ウエストリバーアンプの掲示板

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*私のレコード遍歴と題してラジオ技術誌に連載した原稿下部にあります。
何かの参考になれば幸いです。

    2069川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Sat Sep 9 21:00:00 JST 2023
    WRP-α120 から始まった一連の製作が今回で一旦終了します。
    
       −−−旧型アンプを冬眠させて以来、長期間の沈黙を破って一気にオーディオ道が開花!
    
     表題にもありますように、このお方は旧型時代にWRC-α1 及びWRP-α1 をご購入下さりながら
    故あってオーディオを一時的に封印されて居られたようです。しかし最近になって無性にいい音
    で音楽が聴きたくなられたようで、WRアンプが未だ健在である事を確認された上で、堰を切った
    ようにオーディオ道に戻られたのです。
    
     そのご報告が項番2065に認められています。先に納入されたWRP-α120 に続いて、プリアンプ
    であるWRP-α9 が納入された時に頂戴した一文です。オーディオ鎖国をお解きになり一気に最新
    のWRアンプシステムの音を耳にされた時の驚きと感動の様子が、あからさまに綴られてあります。
    そのギャップは「月とスッポン」ですから驚かれるのも当然の事かと思います。既成オーディオ
    が20年以上経っても相変わらずの音を繰り返してるのに対して、WRアンプは既成オーディオには
    無い正しい理論の下で着実に高音質化を成し遂げ、つい最近「高ft化アップグレード」を以って
    「完成宣言」をしたのですから、そのギャップは計り知れない程だったと思います。 
    
     その本質は何でしょうか? 結局端的に言えばアンプからひずみ感が殆ど出なくなった事だと
    思います。「そんな事だけでオーディオアンプの音が良くなるの?」と思われるかも知れません
    が寧ろそれが全てであり、あとの事は十中八九付いて回って来ます。そもそも「艶のある音」だ
    とか「柔らかい音」だとかと言う形容詞で表現される音は直接求めようとしても、その物理的な
    手法が確立されていない以上不可能なのです。
    
     アンプは「ストレート・ワイヤーであるべし」と言われますが、それは源信号を全く損なわず
    に(ひずみ無しに)増幅する事が理想的アンプであると言う意味です。しかし、自動制御理論の
    安定判別法を使用して設計された帰還アンプは、不安定要素が内包されたままになりソース信号
    を正しく増幅する事は絶対に出来ないのです。必ずひずみ感が残ります。このひずみ感が、本来
    出るべき音をマスキングする為に、全てを台無しにしてしまいます。完成したWRアンプは大小を
    問わずこのひずみ感を殆ど発生しません。従って、ソースにさえひずみ感の無いものを用いれば、
    耳に不快に響くひずみ感を伴う事無く、ソースに録音されてる音楽を存分に楽しむ事が出来ます。
    勿論、再生される楽音に具備されるべき音は細大漏らさず備わっています。ひずみ感以外に注力
    する必要は全くないのです。
    
     しかしこのようなWRアンプを開発する為には、その基本になっている「負性抵抗」理論だけで
    はなく、実際にひずみ感を伴う線材や部品を訓練された聴感で選別する事が必定になって来ます。
    これは言うに易しですが、実現は至難の業です。理論と実践が相まって初めて可能になるのです。
    何せこの完成されたWRアンプに行き着くまでに、凡そ半世紀を要した事からもお察し頂けるもの
    と思います。この難行を実現出来たのは世界広しと言えどもWRアンプだけです。
    
     これは我田引水では決してありません。その証拠の一端がこのご報告の最初の3行で明らかだ
    と思います。交響曲は色々な楽器が種々の奏法で演奏される為完璧に再生出来るシステムは皆無
    に近く、何処かのパートで必ず耳に不快な音がするはずです。WRアンプの場合は録音が良ければ
    全く不快感なしに交響曲等を楽しむ事が出来ますし、録音が古くて硬質感を伴うような場合でも
    引き攣れるような事には決してならずに単純な硬さに聴こえるようになっています。これまでの
    既成オーディオアンプでは例外なく何某かのひずみ感を伴いますのでそれが普通になってしまい、
    謂わばひずみ感に慣れっこになっている人が殆どだと言っても過言ではないと思います。貴方も
    そろそろひずみ感のない音に目覚めて見ませんか? こんな世界があったのか!と感嘆される事
    でしょう。
    
     さてWRP-α9 +WRP-α120 を納入させて頂いた以降に、ストリーミング聴取の為に用いる機器
    のACパック代替用安定化電源を合計3台納入させて頂き、高音質化に大いにお役に立てたと言う
    報告を頂いています。引き続いて8cm のフルレンジを使ったセカンドシステム用に WRP-α9 /AN
    とDAC のACパック代替用安定化電源(12V 電源第3号機)をこの度納入させて頂きました。その
    際のご報告を頂戴しましたので皆様にもご紹介させて頂いて、WRの帰還技術の効用と線材・部品
    の選択の正しさをお知り頂ければと思います。此処で言う線材・部品は所謂オーディオ用と全く
    違います。線材は普通の4N銅線の中からひずみ感の殆ど出ないものを選び、部品は使用する前に
    一時的に我がWRアンプに使って、過渡的なひずみ感が増大するかどうかチェック済のものだけを
    使う事にしています。音の良し悪しを判断する場合に、生楽器から出た本物の音なのか、アンプ
    が発生したひずみ感なのか、正しく判別できる聴感を有してる事がアンプ製作者に求められます。
    ライブの現場に足を運ばない技術者には、WRアンプのようなひずみ感の殆どない本物のアンプを
    作る事は叶わない所以です。
    
     先ずはご報告の最初の4行です。
    
    ★α9 /AN と12V 電源3号機は順調です。
    
    ★DAC は、ACアダプターから12V 電源3号機にアップしたことで
    ★情報量が増えることに加えて、やはりゆっくりに聞こえます。
    ★デジタル機器には、時間軸にも効くようです。
    
     此処での注目ポイントは「情報量が増える」と「ゆっくり聴こえる」と言う部分です。情報量
    が増えて聴こえるのは、これまでひずみ感がそれを上回っていた為にマスキングされて聴こえて
    来なかったからです。次の「ゆっくり」聴こえると言うところは、これまでのオーディオ評論に
    は出て来た事のない表現です。まさか、音楽のテンポが物理的に遅くなったと言う事ではないと
    思います。この表現は項番2065でも使われています。私がこの表現を始めて聞いたのは項番2043
    の中で、他のユーザーの方が下記のように述べられているところです。
    
    ●まず、繋ぎかえると音楽がゆっくりと聞こえるようになるのです。
    ●これはSTAXアダプターを使用し始めたときにも感じました。
    ●もちろん音楽のテンポが変わったりはしないです。
    ●どうも、ノイズがなくなり音と音の間にキチンと空間が空く
    ●とぼくの耳にはそう感じるようです。
    
     これはヘッドホン聴取用機器の為にお作りしたACパック代替用安定化電源を納入させて頂いた
    時のものですが、何れもACパック代替用安定化電源が関与しています。ACパックが出すノイズが
    音楽のテンポ感を変えてしまうのでしょうか? 幾らノイズが多いからと言って物理的にテンポ
    が変る事は無いとすれば、この方が仰るように音と音との空間が正しく確保されるからなのかも
    知れません。何れにしてもお二方の単純な錯覚ではないと思います。このように、オーディオは
    新しいフェーズに入っています。今まで見えなかった新たな音がWRアンプで見えて来るかも知れ
    ません。音ではなく本当に音楽をお聴きになりたいと日頃からお考えなら、本質的に進歩のない
    ひずみ感の多い既成オーディオアンプから早く足を洗った方が良いと思います。
    
     次にWRP-α9 /AN の音の印象について触れられています。
    
    ★α9 /AN については、HPも良かったのですが、
    ★SEコンのおかげもあるのかSPを鳴らしみたら予想以上でした。
    
    ★8cm フルレンジ一発なのですが、
    ★すごく静かなのは想定内でしたが、メインシステムと同じ音がします。
    ★あまりにも良いのでいろいろ微調整しながら数日こればっかり聴いていました。
    
     SEコン化されてる事もありますが、予想以上のパフォーマンスが得られたようです。この方の
    リファレンスはWRP-α9 +WRP-α120 の音ですから、価格差からしてかなりの善戦だと思います。
    これはWRアンプが完成した証拠だと思います。例え安価なアンプであっても全て「新WR標準」を
    満足しているからです。もし音質差があるとすれば最高出力の違いから来る問題だけだと言う事
    です。SEコン化について一言だけ触れて置きますが、SEコンの方がセラミックコンよりひずみ感
    がより少なくなると言う事です。その理由は高周波特性の違いか誘電体のリニアリティの問題か
    だとは思いますが定かではありません。
    
     最後に、少し不安になられてメインシステムの音を再確認されたようです。
    
    ★今日メインシステムを聴いたのですが、
    ★出だしは少し焦りました、サブと同じかと。
    ★でもさすが少し聴き進めると、やはり余裕が違います、
    ★実像感も段違いである意味ホッとしました。
    
    ★それにしても、WRアンプの底力を再認識しました。
    ★アップグレードされた旧アンプも楽しみです。
    
     メインシステムの音を確認されてホッとされたようです。α120 が負けるはずはありませんが
    WRP-α9 /AN がご期待以上の音を出した証拠だと思います。SEコン化の費用は掛かっていますが、
    土台は片手で買えるオール・イン・ワンアンプです。WRアンプは安価でも十二分に使えるのです。
    「WRアンプの底力」を感じて頂けて良かったと思います。余り大きな音量では聴かない、部屋が
    狭い、スピーカーの能率が良い等の条件を満たしていれば、WRP-α9 /AN は十分に使用に耐える
    高音質のパワーアンプになります。当面はプリが無くても、2信号の切り替えと音量調節が可能
    ですが、早めに完全アップグレードされたWRP-α9 (約16万円)を入手して頂いて、セパレート
    方式で、最終的には運用して頂ければと思います。
    
     今後、約20年前にご購入になった旧型アンプ一式のアップグレードに移ります。既に WRP-α1
    の高ft化を含むアップグレードは終了しており、高ft化独特の完成度の高い音を聴かせてくれて
    います。来週には発送の予定ですが、その後にプリアンプWRC-α1 の完全アップグレードを遂行
    する事にしており、この大きなプロジェクトを締め括る予定です。  

    2068川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Sun Aug 13 16:00:00 JST 2023
    音源ソースにストリーミングをお使いの方、未だ電源にはACパックをお使いですか?
    
              −−− WR製安定化電源に替えてワンランク上の音を目指しませんか?
    
    
     前項でも触れたと思いますが、ACパック代替用のWR製安定化電源を合計で4台ご注文になった
    方がいらっしゃいましたので、良い機会と思いその詳細をお伝えして参考に供したいと思います。
    その内訳は12V 電源3台と5V電源1台ですが、ストリーミングシステムで12V 電源2台と5V電源
    1台をお使いのようです。残りの12V 電源はセカンドシステムのDAC 用と伺っております。
    
     安定化電源の一番重要な部分は帰還を如何に安定に掛けるかですが、これは今更申し上げる事
    もないと思います。表面的な機能が揃ってるからと言って、安定化電源にすれば音質が向上する
    と考えるのは短絡的です。高音質に耐えるだけの帰還の安定性を確保するには、従来からの技術
    の延長では如何ともし難く抜本的な帰還理論の開発が待たれるところですが、今までに出現して
    ないところを見ると絶望的なのではないでしょうか。ウエストリバーは例外です。WRは半世紀に
    及ぶ研究の大半をこの新しい帰還理論の為に費やし、WR流の安定理論を確立しています。だから
    こそ、例外なく安定化電源を搭載しているWRアンプの音は、ご購入になった方100%が異口同音に
    その音質の完璧さをお認めになってくれるのです。
    
     ACパック代替用安定化電源にも同様の安定化電源が搭載されます。中身がSW電源のACパックに
    比肩して、帰還安定性も電源インピーダンス特性に於いても一日の長がある事は明らかですから
    音質の向上があっても何ら不思議な事ではないのです。何回も申し上げますが、電子回路の電源
    には常に理想電源が想定されて話が進んでいます。しかし実際に搭載されてるものは、非安定化
    電源か良くて3端子電源です。仮にディスクリートの安定化電源が搭載されていたとしても従来
    の帰還理論に基づくものであり、その安定性は不十分のものばかりです。これでは却って音質が
    悪化しかねないので、結局ACパックに丸投げしてしまう事になるのでしょう。詰まり上物の真の
    性能は、永久に本領発揮されないまま終わり兼ねないのです。
    
     ストリーミングに使われてる各種デジタル機器も然りです。電源をWR製にすれば本来の性能が
    蘇って来るのです。今回の方もかなりの音質改善が有った事をお認め下さっています。それでは
    少し具体的にお話を進めたいと思います。先ず最初に納入させて頂いたのは12V 電源です。問題
    は安定化電源の前にどの程度の電圧・電流のトランスを用意するかです。これには安定化電源の
    制御パワーTRのエミッタ−コレクタ間に、どの程度の電圧を掛けるかが大いに関係して来る事に
    なります。何故エミッタを先に書いたかと言えば、制御TRもコレクタホロワになってるからです。
    WRでは帰還安定性の観点から、負性抵抗の権化とも言えるエミッタホロワの類を一切使いません。
    帰還の敵である不安定要素「負性抵抗」を回路から排除する為なら何んでも行います。
    
     話を元に戻して、これは経験則なのですが、パワーアンプの場合エミッタ−コレクタ間の電圧
    を15V 前後確保するようにしています。ACパック代替用安定化電源の場合はそこまで贅沢にせず
    に10V 程度を目安にして来ましたが、今回は15V 程度を確保して見ました。常に実験の場として
    試行錯誤を繰り返させて頂いています。そうなると約5V分だけ熱損失が増加する為、ある程度の
    発熱は覚悟する必要があります。不幸にして我が家はCDプレーヤーオンリーですから、製作した
    電源を真面にテストする動作環境がありません。そこで申し訳ないのですがユーザーの方に託す
    事にしました。
    
     次のご報告はその12V 電源を納入させて頂いた時に頂いたものです。
    
    ★本日無事に届いております。
    ★これはアンプですね。
    
    と開口一番に仰っていますが、結構大きなトランスやら放熱器で安価なアンプよりずっしり重い
    のです。だから、ACパックより重くて場所を食うのが欠点かも知れません。
    
     引き続いて、
    
    ★早速ルーターに使用してみました。
    ★機器の動作は全く問題ありません。
    ★α9 +α120ほどの衝撃は勿論ありませんが
    ★歪み感の減少なのかさらに静かにゆっくり聞こえます。
    ★もとに戻りたくない感じです。
    
    と申されており、ストリーミングの音に有ったひずみ感が減り、音が静かになってゆっくり聴こ
    えるようになったと証言して頂いています。この「ゆっくり聴こえる」と言う表現は、これまで
    にも為さった方が居られますが、最新のWRアンプの特長を表すに相応しい言い回しだと思います。
    
     しかし、半ば予想していたとは言えやはり発熱の問題があり、
    
    ★しかし、かなり熱くなります。
    ★底板は触るのが厳しいくらい熱くなります。
    
    と指摘されています。多分ですが、底板は50〜60℃程度になってると思いましたが、最近のTRは
    この程度の温度では破壊はされませんのでそれは2台目の12V 電源で解決する事にして、先に5V
    電源を仕上げてしまう事にしました。こちらはせいぜい2A止まりですから、気楽に製作する事が
    できます。ケースも一回り小さいものを使います。
    
     5V電源を納入した際には以下のようなご報告を頂いています。
    
    ★本日 5V電源届きました。
    ★問題なく動作しています。
    ★スイッチングハブに使用していますが、
    ★発熱感じず、ケースはひんやりです。
    ★ルーターへの使用と同じ傾向でさらに濃くなりました。
    ★ストリーミングはCDに比べて薄い感じがするのですが、もはやCD危うしです。
    
    と2つの電源の相乗効果もあって、ストリーミングの音もCDレベルになったと言うご報告を頂き
    ました。余り関係しないように見えるスイッチングハブも、電源の影響を受けている事が分かり
    ます。結局、ストリーミングの音にはデジタル系の全ての機器が関係しているのだと思います。
    
     さて、2台目の12V 電源はトランスの電圧を少し落として発熱を抑える事にしました。電流に
    も依りますが、これで10W 以上の発熱を抑えられるはずですから、有意な結果が得られると考え
    ました。
    
     その電源の納入した時に頂いたご報告ですが、温度測定等に時間が掛りますから、
    
    ★12V 電源無事に届いております。
    ★動作は問題ありません。
    ★温度とパフォーマンスについては後日あらためて
    ★報告します。
    
    と仰るのも当然の事です。その3〜4日後だったかに、次のような測定結果と運用方法が送られて
    来ました。勿論、異常に暑い今夏の話です。
    
     先ず、測定結果です。
    
    ★温度について
    ★・5V電源
    ★ スイッチングハブ.  38℃
    
    ★・12V 電源1号機
    ★ ルーター 53.5℃
    ★ ONU.      45℃
    ★  DAC.      38℃
    
    ★・12V 電源2号機
    ★ ルーター  44℃
    
    これらの温度を拝見しますと、12V 電源1号機をルーターに使うと50℃を越しますから少々問題
    が残る事になります。
    
    ★なので、
    ★ 12V 1号機-ONU
    ★ 12V 2号機-ルーター(メッシュWiFiのコントローラー)
    ★ 5V電源  -スイッチングハブ
    ★という組み合わせでいこうと思います。
    
    と仰って、このようなご使用方法が適切だと言う結論に至ったようです。
    
     そして、総括です。
    
    ★かなり贅沢をしたと思いましたが、正解でした。
    ★ストリーミングでは今まで聞こえなかった音が聞こえます。
    ★この変化はWRアンプだからわかる変化で、
    ★他のアンプなら結局つぶれてわからないと思いました。
    ★それにしてもここまで来るのか、というところまで来ました。
    ★ネットワークオーディオへの投資は一旦ここまでにします。
    
    と言う事で、投資に見合うパフォーマンスが得られたと明言されていらっしゃいますが、本当に
    有り難いお話です。「他のアンプなら結局つぶれてわからない」と言う行は正に我が意を得たり
    です。既成オーディオ帰還技術で作られたアンプは何らかのひずみ感を必ず出します。私も良い
    勉強をさせて頂きました。これを糧にして、今後に続く方に還元して行けたらと思います。
    
     最後に、
    
    ★副次的効果として、メッシュWiFiの安定感が増しました。
    
    と付け加えられていて、デジタル的なパフォーマンスも向上したと証言されていますが、この事
    を予想しなかった訳ではありません。デジタルも電子回路ですから電源を理想的にする事で良い
    結果に結び付けられると薄々考えていました。電源を軽視して上物だけに注力すると言うご時世
    のオーディオ技術に一石を投じたと思います。
    
     付則として、
    
    ★その後さらに放熱一工夫したら、温度が40℃前後まで低下したので
    ★常時ONの環境でも安心して使用できそうです。
    
    ★次にお願いする12V 電源はDAC 用なので、常時ONでもないし
    ★12V 電源 1号機と同じ仕様でお願いしたいと思います。
    
    と書かれてありました。放熱に工夫を凝らしてさらに温度上昇を防止し、この酷暑でも40℃程度
    に下げられたとの事です。皆さんもこの酷暑を逆手に取ってアンプ類の放熱に一層の工夫をして
    頂けたらと思います。WRアンプの故障を未然に防ぎ、この先も末永くご愛用頂きたいのです。
    
     そして、今度納入する3台目12V 電源は1号機と同様の仕様に為さりたいとの事です。熱損失
    の事を除外すれば、安定化電源としてはその方が電流変化に強くなるはずですから、音に与える
    効果も若干かも知れませんが、良くなると思います。  

    2067川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Thu Jul 27 11:00:00 JST 2023
    一体型のWRP-α9/ANから少し進化しませんか?
    
                     −−− やはりオーディオはセパレート方式が一番です!
    
    
     その昔、手軽にWRアンプを楽しんで頂く為に開発したWRP-α9/A は、当初 \39,800と言う価格
    もあってそれなりの数が捌けていましたが、採算性が悪く廃品種に追い込まれた経緯があります。
    しかし何とか復活できないものかと言う想いが何時も頭の隅にあり、つい最近WRP-α9/ANとして
    1万円アップながら何とか復活させる事が出来ました。その際、気になっていたヘッドホン端子
    の残留ハムノイズを、一気に実用上問題の無い範囲まで減らす事に成功しています。
    
     お陰様で新生WRP-α9/ANもそれなりにご愛用頂けておりますが、それだけで満足しないで頂き
    たいと勝ってに思っております。理由はWRP-α9/AN単体でも、同レベルの既成オーディオアンプ
    と比べれば相当に高音質だとは思いますが、最高峰のWRアンプの音質に比べてかなり聴き劣りが
    します。それは価格からしても仕方のない事ですが、私はもっともっと良い音で音楽を楽しんで
    頂きたいと思っています。要するに今の音にどっぷりと浸かり切らないで、適当な時期が来たら、
    そしてご自分の聴感が熟して来たら、新しい事にチャレンジして欲しいのです。
    
     この度、自主的にそう為さった方から貴重なご感想を頂きましたので、皆様に紹介させて頂き
    是非、参考に供して頂きたいと思います。この方からはWRP-α9/AN以外にも、DAC 用のACパック
    互換WR製安定化電源をご注文頂いています。今でこそACパックをWR製安定化電源で置き換える事
    が普及して来ましたが、実はその先鞭を付けたのはこの方だったのです。製作したのは12V/2A程
    の規模だったとは思いますが、DAC 用の安定化電源をこちらも半信半疑で作った憶えがあります。
    しかしWRP-α9/ANをメインとするシステムでお使いになって、音質の向上がかなり有ったと言う
    証言をその時に頂いたのです。
    
     この事をWR掲示板で読まれた方から、最初は60W 規模のDAC 用にWR製安定化電源の注文を頂き、
    それが調子が良いと言う事で引き続きホームゲートウェイ用にも同程度の安定化電源を注文して
    頂いています。そして又この結果を読まれた方が、別用途の安定化電源を注文為さると言う事で
    徐々にACパック互換のWR製安定化電源は普及して来ています。如何に、ACパックがオーディオの
    敵かが分かろうと言うものですが、自前で音質が保証された安定化電源を開発せずにACパックに
    丸投げしてしまう今の既成オーディオは、やはり何処かおかしいと思うのですが、それは私だけ
    でしょうか。
    
     それは兎も角話を元に戻してこの方がWRP-α9/AN単体システムからどのようにして進化された
    のか説明させて頂きたいと思います。結論的には、機能を一つの筐体に纏めた単体システムから
    セパレートシステムに昇格させたと言って良いと思います。パワーアンプとプリアンプを一つの
    筐体に纏める事は電磁環境的に無理があり、所謂プリメインがそこそこの音にしかならない所以
    です。この方はその為に、完全アップグレードされたプリアンプWRP-α9 を新たに入手されると
    同時に、WRP-α9/ANをΕ-5H 化させたのです。これはVRとHP端子のパス工事、RCA 端子とアンプ
    の入力端子の直結工事を行うと言う事です。セパレート方式には不要で余計な接点を減らしたと
    言う意味です。因みにこの方は既にWR製電源フィルター、RCA 接続ケーブルをお持ちで、高ft化
    アップグレードも済ませています。
    
     こうして成ったシステムの音はどうなったのか、この方のご感想から想像して頂けたらと思い
    ます。
    
     開口一番に
    
    ★動作確認ですが無事動作しています。
    
    ★最初に片チャンネルの音が鳴らなかったので
    ★プリのヘッドフォンで確認すると同様だったので
    ★DAC プリ間のケーブルを抜き差して見ました。
    
    ★プリ側のRCA 端子を奥までしっかり挿すと音が出ず
    ★少し抜け気味だと音が鳴るようで何度か抜き差しすると
    ★奥まで差し込んでも音が出るようになりました。
    ★以後問題は起きてないので最初は接触に何か問題があったのかもしれません。
    
    と仰っていますが、RCA ジャックとプラグの接触問題は多かれ少なかれ生じるもので、落ち着く
    まで少し時間が掛るようです。上手く行ったら抜き差しはせずに使い続けた方が良いと思います。
    次に肝心の音についてのご感想ですが、
    
    ★プリを導入した最初の印象は
    ★今まであんなにデフォルメしたものを聞いていたのかと感じました。
    ★躍動感や細かな音や広い空間が感じられ、
    ★なんとなく聞き流した箇所がこんなに情報が詰まっていたのかと感じました。
    
    と述べられています。
    
     やはり、WRP-α9/AN単体の音とプリWRP-α9 を有するセパレート方式の間には大きな隔たりが
    ある事が分かります。「あんなにデフォルメしたものを聞いていた」と言う辺りは、何でも実際
    に体験しなければ分からないと言う事だと思います。セパレートの音を聴かなければ済んだのに
    と言う声も聞こえてきそうですが、それは余りにも消極的でオーディオに背を向けた考え方では
    ないかと思います。私はこの方は今回新しい希望を見つけられたと思っています。
    
     さらにこの方は次のように付け加えられています。
    
    ★プリ導入で多少は情報量が増え耳障りな音も減るのかな
    ★とは思っていましたが想像以上でした。
    ★それでいてうるさくないのでいつもより10dB上げても
    ★耳に負担が感じられず、もっと上げられると感じられました。
    
    と吐露されていらっしゃいますが、プリ導入の効果は「想像以上」だったのです。一気に高ft化
    のご利益をほぼ100%満喫できるようになったのですから、感慨も一入だと思います。高ft化した
    方が口々に仰る「音を大きくしてもうるさくない」と言う事まで体感されたのです。「耳に負担
    が感じられず」と言う事も大事な要素だと思います。これまでの既成オーディオアンプの音には
    多かれ少なかれ「耳に負担」を掛けるひずみ感が必ず残っています。これはこれまでの技術では
    原理的に取り切れないと言う事を意味しています。WRアンプのような革新的技術が開発されない
    限り永久に続くと言っても過言ではないと思います。オーディオを志した方は、早くこの事実に
    気付くべきだと思います。
    
     次にこの方は予防線を張って取り付けたWBCoffSWは不要だった、と以下のよにお書きになって
    います。
    
    ★WBC の効果は素晴らしく暗騒音など空気感まで感じられます。
    ★使用しているスピーカーはDYNAUDIOのエントリーモデルの
    ★14cmの 2ウェイブックシェルフですが
    ★100Hz 付近が 4dBほど盛り上がっているので
    ★off スイッチを念のため付けましたがoff にすることはないと感じました。
    
     WBCoffSWを設けられた方自体少ないですが、設けられても現在使っていない方が殆どですから、
    低域を故意にブーストした音源を聴く機会のない方には、全く不要と思って頂いて差し支えない
    と思います。
    
     最後に今後のご希望に触れて居られますが、やはりSEコン化と最高峰パワーアンプ WRP-α120
    に関するコメントが記されていました。
    
    ★今後α120 導入やSEコン化でさらなる世界が待っていることが信じられないです。
    ★ぜひとも導入したいと思っています。
    ★今後ともよろしくお願いします。
    
     そして、
    
    ★また、今冬頃にSEコン調達依頼をした後に
    ★もう一台WR製電源フィルターをお願いしたいと思っているのですが可能でしょうか?
    ★TVとTV用DAC とPCのUSB を光デジタル出力に変換する機器に
    ★電源供給するのに使いたいと思っています。
    
    のように将来の計画を張り巡らされていらっしゃいます。多少のお金は掛りますが少しずつでも
    貯めて自分の希望を叶えて行く、素敵な事ではないでしょうか!
    
     これをお読みになって如何でしょうか? 貴方もWRP-α9/AN単体の世界から一歩前に進んで
    見てはどうでしょうか。WRP-α9/ANの音がWRアンプの音だとは思い込まないで頂きたいのです。
    一歩踏み出せば未だ見た事のないオーディオの原風景に必ず遭遇できると思います。その近辺
    まで来て置きながら、ニアミスだけで終わるのは実に勿体ない!と私は思います。  

    2066川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Fri Jul 7 18:00:00 JST 2023
    「だいくん」さん、最高グレードのWRアンプシステム一式のご購入と
                    感想文のご投稿を賜り誠にありがとうございます。
    
                     −−−初めて採用したパスコンの低容量化も好評です!
    
     前項および前々項をお読み頂いていれば、どのようなシステムでどのようなパフォーマンスが
    得られるのか大体はお察し頂けると思います。では、頂戴したご投稿の中から特に本質を突いた
    と思われる部分を取り上げて、私なりのコメントをさせて頂く事に致します。
    
     先ず
    
    ★交響曲のCDが楽しめました、初めて。
    
    と言う行です。確かにシンフォニーは山あり谷ありで、ffでは弦が引き攣れたり、金管がお団子
    状態になったりして、実演を聴いた事のある人に取ってはその落差は大変大きなものがあります。
    仰るように「音量を下げたり飛ばしたり」してしまい勝ちになります。しかしWRアンプシステム
    では「あっけないほど静かで、それでいて今まで聞こえなかった音がわかるようになり」と言う
    風に、ffでは勿論のことppでの微妙な音も聴こえて来るようになります。それは次の記述で明確
    になります。
    
    ★音量上げてもうるさくないし、下げても必要な音が落ちません。
    ★突出する音がないのだと思います。
    
    そうなんです。必要な音情報はそのままに突出する音が出なくなったのです。これがこの α120
    から行った電源に於けるパスコンの低容量化によって齎されたものであり、さらにナチュラルな
    バランスが徹底されて、本当のリアルサウンドになった結果なのです。それを如実に表す行が
    
    ★今も聴いています。
    ★夜なのでかなり音量を下げていますが、
    ★信じられないほど豊かなピアノの音が目の前にあります。
    
    と言う〆のご感想です。これは言うに易しく実現は厳しいオーディオ上の難問で、結局「ピアノ
    の再生が普通に出来るか否か」に集約されるように思います。WRアンプも去年の暮まではピアノ
    再生に問題を残していました。それが最後の大型アップグレードである「パワーTRの高ft化」に
    よって一挙に解決したのでした。理論武装をし、聴感を鍛え、線材を含む部品の好選択を行って
    やっと機が熟したのでしょう。その最後の砦がパワーTRの高ft化だったのだと思います。出来る
    だけ多くのWRアンプユーザーの方に、この最後のアップグレードまで是非到達して頂いて、この
    稀有なリアルサウンドを是非味わって欲しいと思います。折角何かの縁でWRアンプをお買い上げ
    頂いたのです、この音を聴かいないでオーディオを終えるのは「勿体ない!」と思います。
    
     以下にパスコンの低容量化を実施されたお二方のご感想を併記させて頂き、その効用を知って
    頂ければと思います。最初の方はEC-1H +WRP-α120 とWRP-α9 +WRP-α120 を所有されている
    ユーザーの方です。
    
    ●アンプを無事受け取ることができ、
    ●動作確認も無事に終えることができたことをご報告します。
    
    ●音ですが非常に素晴らしいと思います。
    ●チェリビダッケのベートーヴェン「英雄」を聴きましたが、
    ●音の旅をしているような、風景が目に浮かぶような音楽体験でした。
    ●ただ音が鳴っているのではなく、意味合いが克明なのです。
    
    ●まだまだいろいろ聴いていこうと思いました。
    
    と比較的短いコメントですが、十二分にパスコンの低容量化の効果があった事が窺えます。次の
    方は同様にWRP-α9 +WRP-α120 をお持ちの方で、同時に、ACパック代替用のWR製安定化電源を
    2台(5V、12V 用)をご注文になっています。
    
    ■まず、α120のアップグレードの感想です。
    ■聞きはじめてすぐに、音のキツさがさらに減っているのに気づきました。
    
    ■具体的には、小編成の弦楽器の音などは、
    ■それぞれの楽器の音が、
    ■それぞれのいる位置に浮かぶように聞こえるようになりました。
    ■今までも音色としては素晴らしかったのですが、
    ■ここまで分離して聞こえなかったように思います。
    
    ■川西先生がおっしゃるように、無駄なツッパリがさらになくなったのでしょう。
    ■正直言って、いつもアップグレードの際にはこの上なんかあるのか?
    ■と疑問に思うのですが、やはり上がありました。
    
    ■結果として二つのフィルムコンデンサを交換されただけとのことですが、
    ■たったふたつの小さな部品でこれだけ音が変わるのですから、
    ■それを把握して的確に判断される川西先生は、本当の天才なのだろうと想像します。
    
    いや私は決して天才ではありませんが、学校に上がる前から家に有った2台の電蓄(ビクターと
    コロムビア)の音の違いに気付いていたのですから、そう言う意味で今の自分が居る事に大いに
    納得しています。この方のご感想の後半は、色々お持ちの機器付属のACパックを全てWR製安定化
    電源で置き換えた時のものです。
    
    ■そして電源 2点に関しても素晴らしいです。
    ■こちらでは数機種のヘッドホンを使用しており、機種それぞれに個性があります。
    
    ■アンプの改良もあってのことだとは思うのですが、
    ■今まで音は良いものの、厳しい音も出すと思っていたヘッドホンでも
    ■まったくキツい音が出なくなりました。
    
    ■きっといままで使っていた電源からノイズが乗っていたのだと思います。
    ■これで電源関係はすべて川西先生の電源を使うことになりました。
    ■普通なら同じメーカーの機器でシステムを固めると、
    ■メーカーの個性が強過ぎるように思いますが、
    ■川西先生の機器を入れていくと、どんどん自然な音に近づいていくように思います。
    
    ■いつもありがとうございます。
    ■今後ともよろしくお願いいたします。
    
    やはり、ACパック電源もWR製にすれば「突出する音」が無くなって行くのだと思います。巷では
    そんな事には目を瞑って、如何にもそれがそのヘッドホンの個性だ!と言わんばかりに解説する
    評論家が居るのです。そしてそれを信じて売り買いするのが巷のオーディオと言うものなのです。
    それだけならまだしも、実情はもっと深刻だと思います。昔のソース源はLPとCDだけでしたから
    比較的単純でしたが、現今ではネットワークオーディオを始めとして、多くのデジタル機器等が
    使われています。その電源の多くは独自のアナログ電源を持ちませんから、相当に高級品でさえ
    ACパックが使われる事になります。ACパックの内部はSW電源であり、ノイズを垂れ流すのは勿論
    の事、その電源インピーダンスは下手すると2桁近く高くなります。これでは真のHi-Fi 再生は
    覚束無い事になります。結局、オーディオを制するには「音が突出しない」アナログ式の安定化
    電源の開発が必須になりますが、それを帰還の安定性を含めて完璧に設計できるアナログ技術者
    はもう殆ど居ないと思います。アナログ技術者はそう簡単には育たないからです。未だに正当な
    理由なくしてパワーアンプを非安定化電源で作る事自体、私には全く理解できないのです。
    
     最後に低容量化ではなく、「高ft化」を行った古くからのWRアンプユーザーの方のお声を紹介
    させて頂きます。この方は奇しくも20数年前に、WRP-α1 を少し措いてからWRC-ΔZERO/FBAL を
    ご購入になった方ですが、その後WRP-αZEROとΕ-100H を追加購入為さっています。比較的大型
    のB&W をマルチ駆動されていらっしゃるそうです。これの中からΕ-100H とWRP-α1 の順で先ず
    「高ft化」されました。この2台でマルチ駆動されていたようです、先ずΕ-100H のご感想です。
    
    ▲E-100Hは低域が別物で今まで低音がこもりだめだと思っていた録音
    ▲(山田和樹/スイスロマンド白鳥の湖SACD等)が見事蘇りました。
    ▲中高域の抜けも素晴らしくオーケストラに没入して聴けます。
    ▲今回、さらにプリも改修していただくのでどこまで行くのか今からワクワクしています。
    
    ▲まずは、今回、第一ステップとしてE100H 改修は大正解でした。
    ▲有り難うございました。
    
     次に少し遅れてアップグレードなったWRP-α1 ですが
    
    ▲改修されたα1は素晴らしいです。
    ▲E100H と比べると確かに中低域の立ち上がりや音場の広さが違うのは感じますが
    ▲意識的に比較した場合であり、ブラインドテスト的な比較では
    ▲識別できない気がします。
    
    ▲それよりも、α1の音は全体のバランスがとれ、
    ▲自然でリアルな印象が素晴らしいです。
    ▲これなら敢えてマルチアンプ起動にしなくても、時々切り替えて音の違いを
    ▲まずは楽しみたいと思います。
    
    WRP-α1 のアップグレードもΕ-100H に匹敵するくらいのパフォーマンスが得られたと言う風に
    結論付けていらっしゃいます。確かに、Ε-100H はパワーこそありますが電源部はWRP シリーズ
    の方が手厚く作られていますから、微妙な音は電源ノイズが比較的少ないα1 の方が良い場合が
    あっても不思議ではないかも知れません。
    
     そして最後に、 
    
    ▲このα1は20数年前初めてWRアンプとして導入し、以来改修を重ねたWRアンプの
    ▲歴史みたいな機器なので今後も大切に使いたいと思います。
    ▲有難うございました。
    ▲プリもよろしくお願い致します。
    
    と結ばれていますが、その後プリのアップグレードも終わり、次のような感想文を寄せて下さい
    ましたので、追記させて頂きます。
    
    ▲プリの改修は効果絶大でした。
    ▲パワーアンプ(E-100H)のアップグレード版との接続で試聴を繰り返しました。
    ▲はっきり分かるのは透明感の向上です。
    
    ▲中低域の余計な膨らみがなくなり全体がすっきりしました。 
    ▲E-100Hのアップグレードで引き締まった低音の周りがきれいに整理された感じで
    ▲透明な音場が広がります。
    
    ▲これにより、ピアノはより存在感のある音になり、
    ▲オーケストラは音の解像度が上がり
    ▲弦やブラスの強奏もより聴きやすくなりました。
    ▲これなら、マルチアンプの必要も当分なさそうです。
    ▲有り難うございました。
    
     「だいくん」さんから、取り敢えず使命の終わった旧型アンプについて相談を受けていますが
    上記の結果は「だいくん」さんに取っても大いに参考になるのではないでしょうか。  

    2065だいくんさん(現役勤務医) Sun Jun 25 13:03:18 JST 2023
    20年振りに最高グレードのWRアンプシステム一式を購入して見ました。
    
                                 −−− 結果大正解でした!
    
    ようやく今朝α9 を箱から取り出して、α120 とともに聴いています。
    
    交響曲のCDが楽しめました、初めて。
    これまで、いいといわれている録音はいくつか持っていましたが、
    どこか嫌な音がするところがあり音量を下げたり飛ばしたりしていました。
    
    先日旧α1 から新α120 に換えた時に、あっけないほど静かで、
    それでいて今まで聞こえなかった音がわかるようになり、
    なんとも言えない戸惑いを覚えました。
    
    今日は、旧プリα1 からα9 へのバトンタッチでした。
    芯がしっかりして、音色の数がさらに増えました。
    ボリュームも旧プリ12時が9 時になりゲインも十分です。
    嫌な音がしません。
    
    音量上げてもうるさくないし、下げても必要な音が落ちません。
    突出する音がないのだと思います。
    我が家のシステムでは、WBC のおかげか、よりフラットになったように感じます。
    ギターやピアノの響き方がリアルです。
    WBC off switchは不要なようです。
    
    ラジオ技術のキット販売から20余年、
    途中の変遷を体験しないまま一気に完成形に飛び越したこの衝撃を
    うまくお伝えできないのがもどかしいです。
    
    小学生の頃のラジカセから始まったオーディオ好きが、
    バイトするようになってハイエンドではありませんが
    そこそこのクラスのアンプを色々聴いて、満足できず自作をしていた時期もありました。
    
    それでも行き詰まっていた時にWRアンプに出会い、
    その理論の正しさとパーツ選択の妥当さと価格のバランスが
    もうこれで終止符が打てると思えるものでした。
    おかげさまでオーディオ沼から卒業して久しくなっていました。
    
    ここ数年は諸事情でWRアンプもお蔵入りしていたのですが、
    数ヶ月前から無性にいい音が聞きたくなって、
    久しぶりにセッティングしてきちんと動作することに安堵するとともに、
    これ壊れたらどうしょうかという想いにかられました。
    
    そこで本当にご無沙汰していたHPを検索したところ
    川西先生まだまだご活躍されていてほっとしました。
    そして掲示板でその変遷を辿る中、
    最新のものをどうしても聴きたくなって今回相談させていただきました。
    結果大正解でした。
    
    今も聴いています。
    夜なのでかなり音量を下げていますが、
    信じられないほど豊かなピアノの音が目の前にあります。  

    2064川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者) Tue Jun 6 15:00:00 JST 2023
    久し振りにWRP-α120 を含む完全なるWRアンプシステムを製作中です。
    
                                 −−− 新しい発見あり!
    
     これまでに、WRP-α100 を含む高ft化アップグレードを結構な数熟して来ましたが、最初から
    高ftパワーTRを使って製作するのは実は今回が初めてなのです。両者は一見同じ事のように見え
    ますが、微妙に違うのです。アップグレードの場合は、終段のパワーTRなどを高ftのものに交換
    するだけで、他の部品はそのまま使い続けます。色々やりだしたら切りがないからです。しかし
    最初から作る時は、使用部品、例えばパスコンに何を使うか等を新規に考えて選考します。大体
    は決まっているので滅多矢鱈に変える事はありませんが、手持ち在庫が無いとか、考えが変った
    とかで製造メーカーや容量値を何時もと違うものにする自由度があります。
    
     この辺りはこれと言った理屈がある訳ではなく、長年の経験の積み重ねで閃くアイデアがある
    時はそれを尊重して実験的に変えたりします。今回は高ftパワーTRを使いますので、従来からの
    常識が通用しない場合に相当し、閃きを重んじるチャンスになりました。新αシリーズは旧型の
    αシリーズと同様に、整流回路にバイポーラ接続をした複数のケミコンを使う等ノイズに対して
    手厚い回路となっています。その関係もあって、Εシリーズに比べてパスコンを入れるところも
    1か所多くなっていて、安定化電源の出入り口のパスコンを含めてトータルで4か所にパスコン
    を入れています。一般のパワーアンプの電源部は、原則的には大型ケミコンに抱かす1か所です
    から、新αシリーズは如何にノイズに強くなってるかお分かり頂けると思います。
    
     今回の閃きは大型ケミコンに抱かせるフィルムコンの容量を、もう少し減らして見たらどうだ
    ろうかと言うものでした。実はこの一年の間にWRアンプの音は徐々に高音質化していましたので
    昔の常識である2.2μFを減らして1.0μFにして来ていました。このパスコンは誰が始めたのかは
    定かではありませんが、理屈を言えば大型ケミコンの高周波特性の弱点をフィルムコンでカバー
    すると言う事です。入れる事に依ってメリハリを付け一見「いい音だ!」と思わせる為に入れて
    いるものです。悪く言えば無い袖を振って音を繕っている事になります。もうそろそろWRアンプ
    は無理に繕う必要はないのではないか?と思ったのです。それだけ高ft化に依って得た完成度は
    高いものだと思います。これは私の独り善がりでは決してなく多くのユーザーの方に依って認め
    られています。少し脇道に反れますが、旧型アンプ時代からずっとアップグレードにお付き合い
    頂いて来た方の高ft化アップグレードに関するお声を紹介させて頂こうと思います。旧型のプリ
    に旧型のパワーアンプを接続して、20年以上も昔からずっと使い続けていらっしゃいます。
    
    ★次々にCDを聞いているうちに感想が遅くなってしまいました。
    
    ★感想を述べる前に、 3月に先生をお尋ねした際にお話ししていないことがあります。
    ★アンプをお持ちするため結線を取り外していたら、
    ★CDとパワーアンプはWR電源フィルターから電源を取っていましたが、
    ★プリアンプは壁コンセントから取っていることに気付きました。
    
    ★どうしてこんなことになっていたのか思い出せません。
    ★普段裏側は目にしないので気付きませんでした。
    ★ですので、高ftパワーTR+プリアンプのWR電源フィルター化の感想となります。
     
    ★”静かになった”というのが第一印象です。
    ★決して音が大人しくなったという事ではなく、
    ★静かに、静寂になったために今まで聞こえなかった音が
    ★聞こえるというか各楽器の音が明瞭に聞こえます。
    
    ★同じCDから今まで聞いたこともない音、
    ★あるいは微弱音で聞き取れていなかった音が聞こえてきます。
    ★何度も何度も聴いているCDなのに、
    ★今までの再生は何だったのかと思うほど新鮮に感じます。
    ★各楽器の明瞭度、細やかさ、力強さ、すばらしい。
    
    ★今度の日曜日に生のピアノを聞きに行きます。
    ★帰宅してのCD再生との比較が楽しみです。
    
    ★先生ありがとうございました。
    
    ★21日にピアノを聞いてきました。
    ★聞き比べてみてあらためてWRアンプの音の良さ、
    ★生に近い音を感じました。
    
    ★敢えて言えば、生よりCDの方が弦毎の音が鮮明に聴ける、
    ★生はホール内で反射された音が聞こえるため
    ★高音部や低音部などの音が混じった感じで聴こえる
    ★ためかなと思っています。
     仰せの通りだと思います。演奏会では至近距離では聴けませんから、どうしてもホールの残響
    等が入り混じった音になります。特にピアノの倍音は聴こえ難くなりますから、正直物足りない
    音に聴こえる事が多いように思います。それでもピアノ、調律、演奏がピタッと合った時は予想
    を越えた素晴らしい音で聴こえる事も間々あります。
    
    ★今回の高ft化がどの程度効果を発揮したかは分かりませんが、
    ★生との差を一気に縮めた数年前のWBCの効果の大きさを実感します。
    
    ★今回の生演奏は以下のとおりです。
    ★メイン
    ★・齋藤亜都沙ピアノリサイタル
    ★・シューマン:暁の歌 他
    
    ★サブ(若手に演奏の機会を与えるという企画)
    ★・北原香菜(大学2年生)
    ★・ラヴェル:鐘の谷 他
                                              
    と言うご感想です。
    
     高ft化で一気に音が高音質化した事が分かります。この内容からすれば革命的に良くなったと
    申しても過言ではないと思います。高ft化アップグレードがWRアンプに取っては金科玉条の効果
    を生んだ事が窺えると思います。そして私に、もう無い袖を振る必要は無くなったのではないか
    と思わせてくれたのです。それなら実行するのみです。
    
     既に大型ケミコンに抱かせるフィルムコンを1μFまで減らしたと申しましたが、これをさらに
    減らして、半分にする決断だったのです。パスコンはメリハリを付ける役割がありますが、逆に
    言えば自然な音をぶち壊す危険性も孕んでいます。高周波ノイズだけを効果的に取り、音の輪郭
    は極力減すような上質なフィルムコンを抱かせれば、より自然な音で再生できるかも知れないと
    言う閃きだったのです。100W以上のパワーアンプになりますと整流直後の電圧は、フィルムコン
    の耐圧の区切りである63V を越えてしまいますので、大型ケミコンを含めて80V 或は100V耐圧を
    使う必要がありますが、事実上80V のものは殆ど存在しないので100Vのものを使う事になります。
    普段作るパワーアンプは63V で事足りるので、どうしても100V耐圧の手持ち在庫は少なくなって
    しまいます。今回はそう言う事情も有って大型ケミコンに抱かせるフィルムコンの選定に窮して
    いたのも事実です。
    
     WRP-α120 は最高級のパワーアンプですから選ぶフィルムコンもそれに相応しものにする必要
    があります。今回は100V耐圧の1μFの手持ち在庫のグレードがスタンダード品であった為、心に
    躊躇する気持ちが芽生えたのです。困って家探しをして見たら、ERO の0.47μF/100Vが4個だけ
    見つかったのです。その瞬間、兎に角実験して見ようと決断していました。ようやく WRP-α120
    が完成し、我が110W機と交換する形で試聴する事にしました。確かに、これまで聴いて来た音と
    何か違います。全体的にフラットな感じがしたのです。突出するところが減ったと言う事なのか、
    その音に慣れるのに少しだけ時間が掛りました。
    
     又少し話が反れますが、この3月にバイオリンとピアノだけで演奏するベートーベンの「運命」
    をバランスエンジニアである息子を補助する形で録音して来ていたのです。ほんの触りだけです
    がこの演奏スタイルが4月頃にNHK のEテレで放映されたのでご存じの方もいらっしゃると思い
    ます。高ft化の済んだWR製のマイクプリを4台使って8チャンで録ったその録音を試行錯誤して
    息子がミックスダウンしたCD-Rが既に4枚になりましたが、最近の私のテストCDの1枚になって
    います。早速これを聴いたのは言うまでもありません。耳が慣れるまでは第2楽章から聴く事に
    していますが、最初は多少違和感を感じていたものの最終楽章に突入する頃には曲に魅せられて
    いる自分を見いだせていたのです。「運命」はオケ版では聴き飽きていますが、室内楽的に聴く
    この演奏には新鮮さを感じますしベートーベンの作曲の原型が見えた気がします。それにしても
    この演奏のバイオリンとピアノの掛け合いは見事ですし、非常に良い演奏に仕上がってると感じ
    ました。これに気を良くして久し振りにクーベリック/ベルリンフィルの「英雄」(POCG-90499)
    を聴きたくなりました。
    
     第1楽章から第2楽章まで通して聴きましたが凄い演奏ですし又凄い音で録れています。もう
    第2楽章が終わったところで放心状態に陥りました。如何にベートーベンがナポレオンを一時的
    にせよ崇拝し切っていたかを思い知らされました。1番や2番を聴いた人がこんな壮大な音楽を
    ベートーベンが作曲すると誰が想像出来たでしょうか。それに、こんなスケールの大きな演奏を
    指揮出来る人はもう出て来ないでしょうし、仮に振ったとしても付いて来れるオケも存在しない
    でしょう。それにしてもビルトハーゲンは録音の質の最悪期(1970頃から1974年頃まで)に良くぞ
    こんな素晴らしい音を録ってくれたものです。この音を聴いて私の腹は決まったのですが、これ
    までLPに責任があると思っていたブラームスのV協(シェリンク/ハイティンク:SFX-8638)の
    第1楽章のストバイの強奏部分も参考に聴いて見ました。何と許せる範囲に改善されていました。
    唯、念の為にその次の日に息子にも聴いて貰って確認しましたが、「運命」の第2楽章がこの位
    に聴ければ良いし、「英雄」の木管群の音が凄く自然に聴こえるようになったと言っていました。
    「英雄」の録音については他の指揮者が言われるがままに使った新しい録音システムを使わずに、
    アナログ時代から慣れている録音システムに固執したのではないかと言ってました。
    
     斯くして大型ケミコンに抱かせるフィルムコンの量と質は取り敢えずは決定したのです。問題
    はこの音が我が110W機で再現できるかどうかです。幸い未だ2個残っていますから、私のアンプ
    にもα120 で採用したフィルムコンを適用して見る事にしました。やるからには4か所共になる
    べく量と質を揃えるようにしました。ケミコンまでも一気にやるのは無理なので、フィルムコン
    のみに照準を合せる事にしました。その結果4か所共にフィルムコンの量と質を合致させる事が
    出来たと思います。果たしてWRP-α120 で感じた自然な音が同様に再現するのか興味津々になり
    ました。大成功です。α120 で感じた音そのものでした。これは再現性や普遍性のあるWRアンプ
    ならではの事だと思います。科学の勝利だと言っても良いと思います。やはりオーディオは科学
    なのです。科学に無知なオーディオは所詮自己満足に終わるはずです。引き続きα120 とセット
    になる完全アップグレードされたWRP-α9 の製作に入ります。プリも当然ながら高ft化されます
    が、あるユーザーの方が項番2057に追記と言う形で次のように証言されています。
    
    ★★DAC 直結でも今回のアップグレードの新しさは感じましたが、
    ★★戻ってきたプリを挟むとモノクロが4Kになったように
    ★★音楽が一気に花咲き見違えました。
    ★★どうしたってプリは必須です。
    
    プリの存在も無視できません。是非プリの高ft化も行って頂ければと思います。
    
     因みに、これらのアンプはSEコン仕様であり、難しくなりつつはありますが、まだSEコン化を
    諦め切るのは時期尚早ではないかと思います。 
    
     尚、この私の一文をお読み下さって、4か所のパスコン計8個をチェックし違うものがあれば
    交換して、今回採用したフィルムコンの量と質と同じにしたいと思われた方は、ご連絡をお願い
    致します。要のERO の0.47μF/100Vは既に入手済みですから、取り敢えず5台は交換が可能です。
    多くの方にこの自然な感じの音を味わって頂ければと思っています。 

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