当に喜ばしい事だと思
います。興味は十分ありながら、昔の悪夢を思い出して手を拱いている方が居られましたら、騙
されたと思って一度WRアンプを試して見て下さい。生の演奏会やアコースティック楽器の音を知
っている人には十分価値のあるアンプだと自負しております。

 WRアンプは、回路を少しでも理想的に実現しようとしている為に数多くの高級部品が使われて
いて、決して買い易いアンプではありません。TOMさんのようにWRプリとαZEROを買える方は
極限られた人だと思います。お金が無いからいい音で音楽が聴けない、と言う事態は何とか避け
たいと思い、WRアンプ協力者の平野紘一氏の協力の下、来年早々にはWRアンプキットをデビュー
させたいと思っています。

 さすがに、東山さんの仰るサンキュッパは、ガレージメーカーなので大量生産が出来ませんか
ら無理にしても、ゴッキュッパは実現できそうですので「買いたいけど無理!」と諦めている方
は是非この機会にWRアンプユーザーの仲間入りを果たして下さい。そして「いい音で音楽を聴く
事がこんなにも素晴らしい事だったんだ!」と言う事を身をもって体験して下さい。もう既に立
派なWRアンプをお持ちの方にもご参加頂ければ幸いに思います。

 菅原さんと東山さんのアンプは、平野氏によって現在鋭意製作中です。もう暫くお待ち下さい。
準コンは準コンなりの良さがあります。一言で言えば軽くスッと音が出るところでしょうか。そ
の良さがある為に、最高級部品を使わないでもWRクオリティーを維持できるのだと思います。今
度のキットアンプはその上に、使用部品の工夫により一味違った魅力を持っています。これはWR
ユーザーの方がキットをお買いになっても意味があるように配慮した結果でもあります。

 WRキットアンプに相応しい小型スピーカーは何が良いか、と言う宿題を頂きましたから、これ
も安くて良い物を調べて見ようと思います。  

542東山さん(一般庶民) Sat Dec 9 01:11:48 JST 2006
ウェストリバーアンプを愛用されておられます皆様方はじめまして。
私もとうとう、WRI-β3のお金を振り込んでしまいましたので、
お仲間に入れていただきたく、ご挨拶に参上いたしました。よろしくお願い致します。

20年近く前、何で深夜、特に日曜日の深夜は音がいいのだろうがはじまりでした。
で、ラ技の川西先生の記事でした。左の手のひらに右手のこぶしをたたいて、
これだーと思ったのももうかなり前の話です。
余談ですが、パイオニアのCD-Rも結構秋葉で買いあさりました(笑)。

ラジカセを卒業してから、安くしたい思いからSPとアンプはキットか自作で来てましたので、
アンプに十万円以上も出すなんて清水の舞台を飛び降りる覚悟でした。
なんて大げさですが、自分で部品を買いあさったものなら、紹介されている部品を知れば
合点がいくわけで、気持ちよくお支払い致しました。

クリスマスプレゼントを待つ子供のような気持ちで、楽しみに待ちたいと思います。

幸い、会社の近くが秋葉でして、こそっと抜け出して、スターソフトとニッコームの
120Ωを入手しました。スターソフトは、写真が2スケでしたので、同じものを買いま
したが、私のつたない経験から、細いほうがいいような気もしたのですが、
まずは同じ物にしました。太さがいくつかありましたが、それぞれ試された方が
おられましたら、ご意見を聞かせていただきたいです。

WRアンプキットが発売されるようで、私の勝手な希望を少々言わせてください。
できることなら、価格は398と598。これなら学生さんも手を出そうかなと思うはず、
お話からしてこれは無理そうかなーなんて気はしますが。まずはWRアンプの魅力の
一片でも感じ取ってもらい、オーディオって楽しいジャンと思ってもらえれば
いいのではと思います。
それと、大学生ともなれば、パソコンや、iPodなどのDAPは持っているでしょうから、
これらをソース源としてアンプに接続、SPは小型な物なんてのが、
昨今のスペースファクターを考えると、一般的なスタイルなのではないかと思います。
私自身、正直自宅で聞くより、会社のデスクで作業中のパソコンのバックグラウンドで
音楽を再生し、小さなSPで聞くことの方が多いです。
というわけで、小型アンプなら正直一台ほしいなーと思っています。
それと、トータルシステムとしての提案と時折書かれておられるので、できたら、
机においても邪魔にならないようなSPもセット、または、こんなのがお薦めだよー、
との提案もあるといいなーと思っています。
と、まあとある庶民の願いであります。

では、皆さん、これからよろしくお願いいたします。

ps.ドラマを見なくなって数年。[のだめ・・]の話で、見てみました。思わず、ベト7を
聞きながら、キーをたたきました。結構面白いですね。  

541Tomさん(★) Thu Dec 7 00:21:04 JST 2006
 WRP-αZERO届きました。

平野様、川西様
WRP-αZERO無事届きました。今、WRC-α1 MarkⅡ(Pre-Amplifier)に接続し、音だし中
です。スピーカは、ディナウディオのオーディエンス42。まずはリファレンスとして
いるジョン・ルイスのプレリュードとフーガVol.2をかけ、ピアノのアタック音を確認。
歪むことなく、さらさらと流れていきます。小さいスピーカながら、ベースの低音もよ
く出ています。メインスピーカのヤマハNSX-10000の修理完了が待ち遠しいですね。

これで、WRアンプのフラッグシップがそろいました。一生ものですね。
ありがとうございます。 

540菅原さん(公務員) Tue Dec 5 19:37:47 JST 2006
WR2台目のアンプを申し込みました。
   
  WRアンプを初めて購入し、1年が経とうしております。
  以前、使用していたアンプが故障し、また、年数もかなり経って
  いたので、次のアンプを探している時、偶然WRのHPに巡り合い
  アンプのデザインやアンプ製作のコンセプトに引かれ、迷うことなく
  注文してしまいました。(BBSのコメントも参考になりました。)

  幻のMOSの文字に誘われ、20数年以上前のオーディオに入れ込んで
  いた当時の熱い気持ちが甦りWRP-α4MOSを注文したものでした。
  その音は、想像以上に素晴しいもので、感謝しております。

  実は、これまでの経験から、オーディオは限りが無い
(泥沼状態になっていしまう)と思い、18年位前からスピーカーは
 フルレンジに固定し、アンプには少々力を入れた形で現在に
  至っております。音源はレコードとFMだけで、川西様も指摘のと
  おりのオーディオ業界の状況でしたので、オーディオに対する興味も
  薄れていて、ここ10数年は殆んどオーディオ情報が無い状態でした。

  しかし、今回のWRアンプとの出会いは、これまでの私の状況を一変
  させくれました。出てくる音は、その昔悪戦苦闘しながら求めた音が
  いとも簡単に出てくるではないですか。それもかなりのレベルのものが。

 本当に幸運だと思っております。
  今後とも、いろいろお世話になることと思いますが、よろしくお願い
  致します。
  音楽のある充実した日々を与えて頂いた事に対する感謝の気持ち
  を述べたかったのですが、取り留めの無い文章になってしまい申し
  訳ございませんでした。

  WRアンプについては、マスターズの平野様にもいろいろ
  お世話になっております。
  今回、偶然にも個人的に製作の相談をしようと考えていた
  内容のアンプ(B5版アンプ)が限定品という形でしたが販売して頂き
  即断で注文してしまいました。(α2に関心がありましたが、
  HPに巡り合った時点では、既に完売でした。)

 WRP-α5の完成を期待して待っております。

539川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Sat Dec 2 20:36:00 JST 2006
WRの完全バランスプリとWRアンプキット-その後

 先日、WRパワーアンプのユーザーの方からお問い合わせがあり、将来のBTL 接続ステレオも
視野に入れて、完全バランスプリの購入を検討しているが、EQ(LP再生)はどうなりますかと言
うご質問を頂きました。

 実は、我々の間では完全バランスプリは安定化電源基板を含めると、5枚の基板が必要であ
り、EQ基板を入れるスペースがないので、別筐体のフォノアンプもある事だし、EQオプション
はお受けできない事にしておりました。

 しかし、最近完全バランスプリに、アンバランス-バランス変換基板を搭載し、アンバラン
ス機器でもBTL 接続ステレオが楽しめるようになりましたので、LP再生も十分意味を持つよう
になりました。

 LPも重要なソースとお考えの方は、当然完全バランスプリでその再生をしたいはずです。と
ころが、フォノアンプを同時に購入するとなると相当の金額負担になります。なるべく買い易
い価格設定を目指すWRのポリシーにも反します。そこで平野紘一氏とも相談して、EQオプショ
ンを同時に注文して下さる方に限りEQ基板を垂直に固定し、アンバランス入力の1回路をEQに
割り当てる事に致しました。

 しかも、完全バランスプリの価格にEQオプションの価格が単純にプラスされるだけで、特別
工賃は頂かない事にしました。これに伴いEQオプション付きのWRプリをお持ちの方に限り、そ
のアップグレードの場合もEQ基板を立てて保持し、アンバランス入力の1回路を使って引き続
きLPが楽しめるように致します。勿論、その為の特別料金は頂きません。

 以上のように、折角搭載するアンバランス-バランス変換回路を最大限に生かす為に、LP再
生にも配慮を致しましたので、既にEQ付きWRプリをお持ちの方で、完全バランスプリにアップ
グレードをご計画中の方は、どうか安心してお申し込みになって下さい。

 今直ぐには無理でも、将来はBTL 接続されたモノアンプ2台を使ってステレオ再生をなさり
たい方は、適当な時期に完全バランスプリにアップグレードなさる事をお勧め致します。場合
によってはその間WRプリの代替機をお貸しする事も可能です。

 既にご説明申し上げておりますが、必ずしもバランス出力を持たないCDプレーヤーやDAC を
お使いの方や、またFM放送、BS放送などのソースを大切になさっている方でも、BTL 接続ステ
レオを楽しむ事ができますので、将来構想の一つに是非お加え頂きたいと思います。


* * * WRアンプキット * * *

 最近はもっぱらWRアンプキットの30W タイプで聴いている。なかなか聴き易い音だし、切れ
味もよく大変満足している。勿論、いざと言う時にはαZEROやβZEROに繋ぎ変えれば良いと言
う気楽さがあるからかも知れないが、全く不満を感じない。このままずっと聴き続けても良い
と思うくらいだ。

 いま苦労してるのは、この音質を死守した上で如何にコストダウンするかと言う問題である。
長い間続いたデフレ政策の為に、安くないと売れないという、製造側には嬉しくない問題が今
の日本には蔓延しているからである。

 巷では、安い外国人労働者を不正に使ってまでコストダウンをしているところがあると聞く。
そこまで、日本の製造業は追い詰めれているのだろう。消費者も余り安い物を求め過ぎない事
が肝要だし、それが長い目で見て日本を救う事になると思う。

 さて、最近価格の検討をしたのは電源ケーブルと整流器である。WRがこれまでに付属させて
きた電源ケーブルや整流器として使ってきたショットキーやファースト・リカバリー等の高速
ダイオードはキットには高価であり、製作サイドの平野氏からはもっと安い物を使うようにと
提案されている。

 そこで、パソコン等に付属してくる安い電源コードをテストして見たが、音が曇り音場が乱
れる傾向にあるし、ファースト・リカバリーをノーマルダイオードに置き換えて見たが、楽器
が増えると各楽器間の分離がかなり悪くなる事が分ったのである。これでは「角を貯めて牛を
殺す」事になり兼ねない。

 平野氏との攻防になるのだが、無責任に高い物を指定して知らん顔という訳にも行かず、私
もインターネットで調べたり秋葉原に足を運んだりして、ちょっとだけ高くはなるが、基本的
には音質を害さない電源ケーブルやファースト・リカバリーを見つけ出す努力をして、何とか
平野氏と折り合いをつけたところである。

 ただ安い物を探す事は簡単な話しだが、WRクオリティーを保持できなければWRアンプキット
発売の意味は失われるので、絶対譲れない線がある。例えば、RCA ピンジャックは非常に音質
に影響するので、キットにも拘わらず通常のWRアンプに使う最高級品を使っている。

 幸い、電源ケーブルや整流ダイオードはキットなら簡単に交換できるので、最初から最高級
品でなくても致命的にはならないと思う。そういうところは少しだけ安いものにしてあるけれ
ど、本質的には十分WRアンプとして楽しめる音質に仕上がったと思っている。

 キットの音造りは従来の路線を意識的に少しだけ変えている。一番顕著なのは前回のレポー
トでご報告したピアノ再生のスムーズさである。気分転換には打って付けの音だと思う。だか
ら、WRユーザーの方々にも是非参加して頂きたいと願っている。その為にも、出来る限り価格
を圧縮したいと考えている。  

538川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Tue Nov 28 18:22:03 JST 2006
「のだめカンタービレ」のその後

 主人公「千秋」は指揮者デビューをSオケで果たしたが、招聘外人指揮者「シュトレーゼ・マン」
から今度はピアニストとしてコンチェルトを弾いてはどうかと勧められて、Aオケをバックにラフ
マニノフのピアノ協奏曲第2番でソリストとしてのデビューも果たし、これも大評判になる。

 その後、千秋の演奏するラフマニノフを聴いた「のだめ」はすっかりこの曲に魅せられ、物凄い
熱意で自分も練習し、オケパートを千秋に頼んでピアノ連弾でこの曲にチャレンジする。その情熱
は千秋の想像を越えるものがあり、千秋も引きずられて感動的なピアノ連弾が繰り広げられる。そ
の演奏に驚愕した学生・教師で、練習室の周りには人だかりができる程であった。

 ラフマニノフはピアノ協奏曲を生涯4曲残しているが、名曲として普通よく演奏されるのはこの
2番と3番の2曲である。クラシック通は3番の方がスケールがあって良いと言う。2番は少し俗
っぽいと思われている節があり、通俗名曲の域を出ないと考えている人も多いかも知れない。

 それは2番のメロディーが第1楽章~3楽章まで途切れる事なしに素晴らしい事もあって、嘗て
映画のバックグラウンド・ミュージックに使われた事がり、それがこの曲を大衆化させたと言う理
由からではないだろうか。

 例を挙げると、1945年のイギリス映画「逢引き」に第2楽章が使われているし、1950年にはアメ
リカ映画「旅愁」に第3楽章が、1955年にはアメリカ映画「七年目の浮気」に第1楽章が使われて
いるという。これから見ても、如何にこの曲がメロディに富んでいるかが分るだろう。

 しかもこれらの映画の内容からも分る通り、男女の複雑な心理状態を効果的に盛り上げるように
使われており、非常にロマンチックなメロディに満ち溢れている。私が初めて聴いたのは、中学生
の頃であったが、思春期には全くピッタリするメロディだったのである。

 当時、電蓄は買うより作った方が安く、兄がアルバイトで請け負った時に、お客さんからテスト
LPとして借りたものが、このラフマニノフの2番だったのである。私の記憶に依ればレーベルがキ
ャピトルだったので、それから推察するとその演奏はモーラ・リンパニーの独奏ではなかったかと
思う。

 その後この曲に再会するのは、大学に入学したばかりの頃だったと思うが、当時文化放送が週末
に流していた「世界の名曲」と言うクラシック専用音楽番組があった。有坂愛彦氏が解説を担当し、
録音の良いロンドン盤を必ず使うと言う特徴があった。

 そこで取り上げられたのが、ショルティ/ロンドン響がバックを務め、ジュリアス・カッチェン
がピアノ独奏をした、もの凄い演奏だったのである。若き日のショルティが力にものを言わせて半
ば強引にカッチェンに弾かせた感じであったが、私はメロディックな曲と上手くバランスが取れた
最高の演奏だと確信したのである。

 ラジオから当時自分で作ったアカイのテープレコーダーに録音して、何回も聴いたのだが何時し
かそのテープレコーダーも壊れ、その後積極的にこの曲を買おうとはしなかった。どれを聴いても
物足りなく聴こえたからである。そして結局この音源と同じLPを買ったりしたが、録音の古さが目
について愛聴盤にまでは至らなかった。割と最近復刻したCD(KICC-8482) は結構音質もよく、昔の
イメージを再現させてくれる。

 「のだめ」と千秋の連弾を聴いて、直ぐこのCDを思い浮かべた程であった。この作者もこの2番
はメロディに頼ってロマンチックに弾くのではなく、もっとシンフォニックに劇的に演奏すべきだ
と考えているのではないだろうか。私も全く同感である。

 ラフマニノフが終わったあと、千秋は学外の優秀な学生も交えて新しいSRオケを編成し、外国に
留学できない鬱憤を埋めようとする。差し当たり、「フルート協奏曲第2番」として演奏される事
がある「オーボエ協奏曲」に取り掛かるが、メインの曲に何をもってくるか迷っていて決断できな
いでいた。普通、演奏会は序曲、協奏曲そしてメインに交響曲又は長大な管弦楽曲もってくる事が
多い。

 ある日、千秋にご執心の評論家から、シュトレーゼ・マンが演奏する最新のCDが千秋に渡される。
千秋はメインの曲を決めようと資料室でCDを片っ端から聴いていたが、何気なくかけたそのCDから
流れてきたメロディに心を打たれる。それは「ブラ1」だった。

 「ベト7」よりもポピュラーな愛称になっているその「ブラ1」とは、ブラームスの交響曲第一
番の事である。ブラームスが偉大なベートーベンの交響曲に何とか迫りたいと、長い間かけて作曲
した労作である。クラシック通はピアノ協奏曲第1番の方を指す人も居るが、「ブラ1」と言った
ら普通は交響曲の方だろう。「ブラ1」も「ベト7」に負けず劣らずの名曲であり、ストーリー性
にも富んでいるから、メインの曲には十分価値のある選曲だと思う。

 しかし、千秋はこのSRオケに命を掛けようとするが、団員の多くはリクリエーションとして興味
半分で参加しているので、このあたりのギャップがどう埋められるのかが今後の焦点だろう。この
「ブラ1」のように、メインの曲として大きく取り上げられる曲と、バックに付随的に流される曲
とがあり、作者のクラシック音楽に対する考え方が分って興味深い。

 昨日の放送では僅か50分足らずの間に、私が分ったものだけでも次のような曲が選曲されていた。
記憶違いがあったらご容赦願いたい。

1.ショパン:「幻想即興曲」
2.シベリウス:「カレリヤ組曲」
3.ショパン:「別れの曲」
4.ベートーベン:「べト7」
5.シベリウス:「フィンランデア」
6.モーツァルト:「オーボエ協奏曲」
7.コダーイ:「ハーリヤノシュ」
8.チャイコフスキー:「弦楽セレナード」
9.メンデルスゾーン:「バイオリン協奏曲」
10.ガーシュイン:「ラプソディ・イン・ブルー」
11.ショパン:ピアノ曲?
12.ドボルザーク又はブラームス:舞曲?
13.ベルディ:「レクイエム」
14.ブラームス:「ブラ1」
15.ホルスト:「惑星」
16.モーツァルト:「交響曲第25番」
17.バッハ:「小フーガ」

以上で大体網羅してると思うが、曲は知っているのに思い出せないものが2曲あった。

 これから暫くは「ブラ1」がメイン・テーマになるだろう。「ブラ1」の名演は数多く存在する
が、私が挙げるとすれば、ジュリーニ/ロサンジェルス管(427 804-2) かカラヤン/ウィーンフィ
ル(KICC 9204) である。捨て難いものに小澤征爾/ボストン響がある。私が推薦するCDは、WRアン
プで聴けば音質を含めて十分楽しめる水準である事を保証する。

 「ブラ1」は一流オケの貫禄が必要とされる事と、しっかりしたテンポ感が大切だと思う。特に
第4楽章で走ったり歩いたりと、テンポを大きく変化させる演奏は好きになれない。往々にしてド
イツ系の指揮者には何故かテンポの揺れる人が多い。因みに盤鬼西条卓夫氏の推薦する「ブラ1」
は常にベイヌム/アムステルダム・コンセルトヘボーで、何が来ようと「これはベイヌムだ!」と
言い切っていた。  

537川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Wed Nov 22 18:27:00 JST 2006
斎藤さん、試聴会のご感想ありがとうございます。

 齋藤さんは、WRアンプユーザーとしてはもうベテランに属する方です。私が共立女子学園の学
園祭で試聴会を始めた頃に遠路遥々ご子息と、と言っても未だ小学校に上がる前くらいのお子さ
んでしたが、ご一緒に2回程連続して来て頂いた事をよく憶えています。お子さんをあやしあや
し、真剣にWRアンプの音を聴いて頂きました。

 ですから、まだWR製品もWRP-α1とWRC-α1しかなく、選択の余地がない頃でしたが、先ずパワ
ーアンプを、引き続きプリアンプをご購入頂いたと思います。あれから数年以上は経過しました
が、何時もWRアンプをご愛用頂いているようで、感謝に堪えません。夜、お勤めから帰ったあと
で、その日の疲れを癒すサウンドが、確かフォステックスのSPを使ったバックローデッド・ホー
ンから奏でられているのであれば、この上なくハッピーに思います。

 WRアンプは絞って聴いても全く音質に変化がありませんので、齋藤さんのように深夜に小音量
で聴かれる方には打って付けです。齋藤さんも言われていますが、市販のアンプの場合は絞ると
低域は物足りなくなり、中高域の分解能も落ちてくるようです。それを嘆く方が非常に多いよう
に思います。そのような事でお悩みの方は是非WRアンプをお試し下さい。

 試聴会では高速化の音にご興味が湧いたとの事ですが、特にバイオリンの音色がお好きな齋藤
さんには向いているかも知れません。一足先に高速化された多田さんやその他の方も全員ご納得
されておられます。また、音の立ち上がりが良くなりますから、ピアノのようなアタック音の再
生にも有利に働くと思います。

 齋藤さんもこれまでピアノのCDを余りお聴きにならなかったようですが、WRアンプをお買いに
なってからは何時の間にかピアノのCDが増えたそうですね。案外、ピアノのCDを敬遠されている
方は多いのかも知れません。また、愚息の録音したピアノのCDを生演奏のピアノの音との対比で
お褒め頂きありがとうございました。さぞかし愚息も喜んでいる事と思います。あのCDは演奏会
場のライブ感がよく出ており、一般のCDより異常音が発生し難くいように録音されていると思い
ます。ピアノ録音の一つの典型として、お求めになる価値は十分あるかと思います。

 さて、WRP-α1のMK2 化ですが、主な改善点を列挙しますと
1.ブロック・ケミコンを4700UF→10000UFに変更
2.下蓋を制振及びノイズ吸収材を挟み込んだものに変更
3.ドライバー・トランジスタのftを100→140MHzに変更
4.フロント・パネルを交換
となります。価格は39,900(税込み)円です。もし同時に高速化を行うと、55,650円になります。

 勿論、MK2化 によりそれなりの効果は発揮されますが、これまでの方はMK2 化を経ずにいきな
りαZEROへアップグレードを計る方が多いようです。齋藤さんのように深夜ローパワーでお聴き
になる方に取っては、αZEROへのパワーアップは意味がないとお考えになるかも知れません。

 しかし、アップグレードの意味の半分は確かに宝の持ち腐れになるかも知れませんが、残りの
半分、即ちαZEROにする事による音質向上分は十分発揮されると思います。αZEROの音質の良さ
は絞っても十分認識できます。このあたりの事は予算や将来構想などを勘案してお決め下さい。

 また、アップグレード期間中にWRアンプが聴けないから困る、と言う理由でパワーアンプやプ
リアンプのアップグレードを躊躇されている方には、私の所有するWRP-α1やWRC-α1/4をその間
お貸しする事も可能ですから、未然にご相談下さい。

 平野氏も書いていますが、ウエストリバーでは超安価なアンプを除いて、なるべくアップグレ
ードで高性能化の対応ができるように考えております。買っては見たが梯子を外された、と言う
事のないように、これからも十分留意していきたいと考えておりますので、どうか安心してWRア
ンプのご購入をご検討頂きますようにお願い申し上げます。


* * * WRアンプの音創りについて * * *

 TOMさんのご質問にお答え致します。WRアンプの音は、先ず理論的に行き着いたNRL を含む
回路によって決定されていると言えると思います。しかし、回路計算はあくまで理想部品を使う
事が想定されており、実際の部品を使ってアンプとして具現化する場合は、その理想から多かれ
少なかれ外れる事になります。

 部品の中で一番の曲者はコンデンサーです。コンデンサーのインピーダンスは以前にこの掲示
板で書いたように、
 Z=1/jωC
です。この式は、周波数が無限大になればインピーダンスが零になる事を意味します。もしこれ
が本当に達成されるのであれば、ノイズを除去する事は非常に簡単です。コンデンサーのインピ
ーダンスが真に零になるのであれば、その両端には如何なる電圧も発生しないからです。

 しかし、実際にはある周波数を境にして、コンデンサーのインピーダンスは零になるどころか
ドンドン上昇を始めるのです。即ち、コンデンサーはある周波数以上ではインダクタンスになっ
てしまうのです。「ある周波数」はコンデンサーの種類や容量値によって千差万別です。

 電解コンデンサーでは可聴周波数内から上昇に転じるものがあります。比較的この特性が優れ
ているものを挙げると、マイカ、スチロール、セラミックを誘電体とするコンデンサーです。そ
れでも高周波ノイズが問題になる上限周波数近辺では、そのインピーダンスは怪しくなると言わ
れています。両者の中間にフィルムコンデンサーが存在します。

 以上のようにコンデンサーの種類を大きく分類すると3種類になりますが、この中から設計し
た回路をなるべく忠実に具現化できるコンデンサーを選ばなくてはなりません。理想素子が無い
以上は何処かで妥協せざるを得ないのです。その選択の時に耳と感性が必要になります。

 WRアンプの場合大まかに言えば、電解コンデンサーにはブラックゲートを、高周波用コンデン
サーにはSEコンデンサー(マイカ)を、フィルムコンデンサーにはERO を選んだ訳です。この判定
を計測器で行う事は殆ど不可能でしょう。耳だけが頼りになります。だからWRアンプの音は私の
耳が決めたとも言えますが、半分は理論的に求められた回路によって既に決まっていたとも言え
るのです。

 この事を裏返しに見れば、現在採用しているものよりさらに理想に近いコンデンサーが見つか
れば、WRアンプの音質はさらに飛躍する可能性が残されていると言えるのです。

 本稿ではコンデンサーについてのみお話しましたが、抵抗もトランジスタも線材も理想と現実
には多かれ少なかれギャップがあり、音質にも影響します。しかもそれを測定で明らかにする事
は非常に難しい状況です。ハイエンド・オーディオは厄介な分野です。だから、それをいい事に
して、オカルト的製品が罷り通るのです。

 しかし、WRアンプの回路は、負性抵抗を除去するように理論的に計算され決定されていますし、
部品の選択も生の演奏会で鍛えられた耳で判定されていますから、それらを無視して開発された
アンプに比べれば、十分信頼に値する、地に足が着いたアンプだと言えるでしょう。  

536平野 紘一さん(マスターズ代表) Wed Nov 22 13:56:48 JST 2006
サンスイアンプのサウンドポリシーなど

 TOMさん、投稿ありがとうございます。 
サンスイのアンプの不具合は修理できます。おそらく、TRの不具合と思われます。小
型TRは長年使用していると、湿気がTRのペレットに入り込んで、ノイズを出すケー
スがあります。残念ながら、三菱のTRに発生ケースが多かったように思います。しか
し、それも20年以上経てからのことなので、それこそ、想定外のことだと思われます。

 川西さんとは大学1年からのお付き合いで、私はタムラ~学校戻り~山水入社~会社
設立~・・・と言った人生をたどっておりますが、川西さんは会社勤めは経験していな
いはずです。川西さんとの連携は1990年以降、川西さんが何とかWRアンプを世に
出して問いたい!、製品のかたちにしたい!と考えていた頃からです。

 サンスイはご存知のように、日本マーケットでは製品の供給がない、悲しい状況が続 
いております。サンスイアンプの最後の部分では短期間お手伝いをしたのですが、既に
日本資本ではなく、現状に至っております。
 
 さて、サンスイのサウンドポリシーはサンスイからこのようにしたいと言って、出来
たものではなく、AU-9500で、結果的にそうなったからだと思います。一時、タ
ンノイのSPをモニターにして、主としてクラシックソースで、サウンドチューンをし
ていた時期があり、この時期のアンプ売上は落ちました。特に評論家の皆様の支持が得
られませんでした。私が4chとか新型SPの開発をやっていた1975~76年頃の
昔の話です。

 AU-607/707から、ガッツ路線に変えようと努力しましたが、今から思うと、 
やや不充分だったと思います。しかし、現在、聴いてみると、瑞々しいサウンドで悪く
はなかったと思っております。ダイアモンド差動回路のシリーズから、かなりガッツ路
線が明確になりましたが、クラシックに向かないとの評価は当らないと思います。

 今後のオーディ史で触れますが、クラシック音源での評価に厳しいアドバイザーの方
がいて、必ず、最終チェックで修正しつつ、ガッツなサウンドにしたつもりです。私見
ですが、今度のバランス入力対応の新型WRパワーアンプはサンスイの明るい、切れ味
のあるサウンドに一脈通じるところがあると感じています。
 
 私のつたない掲示板はこれから、スーパーフィードフォワード、Xバランス回路と進
んでいきますが、最終的に1982年頃に開発したXバランス回路が改良されながらサ
ンスイアンプの最後を飾ったことは感慨深いです。

 WRアンプはバランス対応が整いつつあります。是非期待して欲しいです。バランス
対応は、従来の負性抵抗キャンセル効果だけでなく、バランス増幅にその真髄がありま
す。アキュフェーズさんはじめ、メーカーの皆さん、その効果にそれ程、気がついてい
ないようですが、WRアンプをバランス方式にして聴くと、そのメリットがよく分かり
ます。

 WRアンプでは今後、そのあたりを充分、理論で、サウンドで、発揮していきたいと
思います。バランスアンプ方式は従来のWRアンプをアップグレードすることによって
実現出来ますので、WRアンプユーザーの方を困らせたり、裏切ることは絶対ありませ
ん。  

535斎藤さん(会社員) Tue Nov 21 21:37:29 JST 2006
試聴会の感想

 先日の試聴会に参加させていただきました斎藤と申します。その節はありがとうござ
いました。試聴会からだいぶ時間が経過してしまいましたが、感想を述べさせていただ
きたいと思います。
 今回のテーマは「ハイパワー」と「高速化」でしたが、私としては、高速化に興味が
あります。
 まず「ハイパワー」についてですが、最大で時計の9時までボリュームを回すことが
1~2月に1回あるかないか、殆どは会社から帰って、寝る前にそーと小音量で聞いて
いる現状にあって、大音量でも小音量でも低域の不足は感じず、全体に引き締まった感
じで力感もあり、パワー的には十分と感じています。以前使っていたアンプで小音量で
聴くときには、どうしてもトーンコントロールを使わないと聴く気になりませんでした
が、WRアンプではトーンコントロールの必要性を感じたことは一度もありません。
 「高速化」については、高域が大変聴きやすく素直に感じられました。バイオリンが
好きな私としては大いに気になるところです。注文すると一定期間聞くことができなく
なるし、その費用をCD購入に当てた方が良いかなと迷っているところです。迷いの原
因がもう一つありまして、現在の機器がWRP-α1であり、同時にMarkⅡにした方が
良いのかどうか。できましたら、MarkⅡの特徴とMarkⅡ化と高速化を同時に行った場合
の料金を提示していただければ幸いです。メールで相談しようかと思っていましたが、
投稿させていただくことにしました。
 アンプを変えることにより、紙臭い音が一変してすばらしい音に変わり、「音はスピ
ーカーで変わるもの」と思っていた私の考え方を変えたWRアンプに出会って数年が経
ちますが、先日気づいたことがあります。以前のアンプの時にはあまり聴かなかったピ
アノを、バイオリン程ではないにしても、最近はだいぶ聴くようになっていて、いつの
間にかピアノのCDが増えていることです。WRアンプから再生される音が非常に素直
で、力感を伴いながらも細かな所まで再生できているからと思っています。
 試聴会で購入したピアノのCD、非常に気に入っています。最近はあまりコンサート
に行く機会が無いのですが、この7月から横浜ランドマークタワー内に勤務することに
なり、昼食の弁当を買う行き帰り(レストランが混んでいるため、コンビニ弁当の毎日
です)に、ピアノの生演奏を聴くことがあります。(ちなみに今日は「枯葉」でした)
ランドマークタワー内の通路での演奏ですから決して良い環境とは言えませんが、それ
でも生は生。ピアノ独特のエーテルが漂うような響きが何とも言えません。そんなとこ
ろがこのCDには感じられます。試聴会のコメントでは、ピアノがまだこなれていない
とのことでしたが、録音の良さが十分に伝わります。演奏の良いCDもそうですが、録
音の良いCDが今後も発売されることを期待しています。  

534Tomさん(自営) Tue Nov 21 20:28:44 JST 2006
川西先生

WRアンプのキット完成おめでとうございます。ピアノ再生も良好とのことで期待してお
ります。

ところで、川西先生、平野様ともどもサンスイご出身なのですね。
私もAU-D707の愛用者でした。AU-D707はまだ手元にありますが、古くなったせい
か、ジョン・ルイスのピアノ再生には耐えません。高いアタック音にノイズが出てしま
います。増幅用トランジスタが劣化してもう限界なのでしょうか?

最近、AU-9500のオーバーホール版(コンデンサ等を新品に替えたもの)を購入しま
した。レンジ感は狭いものの、一つ一つの音の粒が大きく、野太い音で、ブンブン鳴る
という感じですね。こちらは、ピアノ再生OKです。AU-9500は、30年も以上前に、
デパートのオーディオ売り場で見て、そのかっこよさに垂涎ものでした。

このような音作りについて質問がございます。
17回  日本オーディオ史  次期モデルの商品作りという、平野様の記事に、「サ
ンスイが美しい音を出せば、オカマぽく感じられてしますことは充分予測出来た。(ヤ
マハだったら美しいサウンドで良かったのだろうが、サンスイではガッツで、エネルギ
ー感がないと、だめだったと思う。特にJBLの代理店をやっていた期間は。」とあり
ますが、まさに、サンスイの音はガッツがありますね。

この記事を読んでいて感じたのですが、WRアンプはサンスイの音というよりヤマハのナ
チュラルサウンドの延長線上のようにも感じます。WRアンプの音は、川西先生の理論を
実現した結果なのでしょうか。それとも、意図的な音作りがされているのでしょうか。 

533川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Tue Nov 21 18:56:00 JST 2006
アンバランス-バランス変換アンプのその後

 以前の掲示板でアンバランス出力をバランス出力に変換する簡易な回路が完成した旨のご報告を
しましたが、ひずみの詳細な測定を平野紘一氏にお願いしたところ、コールド側のひずみが若干多
い事が判明しました。それを受けて、コールド側のひずみを改善すべく、種々の試みをして参りま
したが、本質的に改善するまでに至りませんでした。

 ノーマルオーディオなら十分使えるものの、音質を最も重要視するWRアンプには、やはり使うべ
きでないと言う結論になり、潔く諦めて別の方法を探っていましたが、やっと採用する回路が決ま
りましたのでご報告致します。簡易版より倍近い部品を使う事になりますが、音質的に心配のない
回路を採用する事で決着致しました。

 その為価格が若干上がり、新規、アップグレード共に現在の価格に1万2千円程度上乗せされる
見通しです。
 しかし、このバランスプリをご購入になれば、
1.アンバラ出力機器を従来通りアンバラ出力で使える。(3回路まで)
2.アンバラ出力機器をバランス出力(キャノン又はピン)で使える。(3回路まで)
3.バランス出力機器をバランス出力(キャノン又はピン)で使える(1回路のみ)
4.バランス出力機器のホットまたはコールドのピン出力が使える。(1回路のみ)
のような多岐に渡る機能が可能になります。これは画期的な事ではないでしょうか。

 アンプのゲインは従来のプリ同様6dB ですが、多少の融通(3dB ~10dB)は利きますから、ご希
望があれば、未然にお申し出下さい。

 お分かりとは思いますが、バランス出力のキャノンアウトを使えば、バランス入力のパワーアン
プを用いて聴く事ができ、バランス出力のピンアウトを使えば、アンバラ入力のパワーアンプを2
台用意する事によって、BTL サウンドを楽しむ事ができます。勿論、パワーアンプはWR製でなくて
も良い訳ですので、他社のアンプでお聴きの方にもお勧めできます。

 前者の条件に合致するWRアンプはこれまで在りませんでしたが、来年早々にはバランス入力対応
の新しいアンプを発表する予定です。これは9月の試聴会でご披露した試作アンプと同様な形式で
すが、無理に出力アップはせずにWRP-αZEROの延長線上で考えています。WRアンプは安定化電源駆
動なので、何らかの方法でアンプの安定性をこれまで以上に上げれば、出力値ギリギリまでの実力
を発揮するはずですから、数値だけの100Wアンプに実質的に負ける事は決してありません。

 このアンプの音を試聴した平野氏からは「最上級のビーフジャーキーを噛み締めるが如き」と言
うお褒めの言葉を頂きましたし、愚息からは「これぞスタジオ・モニターサウンドだ!」と評され
ました。兎に角、現存する普通仕様アンプの中で最高クラスの音質である事は間違いないでしょう。

 一方、BTL 方式は従来のWRパワーアンプを2台揃える事で可能になりますから、既にWRアンプで
お聴きになっている方にはお勧めの方法だと思います。バランス入力対応の新型パワーアンプが良
いのか、はたまた従来のαZEROによるBTL が良いのか、これは我々も大変興味があるところです。

 WRプリとパワーアンプをお買いになってかなり時間が経過した方で、ちょっと音質のグレードア
ップをお望みの方は、是非お考えになって見て下さい。また新たな発見があり、お持ちのソースの
価値が見直されるかも知れません。その為には、先ずは現用プリを完全バランスプリにアップグレ
ードするところから始めて見ては如何でしょうか。

 最後になりましたが、完全バランスプリの価格を少しでも抑える為に、左右のバランス調節VRを
省略させて頂く事になりました。直接的理由は4連のバランス調節用VRが市販されていない事です
が、間接的には、最高級の音質を追求するハインエンド・オーディオで、左右のバランスを調節す
るなんてナンセンスである、と私が考えているからでもあります。

 しかし、まだ完全決定ではありませんので、左右バランス調節VRがどうしても必要だと言う方が
居られましたら、是非ご意見をお聞かせ下さい。必要と思われる方が多数派なら考え直す事も可能
ですから、率直なご意見をお待ち申し上げております。  

532川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Sun Nov 19 21:43:00 JST 2006
WRアンプキットの試作品を聴く-このゴキゲンな音!

 待望のキットの試作品が平野氏の方から送られて来た。「非常に気持ちのよいサウンド! 気分が
晴やかになる! ストレスが溜まらない音」これが彼からのメッセージであった。今回のキットには、
少しだけ新しい試みがなされている。多分、それがなせるわざだろうと思った。

 早速テストCDをかけて見る。成るほど予想通りの音だ。非常にクリアで聴き易い。今回は若い人が
ターゲットになる可能性もあると思い、ロックやポップスなどがストレートに聴ける音を狙ったので、
これは上手く行ったと嬉しくなった。クラシック音楽に関して言えば、ピアノ、打楽器が気持ちよく
抜ける。勿論、基本はWRアンプだから弦だって大丈夫だ。

 ピアノは不安定高帰還アンプの弱点を突いてくるので、すぐ耳に異常に響く音が出る。だから正直
言って、ピアノのCDは昔から聴く機会がどうしても少なくなっていた気がする。そう言えばTOMさ
んもジョン・ルイスのCDは再生が難しいと言っていたし、平野氏もピアノは余り聴かないと言ってい
る。

 そこで今日はピアノが出ずっぱりのCDを聴いて見た。ジャック・ルーシェの「THE PLAY BACH 」だ。
2枚組(160E 52023-4)の1枚目を聴いてみた。そう言えばこれまで通して聴いた事がない。必ず途中
で止めていた。1曲目の「G線上のアリア」が始まった。

 ピアノが凄く安定している。安定しているからピアノの凄みが伝わってくる。スタインウェイと思
われる輝かしい音が、ジャック・ルーシェのテクニックに支えられて目一杯弾き出ている。ジョン・
ルイスは持ちまいのスイング感が魅力だが、ルーシェは白人ならではの洗練された弾きこなしが眩し
い。

 2曲目の「2声のインベンション第8番」になっても色褪せる事なく、益々ピアノが冴え渡る。普
通は耳の方も慣れてきて「こんなものか」で終わるのが落ちだが、3曲目になっても4曲目になって
も退屈しない。曲それぞれの良さが発揮されて、途中で止める気にならなかった。結局、最後の「ピ
アノ協奏曲第1番」まで行ってしまった。

 このCDは9月に行った試聴会用に棚から引っ張り出して来たので、最近のWRアンプでは通して聴い
ていないが、その事は兎も角として、ピアノの音をこんなに長い時間、気持ちよく聴き続けた事は今
までなかった気がする。この事だけを取ってもこのアンプは大成功だ!。このCDも、ジャズ、ピアノ、
バッハの好きな人に取っては価値あるCDだ。古レコード店で見つけたら買う事をお勧めする。

 キットには18W タイプと30W タイプを用意するつもりでいる。今回は30W タイプを試聴したが、平
野氏は18W タイプを聴いているので、パワーには関係なく「ゴキゲンなアンプ」である。これで銅シ
ャーシアンプ並の価格なのだから、これはお買い得だ。

 ちょっとだけ電気の知識と半田付けの技術ががあれば、難しいところは図解で説明する予定なので、
誰でも短時間で組みたれられるだろう。WRアンプ入門用に、WRアンプユーザーの気分転換用に是非期
待して欲しい。   

531川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Fri Nov 17 18:54:00 JST 2006
日フィル11月定期を聴く

 11月はイギリスの音楽であった。日フィルの首席客演指揮者、ジェームス・ロッホランが振った
事と無関係ではないだろう。ロッホランはスコットランド出身であるが、イギリスを中心に活躍す
る中堅指揮者である。日フィルとは1980年以来の付き合いだそうだ。

 出しものはエルガーのバイオリン協奏曲とホルストの「惑星」であった。エルガーは威風堂々の
作曲者として知られているが、一般には馴染みは薄く、その他ではチェロ協奏曲とエニグマ変奏曲
が多少演奏されるくらいである。バイオリン協奏曲はチェロ協奏曲に比べても取り上げられる機会
は少なく、私もお初であった。

 定期演奏会でなければ、自分から好んで聴く事はなかったし、勿論CDを買う可能性もなかったの
で、もしかしたら永遠に聴かなかった可能性が大きい。独奏者は川久保賜紀であった。彼女はチャ
イコフスキーコンクールで1位なしの2位入賞者で、その他サラサーテ国際バイオリン・コンクー
ルでも優勝するなど、輝かしい賞を多々受賞している。

 名バイオリニストは昔からガッチリした体格が多いが、見るからに細く、体力的に非力に見えた
が、バイオリンの音量も音色もテクニックも素晴らしかった。残念ながら曲が初めてなので、本当
の意味で上手いのかどうかの判定できなかったので、よく知っている曲でもう一度聴いて見たい気
がした。川久保ファンなのか、彼女が弾き終わると何回も「ブラボー」が飛んでいた。

 この曲が有名にならないのはそれなりに理由があると思った。長大な曲で編成も大きいが、初め
て聴いた私には、第一楽章と第二楽章は少々退屈であった。メロディー、リズムなどに大きな特徴
がないので、冗長に聴こえたのだ。第三楽章は弦楽器群の特殊な奏法が面白く、繊細でミクロの世
界を覗くような感じがして興味深かった。

 バイオリンもビオラもギターのように抱えて持ち、弓ではなく指先でマンドリンのように小刻み
に、そして優しく微妙に爪弾くその奏法は、会場に漣が立つような一種独特な音の世界をつくり上
げていた。しかも、例えばビオラの裏だけが行うとか、第一バイオリンの裏と合わせるとか、その
組み合わせは目まぐるしく変わり、常に漣が場所を変えて立ち続けるように按配されていた。こう
いう奏法は生でないと分からない。

 私は弦楽器の再生が一番難しいと思うが、この音もなかなかスピーカーから再生できないのでは
ないかと思った。CDを買って挑戦したい気になっている。

 休憩を挟んで演奏された「惑星」は結論から言えばまずまずの出来であったろうと思う。時節柄
タイミングの良いプログラムの為か、何時もよりお客さんが多いように思えた。勿論、ルックスと
スタイルの良い川久保ファンも多かったと思うが、「惑星」目当ての人も居たに違いない。

 「惑星」の生演奏は初めての経験であったが、実際に聴いた音は、CD等で聴く音から想像する迫
力を下回っていた。もっと、凄い音がするのかと思っていたのだが、大太鼓が殆ど使われない為な
のか、意外に整然とした音に聴こえた。それには、イギリス系の指揮者であった事とも無関係では
ないかも知れない。何処か品格を保とうとする指揮であったように思う。

 生の「惑星」での一つの聴きどころは、ほぼ一貫して使われるオルガンの、その最低音がフォル
テで活躍する土星であろう。「オルガン」と言えばサンサーンスの交響曲第三番を思い出す。第一
楽章後半部でオルガンの最低音が奏でられる。16Hzとも言われているが、我が家の再生装置で聴く
と連続音には聴こえず「ブルブルブルブル」と聴こえる。小さなスピーカーでは無理なのかと思っ
ていたが、サントリーホール一階中央でもそう聴こえたのである。

 もっとも、16Hzの基音は聴こえるはずはないので、その高調波を聴く事になるのだから、それも
止むを得ないと思ったのである。「惑星」がテストCDとして使われる時は「木星」のような凄いと
ころが使われるので、どうしても「火星」と共にそう言うところに注目し勝ちであるが、宇宙の神
秘を表すデリケートな部分にも注目すべきだし、逆にそう言うところで本当の演奏レベルが分ると
思う。

 今回からホルンのトップがロンドンに留学した為、ピンチヒッターになったが、その安定度がち
ょっと気になったし、頑張ってはいたがオーボエの力量がもう一つに聴こえた。もう少し倍音が欲
しい。フルートはまずまずのでき、クラリネットとファゴットは少なくても水準に達していると思
ったが、昨夜はトロンボーンのトップも居なかったので、総合的に何時もより演奏のランクが若干
落ちたように聴こえた。そう思ったのは私だけだろうか。

 清楚な女性コーラスが徐々に徐々に消え入るように小さくなっていく「海王星」が終わった時に、
「ブラボー」は出なかったのである。勿論、盛り上がって終わる曲に比べれば「ブラボー」が出難
い事は認めるが、やはり昨日は演奏会場が一つに成り切れていなかった気がする。ウィーンフィル
やべルリンフィルではないのだから、何時もベストメンバーで臨んで欲しいと思う。

 しかし、オーケストラも人間が演奏しているのだから、浮き沈みはあるだろう。12月のハイドン
「四季」に期待しよう。皆さんも勇気を出して生演奏会に本物の音を聴きに行って見たらどうだろ
う。WRアンプの音をもう一度見直す事になるかも知れない。オーディオの原点は生の音を聴く事だ
と思う。 

530平野紘一さん(マスターズ代表) Thu Nov 16 11:38:27 JST 2006
エンジョイオーディオ!その行く道は!?

 WRアンプユーザーの方、これから購入してみようと思っている方、興味を持って
くださる方、この掲示板をご覧頂いて感謝に耐えない。
 WRアンプの製作・販売を始めて、数年経った。おかげ様でその製作台数は3桁に
なっている。わたしのようにオーディオ黎明期から、繁忙期にオーディオで飯を食っ
てきた者には現状及び近未来が楽しみであり、心配である。
 長年、オーディオ業界にいるので(1965年から)、内外からいろいろ情報が入
ってくる。 皆さんの参考になるかどうか分からないが、ここに書いてみることにす
る。 
 まず、アメリカではオーディオ、とりわけ、ハイエンド・オーディオは非常にシュ
リンクしてしまっている。振りかぶって言うと、共和党の金持ち優遇によって、金持
ちしか、ハイエンド・オーディオを買えなくなったからである。従って、アメリカの
ハイエンド・コンポは非常に高額である。また、アメリカのオーディオメーカーの設
立・廃業・転売が著しい。
 あの、有名なオーディオ誌”ステレオファイル”もあまり、みるべきものが無くな
ってきた。マッキントッシュはクラリオンに支えられてきたのは故存知の方も多いと
思うが、クラリオンが傾いてきて、マッキントッシュはリップルウッドの傘下に入る
ことになった。今後、どのような方向になるのか?今年、創業60年になるJBLの
新商品開発のエネルギーは素晴らしい。
 アメリカの友人に聞くと、JBLをアメリカの東海岸ではあまり見かけないと言う
。JBLを率いるハーマンさんはユダヤ人だけにクレバーであるから、JBLをうま
く導いていくと思う。そうなると、JBLの商売はアジア、それも、日本、中国、台
湾、それに韓国あたりのオーディオファイルの方々が買うのではなかろうか?特に、
最近の中国の富裕層の購買意欲がすごいらしい。
 金持ちではないオーディオ好きのアメリカ人はAVレシーバーを買って、スピーカ
ーを自分できれいにセットして、SPケーブルは壁に入れてきれいに処理するらしい
。重点はやはりVであり、それからがAであると言う。AVレシーバーは日本勢(D
ENON、パイオニア、ケンウッド、ヤマハなどなど)が強いと言う。
 ハイエンドオーディオではなかなか日本勢はむずかしそうである。まず、スピーカ
ーではサウンドバランスの点で、イエローがやったのは認めたがらないようだ。スピ
ーカーユニットでは日本の技術は世界一であったのだから、サウンドバランスは早く
、彼等に任せれば良かったのだ。近年、パイオニアがそのようなシステムを取り入れ
て、かなり良いサウンドバランスになったと言う。(つい、最近、CEATECでパ
イオニアのこの種のSPシステムは聴いた。かなり、聴かせる!)
 アンプでは、近年デジタルアンプが登場しているが、高周波を取り扱うので、もう
、普通のオーディオメーカーでは他におえないところまできている。すなわち、デバ
イスはIC製造ノウハウが必要だし、プリント基板は多層構造が必要である。こうな
ると、初期投資が大変で数が出る平面TV、5.1chサラウンド、カーオーディオ
用アンプ、それこそipodのようなアイテムにデジタルアンプは皆さんの気がつか
ない分野にどんどん採用されている。最近のTV、音質が違うとは、皆さん気がつか
ないかな?

 アメリカのハイエンド・オーディオは一握りのお金持ちが買えるものになってしま
ったから、日本での価格は¥100万を超えるものが多くなったのはそのせいでもあ
る。
 それでは、ヨーロッパはどうかと言うと、まだ、かなり、健全である。まだまだ、
SACDはこれからだし、アナログレコードも健在で、アナログレコードプレーヤー
、フォノアンプ、カートリッジなどもある。スピーカーが苦手だったドイツからエラ
ックのような小型でありながら、優れた音質のSPが出てきたし、B&Wに至っては
技術的にも、サウンドバランス的にも非常に評価が高い。アメリカでもB&Wはアメ
リカ勢を圧倒していると言う。
 価格も特に金持ちでなくとも、買えるようなリーゾナブルな製品が多い。残念なの
は、BBC出身のSPブランドに元気がややないことだ。BBC出身のエンジニアか
ら、後継者への橋渡しが難しいのかも知れない。

 さて、日本の現状はどう見たらよいであろうか?特にアンプに絞ると、アキュフェ
ーズ、DENON、マランツ、LUXとブランドも限られてきた。そして、真空管ア
ンプは中国製も多くなってきた。そして、オークションを眺めると、懐かしいアンプ
が沢山、売りに出ている。どう、考えたらよいのだろうか?
 
 医学的には聴覚・味覚は発生学的に皮膚感覚の一部である。そして、オーディオは
エンジョイするものである。そこから、WRアンプのような、NFBアンプの問題点
を解決したアンプもあるし、ノンNFB真空管アンプもあるし、小型・高効率(言わ
ばオーディオのファーストフード)のデジタルアンプもある。それぞれの主張があり
、これぞオーディオは面白いと思う。

 最後に話が少しそれるが、NFBの発明者ハロルド・ステファン・ブラック氏に生
前お会いしたS社のTS氏の話によると、NFBはMASTER &SLAVE システムである
と言う。誤解されそうであるが、悪い意味ではないことを次回書かせていただこうと
思っている。
 
 ”皆さん、一度きりの人生!楽しんでください。それには、広告も充分ではなく、
地道にやっているところも尋ねてみると、新しい発見、喜びを得ることありますよ!” 

529川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Wed Nov 15 18:52:00 JST 2006
ものの考え方-オーディオに対する考え方

 私はかなり純粋な理工系人間である。「正しいか正しくないか」を何時も考える。生まれ付き
親から受け継いだDNA のせいもあるし、若い頃経験した勉強のせいでもあるだろう。兎に角何か
にぶつかった時は常に、それが優先されて頭に浮かぶ。

 難関な理工系大学を突破するには、その位の徹底した考えをもたないと、到底あの難しい数学
の問題は解けないだろう。特に私のように能力に余裕の無いものはそうだ。冗長な考え方をして
いれば、時間内に難問を解く事はできない。それを高校3年間と浪人生活で徹底的に鍛えられた。

 だから今の自分があるのだし、それを今更後悔もしていないが、明らかにその延長線上に私の
人格が形成された事は確かだ。良く言えば常に正しい路を選ぼうとする善良な人間だし、悪く言
えば融通の利かない堅物に映る。

 WRアンプもそうした「正しいか、間違っているか」と言う、長来にわたる自問自答の末に到達
した結果であるので、それを大事にして得られた結果もそれを基盤に考えるようになる。しかし、
大学以来長い間の付き合いである平野紘一氏は私とは若干考え方が違う。

 勿論、彼も基本的には理工系人間であるが、彼はオーディオは食事と同じで味覚に通じるもの
があると捉え「正しいか、正しくないか」より「美味いか、美味くないか」なのだと言う。だか
ら、オーディオアンプに対する考え方も微妙に違う。

 私はWRアンプ一筋であるが、彼はもっとフレキシブルであり、真空管アンプもデジタルアンプ
も手がけていて、彼の頭の中でそれらは決して矛盾しない。私にそれが出来ないのは、一つの原
理に忠実であろうとする為に、それと融合しない理屈を受け入れられないからである。

 誤解を避ける為に言って置きたいが、私と平野氏の生き方がどちらが正しいか、等と言う低次
元の比較をしているのでは決してないので、興味本位で読まないで欲しい。あくまで、事例とし
て身近に居る平野氏の事を書かせて貰ったに過ぎない。

 だから、これは平野氏の悪口では決してなく、世の中にはいろいろな考え方がある、と言う事
を示したかっただけである。このように、人間の考え方は人それぞれで、右から左までいろいろ
な考え方がある。その意味に置いて、私は最右翼かも知れない。少なくてもオーディオに関して
はハト派ではないだろう。

 具体的な例を挙げよう。私の研究に依れば、高帰還アンプの安定度を自動制御理論で決定して
きた従来の設計法では、十分な安定度が確保できない為、音質に何らかの問題が出る可能性が大
きいと私は考えている。その根拠は、特許NRL 回路によって負性抵抗が無くなるまで補償を行う
と、自動制御理論でよく使われる安定度の指標である位相余裕が、設計目標とされる値より遥か
に大きくなるからである。

 こういう場合、従来の設計法による帰還アンプは理論的に不備があるから、得られた音は評価
できないと私は考える。一方で理屈は兎も角、出てきた音がその人にとって好ましい音だと感じ
れば、それはそれで良いとする考え方が明らかに存在する。どちらにもそれなりの言い分がある。

 私は帰還アンプが不安定になった場合に発生する音を極端に嫌うので、出来れば皆さんにもそ
の音の洗礼を受けて欲しくないと考えている。しかし、仮に不安定な音だとしても、それで低音
が出ていると感じるなら、あるいはそれで歯切れが良いと思うなら、それも価値はあると考える
人もいる。

 それがずっと続けば良いが、私はその錯覚は長くは続かないと思うし、人は必ず何時かは気が
付くものであり、その時又新しい別の物を求めようとする。そして、また伝統的な帰還アンプか
気分を変えて真空管アンプを新しく求めても、結局は同じ事の繰り返しになり、何時かは諦めて、
オーディオを趣味から外す人が出てくる事になる。それが、過去の日本のオーディオの歴史では
なかったか。

 確かに、アンプの買い替えがあれば、アンプの売れ行きを確保できるメリットはあるが、それ
は製造側の言い分であって、買う側の論理ではない。先日も書いたが、数年以上も前にWRアンプ
を買って頂いた方が未だに愛用されている現状は、ビジネス的には失敗かも知れないが、私はそ
れを間違っているとは考えない。ビジネスチャンスは買い替え需要に頼るのではなく、新規に開
拓すべきだろう。WRアンプのキットはそれを目指している。

 このように歯に衣着せぬ発言も私の性格から来るもので、最近はこのような発言をする人は少
なくなっている。それは社会から嫌われるからであろう。今の社会は目立つ者を許容しない。皆
等しく幸せを望む。それが日本の民主主義なのだろう。そして誰も本心を言わなくなる。評論家
もズバリ本音を言わなくなる。それが住み易い社会を造ったのだろうか。

 最近の虐め及び自殺、幼児虐待及び殺人、談合汚職、酒酔い運転などなどニュースで報じられ
る事は嫌な事ばかりである。しかし、これが日本の民主主義の現実だ。私は、もう少し識者がそ
の専門の立場を生かした、攻撃を恐れない、自分の信じる本当の事を言うべきだと思うし、周り
もそれを謙虚に聞くべきだと思う。皆一人前面して、人の話しに敬意を払わないのも最近の傾向
だ。

 結局は、社会にしろオーディオにしろ、国民または消費者が何が正しいかを識別する目を養う
事、そして言うべき時は正々堂々と発言するべきだと思う。そうでないと世の中は一向に良くな
らないだろう。やはり、私には「正しいか、正しくないか」が人間の基本にあるべき事だと思え
てならないのである。  

528川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Sun Nov 12 15:23:58 JST 2006
最近考えていること-WRアンプのキットは如何?

 真空管の根強い人気とクラフトの面白さからか、真空管アンプキットが流行っていると言う。
真空管の魅力は、ヒーターやフィラメントが赤く灯りムードがある事、そこそこの音が出る事、
そして作り易い事などが挙げられる。

 日本のメーカーが真空管の製造を止めて久しいが、上記の理由からか未だに真空管の人気は
衰えていないし、寧ろ拡大する気配さえ感じられる。私は日本のメーカーが真空管から撤退し
始めた頃に、将来性を考え思い切って見切りをつけたので、もう真空管には微塵の未練もない
が、一時は真空管のアンプで真剣にいい音を求めていた。

 最近、WRアンプがほぼ完成の領域に入って、自分の決断が間違っていなかったと思うし、真
空管に拘っていたら、今現在得られている音質のグレードには、到底到達出来なかったと思う。
真空管とトランジスタの違いは煎じ詰めれば、後者の方にのみコンプリメンタリー素子がある
と言えるのではないかと思う。

 例えば、プッシュプルを構成する場合の事を考えてみると、真空管の場合は必ず皮相反転回
路が必要になるのに対して、コンプリメンタリー素子が使えるトランジスタでは、その基本性
質から、位相反転回路を使わないでプッシュプルが構成できる。勿論、純コンはその代表的な
ものであるが、準コンもその恩恵に浴している。

 この事は真空管がどんなに逆立ちしても真似のできない技術的優位性である。最近、銅シャ
ーシの準コンアンプを発売してご好評を頂いたが、真空管でこれと似た様な事をしようとする
と、多くの低内部抵抗の真空管を並列に接続したOTL にアンプになるが、それでも、位相反転
回路とそのドライブに関する大きな技術的問題を抱え、今回得られた音のレベルにすら到達で
きない場合が多いのである。

 これは一例であるが、真空管とトランジスタの違いを如実に示す縮図である。従って、真空
管の場合は余り欲張らずにほどほどにして置くのが正解であろう。即ち、裸の特性が良いと言
う、逆にトランジスタには無い特長を生かした、シンプルな構成のアンプが生きる道であろう。
だから、クラフトに向いているし、アマチュアでもそこそこの物が出来上がる。

 ラジオ技術、MJ誌などの製作記事が殆ど真空管になってしまったのも、頷けることではあ
るのだが、それは裏を返せばやさしいトランジスタアンプの製作記事を書くライターが居なく
なったと言う事でもあるのだ。

 トランジスタの欠点は素子の直線性が悪い事であるが、それ故に真空管のような無帰還シン
グルアンプは最も不得意とする分野である。音は出てもトランジスタラジオ並である。到底ハ
イエンドに耐える音は出ないだろう。トランジスタの直線性の悪さを補正するには、どうして
も大掛かりな帰還技術が必要になる。

 しかし、これまでの帰還技術は少なくてもハイエンドオーディオでは本領を発揮できなかっ
たと言ってもよいだろう。それは、真空管が第一線を退いてから、数え切れない程のソリッド
ステート式アンプがメーカー各社から発売されたが、その殆どは短い生命で終わってしまった
し、それが原因となって多くのメーカーがオーディオからの撤退を余儀なくされた事は周知の
事実である。

 それは帰還技術を100%信じて真っ向勝負したメーカーの責任であり、もう少しハイエンドオ
ーディオの観点に立って考えるべきであったろう。我田引水で申し訳ないが、私は帰還技術を
オーディオにアプライする場合のマナーを心得ていたので、100%は信用していなかったのであ
る。元来、帰還技術はハイエンドオーディオ用に考えられたものではないからである。

 帰還技術をハイエンドオーディオにアプライする適当な方法を独自に見つける事ができた私
はラッキーだったと思う。それには普段からの幅広い経験が役に立ったと思う。オーディオが
好きな割りには、アマチュア無線のような無線通信にも非常に興味を持ち、短波送信機も自作
した事があるので、自然に高周波的センスが身に付いていたのである。

 それでオーディオを高周波的な見地から見直したのであるが、当時は誰も私の言う事を信用
しなかったのである。しかし、それが功を奏して高帰還アンプに内包される負性抵抗の存在に
気が付き、長い年月をかけて2つの特許NRL 回路に行き着いたのである。誰も信用しようとし
なかった技術が今WRアンプとして花を咲かせ、WRアンプユーザーの方達に、それが正しかった
と言う事を証明して頂いていると思っている。

 しかし、WRアンプは高価であり、誰にでもお求め頂ける価格ではない事も事実である。もう
少し裾野を広げて、なるべく多くの方に気楽にWRアンプの音を楽しんで頂きたいと思うのだが、
音を良くしたいと言う欲求と、価格を下げると言う事は相反するのでなかなか難しい。

 そこで製作を担当して頂いている平野紘一氏とも相談し、一つの方法としてクラフトブーム
でもあるので、WRアンプのキットを売り出したら良いのではないかと言う事になったのである。
平野氏の調査によれば、現在の日本には本格的なトランジスタアンプのキットは無いと言う事
だし、オンリーワンを目指して是非実現したいと構想を練っている。

 何故、今現在トランジスタアンプのキットが無いかと言えば、技術的に面倒な事が多く、キ
ットにし難い事と、上述の理由で簡単にいい音のアンプが出来ないからであろう。幸いWRアン
プのNRL 回路を用いた高域補償は非常に安定なので、細かな調整が不要であるし、音質は太鼓
判が押されている。キットの条件は満たしているのである。

 勿論、価格は少なくても銅シャーシ準コンアンプ並にして、普通の人が手の届く範囲に設定
し、誰が作っても失敗の無いアンプにしたいと思っている。その為には基板は調整済みにして、
機構部品をねじ止めし、必要な線材を半田付けすれば完成できるように考えている。間違いな
く完成できれば、高音質のWRサウンドが聴けると言う寸法である。自分で作れば尚一層いい音
に聴こえるだろう。

 日頃買いたいと思うけど手が出ないと諦めて居られる方は、是非WRアンプのキットに期待し
て頂きたいと思う。準備万端整えて、来年の初めには何とか発売に漕ぎ着けたいと考えている。
クラフトに趣味のある方は勿論の事、少し半田付けくらいは出来ると言う方でも完成できるよ
うに、キットの構成をなるべくシンプルにしたいと計画している。WRアンプユーザーの方にも
面白い遊びとして受け入れられたら最高である。

 真空管アンプキットは山ほど在るが、トランジスタアンプキットは希少価値だし、出来上が
りの音はメーカー製高級アンプに引けを取らない自信がある。安易に真空管アンプに決めない
で、是非、WRアンプのキット発売を待って欲しい。

 WRアンプのキット化に関して、どんなご意見でも結構なので、是非お聞かせ願いたいと思う。
出来るだけ参考にさせて頂くつもりである。  

527川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Tue Nov 7 19:13:28 JST 2006
フジテレビで放映中の「のだめカンタービレ」を見ていますか?

 原作は漫画だと思われるが、余りのふざけ様に目を瞑りたくもなりながら、つい見てしまう
音楽ドラマである。内容の8割方は「そこまでやるか」と言うズッコケであるが、それでもこ
のドラマの意義はあると思う。

 何しろ、民放テレビのゴールデンタイムにクラシック音楽がメインテーマになった番組が放
映されるなんて、普通はあり得ない話しである。昔はラジオが多かったにせよ民間放送も真面
目なクラシック番組を積極的に制作していた。しかし、今はどうだろう。民放とクラシック音
楽は殆ど無縁に見える。それが日本人の文化と言ってしまえばそれまでだが、少々情けないと
思うのは私だけであろうか。

 どういう経緯で今回の放映が決まったかは分らないが、視聴率を最優先する民間放送として
は快挙と言っても良いかもしれない。勿論、クラシック音楽ファンがこの番組を真面目に見よ
うとすれば腹も立とうが、諸事情を差し引いて見れば全く意味が無いとは言い切れないと思う。

 第一の理由は、クラシック音楽の名曲が次から次と現れるので、曲を知っている者は楽しい
し、知らない人には重要な切っ掛けを与えられる事になるからである。最近のメインテーマは
「ベト7」であった。主人公が「ベト7」と言っていたように、ベートーベンの交響曲第7番
をクラシック音楽仲間はそう呼んでいる。ベートーベンの他の交響曲を普通は略称で呼ばない
から、クラシックファンが如何にこの曲を愛しているかが分かる。

 主人公は幼少の頃をヨーロッパで過ごし、コンサートに足繁く通っていたので、オーケスト
ラの指揮者に憧れるようになり、実際、著名な指揮者に可愛がって貰った経緯がある。しかし、
帰国の折に乗った飛行機が胴体着陸して恐怖感を味わった事から、それがトラウマになり、成
人してもヨーロッパに留学できずにおり、今は国内の二流音楽大学のピアノ科の学生に甘んじ
ている。

 しかし、音楽の才能がありながら、ピアニストとしては中途半端な状態で、決して満たされ
ない気持ちを引きずって大学に通っている。ある日、ピアノ科の落ちこぼれ学生である「のだ
め」と連弾する羽目になるが、楽譜が読めないその落ちこぼれ学生の演奏に胸を打たれる事に
なる。それ以来、好きでもないその女子音大生と腐れ縁になり、生活も乱される事になるのだ
が、肝心のところでその学生に助けられる。

 ある日、指揮者に憧れながらもピアノ科に所属している主人公にチャンスが訪れる。学内に
設立された、落ちこぼれ学生で構成される「Sオケ」の指揮を任されたのだ。学内には優秀な
学生で構成された「Aオケ」があるが、そちらは外国から招聘した教授が振る事になっており、
必然的に比較される状況になっている。「Aオケ」の課題曲は「合唱」の第1、第2楽章で練
習も上出来に仕上がっている。

 一方「Sオケ」の課題曲は前述した「ベト7」である。主人公は楽譜に忠実に演奏するよう
に指導するが、落ちこぼれ学生には無理な要求であり、学生は練習も余りせずについて来ない。
思い余っている時に、練習を見学しに来ていた「のだめ」が耳から入った「ベト7」を自由奔
放にピアノで弾いて見せる。それを聴いて感動した主人公は、公演が間近に迫っていたにも拘
わらず「Sオケ」の指導方針を180度転換し、楽譜に忠実に演奏する事より、学生が自ら感
じた事を重視し、自由なスタイルで演奏させる決意をする。

 案の定「Sオケ」の学生たちの共感を呼び、学生たちは目の色を変えて彼らなりの方法で練
習に励む。演奏会は大方の予想を裏切って成功裡に終わる。聴衆の心を動かしたのだ。真っ先
に拍手をしたのは、他でもない「Aオケ」を指揮する予定の外人教授であった。それに続いて
万雷の拍手が起きる。負けを悟った外人教授は指揮を学生に押し付けて逃げるようにして会場
を去る。

 ここまでが現在放映されたあらすじである。今後どのように展開するのか分らないが、「ベ
ト7」の聴き所がドラマから流れている事だけで結構感激できる。私はベートーベンの交響曲
の中で「ベト7」が一番好きだ。リズミカルでエキサイティングなところが画期的だ。同じベ
ートーベンでも「合唱」などその比でないと私は思う。ドラマでも「合唱」が負けた訳である
から、漫画の作者も案外同じ気持なのかも知れない。そしてこのドラマの動機に「ベト7」を
選んだように見える。

 暮れになると「合唱」が氾濫するが、そんなに価値がある曲なのかと思う。もっと「ベト7」
のような名曲がベートーベンにはある事を世の中に知らせしめるべきだと思う。そう言う意味
でもこのドラマに拍手を送りたい。この曲に私が出合ったのは高校生の頃だったと思うが、一
聴して虜になってしまった。当時はラジオ放送だったが、多分、クリュイタンス指揮のベルリ
ンフィルの演奏だったと思う。

 このレコードは、その後高校の同級生が、文化祭のレコードコンサートの時に「親父のレコ
ードがある」と言って貸してくれたので、特に印象に残っている。当時はLPは高価だったので
このLPを持っているだけで、感心させられたものだ。フランス文化とドイツ文化を見事に融合
させたクリュイタンスの指揮は「ベト7」に凄く合っていたと思う。今でもCDで入手可能であ
る(EMI CLASSICS 4 83412 2)。

 ついでに、あと2枚推薦しておこう。まず1枚はやはりショルティであろう。ウィーンフィ
ルを無理やりに扱いたと言われている名演である(POCL- 9562)。兎に角この曲の演奏はオケを
鳴らし切るところに壺があるように思う。もう1枚は同じウィーンフィルをクライバーが振っ
たSACDを挙げたい(471 630- 2)。どちらもスリリングであるし、あのウィーンフィルがシャカ
リキになっている。

 ドラマでは東京都交響楽団が演奏しているらしいが、ドラマの中で「ベト7」を聴くと兎に
角興奮するから不思議だ。視覚的要素やゴールデンタイムのテレビと言う意外性がそうさせる
のだろう。合間にメンデルゾーンの「イタリア」やビゼーの「アルルの女」などが意味無く流
れても、ドラマの安っぽい挿入音楽より余程気が利いている。

 皆さんにも視聴をお勧めするが、8割は「そこまでやらなくても」と思う程の内容であるか
ら、見るなら覚悟を決めた方が良いだろう。それでも、私は音楽の楽しさには勝てないのであ
る。これが切っ掛けでクラシック音楽を好きになる人が増えれば、このドラマは大成功である
し、民放も捨てたものではない事になる。因みに放映は月曜午後9時である。 

526川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Sun Nov 5 15:29:02 JST 2006
アンバランス-バランス変換アンプ完成!

 前回の記事中で、アンバランス-バランス変換アンプを考えて見るとお約束しましたが、連休中に
いろいろ実験を繰り返したところ、その目処が立ちました。回路の詳細をマスターズ平野紘一氏に送
って精密な測定をして貰う事になっていますので、その結果に問題がなければ、完全バランスプリに
搭載して、アンバランス出力しか持たないオーディオ機器でも、それ以降は完全バランスで増幅でき
る事になると思います。

 バランス出力の可能性のあるオーディオ機器はCDプレーヤー又はDAC 位で、その他のものは原則的
にアンバランス出力が殆どです。それは、バランス増幅にしなければならない必然的な問題が無かっ
たからでしょう。原理的には、LPレコードを再生するカートリッジの振動系をバランス構造にする事
はそう難しい話しではありません。例えば、放送・録音用に使われるコンデンサー型マイクロフォン
はバランス構造になっています。

 しかし、バランス構造にすると倍の情報量になるので、ステレオでも4ch 分が必要になります。そ
のデメリットを帳消しにする位のメリットが生じない限り、実現は難しい事になります。そんな訳で
再生オーディオではCDの再生以外は完全バランス増幅は望めないのです。ソースをCDに限定している
人は良いですが、LP、FM、BS放送もソースにされている人は、CD以外のソースはバランスBTL 接続で
楽しめない事になります。又、多田さんのようにバランス出力のないプレーヤーを大切にされている
人も同じ運命になります。

 多田さんのご質問の中にあった反転アンプを使えば、上記の問題は取り敢えず解消しますが、完全
バランスにはならないので、少なくても精神衛生上の問題は生じますし、音調がピラミッドバランス
になり勝ちなので、中高域の切れ味を重視する人には不満が残る可能性があります。

 未だ、音質までチェックした訳ではありませんが、実験した回路の出力は完全バランスと言っても
良いので、ホット又はコールドのどちらかに異物が混入すると言うイメージはありません。そう言う
意味で精神衛生上もスッキリしますし、NRL 回路を生かしたゲイン1の構成になっていますので、こ
の回路を通したからと言って音質が劣化する事は先ずないと思います。それは、今回の基板と酷似し
た基板で作られているWRプリを通した方が、全体の音が良くなると言う経験からも問題はないと考え
られます。

 今回考案した回路のメリットは、アンバランス出力しか持たないソースでも完全バランスBTL 接続
で音楽が楽しめると言う事です。これにより、ソースの出力方式に依らず完全バランスBTL 接続ステ
レオが実現できるので、予算に応じてプリのバランス化とパワーアンプの増設で将来の展望が開けて
来る事になります。

 BTL 接続とは別に完全バランス・ステレオも当然あり得る事は、先日の視聴会でも実験的にお聴か
せした通りですから、一方でBTL 接続をしないでも同等以上のパフォーマンスが得られるようなバラ
ンス入力対応のパワーアンプを鋭意開発中です。2台のパワーアンプに分かれる事を避けたい方には
朗報となるに違いありません。

 BTL 接続にして現在所有するパワーアンプのパワーを約3倍(理論的には4倍だが実際は3倍位に
なる)に増強し、BTL と言うモノアンプ2台でバランス化を実現するのが良いのか、バランス入力対
応ステレオ・パワーアンプでバランス化を図るのが良いのかは、あなたの好みにも依るところでしょ
うが、パワーでは不利になり勝ちなステレオアンプ方式が負けないように、新作バランス入力対応パ
ワーアンプを頑張って仕上げるつもりでいます。

 何れにしても、バランス化と言う高度な聴取方法は、聴く側の耳がそれに対応して訓練されていな
ければ意味がありません。「馬の耳に念仏」にならぬように、現在所有する装置で耳を養う事が必要
だと思います。また、生の演奏会にも億劫がらずに足を運ぶ事が重要です。WRアンプは生の楽器が奏
でる音楽を家庭でそれらしく楽しむ為に開発されています。

 それが偶々架空の音を追い求めるオーディオマニアの方に一瞬気に入られる事は有り得ますが、そ
の可能性を私は期待していません。それは私のオーディオ道とは明らかに相違するからです。市販の
アンプに6Nなどのケーブルを使って作り上げたコテコテの音を、私は好まないと言うだけです。そう
言う音で満足される方を無理に引き止めません。ただ、それが世の中の多数派のようですから、それ
しか入手出来ないが故に、疑問を感じながら音楽をお聴きになっている方が居られる可能性は大いに
あると思います。

 「生の演奏会ではこんな音はしない!」と思われながらお聴きになっている方がいらっしゃいまし
たら、その時は是非WRアンプをお試しになって見て下さい。WRアンプの真の価値をお分かり頂ける事
と思います。WRではお聴きになる方のご要望に合わせて、いろいろタイプを用意してお待ち申し上げ
ております。  

525平野 紘一さん(マスターズ代表) Thu Nov 2 23:15:53 JST 2006
東芝MOSFETとWRアンプのコラボレーション

 
WRP-α4MOSは大変評判が良く、短期間のうちに完売となった。
入手出来た日立MOSFETの数が少なかったからである。実際、そ
の音質は瑞々しく、透明感があり、奥行き感もあり、かつ、故長岡鉄
男氏がMOSFETを高く評価していただけにパワフルさも兼ね備え
ていた。

日立MOSFETが生産完了になって、ほどなく、開発されたのが東
芝の2SK405/2SJ115であった。最大ドレイン電流8A、
耐圧も160V、ドレイン損失は100Wあって、シングルppで8
0Wは可能。当時、山水に在籍していた私は早速、東芝半導体事業部
の人にきて貰い、説明を受け、サンプルを頂いた。

すぐに、山水のアンプに搭載してみた。凄く、魅力的なサウンドとな
った。山水のアンプのどれかに採用しようと思った。MOSFETは
バイポーラトランジスタより飽和電圧のばらつきが大きく、検査、選
別する必要があった。

このランク選別に費用がかかり、価格面でなかなか折り合いが付かな
かった。そうこうしているうちに、わたしは山水からスピンアウトす
ることになり、何とか採用すべきと、あとを大島氏(現在、アクアオ
ーディオ社長)に託した。

彼もその良さを認識して、そのあとこのMOSFETを採用したプレ
ニアム機種を数機種限定発売した。いずれも、大評判で売れ切れ、完
売で、今でもオークションでは人気が高いと言われている。

わたしも、スピンアウトした会社で、このMOSFETを搭載したハ
イパワーアンプを設計・生産した。ブランドはアメリカdbxであっ
た。250Wx2の業務用仕様で、P社の優秀なアンプ設計者も買っ
てくれたほど、パワフルで新鮮なサウンドであった。これも完売であ
った。

今回の限定2台の東芝MOSFET仕様のアンプは、このとき入手し
た残り少ないデバイスを使う事により実現可能になった。パワーは3
0Wで、充分に余裕のある使い方である。勿論、MOSFETのラン
クは選別品である。

今回のアンプの音質は上述のように、パワフルでかつ瑞々しいのが特
長である。どうして、そうなるのかは、やはり、デバイスとWRの優
秀さのコラボレーションの結果であろう。日立に優るとも劣らないの
で大変お買得である。

2SK405/2SJ115のMOSFETはインバータ、スイッチ
イング電源とかDクラスアンプに採用される最近のMOSFETに比
べ、入力容量が少なく、飽和電圧も小さく、内部抵抗もオーディオ用
に最適である。しかし、オーディオ用途としての需要が減り、ディス
コンになって久しい。今や幻のMOSFETと言われている。

 この機会をお見逃しなく!  

524川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Tue Oct 31 18:33:00 JST 2006
多田さん、WRアンプを再認識して頂き大変ありがとうございます。

 日頃何気なく聴いていると、それが当たり前になってしまっていますが、偶に他社のアンプを
聴かれた時に現用アンプ(WRアンプ)の良さに改めて気付く、と言う事はよくある事だと思います。
今回も他社、しかも方式の違う高級デジタルアンプ(Dクラスアンプとも言う)をお聴きになっ
て、そう思って頂いた事に大変感謝しております。

 アンプを買って頂く事もさることながら、ずっと長い間使って頂く事もまた大変名誉ある事だ
と思っています。それは長い年月の間、どのようなソースに対してもそれなりの音をご提供でき
た証であるからです。最近も、2001年にプリとWRP-α1 をセットでお買いになった方から「あれ
以来、音が落ち着いたのでCDプレーヤーを少し変えただけで、アンプには全く手をつけてません」
と言うお便りを頂きました。有り難い事だとただ感謝するばかりです。

 多田さんがお聴きになった高級デジタルアンプについては、平野紘一氏の解説の通りだと思い
ます。平野氏はDクラスアンプの開発に尽力され、音を良くする為にいろいろなノウハウを持た
れていますが、開発に携わった技術者がそう言うのであれば、それは確かな事でしょう。普通は
開発した本人は思い入れがあり、それを支持するのが当然だからです。

 世間はまさにデジタル技術全盛の時代です。デジタル技術はいろいろな分野でアナログ技術を
駆逐してきました。放送、録画・録音、通信など枚挙に暇がありません。もし、最後までアナロ
グ技術が優勢を保ち続けるとしたら、それはハイエンド・オーディオではないでしょうか。それ
はアナログである音楽を、途中だけデジタル技術に変換すると言う構造的問題がありますが、も
う一つオーディオの科学的研究がストップし、最後の判断は人間の耳が行わざるを得ないと言う
宿命があるからだと思います。

 生の音楽は我々が直接耳で聴くのに対し、再生音楽は一度デジタル信号に変えて保存し、再生
時にアナログ信号に戻すという方法です。これは原理的に無駄があると思います。しかし、世の
中の趨勢がそうであれば、何処の段階でその変換を行うかが問題になります。録音側については
デジタルマイクと言う構想もありますが、我々が選択できるのは再生側のみです。現実的にはパ
ワーアンプの前で変換するか、パワー増幅後に変換するかの二者択一になります。

 前者はアナログ・パワーアンプを使用する方法でWRアンプはこれに準じています。後者がDク
ラスアンプを使用する方法で多田さんがご経験になったスタイルです。小信号時にCDプレーヤー
内かDAC でアナログ信号に戻す一般的な方法に対して、スピーカー直前でアナログ信号に戻す方
法には一つ不利な条件があります。

 それはスピーカーからの逆起電力の影響です。スピーカーに音声電流を流すとコーン紙が振動
し音波となりますが、そのコーン紙の運動はボイスコイルに逆起電力を発生させてしまう事にな
ります。所謂フレミングの右手の法則です。こうして発生した電圧をどう吸収するかは、デジタ
ルアンプに取って大きな問題でしょう。

 パワーアンプが完全な定電圧源と見なせれば、内部抵抗ゼロのアンプでスピーカー端子はショ
ートされますから、この影響から完全に逃れる事ができます。この事はアナログアンプにも適用
される話しですが、負帰還技術が適正に施され、出力インピーダンスが負にならない範囲で限り
なくゼロに近いアナログアンプ(WRアンプ)に取っては、さほど大きな問題にはなりません。

 Dクラスアンプで、しかもローパス・フィルタが間に入ると言う条件下でこの問題を理想的に
解決できるのか、キャリアと言うアナログアンプに取っては強力なノイズ源をどうやって封じる
のか、私にはかなり疑問が残ります。

 もう一つは、完成したアンプの評価です。未だに目に見える形で最終的な判定ができない高級
オーディオアンプは、最後は人間の耳によってなされます。即ち、優れた耳の持ち主が居ないと
音楽を楽しむ為のオーディオアンプを本当の意味で開発する事はできません。しかし、以前にも
書いたように生の音楽会に行った事がない設計技術者が多いこの業界では、それも余り期待でき
ない事になりそうです。

 私は小学校低学年時に、体育館で演奏された生のオーケストラの音を聴いて驚愕し、以来高校
生の頃から、国内や海外の優れたオーケストラの音楽会に、できる限り足を運んできました。そ
して、どういう音が生の音楽会で聴こえるのかを肌で感じてきました。そして耳の老化を補う為
に、今でも月一回のコンサートを欠かしていません。それはハイエンドのオーディオアンプを開
発する技術屋の最低限の嗜みだと思っています。

 だから、スピーカーから出る音を聴けば、一聴してこれは本物の音かそうでないかは分るので
す。WRアンプは負性抵抗を排した特許回路を優れた部品を使って実現していますが、それだけで
今のWRアンプが誕生した訳ではありません。オーディオアンプは残念ながら技術力だけでは如何
ともし難いところがあるのです。最後はその技術者の芸術的センスが要求されます。それは短期
間で養成できる程簡単なものではありません。

 以上の分析から、WRアンプがデジタルアンプに駆逐される事はまず無いと言っても良いでしょ
う。そして多田さんも、最新デジタルアンプに惑わされずに、正しくWRアンプを評価される耳を
お持ちだったと言う事だと思います。WRアンプをお使いになる方は皆さん耳が良いと言っても過
言ではないと思います。「デジタル技術は凄い」から「デジタルアンプは素晴らしい」になり勝
ちですが、ハイエンド用のDクラスアンプはデジタル技術が苦手とする例外的分野だと思います。

 最後に、アンバランス出力しか持たないCDプレーヤーを使った場合のBTL 接続の件ですが、こ
の場合は片側だけに反転アンプが入る為に、完全バランス駆動に比べて上下非対称になり、精神
衛生上よろしくない事は確かです。余り多くの例がある訳ではありませんが、単体で聴いた場合
に比べて中低域が勝り、相対的に中高域の繊細感に少し欠ける傾向があるようです。ただ、完全
バランスと比較試聴した訳ではないので、今の高速化されたαZEROでもう一度実験してみないと、
正確な事は分らないと言うのが正直なところです。

 私は、今の高速化されたWRP-αZEROを使えば、パフォーマンスが良くなる事はあっても、何か
が気になる程に聴き劣りする事は決してないと思います。もう一つの可能性は対称性のあるアン
バランス-バランス変換アンプを新たに設計する事です。負性抵抗を排したWR特有の回路で実現
出来るかどうか、少し考えてみたいと思います。  

523多田さん(会社員) Sun Oct 29 22:29:47 JST 2006
WRアンプ再認識しました。

先日今年ハイエンドショーとA&Vフェスタ(横浜)で
評判だったデジタルアンプを自宅試聴する事が出来ました。
そのメーカー及びそのメーカーのファンクラブのブログには
そのアンプのすばらしさが、購入者及びいろいろな方が
書かれていました。
私もうきうきして、接続いたしました。
WRアンプを購入してから、他のメーカーのアンプを接続するのは
久しぶりになります。
早速音を出してみると、確かに綺麗な音はするのですが、何かが足りません。
最初はエージングの関係と思い数時間音楽を再生しましたが
やはり全然感動しない音です。
非常に繊細で音の広がりは、ありますが心に訴えてくれません。
3日ほど、いろいろなジャンルの音楽を聴きましたが
残念ながら、気に入りませんでした。
平野さんに、このことをおしらせしましたところ
デジタルアンプは「とても、長く聴けないです。高周波スイッチイング波形から、
オーディオ信号をローパスフィルターでろ過するような仕掛けになっているので、
どうしても蒸留水のような味になってしまいます。
感動・感激成分が吸い取られているようです。
電気特性的にも、アナログアンプにかなわないです。」ということでした。
久しぶりに他メーカーのアンプを接続して、WRアンプのすばらしさを再認識しました。
やはりWRアンプはいいですね。このアンプを選択して間違いなかったです。

あと気になるのはZEROアンプのBTL接続です。
私のDACにはバランス接続端子がありません。アンバランスのRCAだけです。
その場合完全バランス接続にはなりませんが、音質はどのように
なるでしょうか。
以前掲示板でアンバランスBTLはあまり、いいようには書かれていませんでしたが
(現在では改善されたかも分かりませんが)
いかがでしょうか。今使用しているインフラノイズのDAC-1というDACが
非常に気に入っているので変更する予定はありません。
ZEROアンプBTLバランス接続とアンバランス接続の音質の
違いが分かれば、教えていただけますか。
よろしくお願い致します。