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1391川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者)
Tue Jan 1 00:00:00 JST 2013
謹賀新年 2013
皆さま、明けましておめでとうございます。昨年は色々とお世話になりありがとうござい
ました。今年も、WRアンプをよろしくお願い申し上げます。
お陰様で、WRアンプもコレクタホロワ化されてから、以前にも増して、お使い頂いている
ユーザーの皆さまから大変ご好評を頂いております。コレクタホロワ化によって、エミッタ
ホロワに起因する不安定要素が取り除かれた為か、部品の音質に対する影響度が減り、何が
なんでもSEコンを使わなければWRアンプの音にならない、と言う事がなくなりました。
その成果は、安定化電源搭載のベストバイ型パワーアンプWRP-Δ7 となって結実しており
ます。旧α1 系では出来なかったコストダウンが可能になりました。同等のパワーで価格が
約半値ほどになっております。確かに、SEコンを使えばそれなりに耳当たりの良い音になり
ますが、最初からSEコン不使用のアンプを聴けば、それはそれで納得できる音に仕上がって
いますので、全く問題はありません。
既にお知らせしてありますが、ミニパワーでも内容の濃いアンプも開発中です。これまで
のパワーアンプよりも深い帰還を掛ける事によって、帰還のメリットを最大限に引き出した
パワーアンプです。帰還技術は副作用さえ伴わなければ良い事尽くめのハイテクです。使い
こなせればオーディオアンプに取って金科玉条になります。しかし世の中には失敗例が余り
にも多く、「負帰還技術は音を硬くする」と言うような誤解を産んでいます。WRアンプには
負性抵抗を排除する特許回路とコレクタたホロワ化技術が使われていて、この難問を完全に
クリアしていますから、これまでのような帰還の弊害は一切ありません。
その良さを100%引き出せる、安定化電源搭載のミニパワーパワーアンプWRP-Δ8 (仮称)は、
既にプロトタイプが完成し、トピックスコーナーに写真を掲載してあります。出力は10W 程
のミニパワーですが、実は羊の皮を被った狼のように、彫の深い、鮮鋭で力のある音を再生
します。10W 丸ごと使い切れるパワーアンプですから、物理的に不可能でなければ、かなり
広範囲のスピーカーに適用出来るはずです。シャーシもパワーに準じて極力コンパクトにし、
価格も思い切った低価格に設定するつもりでおります。
このように、WRアンプは最早高嶺の花ではありません。その良さを手頃な価格で味わって
頂けるようになって参りました。どうか、2013年も引き続きWRアンプをよろしくお願い致し
ます。最後に一言付け加えさせて頂きますが、WRアンプはあくまでも音楽を楽しむ為の道具
です。決して音遊びの為の玩具ではありません。楽器のリアルな感触を感じながら、音楽を
ストレスなしに楽しみたいとお考えの方に向いています。
* * * 増田さんご投稿ありがとうございます。* * *
増田さんから最初にお電話を頂いたのは、確か昨年の2月頃でまだ寒い頃であったと思い
ます。僅か1年の間に大きくさま変わりをされ、見事な再生音になったと言うご報告を頂き、
アンプ提供者側としましても、本当に嬉しく思います。
それにしましても、増田さんの本物を見極める眼力には恐れ入ります。一般的に日本人は
自ら決断するよりは、評論家や権威(ブランド)に準じて右へ倣いする方が圧倒的に多いと
思います。そうする事で安心できるのだと思います。今回は、私自身が開発したWRアンプの
ルーツとその思想を探って見たいと思います。
私は大学でずっと教員・研究者生活を送った事もあり、他人を真似るな、常にオリジナル
を目指せ、と言う習慣を身に着けて参りました。大学に於ける評価は原著論文の数で行われ
ます。その原著論文は模倣を一番嫌います。しかし、これにも2通りありまして、先行論文
のモディファイでそこを上手くすり抜ける所謂重箱の角を突付く論文と、全く新しい視点に
立った完全オリジナル論文とがあります。
一般的に当然全く新しい論文の方が価値があるはずですが、新しいものが直ぐに世の中に
受け入れられるとは限りません。所詮、学会も人間の力関係がモノを言います。正しければ
罷り通るとは限りません。その論文が世に出れば立場の悪くなる勢力が大きければ大きい程
握り潰される確立も高くなります。特に親分を持たない一匹狼は立場が弱いのです。
現在のWRアンプを支える技術「帰還アンプから負性抵抗を排除すべし」と言う主旨の論文
は日本でもアメリカでもリジェクションされました。普通リジェクションされる場合はその
理由が述べられて然るべきですが、どちらの場合も明確な指摘はなく、ノーコメントでした。
では、その技術は間違っていたのでしょうか? 或いは役に立たない陳腐な論文だったの
でしょうか? 私はそれを実証する為に、これまでその理論に基づいたWRアンプを開発して
皆様に提供して参りました。もし価値の無い誤った技術であれば、これだけ多くの方々から
支持を得る事は不可能だと思います。
その技術を実際のアンプに適用して有意な効果が上がり、多くの人のオーディオ的苦境を
もしも救ったとすれば、工学的に大いに価値があったと言う事ではないでしょうか? 私は
ずっとこの事を証明したいと願って頑張って来ました。ユーザーの方から「これまでにない
革命的な良さがあった」と言う趣旨の試聴レポートを頂く度に、自分の考え方は間違っては
いなかった、と自分を勇気付けて来ました。
この度増田さんから頂いたレポートで、またその感を深くする事が出来ました。この事実
は誰も否定できません。単なる偶然で、増田さん宅の複雑なホーンシステムの音を見違える
ように改善する事は出来ないはずです。ホーンシステムにチャレンジされた事のある方なら
誰でもお分かりになる事でしょう。増田さんもお認め頂いているように、WRアンプは明らか
にシステムに効果があったと言う事だと思います。
実証的証明はその成功例が増える程重みが増します。WRアンプを購入なさり今までに無い
アンプの良さをお感じになられた方は、是非お声をWR掲示板に反映して頂きたくお願い申し
上げる次第です。投稿は面倒な作業ですが、どうか皆様のご協力をお願い致します。
新年を迎えて、改めて私のWRアンプに対して取り組む姿勢を述べさせて頂きました。これ
までにご協力頂いた多くのWRアンプユーザーの方々に、心から感謝をして御礼申し上げたい
と思います。引き続き、WRアンプをよろしくお願い申し上げます。
1390増田さん(みやまホール足利)
Fri Dec 28 23:24:53 JST 2012
念願のオールWRアンプに統一
この度、待望の低音用アンプ(120W)が届きました、これで5チャンネル全てが
揃いました。120W1台、50W4台、の陣容です。
120Wを低音につなぎ、ワク々して聴いた音は何と全体を変えて仕舞い、
素晴らしい過渡特性のアンプでの再生は、流石凄いの一言に尽きます。
これぞ求めていた音の再生でした。
WRアンプ無くしてこの臨場感と言い、奥行き感はありません。想像を絶するに
有り余る再生です。
早速、辛口の連中に聴いて貰い、どんな評価を下すか内心不安でしたが、クォード
のコンデンサーSPを持っている友人が曰く、何の違和感も感じないで聴けると
本人も驚いていました。
今だから言うけどホーンSPを使用している方、殆どが何処か刺すようなキツイ音で、
ある意味聴くのが辛かったと言っていました。
今回の出来事で私自身、深く々反省と懺悔の心境です。と同時にWRアンプに
巡り会えたから授かった賜物です。これにも落ちがありまして、実はオーディオラボの
田中さんからの連絡で、ユーザーでヘッドホンアンプで素晴らしい音を出している
と伺い、何処のアンプか教えて頂いたのがWRアンプでした。
早速WRのWRP-Δ6/miniを2台求め聴いたところ、こんなチッポケナ(失礼)と
思いながら、高音、中高音部に繋ぎ聴いた音には驚きました。
それではと中低音に繋いでみましたが、これも十分駆動し何ら不足ない再生をして
くれました。
こうなりますと、もう居てもたっても我慢できません。次のアンプだ!と、川西様に
電話をして、今までの経過をお伝えしました。
実はアンプに疑問を持って居た矢先でした。自作アンプを始め、数々のアンプを
テストしましたが、特に低音部のアンプにこだわっていました。先ずは50Wを
2台求めて聴くうちに、余りの違いに度肝を抜かれたのが本音です。
こんなアンプが存在するのだ、自作のアンプが1番だと自負していたのが、根底から
覆されて仕舞いました。もう止まる事出来ません、次にまた50W2台を求め、
これでもう十分と暫く聴いていましたが、ここで又変な心境になりました。
自作プリアンプも絶対どこにも負けないと自信を持っていましたが、待てよ、
もしかして此の設計理念のプリアンプだっら、どんな音が出るのか興味深々、
また々プリアンプを求め変えたところ、あれ!大して変わらないや、と思いながら
聴き込んで行きますと、自作のは綺麗過ぎるのかな? 変な感覚に成って来ました。
数回両方を聴くうちに、分かったのがWRプリアンプは音が柔らかく切れ込みも
鋭いということでした。初めはこの柔らかさが甘いと感じていたのですが、
時間と共に先ず疲れないで、何か包み込むような感じで音に引き込まれていきました。
矢張りこれが本物なのだと納得しました。病気とは恐ろしいもので、日が経つに従い、
もし低音部を120Wにしたらどんなものか、矢張りここまで来たのだから実行のみです。
また川西様に相談しましたら、そこまでしなくても十分行けるからと、一度は止められ
ましたが、もっと低音部を強化したいの一心でお伝えしたら、それでは試作の120W
が有るからこれで試聴をしたら如何かと、120Wを態々当方まで届けて下さいました。
矢張り凄いです上の音が一変して仕舞いました。これも過渡特性が素晴らしく良いから
出来る技です。数日聴いていましたが、どうしてもこのアンプに尽きると御無理を言って
お願いしました。
待っている間友人がスペアナを持ってきて室内音場の測定をしたところ、驚くなかれ
ピーク、デップがあり幾ら各バンドのVRで調整しても、少しは改善するが矢張り
キツイ音が部分的に残ってしまいます。
ここに来て気付いたのがアキュフューズのDG-48のヴォイシング、イコライザーでした。
部屋の特性を取りそれから自動イコライジングをしてくれます。測定設定をフラットでの
測定をした結果が、なんと友人の言うコンデンサーSPのような音になり、奥行き感や
立体感が出て、長時間聴いても疲れない装置に成りました。今迄敬遠していたCDが
なんと立派に再生をしてくれますのには驚きです。
録音のせいにしていましたが、大きな間違いでした。
そんな矢先にWRの発表した、モーツアルト:弦楽五重奏曲ハ長調 K.515
とショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 作品11(ピアノ六重奏版)を送って頂き、
このCDを聴いて素晴らしい録音に驚き、そして演奏ものびのびとしていて、
つい々引き込まれて仕舞うのです。
そうこうしているうちに、待望のアンプが届いたのが12月24日でした。
早速アンプを取り替えて出た音は、余り変わらないかなと思いきや矢張り違います。
丁度旨いことにオーディオラボの田中さんから連絡が有りドイツ、フランス、スイスの
ユーザーに会ってきたと、土産話をしに来ました。
其の時に持ってきてくれました音源が、ツァラストラはかく語りき、展覧会の絵
のパイプオリガンのみの演奏でした。16Hzからきちんと音階を出してくれました。
この迫力は凄いです。やっと辛口の田中さんも絶賛して褒めて下さいました。
良い事尽くめの文章の様ですが、皆様もぜひWRアンプの良さを自身で体験して下さい。
幸い試聴用アンプ貸し出しがありますから、是非試聴をお奨め致します。
WRアンプに出会えて、今日の再生に漕ぎ着けました。随分といろ々遠回りしましたが、
お陰様で間に合った事に幸せを感じています。
以上、近況報告を致します。
1389川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者)
Wed Dec 26 21:50:00 JST 2012
八尋さん、新発売CDのご感想ありがとうございます。
概ね上手く再生できたようで、大変嬉しく思います。「曲も、演奏も、そして録音も出色で」
と言うのは褒めすぎの感もありますが、先ずは素直に御礼申し上げたいと思います。
「やわな装置ではこのポイントを十分に再生するのは難しい」と八尋さんもご指摘のように
決して耳当たりの良い録音ではありません。弦楽5重奏曲はチェロが入っているとは言え低音
不足は否めず、オーディオマニアの好きな「ドンシャリ」とは程遠いエネルギーバランスです。
ピアノ6重奏版のピアノ協奏曲の方も弦とピアノの両立はそれだけで難しい側面があります。
ですから、メジャーレーベルでもそうそう秀逸な録音はありません。この2つの難曲を素人に
近い我々2人で録音したのですから、高が知れています。
一応セッション録音ではありますが、メジャーレーベルのように気の済むまで回を重ねる事
は出来ませんし、録音機材もプアーです。しかしそこを何とかメジャーレーベル並に楽しめる
CDを作りたい、と言うのが我々の願いでした。
その根拠となったのが、WR特製のマイクプリとWR特製安定化電源でした。最近はメジャーと
言えども、本格的なディスクリート回路で作られたマイクプリを使わずに、便宜上何かに組み
込まれたものを使う事が多いですし、デジタル機器の電源もスイッチング電源で賄われている
場合が結構ありそうです。
もし我々が勝る事が出来るとしたらこの2点です。完全コレクタホロワ化されたマイクプリ
と安定化電源は何処にも負けないと思うからです。
録音と言う一連の作業は、ハードの面だけでは勿論完遂出来ません。ミックスダウンと言う
マルチチャンネルからツーチャンネルに落とす作業が大きくモノを言います。録音年月日から
発売までに1年以上掛かったのは、実はこの為だったのです。
各楽器のバランスや定位をどうするかと言う問題もありますが、一番大切なのは、耳に突く
異常音を如何に減らすかと言う事です。異常音は楽器自身が発する事もありますが、ミックス
と言う足し算に依って生じる事があります。これを極力減らす事が出来れば、自ずと各楽器の
音が美しく響くようになり、結果として優秀録音の資格を持つようになります。
これを成功させる為には、根気良く各チャンネルの時間軸をずらして、異常音が減るように
試行錯誤する必要があります。どのようにずらしたら最適かと言う常套手段はなく、ひたすら
ずらしては聴き、聴いてはずらすと言う事を繰り返すしかありません。
しかし一箇所の異常音が取れたから全てがクリアするとは限りませんから、本質的に正しい
ずらし方を見出すには相当な時間が必要になります。破棄したCD-Rは数え切れない程と申した
のはこの為です。異常音を検知する耳と正しく検知できるモニターアンプが必要不可欠です。
幾ら高価なマイクを多く立てても、この作業に失敗すれば優秀録音の道は絶たれます。幸い
息子も私も異常音に対する耳の感度は高いですし、最新のWRアンプをモニターに使えば、この
難問をクリアできると言う思いがありました。
やり終えて見て、完璧は有り得ないと思いました。それだけ生身の演奏と音場の複雑さには
不確定要素が多々あって、一筋縄では行かない部分があるのです。私もそうでしたが、買った
側は簡単に不満を口にしますが、録音する側に立って見て初めて、録音の難しさを知りました。
録音と言う作業は難し過ぎます。だから徒弟制度でもこのノウハウを完全には伝授できない
のだと思います。1970年代の優秀録音に、未だ足元にも及ばない陳腐な録音が存在する事でも
分かります。これを可能にするのは、天才的なエンジニアの出現でしょう。レコード史上には
何人かの有名なエンジニアが居ます。まぐれで優秀録音が出来る確立は非常に低いと思います。
我々の録音はそんなレベルではありませんが、最新のWRアンプを使って聴いて頂ければ八尋
さんのように、音楽を楽しんで頂けるレベルにはなっていると思います。息子も今回の経験で
ある程度のノウハウを掴んだと思いますので、今後もこの程度のレベルは維持できると思って
います。
1388八尋さん(会社員)
Sat Dec 22 16:03:02 JST 2012
WRレコーディングによる新譜CDをWRアンプで聴いて
WRアンプにより作成されたCDがどんな音がするか興味深々でモーツアルトと
ショパンの室内楽の新譜CDを聴きました。
結論から言って素晴らしいCDです。曲も、演奏も、そして録音も出色でお薦め
です。
掲示板に再生上のチェックリストが上げられていますが、WRアンプでの再生です
ので当然クリヤーです。確かにやわな装置ではこのポイントを十分に再生するのは
難しいかもしれません。以下に印象をあげます。
出だしはモーツアルトですが、ごく自然な感じで始まりいつもの室内楽のじみな
音かなと思いきや聴きこむにつれすごさが分かってきます。まず、聴感上極上の
静けさ(SN)の上に各弦楽器の音がきれいに重なってきます。通常の録音より
細身の音に聴こえますが、余計な音が一切なく生の音に近いと思います。
それぞれの楽器の響がきれいに分離され最高域まで伸びきって聴こえます。
チェロも重たくならず軽いが深い響でハーモニーがとてもさわやかです。
ちょっと古いですが、アマデウスQのグラモフォン版と聴き比べると帯域がぐんと
広く妙に強調したところがなく、より自然に聴こえます。
モーツアルトを満喫したところで、次にショパンですがバスが加わる分豊かに
なったようです。聴き慣れたオーケストラ版との違和感もなく徐々に緊張感が
増していきピアノががんと入るところは鳥肌ものです。雄弁に語るピアノが
確実に捕らえられており弦とのバランスも絶妙でオーケストラ版とは違った
スリリングな面白さが聴けます。それにしてもこのダイナミックなピアノ演奏を
よく録りきれたものだと感心します。やわな装置ではまず破綻しそうです。
ということで、全体の印象としては生の自然な音をそのまま録ったという感じで、
それをそのまま完璧に再生するのはかえって難しそうです。
是非、続編を色々な演奏で期待します。
柏市 八尋
1387川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者)
Sat Dec 22 13:50:00 JST 2012
安定化電源搭載型小出力超高帰還小型パワーアンプのヒアリング---その1
最近は、もっぱらこの小型アンプで音楽を聴いています。普通は、9W+9W程度のアンプでは、
仮に最初にちょっと魅力的な音に惹かれたとしても、段々にその平凡さが露呈して飽きて来る
のが落ちです。表面的な音の魅力は長続きしません。
これまでの常識ですと9W+9W程度のアンプでは帰還は浅くなり勝ちで、出力インピーダンス
が下がり切らない為に、スピーカーに対する制御力が不足して、スピーカーの自由振動を許す
事になり、結果として締まりのない音になって、楽器のリアリティが出ないのです。
だから良く出来たハイパワーアンプにすると楽器のリアリティが増すので、物理的に不要だ
と分かっていても、高価なハイパワーアンプにした方が良い、と思う人が多いのだと思います。
WRアンプでも、α1 よりαZEROの方が音に存在感がありました。
アンプの問題も色々とありますが、結局、最終的には出力インピーダンスを出来る限り低く
する事が大切なのではないかと思います。スピーカーは定電圧源で駆動される事が前提条件に
なっていますので、今更、声を大きくして言う事もないのですが、これが意外に忘れ去られて
いるのではないでしょうか。
忘れ去られていると言うよりは、実は実現が難しいのでこの事にはなるべく触れないように
して来たと言っても良いのかもしれません。実現出来ない理由は
1.無帰還又低帰還の出力トランス付き真空管アンプは論外。
2.OTL にしても、真空管アンプではせいぜい20dB程度の帰還しか掛からない。それ以上は
不安定になる。
3.トランジスタアンプでも、従来の高域補償法では負性抵抗を避けられず不安定な高帰還
アンプしか作れない。
と言う事だと思います。従って、これまでに本当の高帰還アンプが存在する確率は極めて低か
った事になります。本当の高帰還アンプとは、十分な帰還が掛かっていながら安定に動作する
アンプを言います。安定に動作しないアンプは過渡特性が悪化し、高帰還以前の問題で落第と
なります。殆ど場合、音が硬直し開放感がなく、何処かで異常音を発生します。
前置きが長くなりましたが、本物の高帰還アンプ?で聴いた感想を述べて見たいと思います。
今回聴いたCDは、息子がよく使うテストCDです。先日、息子に聴いて貰った時に忘れて置いて
いったもので、独グラモフォン録音のマーラー作曲「夜の歌」(交響曲第7番)です。演奏は
アバド/シカゴ響 (445 513-2)で、優れた演奏ですが、曲が曲だけに再生が非常に難しい難物
です。皆さんもテストCDに如何がですか?
私はこの曲のレコード (L30C-2106/7)を昔買ったのですが、曲がよく分からない事もあった
ので、レコード棚に眠っていました。こちらはショルティの指揮ですが、同じシカゴ響の演奏
です。録音エンジニアはゴードン・パリとウィルキンソンですが、今聴いて見るとCDには敵い
ません。グラモフォン録音に比べて、やはり音が少し甘いです。
この曲は演奏時間が78分にも及び第9以上の長さです。それに使用楽器数が多く楽器の奏法
も複雑です。例えばテノールホルンやチューバのソロパートが奇妙な雰囲気を醸し出しますし、
木管や打楽器も多彩です。曲が複雑で、それだけ再生も難しくなります。要するに多くの楽器
が重なり合う事と、チューバの朗々とした音が、ホルンの再生と共通する難題を突きつけます。
再生音が混濁する上に、ちょっとエキセントリックなマーラーの側面を垣間見る時、途中で
ギブアップする確率が高くなります。最後まで気持ちよく聴ける事は希有な事なのではないか
と思います。
これまでも、部分的に通るか通らないかのテストで、私も脇に居て何回か聴いて来ましたが
曲を通して聴き続けるレベルには至っていなかったと思います。しかし、今回超高帰還の小型
パワーアンプで聴いて見ると、音楽を楽しめるレベルに達している事が分かりました。アバド
の巧みなタクト裁きが分かる程に聴けるようになっていたのです。チューバ等の独奏も綺麗に
響きます。
シカゴ響は本当にこう言う曲をやらせると上手いの一言で、その完璧さにただ脱帽するしか
ないのです。強いて言えば、シカゴ響のストバイのffは昔からお世辞にも綺麗だとは言えない
ので、このCDでもそれはちょっと不満ですが、それを除けば殆ど文句の付けようのない鳴り方
です。低音打楽器が重なっても、見事に分離再生してくれます。出力インピーダンスが低い事
の証明でもあります。スピーカーの能力は、こんなにも高かったのかと思い知りました。
家庭で大した大げさな装置も使わずに、これだけの質感が得られる事は驚異でしょう。密度
の濃い音が聴けます。楽器の音にも多様性がある事が分かります。一本調子の再生にならない
深みが感じされます。同じ楽器でも、曲想によって音の感じが180 度変わってる事が分かるの
です。
私の歳になれば大音響の中に身を置くよりこのような質の高さを求めたくなります。余計な
ものを削ぎ落として、最後に辿り着く理想郷は、音の本質を極めた小型装置になりそうです。
1386川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者)
Sat Dec 15 23:00:00 JST 2012
安定化電源搭載型小出力超高帰還パワーアンプの試作
最近、ヘッドホンアンプWRP-α9 に関する記事がWR掲示板を賑わせています。特に項番1379での
ヘッドホンアンプの電源を仮設の安定化電源から供給した実験はそのハイライトです。行き着いた
理想郷と言っても良いかも知れません。
hiroさんからWRのヘッドホンアンプの素晴らしさを逆に教えられてから、もう一度、WRP-α9 の
真の姿を見つめ直したと言っても過言ではありません。そしてミニパワーでも出力インピーダンス
をきちんと下げれば、想像以上の(これまでの常識以上の)音質が得られる事が分かったのです。
これまでは、小出力アンプ=プアーな音と言う常識がありました。確かにWRアンプでもα1 より
αZEROの方が、そして120Wアンプの方が力があると感じました。安価なアンプを除けば、パワーに
比例して力強さも増すと言う常識があります。
その理由は、当然ハイパワーの方がスピーカーを楽に駆動出来るので、音にも余裕が出ると考え
られています。しかし、能率の悪いスピーカーを大きな部屋で鳴らすのなら兎も角、普通の使用法
では、せいぜい平均2~3Wしか出ていないと言う実測値もあり、この説を鵜呑みにする事は危険
です。
この問題を別の角度から見ると、一般的にパワーアンプの電源電圧はハイパワーアンプになる程
高くなります。WRアンプの場合は
α1 (Δ7 ):30W → ±27V
αZERO(ΔZERO):50W → ±34V
Δ120 :120W → ±50V
となっています。
そして、一般的に回路の裸のゲインは電源電圧が高くなる程大きくなり、仕上がりゲイン(26dB)
が同じなら、それだけ帰還が深くなると考えれます。帰還量が増加すれば、出力インピーダンスは
それだけ下がり駆動力は増す事になります。これは出力の大小に依りませんから、2~3W時でも
力強さを感じ取る事が出来るはずです。
この仮説が正しければ、小出力でもより深い帰還を正常に掛けられれば、プアーな音どころでは
ない、力のあるパワーアンプを作る事が出来るはずです。この事を証明したのが、この度試作した
安定化電源搭載型の小出力超高帰還パワーアンプです。
安定化電源搭載型パワーアンプは確かに良いかも知れないが、大型になり高価になると言う問題
が有りました。そこで出力は10W 止まりにして、ミニコンポ程度の大きさに纏め、コストも出来る
限り削減するように努めました。
結局電源電圧を±17.6V とし出力は9W+9Wですが、一応目的に適うパワーアンプのプロトタイプ
を完成させる事が出来ました。アンプ基板はヘッドホンアンプと同じものを使いましたので、仕上
がりゲインは12dBです。プロトタイプの写真をトピックスのページに掲載しましたので、参照して
下さい。これまでのWRアンプと比較すると
26dB-12dB=14dB(5倍)
となって、裸のゲインが変わらないとすれば5倍も帰還が増える事になり、出力インピーダンスは
1/5 になります。そこまで行かなくても、有意な差が出る事は明らかでしょう。即ち、このアンプ
は普通の9W+9Wの実力を遥かに超えているはずです。
いよいよ試聴です。項番1379を書いた頃からほぼ1ヶ月経っていますので、あの時の音は忘れて
います。寧ろ先入観なく聴いた方が正確に評価できるでしょう。先ず感じるのは、アンプサイズに
似合わない音です。ミニコンポサイズのアンプから、これまで各種WRアンプで聴いて来た音が普通
に聴こえて来ます。無理してるところがありません。
新発売のCDも聴いて見ましたが全く問題点がありません。理想的に鳴ってくれます。普及部品を
使っているアンプだと言う印象は全くありません。安っぽい音は全くしないのです。座右の色々な
CDを聴いて見ましたが、悪くなってるものはありません。寧ろ、重低音は充実しています。強いて
言うなら、大音量の華々しい世界は少し無理かも知れないと言う程度です。
逆に言えば、それ以外の条件なら、破綻無く、ストレスなしで当たり前に音楽が楽しめるアンプ
だと思います。我が家で結構大きな音で鳴らしている時に、パワーアンプの出力をボルトメーター
で観測すると、どうも平均1W程度に見えます。ならば、9W+9Wで出力は足りているはずです。
能率の低いスピーカーを使って、大きな部屋で、大音量の華々しい世界を楽しみたいと言う方を
除外すれば、殆んどの方にご利用頂けるパワーアンプだと思います。カラヤン/ベルリンフィルの
凄みも十分堪能出来ます。標準的なWRパワーアンプでは得られない音も散見されます。彫りが深く
濃があって、リアリティのある楽器の音に惹き込まれ、これまでのCDにこんな音が入っていたのか
と感心する事もあります。
現存するスピーカーは定電圧源で駆動される事が前提条件になっています。今回のアンプの試作
で分かった事は当然の事なのですが、スピーカーを完全駆動するには、パワーアンプは定電圧源に
近付けねばならない(出力インピーダンスを限りなくゼロにする必要がある)、と言う事だと思い
ます。
しかし低くしようとして誤って多量の帰還を掛けると、高周波領域で出力インピーダンスの実部
がゼロを通り越して負になってしまい、帰還が不安定になって殆んどの高帰還アンプは目的を達成
できず異常音を連発します。それを抜本的に回避する回路を搭載したアンプだけが、この理想郷を
実現出来るのです。「パワーアンプは必要最小限のパワーで良い」と言う常識が通用する世の中が
来るかも知れません。
いずれはこのプロトタイプを元に、例えばWRP-Δ8 でも売り出せれば面白いと考えておりますが、
その前に出来れば試聴会を開いて、皆様のご意見を伺って見たいと思っています。
1385川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者)
Tue Dec 11 17:05:00 JST 2012
最新WRレコーディングによるCDの送料及びチェックポイントについて
連絡の不行き届きで、同じCDの送料がアマゾンで買うと無料で買えるようになったため、
こちらでも送料無料に変更させて頂きます。大変申し訳ありません。
既に、こちらでお買い上げ頂いた方には、何らかの形で差額をお返しする事に致します
ので、どうかご了承頂きますようにお願い致します。
引き続きWRの最新録音CDをどうぞよろしくお願い申し上げます。このCDの録音は優秀だ
と思っておりますが、決して再生が楽なCDではありません。
このCDの再生上のポイントは幾つかありますが、
1.1st バイオリンが引き攣らないで綺麗に抜けて聴こえるか?
2.ピアノの右手のどの音階でも、異常音を感じずにピアノらしい音で聴けるか?
3.ピアノの左手、特に極低音部が低い方に素直に伸びて聴こえるか?
4.ビオラ、チェロが篭らずに実在感ある音で聴こえるか?
5.コントラバスの音が量的にも質的にも満足できるか?
この5点を差し当たってのチェックポイントとしてお聴きになって見て下さい。
最新のコレクタホロワ型WRアンプシステムなら、程度の差はあってもクリアできるはず
です。もし、WRのコレクタホロワシステムを使っても、上手く再生出来ない場合は、何か
問題がある事になります。その場合はご相談をお受け致しますので、遠慮無くお申し出に
なって下さい。開発者としましてもご購入頂いたアンプの能力がフルに発揮出来ないのは
非常に残念ですので、出来るだけのサポートをさせて頂く所存です。
1384川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者)
Sun Dec 9 19:00:00 JST 2012
日フィル12月定期を聴く
早いものでもう師走です。今月の指揮者はマイケル・フランシスです、と言ってもご存じない方が
多いと思います。そう言う私も知りませんでした。しかし、日フィルが招聘するのですから、何かは
あると思っていました。
チケットを切る時に渡される小冊子を読んで少し納得しました。この指揮者は有名なコンクールで
優勝したと言うような、輝かしい経歴の持ち主ではありません。元々はロンドン響の一コントラバス
奏者だったのですが、2006年にロンドン響のリトアニア・ツアーのリハーサルで、急遽「タコ4」を
見事に振って団員からその能力を認められ、放送・録音・教育プログラム等の指揮を任されるように
なったのです。
2007年には本番直前に急病で降板したゲルギエフの代役をこなし、直後のルクセンブルグ公演では
本番2時間前にジョン・アダムスの代役に抜擢され、さらに2009年にプレビンの代役でシュトゥット
ガルト放送響に登場し、指揮者としての名声を確立していったのです。その後は欧米各地で一流オケ
を代役としてではなく、正規の指揮者として振るようになり、スウェーデンのノールショッピング響
の首席指揮者・芸術顧問に今年から就任しています。
さて、今回の演目は
1.ジョン・アダムス:主席は踊る~オーケストラのためのフォックス・トロット
2.ブリテン:シンフォニア・ダ・レクイエム 作品20
3.チャイコフスキー:交響曲第4番 ヘ短調 作品36
の3曲でした。
3は余りにも有名ですが1と2は初めて聴く曲でした。1はニクソンが訪中した時の様子を題材
にしたオペラの第3幕に挿入する為に作曲されたのですが、結果的には採用されずにそのまま独立
した音楽として出版されたのです。毛沢東夫人が挑発する形で始まった二人の社交ダンスを描いた
一種の描写音楽のようです。
フックス・トロットを表す正確なリズムが全曲を支配して行くので、現代音楽に有り勝ちな意味
不明なところは少なく、偶に現れる不協和音を我慢すれば楽しめる音楽かも知れません。ビート感
が充満する音楽と言っても良いかも知れません。マイケルの指揮ぶりは的確で日フィルも十二分に
それに応えていたと思います。
2は日本政府が皇紀2600年(昭和15年)記念式典の為に海外の著名な作曲家に依頼した曲の中の
一つです。しかし日本政府はお目出度い記念式典に「レクイエム」はそぐわないと、この曲の演奏
を行いませんでした。結局、翌年3月(太平洋戦争が起きた年)にイギリスの指揮者バルビローリ
がニューヨークフィルを振って初演しました。
冒頭、大太鼓とティンパニーの強打で行き成り度肝を抜かれます。ブリテンの管弦楽法は明快で
分かり易くオーディオ的でもあります。「青少年の為の管弦楽入門」に通じるような何処か親しみ
易い肌触りがあります。曲は3楽章制で、第1楽章は「ラクリモーザ」、第2楽章は「怒りの日」、
第3楽章は「レクイエム・エテルナム」です。勿論、声楽は伴いません。
しかし、古典が好きな者に取って、知らない近代・現代の曲が2曲も続くとさすがに食傷気味に
なります。頭の中では良い演奏だと分かっていても、気分が乗って来ません。そのせいかコバケン
なら埋まる1階の左右の角はがら空きでした。知らない指揮者で近代・現代となると、やはり集客
には不利です。その辺りが定期演奏会での指揮者や曲目選びの難しさでしょう。
15分の休憩の後は、お待ちかねの「チャイ4」です。私は普通は何も「予習」せずに、ホールに
着いてから「今日は何だっけ?」となるのですが、今回は4.5Wも出るヘッドホンアンプのテストに
この「チャイ4」をこの演奏会の事を全く意識せずに予め聴いてしまっていました。
それはカラヤン/ベルリンフィルのCD(419872-2/ LP:MG-1087)でした。息子にも一緒に聴いて
貰いましたが、聴き終わってから音も含めてこれだけの「チャイ4」は滅多に聴けないと二人して
脱帽したのでした。カラヤン/ベルリンフィルの凄さは今更言うに及びませんが、これを録音した
ギュンター・ヘルマンスも凄いと思ったのでした。
だからよくある事ですが、生演奏会が生ぬるく感じてガッカリするものですが、まるでマイケル
はカラヤンをお手本にしているかのように、全く違和感を感じさせませんでした。第1楽章で弦が
ppで奏するところでも、これ以上は音を小さく出来ないと言うレベルに音を絞るあたりも酷似して
いました。これは私の邪推ですが、多くの指揮者がこのカラヤンのCDを意識しているのではないで
しょうか。
それと私の1階S席は本当に良くて、カラヤン/ベルリンフィルのCDを聴いた感じとほぼ同様な
プレゼンスを、日フィルでも感じる事が出来たのです。これだけの演奏が聴けるのなら、日フィル
定期は意味があると思いました。「チャイ4」は勿論、金管・木管が主役かも知れませんが、弦の
美しさも大切です。やはり扇谷泰朋がコンマスの時の弦は本当によく揃っていて美しいと思います。
美しいだけでなく力強さもあります。公益法人認定に向けて団員全員が一丸となって頑張っている
からでしょう。明らかに「ラザレフ効果」がオケ全体に出ていると思いました。
第4楽章が転がるようにして終結部に到達すると、割れんばかりの拍手が起きました。ブラボー
も飛び交いました。マイケルはコントラバス奏者に相応しく長身で、指揮振りも颯爽として見栄え
も中々です。伝統的にイギリスには名指揮者が多いのですが、その一人に名乗りを上げた、と私は
見ています。これからが楽しみな指揮者の一人です。
1383川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者)
Tue Dec 4 21:15:00 JST 2012
最新WRレコーディングによるCDを発売中!
この度、Koike Strings の演奏する「モーツァルト:弦弦五重奏曲ハ長調 K.515」と沢田千秋と
Koike Strings による「ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調(弦楽五重奏版)」をカップリング
したCDを新発売する事になりました。
会場渡し(例えば、明日5日に新大久保の教会で行われるKoike Strings クリスマスコンサート
会場)の場合は\2,500(税込み)で、定形外郵便でお送りする場合は\2,800となっています。
録音はWRのコレクタホロワ化された最新の録音機材を使って行われ、バランスエンジニアおよび
マスタリングエンジニアは川西広文が担当しています。デジタルマルチ録音の極意は録音そのもの
よりも、最終的に2トラックに落とすミックスダウンにあります。
コレクタホロワ技術と2つの特許回路はマイクプリは勿論の事、オーディオ・インターフェース
やコンピュータ(Mac)そして外付けHDD やCD-Rを焼く時のドライブの2電源に至るまで、徹底して
WR式安定化電源に生かされ、正確なミックスダウンを可能にしています。
録音日から1~2年を掛けて試行錯誤が繰り返され、最近やっと納得の行く音質が得られるよう
になってCD発売に漕ぎ着けました。マイクアレンジとその後の処理をどうすれば最適なCDが作れる
か、ようやくそのポイントが掴めたところです。試し焼きで廃棄にしたCD-Rは数え切れません。
演奏者には失礼ですが、録音が映えれば演奏も上手く聴こえる事は事実です。今回発売するCDは
録音と演奏を含めて、決して現在のメージャーレーベルに引けを取る事はありません。生演奏の音
をよく知っているからこそ出来た録音(CD)だと思います。どうぞ、安心してお申し込み下さい。
郵送ご希望の方は、WRのショッピングサイトから商品番号24を選んでご購入手続きをお願い致し
ます。未然にユーザー登録を行って頂くとスムーズに事が運びます。
注) お振り込みは「みずほ銀行」または「三菱東京 UFJ銀行」をお選び頂けます。
* * * 特別価格のWRP-Δ7 の販売は終了しました。* * *
予定の2台を完売しましたので年末特別価格セールを終了させて頂きました。お申し込み頂いた
方には深く感謝申し上げます。
1382川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者)
Fri Nov 30 23:06:00 JST 2012
安定化電源搭載型パワーアンプWRP-Δ7 の年末特別価格セールを開催します!
ウエストリバー初の安定化電源搭載のベストバイ型機WRP-Δ7 を2台限定でお安く提供させて
頂く事になりました。ディスコンになりましたWRP-Δ6/miniの安定化電源駆動モデルで、超安定
な音には定評があります。(「パワーアンプ(低価格)」やWR掲示板の項番1358等をご参照下さい)
1.安定化電源搭載式コレクタホロワ型パワーアンプ 30W+30W(8Ω)
2.利得:26dB
3.入力:RCA 単一入力(音量調節可)
4.寸法:380(W)x 230(D)x 190(H)(突起物含まず)
5.重量:約6.5Kg
6.納期:10日~2週間(年内納入可)
7.価格:\105,000 (税込み)
8.付属品:WR推奨電源ケーブル1本
9.備考:WRP-Δ6/miniをお持ちの方はご相談下さい。
用意しております内の1台は全てのパワートランジスタがTO-3で構成され、もう1台は TO-3P
で全て構成されています。勿論、両者ともEMe 型を使用しています。お好きな方をお選び下さい。
キャンタイプ(TO-3)とモールドタイプ(TO-3P) は音に若干の違いがあると言われています。
尚、有償になりますが、ある程度のカスタマイズ(例えば2入力)は可能ですのでご相談下さい。
2台限定ですので、お早めにお申し込み下さい。お申し込みは
1.メール:kawanisi@west.river.jp.org 又は kawanisi@mail.ne.jp
2.電 話:042-683-0212
までお願いします。
基板製作は川西が担当し、シャーシ加工、機構部品取り付け及び内部配線は平野が担当します。
お支払い(マスターズ扱い)は納入時に銀行振り込みか代引きでお願いします。
1381川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者)
Mon Nov 26 13:30:00 JST 2012
hiroさん、ご投稿ありがとうございます。
何時も、WRアンプに関する的確なご感想をお寄せ下さり、大変ありがとうございます。昔LPでは
音楽を心の底から楽しむ事が出来ていたのに、CDでは音楽を耳元でしか楽しめなかった、と仰って
居られますが、多くの方が多かれ少なかれそのような経験をされているのではないでしょうか。
私自身もアンプがトランジスタにソースがCDに変革された節目にそう感じたものですが、これを
乗り越えるのが自分の仕事だと割り切り、真空管を全て物置に仕舞い込み、LPは一時封印しており
ました。そして、長い研究時間を掛けてやっと最近、CDでもLPでもソースを気にする事なく音楽を
心から楽しむ事が出来るようになったのです。
これまでに何回も述べさせて頂いておりますが、その本質は高帰還によって不可避的に発生する
「負性抵抗」を抜本的に抑え込む技術です。高帰還アンプの入出力インピーダンスの実部に生じる
負性抵抗を抑えるそれぞれの特許回路が基本ですが、それだけでは未だ不足で、最近になってから、
終段に止むを得ず使って来た負性抵抗の権化とも言うべきエミッタホロワをも追放しています。
過去から現在まで古今東西多くの高帰還アンプが存在しますが、この技術が適用されているのは
WRアンプだけです。それは私自身が孤軍奮闘して研究して来たからですが、それが価値ある本物の
技術なのか、単なる陳腐なまやかしかは、WRアンプをお使い頂く方のご感想に偏に懸かっています。
即ち、多くの方が賛意を表して頂ければ頂くほど、この技術の信憑性が上がる事になります。
これまでに色々な方々にWRアンプを肯定して頂いて参りましたが、この度はhiroさんにも強力に
サポートして頂いて、益々WRの技術が本物である事を証明してくれていると思います。これまでCD
では心から音楽を楽しめなかったhiroさんが、WRアンプを使う事によって、初めてCDでも心底から
音楽を楽しめるようになったのです。WRアンプの技術が単なるまやかしであったら、こう言う結果
にはならなかったでしょう。
hiroさんはWRアンプで聴くとエネルギーを感じると仰っています。確かにα9 は超高帰還アンプ
ですから、出力インピーダンスは下がり駆動力が増しますから、通常のWRアンプよりエネルギー感
は有ると思います。非安定化電源でも弱点を余り感じさせません。私はクラシック音楽でその事を
確認していますが、事が本質的であればソースによる依存性はないはずです。
hiroさんは声楽や台詞でその感を強くされて居られますが、それを本物であると認識できるのは
多分舞台などの実演をお聴きになる為に現場に足を運ばれているからだと思います。やはり実演を
自分の耳で聴いて感動する事が、オーディオの原点であると思います。それなくして単なる架空の
音を追いかけるオーディオは、趣味とは言え私は邪道だと思っています。
hiroさんが
> 音としては一丁前に出ていても、このように伝え感じさせるアンプは、これまで私が
> 聴いてきた(数は少ないですけれど)中にはありませんでした。
と述べられていますが、これこそWRアンプの技術の確かさを証明するものだと思います。
最後に、お兄様用のα9 との音の違いですが、大メーカーのように数多くのアンプを一度に作る
のと違って、1台1台手作りで作る場合は、どうしても使用する部品が違ってきます。元祖α1の
ようなアンプは、SEコン、BGコン、ERO コン、進抵抗、と言うように殆んど共通する部品を使って
いましたので、部品による音の違いは殆んどありませんでした。
しかしそのような部品は殆んどディスコンになり、今や使える部品は益々制限されて来ています。
折角良い部品を見付けても、次に使えるかは定かではありません。セラミックコンの中では良いと
思った「イタリアコン」も今は入手不可です。世の中の電子回路がIC中心の表面実装に移行した事
が大きな原因です。
数少ないディスクリート部品の中から、経験と勘で良品を見つけだし、ヒアリングを経て使うか
使わないかを判断しています。ですから、使う以上は一定のガイドラインをクリアしたものですが
その組み合わせで決まる最終的な音に微妙な差が出るのは止むを得ないところです。耳の良いhiro
さんには見抜かれてしまいますが、どうか部品の現状をご理解頂いてご容赦頂ければ幸いです。
hiroさんはピンコードによる音の違いにも言及されて居られますが、WRのRCA ピン接続ケーブル
は残念ながら売り切れです。出来るだけ「音質部品」と称するものを避けて、極普通の物を使って
頂ければと思います。意外に使えるのが一番安価な赤白ピンコードです。最終的に使えるかどうか
の判断はご自分の耳で必ず行って下さい。高価だから或いはメーカー製だからと言う理由で盲目的
に使う事が一番危険だと思います。
電源コードも音に大きく影響します。先ずは付属のものを使って頂いてから、ご自分流のものに
変えるなら代えて下さい。高額・高級品がWRアンプに適合するかどうかは分かりません。WRアンプ
は世間の常識が通用しないオーディオアンプです。初心に戻って、一からやり直して頂く事が必要
です。その理由はもう言うに及ばないと思います。
尚、私もジョン・ルイスのCDをα9 で聴いて見ましたが全く問題ありませんでした。このような
ソースにα9 は強いようです。それだけ安定に動作していると言う事だと思います。
1380hiroさん(音楽好き人間)
Fri Nov 23 19:52:57 JST 2012
WRP-α9CUSTOMの感想(その2)
この前の投稿だけでは言い足りない分がありますので、追加させていただきます。
これまでヘッドフォンでCDをきいた場合どうしても耳元だけで音楽を聴いている感
じがしていました。
これがレコードなどからの送り出しだと頭の深遠部まで音楽が入ってきて、より深い
感動をもたらしてくれるように感じるため、レコード側の音の程度は別としてCDと
の決定的な違いと自分の中では認識していました。
α9はCDで聴いても耳元だけでなく、かなり深遠部近くまで寄ってきてくれる様に
感じます。
分解能が良く自然に聞こえるためでしょうか。
またα9の音にはエネルギーがあると表現しましたが、生き生きと音に勢いを感じま
す。
これは何でもかんでも全て元気な音になるという意味ではなく、たとえばこのまえ聴
いたCDでは、ミュージカル座の「ルルドの奇跡」というのがありました。
主演の伊東恵里さんの声、歌が好きで、CDの中の「ベルナデットの歌」だけを聴く
目的で購入していました。
このミュージカルは観た事もありませんし、筋書きも知りませんでした。
ミュージカルは歌と踊りの舞台ですから、内容を知らないものをCDで聴くという事
は舞台のイメージが出来ないのでそれだけでハンディがあります。
以前に聴いたときも恵里さんの歌を除き、他は音楽に合わせた台詞がただ単単と続く
だけで実にツマラナクほとんど聴きませんでした。
α9で聴いてみると恵里さんの声はもっと柔軟になりましたが、それにも増して前回
ツマラナイと思っていた台詞が意味を持つというか、聴いているだけで役者さんが発
する言葉がこちらに伝わってきます。
舞台で経験する張りのある、その場で聴いているような臨場感が感じられます。
ほとんど台詞だけみたいなものを、良い音でもただ音が出ているだけでは耳が飽きて
最後まで聴き続けることは出来ません。
音としては一丁前に出ていても、このように伝え感じさせるアンプは、これまで私が
聴いてきた(数は少ないですけれど)中にはありませんでした。
このように感じさせる音をエネルギーがあると表現したのですが、川西さんがオーケ
ストラなどの生の音を基準として作り上げてきたものが、こういう音源も含めジャン
ルの違う音楽にも有効に反映しているのではと勝手に思っています。
WRアンプの上級機は聴いていませんが、少なくてもα9の持っている特徴の一つか
なと思います。
兄用のアンプが出来上がってきました。
早速灯をいれて聴いてみましたが、どうもいまいち冴えません。
音のバランスは良いのですが、ベールを1枚通して聴いているようなもどかしさを感
じます。
出来立てホヤホヤだからまだ部品等が馴染んでいないのだろうと思いつつ、兄用のア
ンプであっただけに少し心配しながら聴いていると、2日目当たりから急に雰囲気が
変わりだし本領を発揮してきました。
同じα9ですが、自分が所持している物より良いかもしれません。
部品でも少しちがうのか、固体差か。
どちらで聴いても満足度は全然変わらないので問題ありませんが、新しい方は高音が
少しスッキリして低音は締まりながらもグッと押し出しの強さを感じます。
耳さえ痛めなければそのまま音量を上げて行きたくなるほどスムーズです。
これって良いんでないかい。顔がほころんできます。
兄に自信を持って引き渡すことができます。
なおCDプレーヤーとα9間の接続には電気店の棚にぶら下がっているような安いピ
ンコードながら、いちおう○処理といった高音質化処置をしたものを今は用いていま
す。
聴いて違和感がなく、良い音でしたので使いました。
α9の能力は凄く高いと思いますが、使用するピンコードによる音の変化は大きく、
間違うと良さが全然生かされないか変な評価に陥るおそれがありますので、コードの
見極めは本当に重要と思います。
この掲示板に時々ジョン・ルイスのCDの話が出ていましたね。
手持ちになかったので興味が湧き、ヤフオクで見つけ購入して聴いてみました。
アンプのおかげでしょうか、特に違和感なく聴け演奏も好みです。
愛聴盤が一つ増えました。
1379川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者)
Tue Nov 20 16:00:00 JST 2012
ハイパワー版ヘッドホンアンプ(パワーアンプ)を安定化電源方式にして聴いて見ました。
興味が湧くと実践に移すのにそう時間は掛かりません。色々頭に中で思い巡らせて構想を練り、
ちょこちょこっと計算して見通しが立ったところで、半田鏝を握ります。
先ず、WRP-Δ7 用の安定化電源基板を利用する事にしました。勿論、電源トランスとケミコン
も同時に使います。安定化電源基板には、左右のアンプに±電源を供給するコネクタがあります
が、それを引き抜いてヘッドホンアンプの基板の電源コネクタに接続するコネクタ付きケーブル
を作れば、貸出用アンプを電源部としてヘッドホンアンプを安定化電源駆動する事が出来ます。
貸出用アンプとヘッドホンアンプを結ぶ3線式電源ケーブルが数cm程シャーシの外に出ますが
その位は音質に致命的な影響はしないはずです。勿論、両シャーシのアースは結んで置く必要が
あります。あとは、安定化電源基板の基準電圧素子と、幾つかの抵抗を交換して準備は完了です。
結果として、±18.5V の安定化電源になりましたので、10W+10Wは余裕でクリアです。
こう言う実験の第一声を聴く時はちょっとドキドキします。無事に鳴るか、果たしてどんな音
に成っているのか興味津々だからです。でも、出てきた音は180 度違うような音ではありません
でした。ある意味予想の範囲内でした。音の本質は変わらずに、全体的に音が安定し、地に足が
着いたような音になりました。
これまでずっと小型電源トランスで聴いて来ましたので、その為にある程度の抑圧感を感じて
来ましたがそれは全くありません。その抑圧感とは、千葉さんが仰った「ガツン!」のような時
に多少弾け方が地味だ、と言う気がする事を指します。そうかと言って従来型のΔZEROのような
WRアンプの音とも又違います。良い意味で冷静沈着な音です。
偶々、テストした日には息子も同席していましたが「ノープロブレム、全く問題の無い音だ!」
と言っていました。どんなCDを掛けてもボロを出さないのです。それでいて必要最小限の分解能
は常に保持していますし、楽器の音の密度が濃いのです。息子は「トライアングルの音がΔZERO
よりリアルだ!」とも言ってましたが、その言葉にこのアンプの特長が表れている気がします。
トライアングルは金属楽器です。このような楽器をコーン型SPで鳴らすと通り一遍の音になり
勝ちですが、本当の金属棒が振動しているような音に聴こえるのがこのアンプなのです。一事が
万事、楽器の音がそれらしく聴こえます。話は少し変わりますが、先日WR掲示板でもお馴染みの
足利の増田さん邸を訪問した時にも、同様の事を感じました。
チェンバロの引っ掻く音が本当にリアルなのです。フルートの音も管が振動してるような響き
に聴こえるのです。やはり金属ダイアフラムを使ったホーン型SPの音は、本質的に違うところが
あると感心しました。それが、アンプの過渡特性が向上すると、ある程度はコーン型SPからでも
聴き取れる可能性があると言う事です。
ピアノの左手の極低音は並の装置では下に低く伸びずにリアリティが無いのですが、Feastrex
で聴くとハッとするような極低音が聴こえた、と以前に書いた事があります。コレクタホロワ化
がまだ行われていない頃の話でした。しかしコレクタホロワ化後には、我が家のブックシェルフ
からも、その音がそれらしく聴こえるようになったのです。勿論、増田邸でもちゃっと聴こえて
いました。
結局、言える事はアンプとスピーカーで決まる過渡特性がモノを言うのだと思います。数学的
に言えば両者のコンボリューションで過渡特性は決まるのだと思います。両者が揃えば鬼に金棒
ですが、片方だけでも理想的なものを用意できれば、ある程度の再生は可能になると私は考えて
います。今回実験した安定化電源駆動型超高帰還ヘッドホンアンプは、その意味で非常に可能性
を秘めたアンプだと言う気がします。
もう一つこのアンプで気が付いた事があります。それは超高帰還アンプは出力インピーダンス
が物凄く下がっていて、スピーカーを制御する能力が非常に高まるはずです。即ちコーン紙等の
振動板の自由振動を速やかに抑え込む事が可能になるはずです。因みに、従来型の高帰還アンプ
の出力インピーダンスは下がり過ぎて、その実部が越えてはならないゼロの壁を突き破って負に
落ち込むので、論外になります。
その結果、ある音で一度振動を始めた余計な自由振動が直ぐ減衰するので、複雑な音波形の時
でも各楽器の音が混濁せずにクリアな音を保てる可能性があるのです。事実、オケの全奏ff部分
でも音の濁りがかなり少ない気がします。だから息子が「ノープロブレム」と言ったのだと思い
ます。CDのせいにしていた録音が蘇る可能性が増すはずです。
しかし、ある意味冷静に鳴ってしまうので、この音を物足りないと感じる人も居ると思います。
私自身も当初は、このヘッドホンアンプの音を密度は濃いけど、少し抑圧的だと思っていました。
既に述べましたようにその半分は電源の非力さにあった訳ですが、残りの半分は実は超高帰還の
賜物であったのです。聴けば聴く程ジワっと良さが分かって来るアンプです。段々に病みつきに
なります。10W+10Wのパワーアンプの常識を覆す音です。多分、このアンプの音は玄人好みなの
だと思います。
現実には少し羽目を外しても良いから、もっと弾けた音が良いと言う方が多いかも知れません。
それは趣味の世界ですから仕方のない事ですが、逆にあくまでも冷静にストイックに音楽を聴き
たいと思う方には、他では絶対求められない貴重なアンプとして、貴方を救済してくれると思い
ます。このアンプの音の真価を理解できる耳の持ち主は、オーディオ好きの方々の中でも少数派
かも知れませんが、そう言う方にはこの安定化電源搭載型の超高帰還ヘッドホンアンプは、非常
に価値があると思います。カスタムで対応させて頂きますので我こそはと思われる方は、どうぞ
遠慮なさらずにご相談下さい。
1378川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者)
Fri Nov 16 12:30:00 JST 2012
WRP-α9カスタムのハイパワー版を実験して見ました。
WRP-Δ6/miniがディスコンになってから、気楽にWRアンプをお試し頂くような機種が
無くなってしまいましたので、WRP-α9 のカスタムで対応出来ないか検討している状況
です。
最近、WR掲示板の項番1374で、WRP-α9 は通常2~3W しか出ないのですが、10W+10W
くらいまでは十分対応出来る、と言う事を書きました。勿論、電源電圧さえ高くすれば
パワーは幾らでも出せる訳ですが、問題はその音質です。
元々電源電圧を±12V 程度で動作すると言う前提で設計した回路に、いきなり ±18V
掛けた場合に、帰還などがそのまま安定に掛かると言う保証はなく、従って、引き続き
良好な音質が得られるとは限りません。±18Vと言う電圧は、10W+10W 出す為に必要な
電源電圧の最低ラインです。
そこで±18V 掛けた場合に必要な手直しを若干行って、実際にこのオペレーションの
音質を確認して見ました。手持ちのトランスを使った為±18V を掛ける事は可能でした
が、連続で10W+10Wを出す能力はありませんでした。しかし10W+10Wオペレーションの
小音量時での音を確認するには十分だと思います。小音量時とは、WRP-α9/A にWR製の
バランスプリを接続し、それをアンバランスで使った場合の最大音量時を指します。
相変わらず音の密度は高く、楽器の音に芯があり締まっています。しかし音の大きい
時に感じた、抑圧感は大分解消されていて、ゆったり感が出てきたと思います。だから
と言って、安定化電源搭載型のハイパワーアンプと同じような音ではなく、α9 独自の
音の世界です。
これはこれで「有り」だと思いました。分解能も高く、その意味では千葉さんがα1
と見間違うような音だと感心されたWRP-α9/A の上を行ってると思います。確かに別途
そのようなハイパワーアンプを聴かされれば、少しは抑圧的かなと言う気がしないでも
ありませんが、そんな比較をしなければこれはこれで十分音楽が楽しめる秀逸なアンプ
だと言えるでしょう。
本日、WRP-α9 CUSTOMの外観写真及び、前面・後面の実際の写真をWRのHPに掲載致し
ました。デザインも大変優れておりその意味ではΔ6/miniよりスマートです。デザイン
と性能を合わせれば、価格次第ではお買い得感のあるアンプになると思います。それで
いて、3つの機能は変わらずに満足する優れものです。
このヘッドホンアンプはローノイズ設計ですから、ヘッドホンは、アンプの出力端に
直に接続されます。この意味はアンプの出力インピーダンスが低くなればなる程強力に
スピーカーをドライブします。アンプの出力端に高抵抗を入れて、見かけ上ローノイズ
にしたヘッドホンアンプとは訳が違います。3つの機能とは
1.ローノイズヘッドホンアンプ(無音の世界から音楽が聴こえてきます)
2.プリアンプ機能(プリとしても使う事が可能な程度にローノイズです。)
3.ローノイズパワーアンプ(高効率スピーカーでも至近距離で音楽が楽しめます)
です。これら3つの機能はWRP-α9 に共通ですが、今回の実験で3の機能強化を図って、
10W+10Wまで最大出力を増大させる事が可能である事を確認しました。近々原価計算を
行って、価格を決めたいと思っています。ご期待下さい。
最後に、これは可能性の問題ですが、±18V の安定化電源を用意すれば、安定化電源
搭載型の10W+10Wのヘッドホンアンプも有り得る事になります。その時に、音が従来型
の安定化電源搭載型アンプと同様な音になるのか、あくまで超高帰還アンプの高密度な
音質の延長線上の音になるのか、私自身の目下の関心事になっています。
1377川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者)
Sun Nov 11 17:30:00 JST 2012
日フィル11月定期を聴く
今月は正指揮者の山田和樹の就任演奏会です。金曜日は指揮者によるプレトークは普通は
ないのですが、今月は特別なのか18:30 分から15分間舞台上にご本人が現れて今日の聴き所
等をマイク片手にお喋りをされていました。面白かったのは、ラザレフがプロコ等のロシア
ものを、インキネンがマーラーやシベリウスを、そしてコバケンがブラームス等の通常名曲
をやっているので、自分の守備範囲は限られると零して、だから有名交響曲等は避けて気の
効いた管弦楽曲を選んだのだ、と言う意味の事を話されていました。
その結果選ばれた曲が次の4曲です。
1.野平一郎:グリーティング・プレリュード
2.ガーシュウィン:ピアノ協奏曲ヘ調
3.バレーズ:チューニング・アップ
4.ムソルグスキー/ストコフスキー:組曲「展覧会の絵」
確かに隙間を埋めるのに相応しい曲かも知れません。1曲目はプレトークでヒントが出され、
この曲の中に有名なメロディーが隠されているけど、勘の良い人なら分かるかも知れません
との事でした。
しかし全くの抽象的な現代曲で、私には最後の種明かしまで分かりませんでした。断片的
に或いは変奏曲的に音符の上では現れているのでしょうが、耳でそのメロディーを捕捉する
事はできませんでした。本当に最後になって、コンミスが「ハッピバースデイ・トゥーユー」
のメロディを、本当にモロ演奏するまで気が付かなかったのでした。演奏終了後に指揮者が
よくやるように手を額のところに翳し舞台上から会場を見渡したところ、作曲者が客席から
立ち上がって急いで舞台上に駆け上がり、ドッと拍手が湧いたのでした。
2曲目は比較的有名な曲で一応私のレパートリーに入っていました。曲もさることながら
ピアニストに興味がありました。世界でもメジャーな部類に入ると思いますが、パスカル・
ロジェです。フランスものを得意とする生粋のフランスの名演奏家です。ロンドンレーベル
に録音したサンサーンスのピアノ協奏曲全集は有名です。近頃はガーシュインも得意にして
いるようです。
最近のピアノ音には余り期待出来ないのですが、今回は期待通りに美しいスタインウェイ
の音を聴かせてくれたと思います。ガンガン弾くタイプではなく、音量を抑えてでも響きの
美しい、ピアニスティックな魅力を大事にしていると思いました。アンコールで弾いた曲等
は、弱音の魅力の極地をフルに演出する素晴らしい音であり、演奏だったと思います。
バックは少し遠慮気味で、大体指揮者は独奏者を引き立たせる為か、少しオケを抑制する
場合が多いのですが、今回もそのような気がしないでもありませんでした。「展覧会の絵」
の時の音の輝きからすると、ちょっとくすんでいて、私には多少欲求不満になるような感じ
に聴こえました。仮に、部分的には独奏楽器が掻き消されても、出すべきところは抑えずに
鳴らすべきだと思います。独奏楽器とオケが対等に渡り合ってこそコンチェルトのスリルや
面白さが出るのではないでしょうか。
15分の休憩後に後半の2曲が始まりました。「チューニングアップ」と言う曲は、オケが
最初にチューニングする時の、各楽器の動きをそのまま楽譜に写し取って作曲したような曲
です。普通コンマスがピアノのラの音を叩き、それに応じてオーボエがラの音を吹いてから
コンマスのバイオリンに移り、徐々に各楽器に広がって、各々調律して行くのですが、その
まま曲が始まってしまいます。
普通指揮者はオケの団員が席に着いてから暫くして登場しますが、今回は、気が付いた時
には既に指揮者は指揮台の傍に居たのです。そのままチューニングが始まるようにして曲が
スタートし、指揮者は徐ろに指揮台に上ると言う有様でした。アイデアとしては面白いです
が、それ以上でもそれ以下でもない曲のように思いました。
最後はストコフスキー編曲による「展覧会の絵」です。ストコフスキーは「ファンタジア」
と言うディズニー映画で有名になった、元フィラデルフィア管の指揮者で、オーマンディの
1つ前の指揮者ですが、山田和樹の解説に依れば、現代のオーケストラの配置を考え出した
張本人らしいです。ヨーロッパでは、ジャーマン方式が伝統的でしたが、ストコフスキーは
左側に高い音の楽器を、右側に低い音の楽器を配置した最初の指揮者だったようです。
私は、少なくても音響的にはストコフスキーの配置は合理的で耳にも心地良く響くし良い
と思っています。ストコフスキーは音響的にも満足できる演奏会をやりたかったのかも知れ
ません。だから、バッハのオルガン曲等の編曲もフルオーケストラでバッハの音楽を心行く
まで楽しむ為に行ったのでしょうし、今回の「展覧会の絵」もそうだったに違い有りません。
しかし、始まってみると「プロムナード」が行きなりバイオリンの斉奏で始まるし、少し
違和感と言うか、わざと楽器を変えて見ました、と言う感じに聴こえるところ多かった気が
します。やはり作曲家としてのランクが違うのでしょうか、何処かスッキリとした統一感に
欠けています。部分的には大音量で鳴り響くような音響的に凄い部分もありますが、音楽的
な満足感は余りありませんでした。
多くの部分でラベルが使った楽器とは違うものが使われていますが、雛が殻を破って出て
くるところのトランペットは、多少楽譜は違うのでしょうけど、同様な感じに仕上げられて
いました。それにしても客演首席奏者のトランペットは見事で、スムーズで柔らかい音には
感心しました。日本人には無理かも知れないと思いました。
最後の「キエフの大門」ではホルン8、トロンボーン4(バストロ含む)、トランペット4
その他木管は4管編成、打楽器多数が、色彩豊かにffで盛り上がる音響的快感は、希に見る
オーケストラの祭典でした。当然ながら、最後の一振りが決まった瞬間に怒濤の拍手が巻き
起こりました。しかし、音楽的感動とは別種の興奮のようで、やはり音楽的な満足感のない
盛り上がりは、直ぐ冷めてしまうように感じました。帰り道も「展覧会の絵」のメロディー
が口を突いて出る事はありませんでした。
* * * hiroさん、ご投稿ありがとうございます。* * *
この度は、WRのヘッドホンアンプをご兄弟で1台ずつ、計2台ご購入頂き誠にありがとう
ございました。最初にメールでご感想文を頂いた時に、的確にWRアンプの特長を理解されて
いる方だと直感致しました。2回目に頂いた時には厚かましくもご投稿をお願いしてしまい
ました。是非、多くの方にお読み頂きたいと思ったからです。
今回はピリスのショパン/ノクターン集を取り上げていらっしゃいますが、ピアノ音楽は
一番再生の難しい範疇だと思います。ピアノ音は3本の弦をハンマーが叩く事によって発音
されてきますが、その構造から来るのか音の安定性が悪く、生の音を聴いても耳に違和感の
ある事があります。サントリーホールで聴いたパスカル・ロジェの演奏ですら、部分的には
ちょっと怪しい音が含まれていました。
調律が完璧と言う事はありませんし、奏者の打鍵が正確に弦を叩くと言う保証もないので
多くの音符で成り立つ長大な曲では、何処かで耳に違和感のある音が出ても不思議ではあり
ません。その微々たる違和感の素が、会場の定在波や録音後のミックスダウンの時に、悪い
方向に強め合う可能性があり、その結果耳に耐え難い苦痛を感じさせる音に発展する可能性
があります。
このように、完璧なピアノ録音はこの世の中に存在しないのではないかと私は最近考える
ようになりました。まだWRアンプがそれに対する対策が不完全な頃、ブレンデルが独奏する
モーツァルトのピアノ協奏曲の音には、耳をガンガン打ん殴られた記憶が今でも鮮明に耳に
残っています。
結局最終的にパワーTRをドライバー段も含めてコレクタホロワ化して、この音から初めて
解放されたと思っています。最後の最後まで手を焼いたのが、ピアノの音とコントラバスの
ピッチカートでした。hiroさんが次に取り上げられた「ジェック・リューシェ」も、やはり
ピアノの音とベースの「ボンツキ」が問題です。スピーカーですと箱鳴りや部屋の定在波の
影響もあるでしょうが、ヘッドホンの場合は殆どアンプの責任だと言っても良いと思います。
実は、スピーカーの場合も、私はそうだと思っています。アンプにちゃっとしているものを
使えば、「ボンツキ」はそう簡単には起きないと思います。
この2つの楽器の再生音が同時に蘇った事は、ほぼ100%アンプの安定性の賜だと言っても
過言ではないと思います。アンプの音色でアンプの良し悪しを判断する方が多い中、本質的
で一番重要なアンプの安定性の問題に、間接的ながらお気付きになったhiroさんは、やはり
「聴く耳」をもっていらっしゃる方なんだろうと思います。
「聴く耳」は音楽が好きでオーディオを単なる道具として使っている人なら、次第に身に
ついて来るものだと思います。幾ら長い間お金を掛けてオーディオを追求していても、そこ
から音楽を聴こうとしない方には、何時まで経っても身に付かないものだと思います。WRの
アンプ群は「聴く耳」を持った方には、必ず評価される事が段々と分かって来ました。
hiroさんはWRのヘッドホンアンプを「魔法の小箱」と呼んで下さいましたが、もし魔法が
掛かっているとしたら、それは「負性抵抗」を除去する為の魔法(特許)に依るものだと思い
ます。そして、それが最近の「コレクタホロワ化」によって、完全に裏打ちされたと思って
います。音楽が聴きたくて色々とオーディオ機器を物色しているけれど、未だに思うような
音で鳴ってくれないと言う方には、WRアンプは絶対にお勧めです。
* * * 千葉さん、ご投稿ありがとうございました。* * *
千葉さんを呼んでしまったようで、申し訳ありませんでした。何回かお貸ししたと思って
いましたが、計3回あったのですね。そして3回目にはコレクタホロワ化されていたと言う
事が分かりました。確かに、基本的な音は変わらないのですが、特にピアノの音とコントラ
バスの音には大きな違いがあると私は思っています。
千葉さんも筐体から来る印象から余り期待せずにBGM 的にお聴きになっていらっしゃった
ようで、その意味で、最近の私と似ているなと思いました。確かにその風袋からあのような
しっかりした音が出るとは、誰も思わないでしょう。少しは大きいWRP-α9 カスタムの方で
さえも、hiroさんは「魔法の小箱」と仰っています。
私自身、ノイズ低減には努力したものの、その為に必要だったより深い帰還の為の副産物
には気が付いていませんでした。久し振りにWRP-α9 カスタムのご注文を頂いたので、試験
を兼ねてヒアリングして初めて、このアンプの底力に気が付いたのでした。設計開発時にも
当然試聴はしていたのですが、WRアンプとして、この音が当たり前のように思っていたのだ
と思います。
でもよく考えて見れば、片手で軽々持てるミニパワーアンプから、此処まで芯のある音が
出ると言う事は、普通はないのかも知れません。そこに千葉さんも驚かれたのだと思います。
千葉さんが、α1との相違点は「ガツン!」感があるかないか、だと仰っていますが、2.2W
の最大出力で「ガツン!」感も有ったら世の中苦労無しです。私が文中で頭の中で部分的に
贔屓しているところがあると書いたのは、多分その事に通じると思います。
千葉さんは、生音には再現の難しい「弾力感」があると仰っていますが、それさえもこの
ヘッドホンアンプは再生する能力があると褒めて頂いています。この「弾力感」がどんな音
を指すのか定かではありませんが、音の感じ方や表現の仕方は微妙に違いがあるので、もう
少し千葉さんとお話して見たい気がします。弾力と言うのですから、やはり生音独特の柔ら
かさを指すのかと思います。
私は一方で、生の音で再生が難しいと感じる音の一つに「剛性感」があると思うのですが、
「弾性」と「剛性」は反意語です。この一見矛盾するような音が混在し、両立するところに
生音の魅力があり、オーディオを難しくしている根元が有るのだと思います。普通のアンプ
は色は一色です。明るいなら明るいだけ。しかしWRアンプはこの矛盾するような2つの対極
に有る音を併存して再現出来るところに、その特長があるのです。
コレクタホロワになってからは「低音が良く伸びて豊かで明瞭」になったと仰っています。
やはり「聴く耳」を持っている方は、WRアンプの本質を直ぐに見抜いてしまいます。最後に
ヘッドホンアンプとしての音も「心地良くて寝てしまいました」と言う程に変な刺激がなく
疲れない音だと言う事でしょう。
メーカー製は管球式でもTR式でも「刺激が強くて長い時間は聴き続けられない」「エッジ
が立ってノイズも多い」ものが殆どだったと仰っています。此処ではっきり申し上げて置き
たい事は、WRのヘッドホンアンプは終段からダイレクトでヘッドホンに出力している事です。
だから、低い出力インピーダンスでヘッドホンが駆動出来るのですが、ヘッドホンのバック
グラウンドにノイズが残留しないように、アンプ本体のハムノイズを徹底的に低くする必要
があります。
この為には、高帰還・低ゲイン・ローノイズの専用アンプを設計する必要があるのですが、
これが普通の高域補償法では理想的なものが中々出来ない為に、全く普通のアンプの出力に
高抵抗を入れてアンプのゲインとノイズを表面的に下げる方法が安易に採用される事が多い
のです。しかしこれではヘッドホンを駆動するインピーダンスは数百Ωになり、ヘッドホン
の完全な制御は不可能になります。その結果、メーカー製のヘッドホンアンプは千葉さんが
仰るような音になってしまうのでしょうし、hiroさんがこれまで諸々のソースで苦労されて
来た原因にもなっているのだと思います。
1376千葉さん(団体職員)
Fri Nov 9 19:19:39 JST 2012
ヘッドフォンアンプ
千葉です。
呼ばれたような気がして出て来てしまいました(笑)
WRヘッドフォンアンプはとっても良い音ですよ。これまで3回お借りしました。
現有機にヘッドフォンジャックを付けてもらってるので必要無いのに、借りた当時すごく
欲しくなりました。
3回目はコレクタホロワに変っていました。
最初はWRP-α1MⅡのバランス化で、2度目はコレクタホロワ化で、3度目はパワー
スイッチの交換修理の代替機として、無理言ってお借りしました。
なので、3回ともパワーアンプとして使用しました。
お借りした機材はいわゆるプロトタイプで、ぺこぺこの薄い筐体にマジックでPOWER
とかL,Rと書いてあり、見るからに貧弱で極めて軽くて、最初にお借りしたときは「これ
か~↴」とがっかりしたのをいまだに鮮明に覚えています。それはその性能とのギャッ
プに驚かされたからです。
筐体を見てからは、全く期待していませんでした。「鳴れば良いや」って気分。でも、
鳴らして見たらビックリ!
期待してなかったので、最初はBGM的にクラッシックを流して洗濯物を畳んでいまし
た。(当時は単身赴任で主夫業をしてました。)それが、時々ハッとして手を止めて聴
き入るほど臨場感があって、これは侮れないと思ったものでした。結局、CDをとっか
えひっかえして、侮れないどころか、小音量で聴く分にはこれでも充分じゃないかと思
うほどの高音質でした。
α1と比べてどこが違うかというと、誤解を恐れず表現すると「ガツン!」感です。
フォルテッシモで感じられるエネルギーがやや薄いかなってところでした。でも、それ
はいつもα1で聴いていたから思うことで、他のアンプとの比較だったら、WRヘッドフ
ォンアンプの圧勝です。何と言ってもWRアンプの特徴である「透明感」と「弾力感」が
あります。私は、生の音には再生音では再現が難しい「弾力感」があると思っています。
それが、ヘッドフォンアンプでもちゃんと出るんですよ。そして、軽やかな感じは
α1を凌ぐかも…。
2度目にお借りした時はもうその実力は分かってましたから、何の違和感もなく、
「ヴァイオリンや木管が軽やかだなぁ…」なんて思いながら聴いてました。
3度目はその直後、α1のパワースイッチが壊れたときで、今度はコレクタホロワにな
ってやって来ました。そしてまたびっくり!低音が良く伸びて豊かで明瞭です。
もともとノイズが極少なことに加えてこの低音の伸び。デスクトップとかダイニング用の
BGMに使ったら良いだろうなぁ…贅沢だなぁ…なんて思ったものでした。
本来のヘッドフォンアンプとしてはあまり使いませんでしたが、もちろんメーカー製の
比ではありません。いっときヘッドフォンアンプが欲しくていろいろ試聴しましたが、
最初は良いなと思っても聴いているうちに刺激が強くて長い時間は聴き続けられないな
というのが多かったです。エッジが立ってノイズも多いのかな? これは真空管もトラ
ンジスタも同様でしたね。それらに比べてこのアンプでヘッドフォン聴いてると心地良く
て寝てしまいました(笑)
1375hiroさん(音楽好き人間)
Thu Nov 8 19:39:29 JST 2012
WRP-α9CUSTOMの感想
ここ最近WRP-α9のお話が出ていますが、このアンプを購入させていただいたものです。
その購入経過等の要旨はすでに掲載されていますので細かくは述べませんが、まずデザインですが
私は一目で気にいりました。
スッキリとしていて品があると思いますし、測定器っぽいツマミの形状もこのアンプにピッタリで
私好みでした。
この掲示板においてヘッドフォンによる記事はあまり無い様ですので、参考になるかもしれません
ので、聴いた感想を述べてみようと思います。
まず私は現在、事情によりスピーカーで聴く環境は休止中なので、音楽鑑賞はヘッドフォンによる
のが全てです。ほとんど毎日音楽を聴いていますが、α9が来てからはついつい長く聴いてしまい、
寝るのが遅くなり寝不足気味になってしまうこの頃です。
それ程この音にすっかりはまっている状態です。
α9を用いて聴く印象は、音が伸びやかで不自然さがないため、私の場合ヘッドフォンという機器
の存在は意識しないで音楽に入っていけます。
機器の違いやヘッドフォンによる鑑賞に馴染みがないなど、人によって感じ方は異なると思いますが、
この鳴り方は素晴らしいと思います。
今までつまらないと見放していたCDを、新たに聴き直してみるとその違いに唖然とします。
たとえばグラモフォン輸入盤、「ショパンのノクターン集」ピリスの演奏ですが、評判が良いと
購入してみたものの、最近のデジタル録音に多いような気もするのですが、録音がピアノの中に
マイクを入れたような音像がハッキリしないで拡がる感じのものでした。
私はこういう録音が苦手で、ピアノもただ鳴っているだけの印象で音楽を聴く楽しさは感じられず、
ちょい聴きだけで耳が拒否していたものでした。
α9を通して聴くと高級ピアノの響きとなり、存在感がぐーんと増しクリアながら輝きを放つため
音楽を感じさせてくれます。拡がり感は残るものの、それが嫌味にならなくなり最後まで聴くことが
出来るようになりました。
またキングレコードから出ていたジャック・ルーシェの「デジタル・プレイ・バッハ/ジャック・
ルーシェ」ですが、演奏自体の良さは感じられていたのですが、これまではピアノの音が冷たく
素っ気ないように聴こえ、またベースのボンツキというか特定音が耳につき、これがなかなか曲者で
上手く抑えることが出来ないため鳴らしずらいCDと思っていました。
これも全曲通して聴く事は、これまで出来ませんでした。
α9で聴くとこれもピアノはクリアとなり、輝きのある高級ピアノの音に大変身。
重厚な低弦をベースに高音の早いパッセージも気持ち良く聴けます。
嫌味だったベースの音も、飛び出して演奏を壊すことも無くしっかりと制動されています。
もともとCDにはこのような音が入っていたのに引き出せていなかったのか、α9は音を良くする
魔法の小箱ですね。
またライブ盤なんかでの拍手は生き生きと表現され、案外この音がα9の良さを一番表している
のかもしれません。
今のところ私の聴いた範囲のCDは、全て音楽的に向上して聴こえます。
いい事ばかり書いていますが、それほど私はこのアンプが表現するの音の虜になっています。
通常ヘッドフォンで聴く音の形をスピーカーで出すのは、部屋等の影響もありなかなか難しいと
思っていましたが、WRアンプの駆動力、制動力があればそれも越えて可能かなと思ったりしています。
早くスピーカーで聴ける環境にしなければと思っているところです。
1374川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者)
Tue Nov 6 16:00:00 JST 2012
久し振りにヘッドホンアンプを聴いてみました。---最後に
このアンプの音を聴いていて、何時も聴いている我が家の音とそんなに違和感なく聴ける
のが少し不思議になってきました。決して能率の高くないスピーカー(87dB)を最大出力が
高々2.2Wのアンプで鳴らして、音楽が満足に楽しめる事は、常識的に考えてそうある事では
ないはずです。
普通は鳴るには鳴るが、力の無いスケールの出ない貧弱な音を連想するでしょう。しかし、
少しは頭の中で部分的に贔屓しているところがあるかも知れませんが、どう聴いても唯の音
ではないのです。α9 カスタムをお買いになった方の「音楽を伝えるエネルギーを感じます
し、音の厚みもあります。」と言うお言葉がステレートに頷けます。
そこで、もう1台似たようなアンプ( WRP-α6/mini/mini)が有るので、これと比較試聴
をして見ました。ダブルで/mini が入ってるのは、基板自体は同じ物を使っているのですが
使用トランスにプリ用の小さな物を使っていますので、実測で
最大出力:6W+6W
実用最大出力:10W+10W
を誇って(?)います。つまり数字の上では絶対的に有利です。しかし、実際に聴いて見ると
必ずしもそうとは言えないところに、オーディオの面白いところがあるのです。確かに音に
余裕がありますし綺麗でもありますが、良く言えば優等生的な音です。惹き込まれるような
特別な魅力はなく、常識的に想像のつく音です。
此処で試聴に使ったソースをご紹介して置きます。私の座右のテスト盤の1枚である
マーラー交響曲第5番:アバド/シカゴ響(POCG-6001)
です。敢えてダイナミックレンジに富んだソースを選んで見ました。
さて、このソースは独グラモフォンの名録音の一つです。指揮者にもオケにも不満はなく
ほぼ理想的にこの曲の持つ魅力を伝えてくれます。Δ6/mini/mini の方で聴くと普段聴いて
いる音に比較して、パワー分だけこじんまりとしたスケールになります。パワーダウンした
結果として、ある程度理解できる音です。
しかしWRP-α9/A の音は違います。音の締りがありこの音が最大出力2.2Wのパワーアンプ
から出ているとは、誰も想像できないでしょう。ffで大太鼓が地を這うように鳴ってる部分
でも、ハイパワーアンプで聴いているような底力が感じられます。引き締まった音は楽器の
質感が色濃く反映されています。WRP-α9 カスタムならば、3.5W+3.5Wに最大出力がアップ
しますので、もっとパフォーマンスが上がるはずです。どうやら、このヘッドホンアンプは
そんじょそこらに転がっている2~3W のアンプとは訳が違うようです。α9 カスタムをお買
い上げ頂いた方の兄上様が即決でご購入を決意されたお気持ちが分かって来ました。
この秘密は何処にあるのでしょうか。それはアンプの可聴帯域の帰還量が大きく違う点に
あると私は思っています。その分だけアンプの出力インピーダンスが下がり、スピーカーを
駆動する力が増大するからです。スピーカーの逆起電力に打ち勝ってスピーカーを制御する
能力が高くなると考えられるのです。これが安定化電源付き並の駆動力の高いパワーアンプ
機能を可能にしているのかも知れません。
具体的にどの位違うか検証して見ます。WRP-α9 は高S/N のヘッドホンアンプとして開発
されました。その為に、初段の電流値を下げる等の工夫をするのは当然ですが、残留ノイズ
低減の為の手っ取り早い方法として、アンプのゲインを大幅に下げています。元々、ヘッド
ホンにはそう高い電圧を供給する必要はありませんから、その意味からもゲインを下げなく
てはなりません。
アンプのゲインを下げるのは、意外に厄介な事なのです。要するに余ったゲインを帰還に
回すしかありません。帰還量が増えれば、安定性が悪くなり「負性抵抗」が発生して来ます。
今回も多少苦労しましたが、可聴帯域外のゲインを補償コンデンサーの値を増やして吸収し
負性抵抗が発生しないように工夫しました。その結果、安定性を余り落とす事無く帰還量を
増やす事に成功し、何と5倍以上の帰還量アップに成功したのです。
だから出来上がりのゲインが、標準的なWRアンプが21.6倍であるのに対して、ヘッドホン
アンプは4.1 倍しかないのです。その分だけ帰還量が増え確実に残留ノイズは減る事になり
ます。勿論、その分だけ高調波ひずみは減り、出力インピーダンスも下がります。
このアンプで最大出力を出す為には、普通のWRアンプに対して、5倍以上の電圧を加える
必要がありますが、WRのバランス型プリ(アンバランス使用時のゲインは4dB 程度)を使った
場合はボリウムを目一杯にして、飽和感を感じずに、丁度良い感じで鳴ってくれる状態です。
5倍も帰還量が増えれば単純にアンプの出力インピーダンスは1/5 になり、スピーカーを
ドライブする能力は一気に高まるはずです。α9 カスタムをお買い上げ頂いた方のご感想も
強ち大げさな表現ではなく、真っ当なご意見であると客観的に理解できます。
私は、このアンプをスリーインワンアンプとして売り出した頃に、パワーアンプについて
は正直、オマケくらいに考えていたところがありました。しかしこの音をよく聴くと決して
オマケで得られるような音ではないと、今回初めて気が付きました。他人様から指摘されて
思い知るとは、ちょっとうっかりしていました。
そう言えば、この掲示板でお馴染みの千葉さんに、α1の修理期間中に代替アンプとして
このアンプをお貸しした事があったのですが、「α1と余り変わらない」と言う意味の事を
お聞きしたのです。その時は、半分は社交辞令かと聞き流していたのですが、案外、本質を
突いたご感想だったのかも知れません。
このようなアンプがこれまでに多く存在した可能性は低いと思います。理由は、この程度
の多量の帰還を掛けると、普通の補償法では「負性抵抗」が必然的に現れて、過渡ひずみが
大量に発生し、モヤモヤ感とか閉塞感や硬直感で楽しめる音には成り得ないはずだからです。
WRのヘッドホンアンプが成功したのは、2つの特許回路とコレクタホロワ化のお陰だと思い
ます。だから、このアンプは稀有な存在で価値あるアンプだと思います。もう少しこの点を
皆さまに訴求すべきでした。今からでも遅くはありません。特に、手っ取り早くWRアンプの
音を知りたい方は、このWRP-α9 をご検討下さい。
お持ちのスピーカーの能率によっては無理かも知れませんが、WRP-α9 は単なる小パワー
のパワーアンプではありません。「山椒は小粒でもぴりりと辛い」と言う諺通りのアンプを
お求めになりた方には打って付けだと思います。カスタムでご注文頂ければ10W+10Wくらい
までは対応できる思いますし、6~10dB 程度のプリ部を載せたプリメインタイプも良いかも
知れません。それでも10万円以内に十分納まると思います。勿論、高S/N のスリーインワン
機能は担保されます。
小型且つ安価でありながら、引き締まっていて密度の高い、所謂高級感のある音で音楽を
お聴きになりたい方は、どうぞ奮ってご応募下さい。カスタムをご希望の方はショッピング
サイトの「カスタムメイド」よりお申し込み頂けます。
1373川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者)
Fri Nov 2 17:00:00 JST 2012
久し振りにヘッドホンアンプを聴いてみました。---追伸
前回、ヘッドホンアンプWRP-α9 等についてお話しましたが、一番安価な機種である
WRP-α9/A とWRP-α9 又はWRP-α9/BAL との違いについて明確な説明をしておりません
でしたので、少し補足させて頂きます。
今回ご注文頂いたWRP-α9 はシャーシに高級感があり、そのデザインもスッキリして
いて美しいのですが、違いはそれだけではありません。HPに発表されている仕様を見て
頂ければお分かりになりますが、最大出力に若干の違いがあります。それぞれを抜書き
して見ますと、
WRP-α9/A は
最大出力:2W+2W(8Ω)
実用最大出力:4W+4W(8Ω)
であるのに対して、
WRP-α9 又はWRP-α9/BALは
最大出力:3W+3W(8Ω)
実用最大出力:5W+5W(8Ω)
となっています。僅かですが、出力に違いがあります。この違いは電源トランスによる
ものです。WRP-α9 又はWRP-α9/BAL の方に載せているトランスの方が容量が大きいの
です。
先ず、実用最大出力の意味をご説明致しましょう。ヘッドホンアンプは非安定化電源
方式です。出力が増大するとそれに比例して電源から流れる電流も増加します。しかし
非安定化電源の宿命で、電流が流れれば流れるだけ整流電圧は低下してきます。普通は
数V程度低下しますが、その低下の程度はトランスの電源変動率によって決まります。
両チャンネルに連続正弦波を入れて出力を測定すると、両チャンネル分の電流が出力
電流として流れるので、その低下分だけ最大出力は下がる事になります。しかし、音楽
を聴く場合は必ずしもそのようにはなりません。音のピークは極短時間で過ぎ去るので
ブロックケミコンの容量次第では、電圧の低下をある程度防ぐ事が出来ます。
WRP-α9/A に使っている電源トランスの場合の実測値を示しますと、
無信号時:12.5V →この電圧から理論的に計算される出力:4W
最大出力時:10.5V →この電圧から理論的に計算される出力:2.2W 実測値:2.2W
のようになり、従って切捨てで上記のような仕様になるのです。音楽の平均的レベルが
低く、ピークレベルも中高域の成分が多い場合は、ブロックケミコンには十分な電荷が
蓄積されていて、実質的に最大出力4Wに近い実力が出せる場合があります。
一方、WRP-α9 又はWRP-α9/BAL に搭載してるトランスの場合の実測値は
無信号時:13.5V →この電圧から理論的に計算される出力:5W
最大出力時:12.2V →この電圧から理論的に計算される出力:3.6W 実測値:3.7W
のようになり、切捨てで上記のような仕様にしてありますが、実際には仕様より出力は
出ていますので、最大出力を3.5W+3.5Wに変更致します。
後者のトランスはもう少し余力があるのですが、整流電圧をリレー基板にも供給して
いる関係で制限値があり、13.5V になるようにブリーダー抵抗で電流を流して、電圧を
敢えて下げて使っています。
私がヒアリングしたのはWRP-α9/A の方ですから、WRP-α9 又はWRP-α9/BAL の方は
もう少し余裕がある事になります。高効率のスピーカーをお使いの方なら、十分パワー
アンプとしてもお使い頂けるでしょう。
尚、どちらのトランスも密閉式で漏洩磁束が少なく、低輻射ノイズの高級品ですから
S/N に関しては同等であり、この事がヘッドホンアンプの音質向上にも役立っていると
思っています。因みに、実機の残留ノイズの測定値は
13uVrms(DIN AUDIO)
35uVrms(WIDE BAND)
でした。DIN AUDIO とは可聴周波のフィルターを掛けた場合で、聴感上のノイズ値だと
言えます。WIDE BAND とは何もフィルターを掛けない、超低域から超高周波領域までの
ノイズを含むものです。このノイズならヘッドホン使用は勿論の事、プリアンプとして
も十分お使い頂けると思います。
1372川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者)
Wed Oct 31 22:00:00 JST 2012
久し振りにヘッドホンアンプを聴いてみました。
10月の半ばに、平野紘一氏が主唱するイシノラボでWRP-α9 (WRP-α9/A では無い!)の
格安品が出ていたのを憶えていらっしゃるでしょうか。6万円程度するものがほぼ半値で
出品されていたので、直ぐに売約済みになったと言う報告を受けておりました。私は何方
がお買いになったのかついては、関与していませんでした。
ところがつい最近、WRP-α9 の入力をRCA x3に増やしたカスタム品の注文をある方から
頂いたのです。普段、殆ど出ない(売れるのはWRP-α9/A の方)WRP-α9 が偶然なのか2台
続いたのです。カスタム品の価格や納期等をメールでお知らせしましたが、その返信には
ご丁寧にも、このアンプを注文するに至った経緯が書かれてありました。
結論的に申し上げれば、やはりイシノラボで購入された方が新たに新品の注文をされた
のでした。何故2台なのかは以下に説明させて頂きます。この方には兄上が居られ昔から
ラジオ技術誌の愛読者だったそうです。なので、WRアンプの存在は昔から兄上から聞いて
ご存じであったようですが、価格、デザイン等の問題から購入するまでには至らなかった
のです。
しかしイシノラボで見た写真からデザインも良いし、何より安価だし念願のWRアンプを
買うチャンスだと思われたのでしょう。直ぐに購入されたのでした。それから10日間程で
もう1台をご注文になったのですが、その方の言葉をお借りすれば、その訳はざっと次の
ようになります。
◎ヘッドフォンで聴いてもWRアンプは今まで聴いてきたアンプと音の出方が違います。
◎分解能が凄くCDの中に入っている音が全て聞える感じです。
◎オーケストラのバイオリンも一本調子のベタッとしたものでなく、弾くときの産毛の
ような気配といったものを感じさせてくれます。
◎どんな小さな音にも音楽を伝えるエネルギーを感じますし、音の厚みもあります。
◎音楽を聴いていてストレスなく楽しい。この一言です。
◎いろいろ機器を購入してきましたが、何かしら音に閉塞感みたいなものは常に感じて
いました。
◎このアンプを使用したヘッドフォンの音からはそんな感じは払拭されてます。
◎兄にこのアンプを貸し出し、スピーカーで聴いてもらったところ音全体は勿論ですが、
なにより低音の出方が良いと気にいったのです。
◎普通に音楽を聴くには3W出力でおつりが来るようです。
◎WRアンプの音の世界を知った幸運に感謝しています。
斯くして、新しいカスタムヘッドホンアンプは、兄上がスピーカーを鳴らしてお使いに
なる為のものである事が分かりました。それにしても、極短期間でWRアンプの特長をよく
把握されていると、この方の耳の確かさに感心しました。
私は早速、ヘッドホンアンプの基板を作り始めました。少しでもお気持ちに添いたいと
基板を作る上にも力が入ります。半日強で2枚の基板がほぼ完成しました。次の日に直流
テストを行い合格、残留ノイズの値が規定値に収まっている事を確認してから、早速私の
実験シャーシの基板と交換してヒアリングに入りました。
回路や部品定数は殆ど変わりませんが、高域補償用のセラミック、ケミコン等の部品は
殆んど違っています。それが音にどのような影響を与えるかのチェックを兼ねています。
このヘッドホンアンプWRP-α9 は、第一義的にはヘッドホンで使用して頂くようにして
ありますので、ゲインが低く設定されています。WRアンプは普通26dB(20倍)ですが、この
アンプは12dB程度ですからバランス型WRプリの場合はボリウムを最大にしても、飽和する
程には音は大きくなりません。
それでも、私がバランス型のパワーアンプで聴く時の音量と比べて、ほんの少し小さい
程度の音量で鳴ってくれます。私のリスニングルームは山の斜面に面しているので、近所
迷惑にはなりませんが、隣接している戸建てやマンションでは、この音量でも顰蹙を買う
可能性はあると思います。その位の音量で鳴ります。(スピーカーの能率:87dB)
平野氏がよく言うように、結構な音量で聴いていても2~3W程度しか出ていない場合
が多く、成る程、その事がまんざらウソでも無い事が分かったのでした。
音の質はどうでしょうか。どんな簡易型アンプでもWRの特許技術とコレクタホロワ化は
確実に生かされていますので、基本的に全く問題のない音です。あとはプラスαがどうか
と言う問題です。最初、やはり音が少し小ぶりかなと思ったのですが、部品のエージング
が進んだせいか、生き生きとして一人前の音になって来ました。とても2~3Wのアンプ
の音とは思えませんし、黙って聴かされればこの小さなアンプから出ている音だとは誰も
思わないでしょう。
こんな小さなボックスからこんな音が出るんだ、と今更ながら自分で感心してしまった
のでした。低音は甘めですがタップリ出てるように聴こえます。これは電源が非力である
が故に起きる副作用かも知れませんが、安価なアンプならそれもOKと言うべきでしょう。
このアンプは簡易プリとしても使えますし、勿論、電磁型ヘッドホンを高S/N で鳴らす
事も出来ます。WRP-α9/A でも、この特性は同様ですから、WRP-Δ6/miniがディスコンに
なった現在、お金を掛けずにストレス無く音楽を楽しみたい方には、打って付けのアンプ
だと言えるでしょう。この夏以降安定化電源付きの本格的アンプばかり聴いてきて、この
ヘッドホンアンプの事をスッカリ忘れていました。
しかし、この不景気のご時世では、下手な中古アンプを買うより、又昔のアンプを修理
に出すより、手っ取り早く確実にいい音で音楽が楽しめる、WRのヘッドホンアンプを入手
されるのが最良かと思います。その真偽の程は、このアンプを注文なさった方のコメント
をもう一度お読み頂ければ、ご納得頂けるものと思います。
1371川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者)
Fri Oct 26 17:30:00 JST 2012
過渡特性について
前回のみならず、私は度々「過渡特性」なる言葉を多用してきました。ここらで改めて
「過渡特性」について考えて見たいと思います。
オーディオの第一義的な目的は家庭で音楽を楽しむ為にあります。音楽は色々な楽器が
時々刻々絡み合うので、その総合的な合成波形は時間軸に対して複雑に変化して行きます。
然るに、オーディオアンプなどの機器の特性を測定する為に、定常的に変化する正弦波が
用いられています。
周波数特性、ひずみ率特性など殆どの特性は正弦波を用いて測定する、所謂静特性です。
方形波特性と言えども周期関数を使って測定しますので、純粋な過渡特性ではありません。
過渡特性の代表的なものにステップ応答やインパルス応答がありますが、昔はその応答の
記録に難しさがあった為に殆ど行われずに来ました。
本当は過渡特性を計るべきですが、それは難しいので静特性を計って、機器の良し悪し
を推定して来たと言っても良いと思います。事実静特性からでもある程度の機器の品定め
は出来たとも言えるでしょう。
しかし、訓練された人間の耳は高度化し、その方法で選別した機器に満足出来ない事案
が度々経験されるようになっています。スペックが良かったから買って見たが、音は良く
なかったと言う事が、皆さんも一度や二度あるのではないでしょうか? その最大の理由
は、静特性が良くても必ずしも過渡特性が良いとは限らないからです。
基本的な過渡特性について考えて見ましょう。電気系も機械系も同じですが、此処では
比較的分かりやすい1自由度の機械振動系についてご説明します。質量がバネで吊されて
いて質量が上下に振動する事を考えます。振動が直ぐ収まるように、バネには機械抵抗が
抱かされています。
今、この質量にステップ関数が加えられたとすると、質量には慣性がある為にステップ
関数のように理想的に立ち上がる事は出来ません。少し遅れて動き始めます。これは既に
元の外力に対して、質量が忠実に応答しない事を意味しています。
ステップ関数が上がり切った時には質量は未だ所定の位置に上がり切らず、少し遅れて
その位置に達しますが、今度は勢い余って所定の位置を通り過ぎてしまいます。この事も
元の外力に対して、質量は忠実に応答出来ていない事を表しています。
質量は所定の位置を通り過ぎて最高点まで上り詰めてから折り返して下がって来ますが、
下がり切った所から再び上昇に転じ、これを何回か繰り返して、やっと所定の位置に落ち
着く事になります。この上下動がどの程度の時間続くかは、機械抵抗の大きさで変わって
来ます。機械抵抗を大きくすれば、所定の位置を通り過ぎる事はなくなりますが、今度は
所定の位置まで上り詰めるまでの時間が掛かる事になります。
理想的な解はないのですが、普通は機械抵抗を適当に調節して一山程度行き過ぎた位で
所定の位置に落ち着くようにします。
前回の記述の中に、スピーカーの質量は軽い方が過渡特性の良い物が出来ると申し上げ
ましたが、軽ければ慣性も少ないので、身軽に外力に対して追従出来ることになる訳です。
音楽信号に対して、より忠実にスピーカーの振動板が動く事になります。
逆に質量が大きく機械抵抗も大きいとすると(Qの低い重い振動系)、所定の位置まで
達するまでの時間が掛かり、この場合は、例えば鈍くて歯切れの悪い低音になる訳です。
以上はスピーカーのような機械振動系のお話でしたが、これと似た事は電気系でも起き
ます。電気系(アンプ系)の等価回路の場合は単純な電気回路では済まずに、多自由度の
複雑な回路になり、厄介な事に回路の入力端、もしくは出力端から見たインピーダンスに
負性抵抗が現れてきます。負性抵抗は一般の抵抗とは逆に、一度発生した振動を助長する
要素です。
こうなりますと機械系で説明したような単純な過渡応答より、もっと複雑な応答をする
ようになります。即ち、自由度が1桁以上増えた事と、負性抵抗の存在が話をより複雑に
します。その意味ではアンプ系の問題は、機械系よりずっと厄介です。少なくても機械系
の方は負性抵抗の問題が無いだけ、話は単純になります。
だから強いて「アンプ」と「スピーカー」とどちらが大切かを問われれば、私はアンプ
だと答えていますし、アンプの研究をする意義もあると思っています。確かに、理想的な
アンプで鳴らすのであれば、高級スピーカーの方が音が良いに決まっていますが、世の中
にはその理想のアンプは残念ながら余り存在していないと思います。
それは、負性抵抗を含む過渡特性の研究をせずに、静特性だけでアンプの価値を決めて
来た、長年の慣習に原因があります。私は30~40年前からアンプの高周波領域での挙動に
注目し、負性抵抗の存在と過渡応答の問題に取り組んで来ました。それがコレクタホロワ
をパワー段に使うと言う思い切った改革で、ほぼ完結しようとしています。
増田さんのゴトーユニットは過渡特性の良いスピーカーです。それでも、以前お使いの
アンプでは100%本領は発揮されなかったのです。WRアンプになさってからは、新しい発見
があり毎日を楽しく充実して、音楽をお楽しみ頂いているとお聞きしています。
増田さんの例のようなお話が多く成ればなる程、孤軍奮闘で進めて来た私のWRアンプの
研究も裏打ちされて、WRアンプの存在価値も高まって来ると思います。ここまで来られた
のもご賛同頂いた、多くのWRアンプユーザーの方々のお陰だと感謝しております。
どうかもう少しWRアンプが普及し、多くの方が音質を気にせずに(スピーカーの存在を
気にせずに)音楽をお楽しみ頂けるようになるまで、お力を賜りますように心よりお願い
申し上げる次第です。
1370川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者)
Sun Oct 21 16:00:00 JST 2012
日フィル10月定期を聴く
今月は首席指揮者のラザレフです。プロコフィエフの交響曲連続演奏会の最後を飾るのは
交響曲第6番です。この曲は第5番と兄弟関係にあると言われていますが、認知度はずっと
低いと思います。5番が親しみやすいメロディーやリズムに溢れているのに対して、この曲
は、親友で作曲家であったミヤスコフスキーに「3回聴いてやっとこの曲の意図が分かった」
と言われてしまう程、曲想が掴みにくいのです。
また、当局に事実上演奏禁止を言い渡されてしまった事もあって、日陰の道を歩み続けて
来たのです。当時のソ連は反体制派の芸術家を弾圧していました。ショスタコは勿論のこと
プロコもその対象になったのです。この曲は3楽章制で交響曲としても変則的でした。
プロコには「ロミ・ジュリ」のような最初から最後まで、美しいメロディーに満ちている
曲もあれば、前衛的で、聴いて楽しむと言うよりは芸術の為の音楽、と言うものまであって
聴く方も一筋縄ではいきません。この第6番には全くと言っても良いほど口ずさめるような
メロディーは現れません。唯一救われるのは、ffの総奏でも全く音が濁らない事です。
その意味でプロコには「アラーとロリー」「アレクサンダー・ネフスキー」等のHi-Fi に
打って付けの曲があります。正直に言って、昨日は音楽的と言うよりは音響的に楽しんだと
言わざるを得ません。ラザレフの時の日フィルの演奏は格別で、この曲のもつ透明感を見事
に表出していました。国産オケとしては最高の部類に入る演奏だったと思います。
第6番の前はチャイコフスキーのV協でした。独奏者は川久保賜紀で、以前にテレビ番組
で見た記憶がありました。この人の音は最弱音が非常に美しく、力感のある演奏と言うより
美音を大切にし、微細なテクニックで聴かせるタイプのように感じました。解釈も自由奔放
で、伝統的な演奏形式ではなく、その日の感性で好きなように弾いているようでした。この
人なら、パガニーニのV協を面白く弾いてくれそうな気がしました。
第3楽章が終わると凄い拍手が湧き起こりました。何回かのカーテンコールの後にお待ち
かねのアンコールがありました。私が聴いた事のない曲でしたが、帰りしなに見たホールの
掲示板にはクライスラーの「レチタチーボとアレグロ」のアレグロ部分と書いてありました
が、正確にはアレグロではなく「スケルツォ・カプリース」ではないでしょうか。
深紅のドレスに身を包んだ佇まいは、独奏者として映えビジュアル的にも惹きつけるもの
を有しているように思いました。この日は、団員と定期会員の交流会が演奏後に行われたの
ですが、彼女も私服姿で参加してくれました。舞台から下りると一回り位小さく見えました。
その挨拶の中で、チャイコのV協は何十回と弾いているけれど、二度と同じようには弾いて
いない、と言うような意味の事を述べられていたので、やはりそうなんだと思ったのでした。
観客席にあのインバル夫妻の姿があったように見えたのは、私の目の錯覚だったでしょうか。
* * * 増田さん、ご投稿ありがとうございます。* * *
今回のご投稿で初めて4チャンネル全てをWRアンプで鳴らしたと言うご報告を受け、少し
意外ではありましたが、足ったの1台のアンプでシステムの音が信じられない位にガラっと
変わった、と言うところまでお聞きして、さもありなんと思ったのでした。
マルチをやった事のある人ならお分かりになると思いますが、4台のアンプは共同責任を
負っています。1台くらい、特に低音くらいは良いだろうと言う考えは通用しません。私は
5台のパワーアンプで鳴らしていた事があったので、一箇所の部品を変えるとなると5倍の
部品が必要になりました。
例え、その部品が中高域にしか効かないのではないかと思えても、低音用アンプの部品も
同様に交換しないと、収まるところに納まらなかったのです。だから、SEコン1個増やすと
5倍の費用が掛かり、これでは能率が悪すぎると思うようになって、マルチを諦める遠因に
もなったのでした。
低音アンプは低音域にだけ限定的に影響を与えている訳ではありません。今回の増田さん
のご報告でお分かりのように、1台のアンプを交換する事によって、例えば全体的に被って
いたベールが、何枚も取れたようにスッキリする事があるのです。1台の不安定なアンプが
システム全体に、謂わば害毒を流すのです。これは高周波的に全てのアンプは繋がっている
と考えれば、そう不思議な現象では有りません。
マルチでなくてもこれと似た現象は起き、プリとパワーアンプがそう言う関係になります。
どちらも同程度のレベルに安定性を保たないと、悪い方に引き摺られてしまう事になります。
コレクタホロワ化でパワーアンプの安定性を高めても、プリにエミッタホロワが残っている
とパワーアンプのコレクタホロワ化の効果が100%発揮されないのです。
増田さんはベールが取れて音が軽くなったと仰っていますが、これは重要なポイントだと
思います。軽い音とは、言い換えれば過渡特性に優れた音と言えるでしょう。重厚な低音と
言う言葉と矛盾するような気がしますが、決して矛盾するものではありません。この場合の
重いとは鈍いではなくより低いと言う意味でしょう。分厚くて低い低音が軽く聴こえて来る
事があっても不思議ではないのです。この場合の分厚いとはリアリティのあると言う意味だ
と思います。鈍い低音は落第です。
音楽は過渡音の連続です。従ってオーディオアンプの生命線は過渡特性にあります。帰還
アンプの過渡特性は高周波的安定性に依存します。高周波ノイズは帰還アンプの弱点に付け
込んで来て安定性を阻害しますが、その弱点の本質は負性抵抗にあります。エミッタホロワ
は負性抵抗を保有し易い回路です。それを排除して、より負性抵抗の危険性の少ない回路で
あるコレクタホロワに変えたのが、最新のWRアンプの特徴です。
この私の考えが正しかった事が、今回の増田さんの実験で明らかになったと言えると思い
ます。ゴトーユニットは飛び切り過渡特性の良いスピーカーです。しかし、そのスピーカー
も過渡特性の悪いアンプ鳴らせば、真の実力は発揮されません。逆に過渡特性の良いアンプ
で鳴らせば、鬼に金棒なのです。
過渡特性の良いスピーカーを作るには、限りなく軽い振動系を強力な磁場の中で駆動する
事です。これを最大限に理想的に追求したスピーカーが、コーン型ならfeastrexでしょうし、
ホーンならゴトーユニットと言う事になるでしょう。その点で、Qの低い重い振動系を使う
ブックシェルフ型は、過渡特性をある程度犠牲にしたスピーカーであると言う事になります。
しかし、コレクタホロワ化後はアンプの過渡特性が向上しましたので、ある程度はアンプが
カバーしますので、コントラバスのピッチカートやピアノの左手の音がクリアに聴き取れる
ようになっています。
1369増田さん(みやまホール足利)
Tue Oct 16 17:29:15 JST 2012
ゴトーホーンシステムにウエストリヴァーアンプを導入する。---第2報
納入頂いたアンプの内1台のアンプのノイズが気になり、修理をお願いする為に
連絡したところ、では代替アンプで様子を見て下さい、と言うことになりました。
アンプが届いたので早速アンプを交換したところ、ノイズの問題は解決したのですが
ちょっとこの際に、ある実験をして見ようと思い立ったのです。それは超高音、高音、
中低音の3チャンネルはウエストリヴァー・アンプで鳴らしていたのですが、
低音だけはハイパワーの外国製アンプがまだつないでありました。
(中低音だけモノアンプとして2台のウエストリヴァーを使っていました)
低音だけは50Wのアンプよりハイパワーアンプの方が良いのでは、と何処かで考えて
いたからでしょう。しかし、実はそれはあっさり裏切られたのです。
先ず、Lチャンネルには現行アンプ、RチャンネルにはWRP-ΔZERO/BAL相当アンプを
つないで聴いてみました。
Rの音は、先ず音が明るく、繊細であくまでも軽く(表現悪いですが)透明です。
Lの音を聴きますとドスが効いていて凄いと言う感じですが、重い音です。
以上が低音のみの比較です。
その事を確認してから、Lもウエストリヴァーにして聴いてみました。
全チャンネルをウエストリヴァーで鳴らした時の違いは凄いと言うか、次元が違いました。
先ず男性2人、女性2人のアカペラを聞きましたが、これは素晴らしい別世界でした。
男性の声がどうしても前に出て来ませんで、録音のせいかと思っていましたが、
なんと出てきました、これには参りました。男性の声の存在感が出てきたのです。
ウエストリヴァーは限りなく明るく透き通る音色ですが、
外国製は何か余計な音が出ているようで、それで全体が重くなって仕舞います。
今迄のは何だったんだろうと、言う感じです。
ベールが何枚の比ではありません。大げさに言えば次元が違い過ぎます。
弦楽曲の通奏低音がきちんと、見事に再現してくれて、音の抜けが抜群です。
特に高音部ですが、プリのレベルを上げても煩くなりません。低音の影響を受けるのは
解りますが、変わり方が尋常ではありませんでした。
今迄で、初めての経験でした、大概こんな方向に行くと予想できますが、
今回は参りました。
文章で表すのは難しいです、おそらく最高の再生かなと自負出来ます。
今迄何をしてきたのか、随分と時間を費やして仕舞いました。
この状態を聴いて貰えれば、おそらくケチの付けるところが無いのではと
思えるくらいの音になったと思います。
あくまでも自分自身の一人よがりですが、すごく爽やかです。
何と川西様には、お礼を言ったら良いのか、言葉が見つかりません。
取り敢えず低音部に50Wをセットすることにしますが、こうなると、
次の段階で120Wを目指して軍資金の調達方法を、捻り出すことを考えたく
なります。
1368川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者)
Sat Oct 13 16:00:00 JST 2012
秋期一点物のお買い得セールについて
今回は、眠っていたシャーシの有効利用と言う事で、プリメインアンプのWRI-βZEROと
パワーアンプのWRP-α1MK2/BALの2機種を用意させて頂きました。
お早い方が居られてβZEROの方は売約済みになっております。万が一お買いになりたい
と思っていた方がいらっしゃいましたらご相談下さい。あと1台なら何とかお応え出来る
かも知れません。
さて、α1の方は未だ残っておりますが、その理由は私の邪推ではありますが、パワー
にあるのではないでしょうか? 30W+30Wと言う表示(数値)は確かに通俗的な常識から
からすると決して大きな値ではありません。しかし皆さん数値に惑わされていませんか?
例えば、真空管アンプなら10数ワットでもお買いになるでしょう。それは何故でしょう
か? 出力特性は数値だけでは本当の実力は分からない、とお考えになっているからでは
ないでしょうか。そしてトランジスタアンプなら最低でも50W は必要だ、と漠然とお考え
なのではないでしょうか。あるいは、それ以下の名機は無かったとお思いかも知れません。
確かに、これまでのトランジスタアンプでは、往々にしてそのような傾向が有った事は
否めません。それは、トランジスタアンプ特有の音の硬さやひずみ感と無関係ではないと
思います。静特性は優秀なのに、実際聴いて見ると耳に煩く聴こえるトランジスタアンプ
が如何多いかと言う事だと思います。
WRアンプの場合は、そのようなこれまでの常識は全く当て嵌まらない事を申し上げたい
のです。その理由は、
1.コレクタホロワになって過渡ひずみがさらに軽減され、硬さや煩さが無くなった。
2.使用部品を聴感テストをして選別しているので、硬さや煩さが出難い。
3.パワー段も含めて安定化電源を使って供給しているので、ギリギリまで実用になる。
となります。1と2は真空管アンプに通じるような、音の柔らかさと聴き易さを意味して
います。だから、これだけでも30W と言う数値は結構な値なのです。しかしそれだけでは
ありません。それに3が加わるのです。WRアンプ以外の殆んどのアンプは非安定化電源で
供給されています。真空管アンプも然りです。
ご承知のようにA級動作を除いてパワーの増大と共に出力電流は増大します。非安定化
電源方式では必ず電源電圧の低下を招き2~3Vの電圧降下は日常茶飯事です。これでは
想定したパワーは出ない訳で、ある意味音が怯んでスピーカーを駆動し切れないと言う事
も起きて来ます。
その点、安定化電源で供給するアンプは、クリップしても電源電圧は一定のまま保たれ
ますから、波形が大きく崩れる事はなく、想定したパワーが正確に得られる事になります。
波形の一部が瞬間的にクリップする程度なら、耳で判別出来ない事が多く、30W ギリギリ
までアンプとして実用的に使える事になります。これが安定化電源搭載アンプの一義的な
メリットです。
しかし、1、2、3の条件を満たさない一般的なトランジスタアンプでは、最大出力の
遥か手前から音が硬直し出すので、サバを読んで、大きな数値を求める事になったのだと
思います。アナログの性質として、微小範囲ではリニアリティが良くなりますから大出力
アンプを控えめに使えば何とか実用になると言う、悪い慣習が常態化してしまったのでは
ないでしょうか?
但し、物理的にどうしても大出力が必要な場合は話は別になります。使用スピーカーの
能率が極端に低く、その割りに聴く部屋が大きくしかも大音量で聴きたい場合は、絶対的
にアンプのパワーが求められるからです。そう言う方には無理にお勧めしませんが、普通
にお使いになるのなら30W でも十分実用になると思います。
確かに、昔のα1 とαZEROは音の力が多少違うと思っていましたが、コレクタホロワ化
されてからは、30W と50W 機の違いを殆んど意識しなくなりました。ΔZEROのシャーシで
テストする時は50W 機になり、試聴機でテストする場合は30W 機になるのですが、両者の
音調の違いは感じても、力感の違いを感じる事は殆んどなくなっています。
物理的にハイパワーを必要とする方にはお勧めしませんが、極普通にお使いになるので
あれば、WRのコレクタホロワアンプなら30W アンプでも十分鳴ってくれるはずです。その
事が気になって躊躇されているのであれば、無用なご心配かと思います。WRアンプの出力
の数値をこれまでの常識でご判断なさらないように、重ねてお願いする次第です。
最後に、α1 の方は2通りをご用意しています。その違い等について説明を加えさせて
頂きます。先ず2通りとは
1.高級機版
2.Δ7 版
ですが、高級機版はSEコンこそ使いませんが、他の部品は高級部品を使います。例えれば
夏期特価セールに出たαZERO/STUDIO のようなアンプで、出力が30W になった物と思って
頂ければ宜しいと思います。高級部品とはBGコン、ERO コン、ニッコーム等です。これに
SEコンを使えば( \62,000高)、WRP-α1MK2/BALの完全コレクタホロワ復刻品になります。
Δ7 版は最近発売したΔ7 とアンプ基板は同じですが、プロテクション基板は本格的な
ものを用いて、過電流検出も行い一層安全なアンプになっています。使用電源トランスも
α1 用の橋本製静電・電磁シールド付き高級品を用いる等して、全体的に底上げが図れて
おり、言って見れば高級志向のΔ7 と言えると思います。
大変お買い得だと思いますので、皆様のご応募をお待ちしております。
1367川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者)
Mon Oct 8 21:00:00 JST 2012
秋期一点物のお買い得セールの予告です!
WRアンプのシャーシを作って頂いている工場から、旧型シャーシが幾つか見つかりました
ので、このシャーシを有効利用する為に、差し当たって2台の特製WRアンプを発売する事に
なりました。その概略が決まりましたのでお知らせ致します。
今回取り扱うシャーシは2機種で、WRホームページの「販売終了の製品」の中にあります
WRP-γZERO/BALとWRP-α1MK2/BALです。前者の前身はWRI-βZEROと言うプリメインアンプで
\294,000でした。後者はWRアンプの発祥時のアンプをバランス化したもので、\252,000した
ものです。今回は両者ともSEコンを原則的に使わないで、お買い得価格にしています。但し
USED部品を性能に影響が出ない範囲で限定的に使用します。
1.プリメインアンプWRI-βZEROのコレクタホロワ復刻品
出力:40W+40W (8Ω)
入力:アンバランス3回路(音量調節可)、パワーアンプダイレクト端子有り
利得:10dB(プリ部) 26dB(パワーアンプ部)
素子:NEC製 EMe型パワートランジスタ(2SD180/2SA626→2SD188/2SA627の低耐圧品)
電源:全段安定化電源方式
寸法:400W 220D 220H(突起物含まず)
塗装:黒色
価格:\157,500
納期:20~30日の予定
備考:WRプリに使うラインアンプ基板使用
補償コンデンサーはセラミック主体
SEコンを除く高級部品使用→精緻でありながら聴きやすさを狙っています。
2.パワーアンプWRP-α1MK2/BALのコレクタホロワ復刻品
出力:30W+30W (8Ω)
入力:バランス1回路、アンバランス2回路(何れも音量調節可)
利得:26dB
素子:NEC製 EMe型パワートランジスタ(2SD180/2SA626→2SD188/2SA627の低耐圧品)
電源:全段安定化電源方式
寸法:400W 220D 200H(突起物含まず)
塗装:シャンペンゴールド色
価格:\142,800(高級機版)\136,500(Δ7 版)
納期:20~30日の予定
備考:補償コンデンサーはセラミック主体
高級機版かΔ7 版か選択可→高級機版は従来からのWRアンプの音、Δ7 版は最近
のWR掲示板を参照して下さい。
尚、仕様上でご希望があれば原則有料になりますがカスタム仕様もお受け致します。1台
ずつの限定品ですので悪しからずご了承下さい。発売日は追ってお知らせ致します。ご質問
ご要望はメール又はお電話でお願い致します。
参考)
補償コンデンサーをSEコンにした場合は1のプリメインが\77,000 高、2のパワーアンプ
が\62,000 高になります。2の場合約20万円でWRP-α1MK2/BALの完全コレクタホロワ復刻品
が入手出来る事になります。SEコン特有のウェットでしなやかな音が魅力です。
1366川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者)
Wed Oct 3 17:05:00 JST 2012
試聴機のΔ7モードをよりオリジナルに近づけました!
試聴機は、WRP-ΔZERO/BALで代表されるWRの高級型アンプの基本性能と音質が確認出来る
ようになっておりましたが、最近発売になったWRP-Δ7 にも対応出来るように、3枚の基板
即ち、アンプ基板2枚、安定化電源基板1枚をそっくり取り替えられるようにしました。
従いましてお客様のご要望をお聞きしてから、高級型または普及型対応の基板に設定して
お貸し出しが出来るようになりました。しかし、高級型は兎も角も普及型の場合、厳密には
Δ7 オリジナルと若干整流回路が異なり、結果的に少し音が違っていて既にその事について
は言及済みでした。
やはり私は完璧主義者なのか自分で自分にウソをつく事ができず、整流回路も簡素化して
限りなくΔ7 に近づけたいと思うようになりました。具体的には高級型には必ず搭載されて
いるプロテクション基板も取り替える必要があったのです。
WRのプロテクション基板には、プロテクション回路の他に整流回路と高周波ノイズ吸収の
為のバイポーラ接続された高級ケミコンが配置されています。そのケミコン群を外したいと
思ったのです。1枚の基板を切替SWで使い分ける事は出来ませんので、その部分を省略した
基板を作って載せ替えるしかありません。
そう決心して、急遽ケミコン群のないプロテクション基板を作り、早速、載せ替えて音を
聴いて見ました。予想通り、何処か余所行きですましたところのあった音調が、Δ7 独特の
野趣溢れる躍動感のある音になりました。最初の思い付きの実験で聴いた音やΔ7 の1号機
の音にかなり近付いたと思います。これなら、WRP-Δ7 の代替機として問題ないはずです。
オーディオはやはり難しいと思いました。本来は、高周波ノイズを吸収した方が良いはず
なのですが、やはりバランスと言うものがあるのでしょう。一部分だけ高級部品を注ぎ込ん
でも、あるいはそのような回路を付加しても、その分だけ必ず音が良くなるとは限らないと
言う事です。
それは兎も角もΔ7 と等価なアンプが完成しましたので、Δ7 の音が気になっている方は
是非試聴して頂ければと思います。このアンプの音は必要な分解能を有してる割には神経質
なところが一切無く、ソースに起因するひずみ感も殆ど気になりません。身体を預けて音楽
をゆったり楽しめると言う大きな特長があります。
未だに人気のある真空管アンプに共通するメリットは、耳に優しい事ではないでしょうか。
Δ7 は耳に優しいだけではありません。安定化電源搭載型の高帰還アンプですから、低音も
含めて音が正しく制御されていて、その意味で音の崩れはなく十分引き締まった音がします。
ですからノン帰還または低帰還の真空管アンプでは駆動出来ない、低インピーダンス型で
低能率のスピーカーも十分駆動可能です。多分、MATRIXのようなスピーカーをまともに駆動
するには真空管アンプでは苦しいでしょう。世の中のブックシェルフ型スピーカーは多かれ
少なかれそのような運命になっているはずです。
今回のパワーアンプは鉄シャーシで構造的にしっかりしており、バランス入力も備わって
いますから、Δ7 をバランス入力で聴いたらどのようなパフォーマンスになるかも知る事が
出来ます。WRP-Δ7 は余計な装備を全て削ぎ落としましたが、カスタムならバランス入力や
複数入力にも対応する事が可能です。
このアンプはオーディオマニアより、音楽好きな方に向いていると思います。常に装置の
事が気になり、取っ替え引っ替えしないと気が済まない人には余り向かないかも知れません。
寧ろ、本当は装置は程々で良いから、好きな音楽を心から楽しみたいと真剣に考えている人
に使って欲しいと思います。殆どのブックシェルフ型スピーカーに対応可能な、WRP-Δ7 を
是非お試し頂きたいと思います。
10万円を越えるパワーアンプは、確かにこのご時世では高価なアンプに属するでしょうが、
数万円のアンプではブックシェルフ型スピーカーを完全に駆動する事は出来ないと思います。
今夏のセールでΔZERO相当パワーアンプをご購入頂いた方から、どんなアンプを持って来て
も満足出来ない方に、試しにそのパワーアンプを貸し出したところ、どうしても鳴らし切れ
なかったブックシェルフ型スピーカーが、ウソのように蘇ったと言うご報告を頂きました。
WRP-Δ6/miniでは中低音から下が鳴らし切れなかったそうです。これは部品のグレードの
せいでは決してありません。その理由は電源にあります。ΔZERO相当アンプは安定化電源が
搭載されていますので、中低音から下の多大なエネルギーが必要な帯域でも、十分安定した
駆動が可能です。その意味に於いてはWRP-Δ7 も何ら劣る事はありませんし、高級型アンプ
と同等の駆動力を有しています。
多少の対価を払っても、想像を超える優れたパフォーマンスが体現できれば、結局は満足
する事になると思います。逆に何時も恐る恐る安価で無難なアンプばかりをお買いになって
いても、何処かに物足りなさを覚え、常に疑心暗鬼で音楽を安心して楽しめないのではない
かと思います。一歩階段を登って下さい、きっと新しい世界が見えるようになります。
真の良品を見抜く眼力とその購入を決断する勇気を持ち合わせている事が、人生を有意義
に生きていく為には、大いに必要な事だと思います。是非、WRP-Δ7 をご検討下さい。
1365川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者)
Sat Sep 29 15:30:00 JST 2012
日フィル9月定期を聴く
いよいよ秋シーズンの開幕です。夏休み前は7月初旬でしたので、ほぼ2ヶ月ぶりのライブ
演奏会です。今月は人気のコバケンで「ブラ2」と「ブラ4」の組み合わせでした。交響曲を
2つ組み合わせるのは、モーツァルトやハイドンでも余り好ましいとは思えません。ましてや
ブラームスです。あり得ないプログラムではありませんが、多分に、お客さんを意識したもの
だったと思います。
大体は、2曲とも中途半端に終わるか、最初に置かれた曲が消化不良になるかです。今回は
後者でした。ブラ2は最後のフィナーレ近くまでは余り頂けませんでした。夏休み明けなので
オケの腕も雑になっているし、そもそも、1曲目から調子を最高レベルにもって来る事自体が
日本のオケには難しいのです。
このように、2つの大きな交響曲をプログラムに据える事は、結局はお客さんの為にはなら
ないのです。両方ともに完璧に演奏するのは、超一流オケでも難しいのではないでしょうか?
私はシカゴ響で苦い経験をしています。消費者に阿ったビジネスと言う意味では、オーディオ
の世界にも言える事です。
多機能で安価であるものを消費者は求めますし、メーカー側もそれに呼応してかそのような
商品を開発しますが、結局付属して来た機能をどれだけ使うのでしょうか? 又その為に基本
性能が犠牲になった分、本来期待していたパフォーマンス自体が満足出来ないと言う笑えない
悲劇が多く見られます。
安い割に機能が豊富な機器を買いたくなる気持ちは分からないではありませんが、そうそう
上手い話はなく、何処かが犠牲になっていて、それが一番大切なパフォーマンスにしわ寄せが
来るのが常なのです。そろそろ、お買い得品ばかりに目が行く習慣を改め、優れた能力を示す
機器には、それに相応しい対価を払う習慣を身に付けたいものです。
3大交響曲の祭典とか、3大協奏曲の夕べとか、ちょっと誘惑に負けそうですが、そんな曲
を一挙に聴かされて、全てに満足するなんてあり得ないと思うべきです。それぞれがどんな曲
かを知りたい、と言う目的以外はお止めになった方が良いでしょう。
「運命」「未完成」「新世界」を立て続けに演奏して、全てをベストコンディションで演奏
できるオケなど存在しないと思うべきです。正に今回の「ブラ2」「ブラ4」はその類のプロ
グラムだったと思います。それを定期の演目に選んだのは、定期会員を増やしたいと言う魂胆
が見え隠れしてる気がします。
それは本当のサービスではないと思います。やはり、プログラムに上げた以上は全てをその
曲のベストで演奏するのが、本来のサービスだと思います。WRアンプは、表面的に人受けする
ような商品を開発する事はありません。音を聴いて自分で納得するアンプしか発売致しません。
基本性能を重視するのでそれなりの価格になっていしまいますが、それは音を聴いて頂ければ、
結局はご満足頂けるものだと確信しております。
大分横道に反れてしまいましたが、ブラ2のテンポが標準より少し遅めであったのが、余計
纏まりを欠いた原因になった気がします。ジュリーニほど遅くはありませんでしたが、テンポ
をもう少し上げて引き締めた方が良かったと思います。でないと、第4楽章のフィナーレでの
急に駆け込むような早さが、浮いてしまい統一感が取れません。あそこで急ぐなら、最初から
早めのテンポを設定すべきだったと思います。
そうは言っても、最後に来てようやく楽員達も本調子になり、台風接近で湿った空気も乾燥
して、ブラボーが出るくらい音も冴えてきて、少しだけ満足できた事は次への期待感を高めた
と言えるでしょう。
15分間の休憩後に「ブラ4」が始まりました。「ブラ2」のフィナーレの音がそのまま継続
しており、やはり指揮者とオケと場内の空気が一体になって溶け込み始めていたのです。私が
一番重要視するバイオリンパートの音も、本来の日フィルの音になっていました。コンサート
マスターが扇谷泰朋であったにも拘わらず「ブラ2」では及第点に達していませんでした。
「ブラ4」は終始満足の行くレベルで演奏され、国産オケでこのレベルで聴けるなら文句は
ないと正直思いました。テンポ設定も全く違和感はなく、コバケンも4番の方が得意なのでは
ないかと思いました。唯、2番はそうでもないのですが、4番はクラリネットが結構活躍する
のに、何時ものトップではなく、音量も今ひとつ音の深みも少し足りず、所謂並の演奏だった
のが玉に瑕でした。副首席になったのですから、もう少し堂々と思い切って吹くべきでしょう。
第4楽章のパッサカリヤに於ける木管の受け渡しが、もう少し滑らかに巧妙になってくれば
本当に言う事はなかったと思います。やはり、扇谷の時のストリングスの実力は外来オケ並で、
イスラエルフィルに匹敵すると言えば、少し言い過ぎでしょうか? 兎に角他のオケを聴いて
見たいとは思わせない充実ぶりに、まだ暫くは、定期会員でありたいと思ったのでした。
「ブラ4」のちょっと素っ気無い、欲求不満になりそうなコーダが終わると、当然ながらの
万雷の拍手が巻き起こりました。コバケンも楽員に丁寧に感謝の意を伝え至極満足そうでした。
鳴り響く拍手を遮り、コバケンが何時ものように口を開き、日フィルに素晴らしいブラームス
を紡ぎさせたくれた皆さんに感謝する、と言う主旨のメッセージを発しました。会場が本当に
一体となり、良い音楽の為にエネルギーが結集されたのでした。これが真のライブなのです。
1364川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者)
Thu Sep 27 12:00:00 JST 2012
試聴用パワーアンプがWRP-Δ7にも対応できるようになりました!
試聴用パワーアンプは、WRP-α1 のシャーシに安定化電源基板はSEコン仕様、アンプ基板
はセラミック仕様のハイブリッド方式で仕上げてあります。音のグレードはWRP-ΔZERO/BAL
並になっていて、付属のWRプリとケーブルを使って聴いて頂きますと、WRアンプに関しての
大凡の音質・音調をご理解頂けるようになっています。
オーディオアンプは同じシャーシ、同じ回路、同じ部品、同じ線材で製作しても、微妙に
音調が変わる事もあるくらいデリケートなものですから、仮に同じ型番の試聴機で聴いても
本当に自分が手にするアンプと同じ音がすると言う保証はなく、極端に言えば神のみぞ知る
世界だと言っても過言ではありません。それは、試聴会で聴いて参考になさる場合も同じ事
が言えるはずです。
従って試聴機は、WRアンプの高級型アンプをプリとパワーをセットで購入した場合の大凡
の音質・音調を知って頂く事を目的にしており、余り細部に拘らずにその真のポテンシャル
を見極めて頂きたいのです。有り体に言えば、試聴機の細部の音に拘っても余り意味がない
と言う事です。ハイエンドオーディオとはそう言うものではないでしょうか。
購入したアンプがしっくり来るように、ご自分の環境に上手く馴染ませる事もオーディオ
の楽しみの一つだと私は思います。大切な事は、どう頑張って見ても自分の求めている音質
・音調にはなり得ないアンプを掴まない事だと思います。逆に言えば、これなら自分の描く
音の世界が創れそうだ、と言う予感できるアンプを選んで頂きたいと思います。
その目的には、現在用意している試聴用のアンプセットで十分だと思っていますが、今回
新規に発売したWRP-Δ7 には対応出来ていませんでした。幾らなんでもこのセットでΔ7 の
世界を推し量る事はできません。それは開発の意図が少し違うからです。
これまでは兎に角、何でもかんでも最高の音を求めて来ました。そして行き着いた具体例
がWRP-ΔZERO/BALを代表とする最新のコレクタホロワ型アンプです。八尋さんに「精密機械
で再生された精緻な音」と仰って頂いたように、ソースに入っている音は良い音も悪い音も
全て曝け出してしまいます。
勿論録音が良ければ最高の音が楽しめますが、ソースは極上のものばかりでは有りません。
殆んどのソースは何がしかのひずみ感を含むのが普通です。残響のあるホール等で録られた
音は、あちこちで反射する音がぶつかり合って生じる、一種の過渡ひずみを含んでいますが
「精緻な音」故に残響も多く聴こえる事になり、このような不必要な音も耳に検知される事
になってしまいます。
此は良し悪しで、忠実度と言う観点からは劣るかも知れませんが、このひずみを余り目立
たせずに聴く手があるのなら、それも立派な選択肢になるのではないかと思います。それを
具現化したのがWRP-Δ7 だと思って頂ければ、Δ7 の存在意義をご理解頂けるのではないか
と思います。
その意味で、基本的にはWRアンプの音なのですが、これまでのWRアンプと若干アプローチ
の仕方が異なるのです。皆さんは音楽を楽しむ時に、常に音の細部に神経を使って聴く習慣
になっていますか? それはオーディオ的な聴き方であって、音楽を楽しむ為の聴き方では
ないように私は思います。分析的又は微分的に音楽を聴いても楽しくないのではありません
か? ホールの残響のせいで生じる過渡ひずみ等、本来の音楽と無関係な余計な音は、聴か
ないで済めばそれに越した事はないと思います。
それは「精緻な音」の世界を知ったから、敢えて求めたくなる世界なのかも知れませんが、
音楽をオーディオより優先して聴きたい人には、合理的なアンプだと思います。このアンプ
の試聴機は未だ用意できていませんので、試聴用パワーアンプの安定化電源基板及び左右の
アンプ基板の計3枚をWRP-Δ7 専用の基板と入れ替えて、実質的にΔ7 とほぼ等価なアンプ
の実現に漕ぎつけました。パワーもほぼ30W でその意味からも妥当かと思います。
オリジナルより整流回路が少しだけ豪華なので、結果的に、少しだけ音に品があり過ぎる
気がしないでもありませんが、概ねWRP-Δ7 の音になっていると思います。実際はもう少し
野趣溢れて、面白く聴ける気がします。その点だけ補正して聴いて頂ければ、十分 WRP-Δ7
の試聴機になると思いますので、Δ7 にご興味のある方も、奮ってご応募頂ければ幸いです。
安心して身を任せて音楽が楽しめるアンプ、それがWRP-Δ7 なのです。
* * * おはぎさん、ご投稿ありがとうございます。
相変わらずお忙しいようで、WRP-Δ7 のヒアリングも思うように捗っていないようですが、
少しずつエージングが進み、低音もこなれて来たご様子、何よりです。オーディオは面白い
もので、低音の変化が中高音にも及ぶ事は多くの方が経験されている事だと思います。
低音は音の基本を構成しますので、それがしっかりする事が何より大切な事だと思います。
繰り返しになりますが、コレクタホロワ化以降のWRアンプは、低音域まで過渡特性に優れた
切れの良い音が再生出来るようになりましたから、ブロックケミコンのエージングが進めば
さらに改善される事でしょう。心配ご無用かと思います。
私が低音が改善されたと思った具体例は、月並みですが、コントラバスのピッチカートが
深く潜行し、綺麗に気持ちよく弾けるようになった事と、今までは再生不能だったピアノの
極低音が明確に聴き取れるようになった事です。
エミッタホロワ時代でもスピーカーの低音域に於ける過渡特性が優秀な、例えばFeastrex
のようなスピーカーで聴くと、MATRIXでは気が付かなかったピアノの極低音が聴けましたが、
今やMATRIXでもそれが聴けるようになっています。この音は低音域の過渡特性が悪いと混濁
してはっきり聴き取れないのが現実だと思います。
ロマン派のクラシックのピアノ音楽にはそれが結構あるのですが、知る人ぞ知るで、案外
気が付いていない人も居るように思います。これはバイオリンのエーテルが立ち昇るような
サワサワサワと言う魅力的な音と二分するような、クラシック音楽の代表的なオーディオに
於ける魅力ですが、どれ程の方が楽しまれているのでしょうか。生演奏会では確実に聴ける
音ですから、ライブ会場に行かれる人は必ず耳にしているはずです。
この2つの魅力的な音は並みのオーディオシステムからは聴き取れませんが、Δ7 はこの
最低ラインをクリアするでしょう。これらの言って見ればWRアンプの得意技は、ジャズ音楽
やロック音楽でも、多分別の形で威力を発揮しているはずです。しかしそれを私は具体的に
指摘する事は出来ません。ロック音楽に関しては、特に造詣の深いおはぎさんの文章の中に
必ず言い表されているはずです。私は門外漢なのでピンと来ませんが、ロック音楽に興味の
ある方ならきっと読み取れると思います。おはぎさんの解説文は必ずお役に立つと思います
ので、是非熟読なさる事をお勧め致します。
1363おはぎさん(会社員)
Tue Sep 25 17:58:02 JST 2012
八尋さん、良かったです & Δ7その後
BDP-95、調子が出てきた様で良かったです。お薦めした手前、案じておりましたが先ずは
安心致しました。USBのファイル再生は良いですよね。スマートフォンなどからの操作アプ
リが出ているようです(Android用。iOSは予定されているそうです)ので、DLNAクライア
ント機能とあわせてネットワークプレーヤーとしても操作性は良くなりそうです。
さて、その後のΔ7ですが(相変わらずなかなかゆっくり聴く時間がとれないでいますが)、
エージングの結果、低域の問題は解消されつつあるようです。川西さんのおっしゃるよう
に、おおらかに音楽を聴けるというのが適切な表現だと感じてきています。
決してΔ6/miniの否定ではないのですが、アップグレード前はやはりざっくりとした再生
だったんだなと感じます。Δ7は全体が落ち着いてスムーズな印象です。低域がこなれて
くると、中高域もあわせて落ち着いて、「面で押してくる」という表現が理解できるよう
になりました。轟音ギターのやかましい曲でも、濁流のなかをゆったりとたゆたうことが
できて、心地よく聴けます(例えばWeezer / My Name is Jonas http://youtu.be/qdefe7l7_Zc)。
ラジカセ用と思われるようなパワーポップでも、実はサウンドデザインがしっかりされて
いることが聴き取れますから、発見も多いです。しかし、分析的に聴くというよりは、
身を任せるタイプの鳴り方だと思います(ですから「精密機械」にも逆に興味津々になる
のですが)。
だんだんΔ7の音調にも慣れてきた気がしますので、引き続き身をゆだねつつ、また折り
を見て感想を書きたいと思います。
1362川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者)
Sun Sep 23 16:00:00 JST 2012
八尋さん、ご投稿ありがとうございます。
その後、導入されたBDプレーヤーOPPOの事が気になっておりましたが、結果的にご満足の
ご様子で安心致しました。使用する電源ケーブルでやはり音が変わるようで、こればかりは
やって見るしかありません。高々1m程度の銅線で、音が変わると言うのも不思議な話では
あります。
電気的に50Hzの交流に対する諸々の特性に有意差が出るはずはなく、明確な理由は分から
ないと申した方が正直なところです。私は高周波ノイズ関与説の最たる人間ですから、結局
ノイズの乗り方はケーブルによって変わるから、音に対する影響度も違って来ると言う立場
です。
しかしそれは少数派であって、世の中の大勢は寧ろ物性論ではないでしょうか。結晶の中
を伝わっていく電子の伝わり方に違いがあるとか、実しやかに言われていますが、その結果
が電気的特性に現れるのでなければ、どうして音に影響が出ると言えるのでしょう。
そうは言っても、確かにWRアンプに高純度の無酸素銅のケーブルを使いますと、音に切れ
や伸びがなくなり、パッとしなくなるのも事実です。低音は萎縮し、中高域は艶がなくなり
ます。無酸素銅の種類によっては真逆の傾向になる事もあります。従って、昔から無酸素銅
系のケーブルはお使いにならないようにお願いしている次第です。
今回の八尋さんの実験でも、WRアンプ付属のケーブルが一番癖が出なかったようで、我が
意を得たりと言う感じです。しかし、これを押し付けるつもりは毛頭ありませんので、その
後にご自分のお好きなケーブルにお代え頂くのは結構な事だと思います。付属のケーブルは
最大公約数的な意味で、多くの方に適合するであろうと言う趣旨が込められています。
電源ケーブルや接続ケーブルは、使わない選択が容易ですが、スピーカーの内部配線等は
ちょっと難しい側面があります。大体は表示されていますが、そこまで気が回らないで購入
してしまう事が多いのも事実です。また、最近の流行で多くのメーカーが無酸素銅を使って
いますので選択の幅が狭まっていると言う事情もあります。
お気付きの事と思いますが、八尋さんがお使いのPM-1は内部配線や端子等に無酸素銅系の
材料を使っているはずです。無酸素銅によっては無害なものもありますので、一概に言える
事ではありませんが、ちょっと気になったのはPM-1導入直後の八尋さんのお言葉です。確か
低音がブンブンと凄かったと言う意味の事を仰っていたと思います。
この時にもしやとは思ったのですが、やはり多少無酸素銅系ケーブルの影響があるのかも
知れません。低音に問題があったようですが、強ちアンプや部屋の問題だけではない可能性
があるように思います。幸い、OPPOを含めたエージング効果で余り気にならない範囲に納ま
っているようなので、良かったなと思っています。
スピーカーメーカーが普通の4N銅線を使ったバージョンも選択できるようにしてくれれば、
安くて癖の無い、本来の味付けなしのスピーカーが買えるのです。私が使っているMATRIXは
まだそんな時代ではなかったので良かったのですが、その後に出たNautilusはもう無酸素銅
系のケーブルやショートバーを使っていたのです。
職場でNautilus 805を買った時にMATRIXとは全然違うと思ったものです。ショートバーを
MITSUBOSHIのケーブルで作り直したりして、何とか聴ける状態にはなりましたが、最後まで
「いまいち」と言う気持が付き纏っていたのも事実です。
皆さんもお使いのケーブル、スピーカーに高純度無酸素銅系ケーブルが使われていないか
もう一度点検なさって見て下さい。世の中のアンプには効果的でも、設計の概念が基本的に
違うWRアンプには合わないと思います。要するに無酸素銅系のケーブルは対症療法的に音に
化粧を施しているのだと思います。すっぴんで勝負できるWRアンプには無用の長物なのです。
最後にピアノの音の事ですが、日本のホールにはもう余り良いピアノは無いと思った方が
良いようです。世界にはまだ良い音のするピアノが残っているようで、例えば、ランランの
使っているスタインウェイは素晴らしい輝きがあり、独グラモフォン録音には優秀な録音が
あります。斯様に、最高の出来栄えで録音されたものなら、下手な生よりずっと輝かしくも
艶のある音を聴く事ができます。特に、コレクタホロワ化されたWRアンプは、何と言っても
ピアノ再生に優れ、ピアノを含む音楽を心から楽しむ事が出来るようになっています。
* * * 増田さん、多くのアンプお買い上げとご投稿ありがとうございます。
この話はゴトーユニットの代理店であられます田中ラボの田中さんのご紹介で縁が結ばれ
たのでした。今年の初めに田中さんから、試聴したいと言うメールが入り、いろいろ伺って
見ると高級ホーンを上手く鳴らすアンプが、国内外を含めて、実は少ないと言う事が分かり
ました。
田中さんによると、いろいろ試した結果、ゴトーのアンプ以外で上手く鳴らせるアンプは
無いと言う事でした。しかし、ゴトーのアンプは高価で、ホーンを買うだけで手一杯のお客
さんに、ゴトーのアンプまで買って貰うのは難しいのだそうです。WRには、ゴトーより安い
アンプがあるので、もし使えるものならお客さんに紹介したい、と言う事でした。
我が家のMATRIXで取り敢えず聴いて頂きましたが、これでホーンを鳴らして見ないと本当
のところが分からないと言う事になり、急遽WRP-α9/A 、WRP-Δ6/mini、WRP-ΔZERO/BALと
その相当品の計4台のアンプを持って田中さん宅にお邪魔したのです。
大体ホーンシステムは、高音、中高音、中低音、低音の4チャンネルで構成され、低音は
38cmx2で駆動される事が多いようです。この原型は故高城重躬氏と後藤精弥氏とで確立した
ものだと思われます。4台のアンプを用意したのはこの為で、田中宅の地下室に備えられた
マルチシステムのアンプを1台ずつ取り替えて、音がどのように変わるかをチェックしたの
です。
結果的に田中さんから「合格」を頂けて私はホッとしました。私が聴く限り若干WRアンプ
の方が、距離感が感じられるように思いましたが、そう大きな違いはないように感じました。
田中さんから「これなら十分、ゴトーシステムに使える」、適当な方に紹介しますと言って
頂けたのでした。
それで、田中さんから増田さんに紹介メールが行ったのでしょう。間もなく増田さんから
お電話を頂き、取り敢えずWRP-Δ6/miniを2台使って見ますと言って頂けたのです。それは
まだ寒い2月頃でした。その後、田中さんから増田さんのところでまずまず鳴っているよう
ですよ、と言うメールがありましたが、暫く音信はありませんでした。
私もその事自体殆んど忘れかけていましたが、夏期セールを開始して暫くして、増田さん
からお電話を頂き色々アンプをとっかえひっかえしてテストして見たが、自分で録った生録
が一番それらしく聴こえるのはWRアンプだと言う結論になった、と言って頂けたのです。
中低音、低音もWRアンプで鳴らして見たいので、WRP-ΔZERO/BAL相当アンプをカスタムで
2台作って欲しい、と依頼されました。一気に2台どうやって作ろうか等と考えていた矢先
「もう2台追加で」と言う事になってしまったのです。もうUSED部品が無いから作れません
とは口が裂けても言えません。何とか部品を掻き集めて、4台をほぼ同時期に作り上げたの
でした。これには平野氏の尽力も多々ありました。
4台を納入後だったと思いますが、今度はプリの方もと言う話になり、こちらはまだ部品
も潤沢でしたので快諾したのですが、旧型シャーシの加工に手間取って、納入が随分遅れて
しまい、大変ご迷惑をお掛けしてしまいました。
これらWRアンプがゴトーホーンシステムでどのように鳴ったかは、増田さんご自身の文章
をお読みになって下さい。システム全体の外観はリスニングルーム拝見に載っていますので
ご参照下さい。増田さんはオープンな方で、皆さんの試聴を歓迎して下さるはずです。昔の
高城邸の音を聴き損なった方には貴重な存在です。質的にも勝るとも劣らないと思います。
これだけのシステムがWRアンプで鳴った初めてのケースですので、お近くの方、遠くても
都合のつく方は、是非訪問される事をお勧めします。一生掛かっても手の届かないシステム
でもあり、大いに聴く価値があると思いますので、一回は聴きに行って見たいと私も思って
います。
1361増田吉男さん(みやまホール足利)
Fri Sep 21 12:12:48 JST 2012
ゴトーホーンシステムにウエストリバーアンプを導入する。
主にクラシックを主体として聴いています。これまでプリアンプ、パワーアンプ、
チャンネルデバイダー、ほとんどが自作で、かなりの完成度まできましたが、
再生音が繊細で、綺麗過ぎになり、実際綺麗で皆様に聴かせ大変良い評価を頂きました。
しかし生録音を再生しますと、あの生音の柔らかさや、生の雰囲気と言いますか空気感が
無く悩んでいる時、ウエストリバー製のWRP-Δ6/miniというミニアンプで、ゴトーを
上手く再生をしている人が居るという話を聞き、お手軽価格であったので、早速2台
購入してみました。
高音用、中高音用ならパワーも十分あり、とっかえひっかえ、アンプを差し替えて
吟味した結果、自分が録った生録音が、それらしく聞えるのは、ウエストリバーで
あることが分かりました。
折りしも、ウエストリバーでは夏期セール真っ最中で、清水の舞台から飛び降りる
覚悟で、安定化電源搭載の50W型パワーアンプを4台発注しました。システムは
アンバランスなので、シャーシも旧型を使ってもらい、リーゾナブルな価格で
カスタムアンプを請け負って貰いました。
その結果、雰囲気、空気感とも満足し柔らかく鋭く、粒立ちの良い音を再生し、
前後の奥行き感も出てきました。こうなると人間欲が出てくるものです。
カットオフ周波数や遮断特性を理想的にしようとすると、どうしても中高域に
硬さがまだ残っていました。
こうなったらウエストリバーと心中する覚悟を決め、プリもアンバラですが
SEコンを使った最高級のものをカスタムで作ってもらいました。自作のプリの
マスターボリウムが左右独立になっているので、ここだけは我侭を通させて
もらいました。
そのプリが最近やっと届き、プリとパワーをウエストリバーで統一することが
できました。最初、ちょっと物足りなさを感じていましたが、中高音のレベルを少し
上げたりして微調した結果、上げても煩さが出ないばかりか、段々音が冴えるように
なりました。パワーアンプの時もそうでしたが、暫くは物足りなさを感じましたが、
やはり本物はこちらでした。
ピアノ録音を聴きましたが特に高音部に艶が出てきて、今迄はメカニック的な
音でしたが、余韻が出て聴き易く成って来ました。スタックスのヘッドホーンと
比較してなんら遜色なく、優るとも劣りません。
アカペラ混成合唱等は素晴らしく、勿論交響曲、室内楽は、言うに及ばず
個々の楽器の存在感もあり、綺麗に分離してくれ、しかも安心して聴くことが
出来るようになりました。良い事尽くめに書きましたが、一聴は百聞にしかず、
試聴歓迎ですので確かめて下さい、欠点もありますが、アドバイスを頂ければ
幸いです。
お待ちいたして居ります。
リスニングルーム:木造 20畳和室 天井高2.7m 防音施工
使用機材:
プリアンプ:Westriver WRC-ΔZERO/FBSE相当のカスタム品
及び自作プリアンプ(電池駆動)
パワーアンプ:Westriver 安定化電源50W型 WRP-ΔZERO/BAL相当品 4台
及びAMCRON CTS600
チャンネルデバイダー:Accuphase DF-45
スピーカー:
超高音 GOTO SG-1880BL
高 音 GOTO SG-3880BL マグネット4段積特注 S600ホーン
中低音 GOTO SG-3880BL x4 S150 ダブルスロート S-150B 朝顔ホーン(自作)
低 音 GOTO SG-38WNSSP x2 天井コンクリートホーン
超低音 Electro Voice 30W 76cm x2 平面バッフル
CDプレイヤー:Marantz SA-11S1 マスタークロックチューンアップ
及びTASCAM DV-RA1000 DV-RA1000HD
DAT:FOSTEX D-20 x2
DAC:KORG MR-2000S メインコンバーターとして使用
及びAUDIO TRAK DR.DAC2DX (オペアンプバージョンアップ済)
録音機材:SONY PCM-D1 x2 KORG MR-2000S x2 KORG MR-1000 KORG MR-2 TASCAM HD-P2
マイク:SONY C-38B x6 Audio-technica AT822 SEIDE PC-M1f x4
映像:Panasonic DMR-BW750 DENON LA-3000G 自作パソコン x2 SONY VPCJ2
EPSON EMP830 プロジェクター SHARP 100インチスクリーン
備考:このシステムの概要は「リスニングルーム拝見」No.10をご覧になって下さい。
1360八尋さん(会社員)
Wed Sep 19 22:58:21 JST 2012
OPPO BDプレヤーについて(続報)
新調したWRアンプ(WRC-ΔZEROとWRP-α1、αZEROによる
バランス駆動)に合わせて、最新のDACを搭載したOPPOのBDプレヤー
(BDP-95)を導入して2ヶ月以上経ち、エージングも進んだところでその後の
状況について報告します。
エージングの効果はかなり大きいと思われます。不満のあった低域については
かなり改善され、ほぼ問題ないレベルになっています。これには、おはぎさんから
指摘のあった電源ケーブルによるところも大きいと思われます。
電源ケーブルですが、OPPO付属の太くてごついケーブルとWRアンプ付属の
ケーブルおよび以前オヤイデ電気で買った布皮膜の柔らかい電源ケーブルに
ホスピタルグレードのプラグで自作した3種類で比較しました。
OPPO付属ケーブルはご指摘のとおり高域にくせがあり音が平板になります。
WRアンプケーブルはさすがに自然でおとなしい感じです。自作ケーブルは少し
華やかですがくせというほどではなく低域も充実するようでOPPOの性格には
合ってるような気がしてとりあえずこれにしています。
WRプリとのアンバランス接続は微妙で、より繊細になるようですがバランス接続
でのストレート感も捨てがたく、今は両方つないで切り替えて使っています。
従来から使っているSONYのCDPとの比較では音がより熱くなる感じです。
ただでさえ暑い夏でしたが更に暑くすることとなりました。
WRアンプは余計な音がなく、疲れない音という、どちらかと言うとおとなしい音
のイメージが強く、試聴会でもその印象がありましたが、拙宅では少し違った鳴り方
をします。再生する楽器それぞれの音のエッジが明確にSPのまわりに再現されます。
「精密機械で再生された音」のイメージです。
OPPOではこれにエネルギーが加わり更にリアルな印象が強くなります。
もっとも顕著なのがピアノです。
最近、近所の小ホールでピアノとバイオリンの小規模な演奏会があり生の音を間近に
聴くことができました。演奏は音大出たてといった若いプロの女性達でしたがリスト
の「カンパネッラ」など有名曲をバリバリ弾いていて100名ほどのホールに充満
する迫力でした。生の音を満喫し感心して家に帰り、キーシンなどの最近のCDを
聴き直したのですが演奏はともかくピアノの音の違いには驚いてしまいました。
生演奏よりリアル!なのです。
生では到底分からない打鍵の響が克明に再現されます。ホールや録音による違いも
ありますがこれはOPPOの特長を引き出したWRアンプの威力かとも思われます。
通常のアンプではうるさく感じられるところでしょう。
また、OPPOにはUSB入力があり、USBメモリにリッピングして直接差し込む
とメカの影響がなく、より安定して聴こえます。また、他にもいろいろ機能がある
ようで楽しめそうです。
ということで、OPPOはWRアンプで聴く限りコストパフォーマンス抜群で
大正解でした。
有難うございました。
柏市 八尋
1359川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者)
Fri Sep 14 16:50:00 JST 2012
おはぎさん、第1号機のご注文とご感想ありがとうございます。
ほんの遊び心から出発したパワーアンプでしたが、私も息子も気に入って平野氏に相談した
ところ、安定化電源付き普及型パワーアンプが有っても良いと賛同してくれたので、 WRP-Δ7
として製品化したのですが、おはぎさんに早速ご注文を頂き大変嬉しく思っております。
音を聴かずに、私の拙劣な文章だけでこのパワーアンプの良さを見抜かれる、おはぎさんの
審美眼は大したものだと感心しております。そしてほぼ予想通りの音質に大正解とお褒めまで
頂いて、私も肩の荷を下ろしております。音ばかりは自分が幾ら良いと思っても、他人様にも
同様に感じて頂けるまでは気が抜けません。
このアンプの音は、大まかには伝統的なWRアンプの音なのだと思いますが、私と息子は少々
毛色の違ったアンプだと思っています。音に関して私の表現が悪かったので、おはぎさんには
正確に伝わっていない部分があったようですが、決して「荒れた音」だとは思っておりません。
以前八尋さんが「精密機械で再生された精緻な音」と表現された世界からすると、少々粗い
ところがありますが、それは荒れていると言うよりは、微細な音のひだが多少平滑されている
と言った方が正確かと思います。それでもおはぎさんは
> 特に中域~高域が霧が晴れたようにすっきりとしました。各音の分離が良くなり、結果的に
> 各音間の空気感がより濃厚になった感じです。
と仰っておりますので、皆さん、全くご心配には及びません。
我々は「精緻な音」に慣れているので、このアンプの音は、余り神経質にならずに大らかに
音楽が聴けるメリットがあるように感じています。それは、音が非常に安定に再生されること、
によって強固に裏打ちされているように思います。WR掲示板の1357項で私は
> ジョン・ルイスのバッハ(826 698-2 32JD-71)の2トラック目を聴いて見ましたが、朝飯前
> とはこの事、いとも簡単に再生してしまいました。
と書きました。霞仙人さんもこのCDの再生は難しい事を認めていらっしゃいますし、このCDが
普通に聴けるようになった事だけでも十分に価値があると私は思っています。音楽が安定して
再生される事は、音楽に没頭して聴き入る為に必須条件だと思うのですが、これが満足される
アンプは意外に少ないのです。
その意味では、WRアンプの中でも最右翼だと自負しております。Δ6/miniと同じアンプ基板
を使いながら、おはぎさんの感じ方がこれ程までに変わった要因は、やはり電源供給を安定化
電源化したからに他ありません。
安定化電源のメリットは大きく分けて2つ有ります。一つは負荷電流に依らずに電圧が一定
に保たれる事ですが、見逃してはならない事として、電源から混入して来るノイズの軽減装置
にもなっているのではないかと言う点です。
大音量時なら電圧が一定に保たれるので、音が何処までも伸びると言う効果があるのは当然
ですが、おはぎさんは「小さな音の繊細さがじっくり味わえるようになった」とも仰っていて、
これは、一般の電源より安定化電源の方が出力インピーダンスを低く出来ると言うメリットに、
さらにノイズ軽減効果が相乗的に作用しているからだと思います。
此処で付け加えさせて頂ければ、WRP-ΔZERO/BAL等の伝統的な高級機は、この安定化電源の
前置装置として、BP接続したBGコンによるノイズ吸収機能を多重に設けている事です。今回は
この部分を思い切って削減したのですが、思ったより外した事によるデメリットはないように
感じています。これもコレクタホロワ化のご利益だと思っています。
安定化電源搭載パワーアンプの音で、目立って分かり易いのは低音だと思います。低音部は
概して電源の影響が表に出易い領域だと思います。よく言われるように「音が締まる」と言う
表現が適切かと思いますが、逆に言えば非安定化電源の音は多少ブーミーなはずです。
それは音が伸びようとして電流が流れると電圧が下がる訳ですから、本来の音になるはずは
ないのですが、少し遅れて揺れ戻すような効果としてその方が耳に心地良く響く可能性もあり
得ます。しかしそれは又別の話です。やはり本来の姿で再生されるべきだと私は思います。
おはぎさんは今のところ低音のスピード感が劣ると仰っていますが、これまでに安定化電源
搭載アンプの低音に慣れていないので多少違和感をお感じになったのか、使用したケミコンの
エージングが30~40分では不足で、未だ本領発揮されていないのか、今の段階では何とも申し
上げられません。少なくても安定化電源搭載型WRアンプの低音にクレームがあった事は一つの
例外を除いてはありませんから、時間が解決してくれるものだろうと思っています。
例外とは、エミッタホロワ時代に霞仙人さん宅のC4を鳴らしていた時の事です。それが最近
のアップグレードで解消されたようで、霞仙人さんは
> 低音のだぶつき感がなくなり、パワーのエネルギーが中高域側へ移動した感じ
と仰っています。おはぎさん、もう少し時間を掛けて聴いて見て下さい。それにしてもおはぎ
さんは音楽に対する造詣が深く、何時もながら感心しております。Δ7もおはぎさんに使って
貰って喜んでいる事と思います。
Δ6/miniをお持ちの方、是非アップグレードをお勧め致します。おはぎさんに第三者評価を
頂きましたので自信をもって進言できます。アップグレードと申しても10万円程度掛かります
ので気軽には出来ないと思いますが、上には上がありますのでご自分の耳も含めて是非アップ
グレードして行かれる事を願っております。安定化電源付きのパワーアンプ未体験の方も是非
お試し下さい。
1358おはぎさん(会社員)
Wed Sep 12 01:02:02 JST 2012
WRP-Δ7試聴 第一報
第一号機が我が家にやってきました。
川西様の「実験」を拝読して、Δ6/miniユーザーとしては食指が動かないわけがありません。
すぐに連絡をして、幾らかのやりとりの後、Δ6/miniをアップグレードしていただくことに
なりました。平野様にも予想以上に素早く製作をいただき(多謝)、8日には手元に届きました。
残念ながらここ数日所用が立て込んでいて、せいぜい30~40分ほどの試聴時間ですが、まずは
第一報として書き込みたいと思います。一部まだエージングが必要と思われる点(後述します)
がありますが、私としてはアップグレードは「大正解」と言って良いかと思います。
Δ6/miniの感想についてはNo.1324をご覧下さい。機器構成はΔ6/miniをΔ7に置き換えたも
のです。アップグレード前に上記投稿の4曲を少し注意して聴いておき、比較しました。
Δ6/miniに比べ、Δ7はささくれた感触がかなり減って、特に中域~高域が霧が晴れたように
すっきりとしました。各音の分離が良くなり、結果的に各音間の空気感がより濃厚になった感
じです。リバーブ感が明快になって、実音と分離されるので定位が良くなりました(特にビー
トルズとロバート・ワイアットの曲で良くわかりました)。
いつも上級機に親しんでいる川西様からすれば、Δ7でも荒れた音なのかもしれませんが、
Δ6/miniとの比較では確実に落ち着いた、静けさのある音調です。結果的に、今まで聞こえな
かった(恐らく気にとめなかった)音域のフレーズや演奏ノイズ(良い意味です)が聞こえてく
るようにもなって、ある意味リッチな音になりました。
また、安定化電源の肝は大音量時に破綻しないことと伺いましたが、なるほどダイナミクスが安
定して表現できるようになったように感じました。私の場合は特に小さな音の繊細さがじっくり
味わえるようになったという印象です。
因みにプリなしでも少しだけ聴いてみましたが、プリを通した時より落ち着きがない印象でした。
プリは安定化電源ではありませんが、プリありの方が静けさがあるように思います。
正直なところΔ6/miniでもかなり満足していたのですが、Δ7にアップグレードしてみて「まだ
上には上があるんだな」ということが実感として解りました。Δ6/miniに比べて演奏ステージ自
体が広がって、今までがある意味「窮屈」な表現だったことが結果的にわかってしまいました。
それでもΔ6/miniは一般的なアンプに比べれば大幅に伸びやかな音だったのですが、Δ7は遥か
に上です。これだけでもアップグレードした甲斐がありました。
Δ6/miniの延長線上の音だと伺っていましたが、私からすればそう言ってしまうには過小評価な
ほど、随分と優れているように感じます。そう考えると上級機がどれほど良いのか、知るのが恐
ろしい感じも致しますが。
一方で、今のところ低音(ベース)のスピード感が減退したように感じられています。
音域は出ているようなのですが、アタックのスピードが遅い感じがして、結果的にビートの頭が
揃わない印象です(音の芯がぼやけている感じ)。曲によっては気にならないものもあるのですが、
例のビートルズなどは、ベースが少しもごもごした印象です。同曲でも、その他の音は飛躍的にいい
のですが。
これは川西様に伺ったところ、新品になった整流用ケミコンがまだこなれていないのではというご
指摘をいただきました。その後さらに少し聴いていましたら、同じ曲でも印象が変わり、スピードが
出てきた感もあるようです。エージングに数日は必要ということでしたので、もう少し経過を見てみ
ようと思います。ちなみにΔ6/miniの改造前時点では非常に良い低域の鳴りっぷりでしたから、音調
の変化に私が慣れていない部分も多いにありそうです。
いずれにしても、どうやら生音かつライブ録音的な曲にはばっちりのアンプのようです。
Δ6/miniの時は書きませんでしたが、Geoff MuldaurがBix Beiderbeckeの曲をアレンジしたアルバム
が大好きで、特にWRアンプにしてからは素晴らしい臨場感で鳴ってくれるので心酔しているのですが、
これがΔ7で聴いたところ、驚くほど良い音になりました。ステージが広がって、演奏者間の空間がとて
もリッチになり、立体感・臨場感が増しました。4曲目のIn a Mistというインストが大好きで、Δ6/mini
ではこればかり恍惚として聴いていたのですが、今回はあまりの変化に耳を疑いました。まだまだ、
この曲の録音・演奏の良さが引き出せる余地があったことに本当に驚きました。これが音楽を聴く喜び
のひとつですね。
Geoff Muldaurはウッドストック系のシンガー・ソングライターで、私は来日公演があると近年は必ず行って
います。ライブは基本的に生ギター一本ですが、こうした戦前ジャズ的なものにも造詣が深いようですし、
アレンジも自分でやるようです。このアルバムは録音も大変良いと思いますし、内容も素晴らしいアルバムなの
で、ジャズファンの方もぜひご一聴下さい。
下記で少しだけ試聴できます(リンクはmp3ですが、ちゃんとCDが出ています)。
http://www.amazon.co.jp/Private-Astronomy/dp/B005Q3JDL8/
アルバムの解説はここが優秀です。
http://blog.livedoor.jp/gentle_soul/archives/51418228.html
話がそれましたが、ともかく今回のアップグレードは大正解でした。
またエージングを進めつつ聴きこんで感想を書きたいと思います。
1357川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者)
Sat Sep 8 01:00:00 JST 2012
WRP-Δ7 の第1号機が完成しました!!!
ご注文のお客様に納入する前に、責任者として意図した音になっているのかどうかを確認する
為に、マスターズから私の所に一度送って貰い、音質・音調(音色)を確認しました。結果的に
最初に私がイメージした音調に仕上がっていて、安心しました。
元々は、ほんの遊び心でやった事なのですが、意外に良い物が出来たと言う気がしております。
暇な内に注文に備えてΔ6/mini用の基板と、それに合う放熱器を加工して、所謂パワーユニット
を2組程完成させていました。
加工等が上手く行くとついつい自分の作ったものを眺めて満足するのですが、今回はそれだけ
では治まらず、ΔZEROの中にそのパワーユニットを入れたら音が聴けるかも知れない、と閃いた
のでした。
Δ6/miniは20W そこそこの設計です。50W のアンプに入れるのは無謀かも知れないと思ったの
ですが、34V くらい掛けても壊れないだろう、実験だし自分のアンプだしと思って実践に移した
のでした。負帰還の掛かったトランジスタアンプは、案外融通が効くのです。
電源をONして何時ものように、座右に置いてあるテストCDを聴いて見たのです。最初は慣れて
いなかったせいもあり、「何じゃこの音!」と言うのが正直なところでした。これまでSEコン等
の高級部品で作ったアンプばかり聴いて来た耳には、ある種の違和感がありました。
しかし、聴き進めると段々にこの音調に耳が慣れていくのを感じました。確かに繊細感はあり
ませんが、音楽が気持ちよく鳴るのです。妙に音が安定していて音が太い感じです。ひずみ感は
殆んど感じないので、音質的には全く問題はないようです。
音が大きくなってもそのままぐーんと伸びてきます。この大らかさは何処から来るのか、同じ
ような回路なのに、普及部品のせい?と考えました。この音調はこれまでのWRアンプでは聴いた
事がありません。ひずみ感なくガンガン鳴ると言う意味ではぴか一です。
それで製品化する気になったのです。一抹の不安は電源をΔZEROの豪華な安定化電源を借りた
事です。今回の製品化に当たって、これまでの安定化電源搭載アンプより、かなり安く作ろうと
決めていたので電源部には余りお金を掛けられません。その差がどう出るかだけでした。
本日息子立会いの上で試聴して、当初の目的は殆んど達成されていると言う結論になりました。
息子は昔のアンプなら何処かで必ず破綻するであろう独グラモフォンの難しい録音を、数枚立て
続けに聴いていましたが、どれもこれも「それがどうした?」と言う風に何の異常もなく鳴った
のでした。
私も、懸案のCDであるジョン・ルイスのバッハ(826 698-2 32JD-71)の2トラック目を聴いて
見ましたが、朝飯前とはこの事、いとも簡単に再生してしまいました。この録音を完璧な状態で
聴いたのは初めてです。各楽器の働きがよく理解できました。
この秘密は私なりに分かり掛けて来ましたが、これは単なる偶然ではなく訳有っての事だった
のだと思います。電源部を安価に仕上げても本質的な良さは全く消えませんでしたので、単なる
偶然では無い事がお分かり頂けると思います。
このアンプを入門機になさるのも良いですし、WRアンプユーザーが気楽に音楽に身を任せたい
と言うセカンドシステムにも向いてると思います。ちょっとユニークなアンプがウエストリバー
から誕生しました。しかも、比較的買い易いお値段のアンプです。
どうか「13万円もする割には30W しか出ない」と言うつまらない仕様の比較はしないで下さい。
仕様で音を聴く訳ではないのです。最終的にどんな音で音楽が楽しめるかが問題なのです。この
アンプにはその能力が備わっていると思います。これまで、非安定化電源式のアンプしか聴いて
来なかった人にもお勧めです。
1356川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者)
Mon Sep 3 17:10:00 JST 2012
霞仙人さん、アップグレードとそのご報告ありがとうございます。
WRアンプは当初30W でスタートし、スピーカーによってはパワー不足が考えられましたので
出力を50W にしたαZEROを開発しました。それでも、パワーアンプの全段を安定化電源で供給
する事は容易な事ではなく、トランスや放熱器の大型化は避けられず、高価なアンプになって
しまいました。
しかしパワーには麻薬的要素があり、どんどん数値を上げたくなるものです。そしてついに
WRP-X100なる100Wアンプを設計・製作したのです。丁度その頃、霞仙人さんはディナウディオ
C4をαZEROで鳴らし、駆動し切れないもどかしさを感じて居られたのだと思います。
そこで100Wステレオアンプのカスタム注文を頂いて完成したのが、今回、アップグレードの
対称になった100W型ステレオパワーアンプです。当然の事ながら、αZEROより駆動力が増して、
かなりいい線は行ったのですが、例えば、低音が腰砕けになる等の問題が解決できていません
でした。
現存するEMe 型パワートランジスタを使うと言う前提では、ギリギリのパワーは120W止まり
です。勿論、安定化電源搭載は必須条件ですし、何より安全に動作すると言う事が前提条件に
なります。技術的見通しがついたところで、霞仙人さんに120W型をご提案したのです。
どうせ作るなら、シャーシは3重の防振構造とし、モノブロックとして左右を独立させる事
が逆提案されて、完成したのが現在の霞仙人宅のメインシステムとなっています。この装置は
「リスニングルーム拝見」のNo.7で紹介されています。
このアンプになってからは、100%ではないにしても、かなり気に入って頂いており、大きな
ご不満は無かったのではないかと思っています。その証しはずっとアップグレードなさらずに
楽しまれていらっしゃるからです。
この度は、100Wステレオアンプを有効活用なさる為に、試しにアップグレードなさったのだ
思われますが、懸案事項であった低音のダブつきのようなものは解消された、と仰っています。
その分の贅肉が取れて、筋肉として中高域のエネルギー感が充実したようで霞仙人さんの好み
に一歩近付いたように思います。
エネルギー感は大体の方が必要だと感じていらっしゃる重要な問題です。しかし、威圧的な
エネルギー感は逆にストレスになり、質の良いエネルギー感が求められます。この辺りは好み
の問題もあり、一筋縄では行かないところがあります。音が前に出てくるのを好む方も居ます
が、私は音が距離感をもって定位するのが正しいアンプだと思っています。
コレクタホロワの場合は、不用な過渡ひずみが激減するため、どちらかと言えば刺激の無い
エネルギー感です。場合によっては、これを物足りないとお感じになる方もいらっしゃるかも
知れません。日比さんは、何処までもボリウムを上げたくなると言う意味の事を仰っています
が、これはその事を如実に言い表したものと思います。
それにしても「さわやか」「すっきり」と言う音調はコレクタホロワの大きな特長であって
この事自体を嫌がる人は皆無だと思います。問題はそれに何処まで力強さを加味して行くかが
人それぞれで好みが分かれて来るところでしょう。霞仙人さんは、エミッタホロワのある種の
刺激をよしとする方なのだと思います。それは感覚的なものですから、全く個人の裁量の範囲
の話です。
今回のご報告はアンプ到着後の第一声ですから、聴き込まれれば叉感じ方も変ってくるかも
知れません。霞仙人さんの場合は、スピーカーがある周波数で4Ω以下になりますので、何処
までも音量を上げる訳には行かないのです。音量を上げるとプロテクションが動作してしまう
可能性が大きいので、その意味では日比さんと同じように論じる事は出来ないかも知れません。
最後にもう一つご提案させて頂きたいのですが、今回はパワーアンプのみのアップグレード
でしたが、アップグレードが本領を発揮するためには、意外にもプリの安定化電源もコレクタ
ホロワにする必要性があります。この事は、ふなさんがプリのアップグレードをなさった時の
ご感想をお読み頂ければお分かり頂けると思います。
私自身「プリはいいだろう」位に考えていたのですが、どうしても納得できない音が残って
いて、止む無くプリの安定化電源もやらざるを得なかったと言う苦い経緯があります。未だに
手付かずでプリが残っている方には、是非お勧めしたいアップグレードです。
最後に、アバド/シカゴ響の「マラ5」をお聴きになって、気に入られて良かったのですが、
私が所有してる盤(POCG-6001) は少し問題があります。グラモフォンは基本的にはコロムビア
カッティングだったのですが、この盤はソニーカッティングで、少し中高域に癖を感じます。
先日来、霞仙人さんがBleu-Spec CDのお話しをされて、それで「マラ5」の話にもなったの
ですが、あの時は同一ソースで通常CDとの比較が出来なかったので、ちょっと曖昧な回答しか
出来ませんでした。最近、その時購入したパガニーニのV協を聴いていて、妙に耳が疲れる事
に気付いたのです。しかも、同時に買ったモーツァルトのV協も似たような傾向です。
今は装置は最良の状態になているはずなのにおかしいと思って、パガニーニの通常CD(COCO-
70456)をネットで探したところ運良く手に入れる事が出来たのです。早速聴いて見ると中高域
の変な癖はなく、しっとり感すら感じるような音で再生されたのです。こちらの方が全然良い
と思いました。CDの刻印を見るとコロムビアのカッティングで、しかも3000円で売っていた時
のスタンパー(COCO-7611) を再利用したものでした。
他にもMT(メモリーテック)も比較的良いカッティングが多いです。Vのマークが入ってる
ビクターカッティングは昔の方が良かった気がしますが、まあ聴けると思います。今回のBleu
-Spec CDシリーズは裏目に出たのではないかと私は思います。お買いになるなら、CREST 1000
シリーズを探した方が良いでしょう。唯、これも好みの問題があり、少し中高域がしゃくれた
感じがお好きな方はBLEU-SPEC CDをどうぞ。
CDは材質も含めて現在の仕様で十分だと私は思います。これまで、CDは散々悪口を言われて
来ましたが、それは再生するアンプ側に問題があったのです。ちゃんとしたアンプを使用して
聴けば、従来のCDでも立派な再生音が得られます。但し、本質的に録音に失敗したものはダメ
です。WRアンプは魔法のアンプではないので、そこまでは救済出来ません。唯、古い歴史的な
録音を聴き易く再生する能力はあると思っています。
SHM-CDも含めて最近の技術には眉唾ものが多い気がします。政治家と同様、技術屋のレベル
も落ちたのではないでしょうか。大メーカーの言う事も即座には信用しない知恵が必要に思い
ます。
追伸:
6~8月に掛けて行いました夏期特別限定セールには数多くの方からご応募頂き、予定して
おりましたUSED部品は全て無くなりました。此処に厚く御礼申し上げます。
1355霞仙人さん(山の中)
Sat Sep 1 13:56:44 JST 2012
川西先生
100wステレオアンプの120w化&コレクタホロワ化アップグレード品が届きました。
早速試聴した感想です。
中高域が、一言でいうと、「さわやか」「すっきり」した、という感じです。
なるほど、長く聴いても疲れないし飽きないでしょう。
かつての、100Wステレオに比較した、低音のだぶつき感がなくなり、パワーのエネルギーが
中高域側へ移動した感じです。
では、次に、120wモノブロックアンプとの比較です。こちらは、エミッタフォロワですが、
低域から中高域までバランスよくしかもエネルギー感が出ています。これは、モノブロックと
3重の振動防止構造のためかと思います。
中高域がコレクタフォロワと比較して悪いのかというと、そうではなく、エネルギー感は
こちらの方があります。
あえて、コレクタフォロワにしてエネルギーバランスが崩れてしまうのを心配するより、
エミッタフォロワとコレクタフォロワの比較試聴のためにも、こちらはこちらの良さを残して、
このままにします。
120wステレオ/コレクタホロワ・アンプを新デザインケースに入れれば、防振的にも優れる
でしょうから、さらに低域も充実し、ハイエンド用に十分なものとなるでしょう。
さらに上を行きたい人は、モノブロックしかありませんが。
では、報告終了させていただきます。
追伸:アバドのシカゴ響、マーラー5番、よかったです。
ありがとうございました。
1354川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者)
Mon Aug 27 15:00:00 JST 2012
安定化電源付きパワーアンプは何故高価になるのでしょうか?
WRの初代パワーアンプWRP-α1 から、基本的にパワーアンプの全段を安定化電源で供給して
きました。WRアンプが高価なのは、SEコン、BGコン、ERO コン、進抵抗等の高級部品を使って
いるからですが、決してそれだけではありません。
世の中のパワーアンプの趨勢は非安定化電源で供給する方向で固まっており、他社のアンプ
で全段安定化電源で供給するものを挙げるのが難しいくらいです。何故安定化電源で供給する
道を選ばないのでしょうか? その理由を探って見ますと
1.非安定化電源方式に比べて少なくても1.5 倍以上場合によっては2倍のコストになる。
2.原理的には兎も角、実際やって見ると並の技術ではコストの割に音質が向上しない。
3.出力の割に大型で重いアンプになり、仕様的に不利になる。
4.甘い低音が好まれるので、わざわざ難しい道を選ばずに非安定化電源方式にしたい。
となるのではないかと思いますが、私は微塵の迷いもなく当初から安定化電源を採用して参り
ました。思えば、真空管アンプに決別してトランジスタアンプに舵を切った時から、やるなら
安定化電源でやるべきだと考えていました。
それは採算を余り考えない一種の象牙の塔での考え方だったのかも知れませんが、原理的に
理想的なものがあれば、それにチャレンジするのが本来の技術者魂ではないでしょうか。私は
間違った道を歩んだとは思っておりませんが、結果として高価なアンプになってしまった事は
否めません。
最近発売中止にする事にしたWRP-Δ6/miniのような安価なアンプを発売したのは、少しでも
その隙間を埋めたいと思ったからです。事実、Δ6/miniでWRアンプの良さを知って頂いた方は
相当数に昇ります。
これから先、ご要望が強ければ同種のアンプの発売も計画したいと思いますが、それよりも
安価な安定化電源付きパワーアンプを先に発売したいと思っております。これまで安定化電源
付きアンプは高価になるので、普及型アンプには向かないと半ば決めつけていました。
今回、余分な機能を限りなく省略し、普及型ならではの単純な安定化電源付きパワーアンプ
の開発に成功しました。とは申しても価格を10万円以下に収める事は出来ませんでした。その
理由を是非知って頂いて、ご理解の上、出来るだけ多くの方にご購入頂ければと思います。
その手助けになればと思い、上記4項目について以下に詳しく説明させて頂く事に致します。
1は「そもそも安定化電源とはなんぞや?」から始めなくてはなりません。回路を設計する時
電源電圧は常に一定であると言う前提で行います。電圧増幅段は、電流が余り流れませんから
まだ良いのですが、パワー段は多大な電流が流れますから、その為に起きる電圧降下分が無視
出来なくなり、何か手を打たないと設計通りには動作してくれなくなります。
つまり、何Aと言う大きな電流を扱いながら、その電圧を一定に保つ事は容易な事ではあり
ません。仮に電源回路に1Ωの内抵抗を含んでいたとすれば、3~4Vの電圧降下が日常的に
起きる可能性があるのです。だから、最大出力時にその程度の電圧降下は覚悟して置く必要が
あります。この事は4の問題とも関連して来ます。即ち、音が大きくなろうとした時に起きる
のですから、アンプは一瞬怯む事になります。
この現象が実際に音に与える影響は、大きな音になった瞬間にしっかり音が伸びないと言う
感覚になるはずです。一方でこれは一種の揺らぎですから、低音で言えば実際より甘く感じる
はずです。日本人はダンピングの効いた低音よりは甘い低音が好きですから、結果オーラーで
使い続けられていると言えるでしょう。
しかし、低能率で大きな駆動パワーが必要なスピーカーの場合は、それ以前に息切れを起こ
してしまい、スピーカーを鳴らし切れないと言う問題が発生します。大メーカーはそれを解決
する為に、巨大トランスと巨大ブロックケミコンに頼っています。これは内抵抗を可能な限り
小さくして、電圧降下分を極力減らしているのです。
だったら、最初から安定化電源で電圧を一定に保つように工夫した方がハイテクでスマート
ではないでしょうか。安定化電源は負帰還を使った一種の自動制御です。その為には、安定化
電源で電源電圧の降下分を吸収する必要があり、従来型のアンプより、最低でも10V 以上高い
電圧のトランスを使う必要が出てきます。仮に電流値は同じでも10V だけ高い電圧のトランス
はより大型になり高価になります。
又、電圧を一定に保つ為には、それを制御するパワーTRが必須になり、その発熱を考えると
パワーアンプの片チャンと同等以上の放熱器が必要になって来ます。結果として、物量的には
3チャン分以上の部品やスペースが必要になって来ますので、当然ながら一回り大きな筐体を
使う必要が出て来るのです。
さらに安定化電源を採用した高級型アンプには、高周波ノイズを防ぐ為の色々な工夫を整流
回路に施してあり、総合的に部品代がアップしてしまう事になります。
このような苦労をしても、2のように、従来型の安定化電源では帰還回路の不安定性の問題
があって、音が良くなるどころか却って悪化してしまう例も珍しくはありません。WRアンプが
上手く行ってるのは単なる偶然ではなく、「負性抵抗」を除去する為の2つの特許回路を駆使
しているからです。
しかしながら、WRアンプと言えども3の問題はこれまで解決できていません。価格の割には
出力が低いのです。出力は高いに越した事はありませんが、これこそ数値だけで評価出来る程
単純な問題ではありません。その事は一旦WRアンプのユーザーになられた方にはご理解頂けて
いると思いますが、これから新しくアンプを買いたいと思う方には不利な仕様です。
今回企画している安定化電源付き普及型パワーアンプは25W 程度ですから、これで13万円は
高いとお思いになる事でしょう。しかし考え方を変えれば25W は正味の値ですから、クリップ
までは、いや瞬時に一部でクリップしていても、殆ど耳では判別出来ないクオリティを保つ事
が出来るのです。
ですから並のアンプの50W アンプより、寧ろパワー感はあると思いますし、今回初めて採用
する新方式の安定化電源駆動型パワーアンプの威力も手伝って、常識を越えた安定感ある音質
にびっくりなさるのではないかと思います。部屋の大きさとスピーカーの能率から割り出した
必要パワーが絶対的に25W を越えない限り、十分お使い頂けるものと思います。
どうか、WRの安定化電源付きの普及型、いやベストバイ型アンプにご期待下さい。間もなく
デザイン、仕様、価格を発表させて頂く予定です。
1353川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者)
Wed Aug 22 21:00:00 JST 2012
WRP-ΔZERO/BALで、Δ6/miniと同様な事を実験して見ました。---その2
Δ6/miniは、当初から非安定化電源で電源を供給する事にして設計したのですが、先日
ΔZEROのアンプ基板ユニットを取り除き、そこにΔ6/miniのアンプ基板ユニットを強引に
入れて試聴したところ、意外にいい感じで聴けた事をご報告しました。
前回は、その本質的な部分をΔZEROのアンプ基板ユニットにも適用して試聴した結果を
ご報告しました。Δ6/miniを安定化電源駆動した時のような、一種独特な安定感は得られ
ませんでしたが、総合的に安定感は向上した印象を受けました。
今回も無茶を承知で似たような実験をしたのですが、これがまた意外に良いのでご報告
しようと思います。それは、ΔZEROの上位機種であるΔ120/BAL のアンプ基板ユニットが
偶々完成したので、テストを兼ねてΔZEROに入れて試聴して見たのです。
無茶を承知でと申したのは、ΔZEROの電源電圧は±34V しかありません。120Wアンプの
電源電圧は±50V 必要です。16V も低い訳ですから設計通りに動作しないはずなのですが、
そこが負帰還の御利益で、直流的にも交流的にも何とか動作してくれたのです。
例えば直流的には、アンプ出力のオフセット電圧は僅かに増えますが許容範囲内ですし、
アイドリング電流も鳴らしている間に放熱器が温まって適当に流れ出してくれます。結局
交流的にも、測定すればひずみ率特性は余り良くないはずですが、耳では全く分からない
ような音で動作してくれたのでした。
さてその音質ですが、聴いた瞬間に「音が遠い」と思いました。「音が遠い」と感じる
のは私は良い事だと思っています。その理由は、アンプが安定に動作し過渡ひずみが減少
すると耳に突く音が減少し、スピーカーの存在が分からなくなるので、音が遠く感じるの
です。逆に、音が迫り出してくるアンプは余り良いアンプとは言えません。
案の定これまでに我が家で聴いたどのアンプよりも音が安定し、座右に置いてある如何
なるソースを聴いても、粗が探せないほどに安定感のある素晴らしい音で鳴ったのでした。
「野卑であるが摩訶不思議な安定感」ではなくて、本物の安定感が実現したと思いました。
SEコンやその他高級部品を使っていると言う観点からは、大きな違いはないはずですが、
明らかに今まで聴いてきたΔZERO専用のアンプ基板ユニットと音が違います。一体これは
何故なのか、この余裕は何処から来るのか要因として考えられる違いは次の2点だと思い
ます。
1.パワートランジスタが2個並列接続になっている。
2.±50V 用に抵抗値を設定しているので、各部の電流は相対的に少なくなっている。
1は普通は音質に不利だとされています。音の繊細感が減るとか、大味な音になるとか
そう言われて来ました。多分、各素子の不揃いが問題視されるのと、電極間容量が2倍に
増えるからでしょう。
しかし、こうも考えられます。トランジスタはコレクタ電流Icが大幅に変化すると hfe
が大きく変動してリニアリティが悪化します。2個並列にすれば、1個当たりの変動幅は
半分に抑えられるので、リニアリティは良くなるはずです。このように、パラレル接続は
音質に対して悪い事ばかりではないのです。
2は一般的に電流を多めに流した方が負荷に強くなり、ひずみ率は良くなるはずですが、
初段は電流が減る事によってノイズ発生量も減るので、プラスに働くはずです。ですから
ひずみを多少犠牲にしても、ノイズを減らした方が、結果的には良い結果になる可能性も
出てくる訳です。常識的設計法では、ひずみを重要視するので、こんな馬鹿な事はしない
のが普通です。
このように非常識が常識を越える事もあり得るので、今回のような突飛な実験が新しい
創造を産む事もあるかも知れません。今回の実験の本質的な部分を上手く抽出して新たな
アンプ設計法に繋げられれば良いと思っています。
さて、本題の話に戻りますが、Δ6/miniのアンプ基板ユニットを使った安定化電源方式
のパワーアンプの詳細を現在平野紘一氏と詰めているところです。なるべく価格を抑える
為に、Δ6/miniと同様に、入力はアンバランス伝送のままとし、入力切替も省く予定です。
パワーも欲張らずに25W 前後になるでしょう。
従って外面的な仕様は余り変わりませんが、本質的には安定化電源駆動方式になります
ので、音の質は大きく変わって来るでしょう。もう少し、しっかりした安定感のある音に
なるはずです。低インピーダンスのスピーカーも駆動出来るようになると思います。また
シャーシの大きさも、大型電源トランスと安定化電源用の基板及び放熱器を収納する為に
一回り以上大型になります。
問題は価格ですが13万円台になると思います。それだけパワーアンプを安定化電源方式
にするには、無視出来ない大量の部品とスペースが必要になると言う事なのです。どうか
この事をよくご理解の上、WRの新規パワーアンプにご期待下さい。
繰り返しになりますが、確かに普及部品を使った安定化電源方式のパワーアンプですが
従来の正統派とは一線を画した特長があり、独特の安定感が魅力になると思います。人に
依っては、又音楽のジャンルに依っては、正統派のΔZEROより良いと感じる人も出てくる
のではないかと思っています。
1352川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者)
Thu Aug 16 22:00:00 JST 2012
WRP-ΔZERO/BALで、Δ6/miniと同様な事を実験して見ました。
前回、瓢箪から駒のような事が有り、その本質的な部分と思われる部分を抽出してΔZEROにも
適用して見ましたが、最初は見事に失敗しました。Δ6/miniに使った部品と同じものを使った事
がいけなかったようで、普及部品の悪い所が目だって音が安定になると言う長所が帳消しになる
気がしたのです。
世の中、そう甘くはありません。各グレードでバランスが取れていて、一部だけを取り出して
部品を変えると、総合的なバランスが崩れてしまのでしょう。そう単純には音は良くならないの
です。しかし、音が安定になると言うメリットは感じられたので、方法自体は間違っていないと
思いました。
音が安定になるとは、生の音楽会に行ってオーケストラの音を聴くと分かりますが、どんなに
音が大きくなっても、音が部分的に崩れるとか、混濁するとか、そのような事はまずありません。
剛体感と言っても良いかもしれません。これは勿論良いホールの良い座席に座った場合の話です。
オーディオアンプを聴いてパワー感を感じる場合、それは音が大きくなっても音が崩れない時
に感じるのではないでしょうか。しかしこれが現実的には結構難しい事で、大体のシステムでは
何処かしらで、生楽器、生演奏会では有り得ない不安定な音を出してしまいます。
この事はアンプのパワーだけでは解決出来ない問題で、同時に、どれだけアンプが安定に動作
するかに掛かっています。仕様上のパワーだけはあるはずの安価なアンプからは、本当のパワー
感を感じ取る事は出来ないでしょう。
そもそもコレクタホロワ化は、アンプの安定度をより一層高める為に行った事ですが、それで
終わりと言う程オーディオは容易くないのです。それでも日比さんのご報告のように、幾らでも
ボリュームを上げられそうな音のゆとりは、明らかにコレクタホロワのお陰だと思います。
人間、一度手にしたものは、何時かは慣れっこになってしまうものです。そして、常にその上
を欲するようになります。そう思わなくなった時、本当に終着駅に着いたと言えるのではないか
と思います。その最後の一歩になるかどうか分かりませんが、今回の実験はその可能性を秘めて
いると思います。
さて実験の方ですが、気を取り直して部品のランクを上げて再度挑戦して見ました。部品とは
容量の大きいケミコンで、一般論ですが耐圧・容量の割りに形が大きい方が音に変な癖が無くて
柔らかい音になります。
ケミコンが音質に与える影響も難しい問題です。もうディスコンで入手負荷ですが、高音質で
有名なBGコンは、今時のケミコンに比べると容積が一番大きい部類だったと言えます。BGコン級
の質を持ち、容積の小さいケミコンを探すのは、このご時世結構難しいのです。
当初思っていた容量及び大きさのものが手持ちになく多少妥協したのですが、兎に角ケミコン
の品質を上げて実験をして見ました。音の硬さは取れて、マイナス面は完全になくなりましたが、
期待していた野卑ではあるが摩訶不思議な安定感は得られませんでした。八尋さんが「精密機械
で再生された精緻な音の世界」と仰った音の延長線上である事に変わりはないのですが、各部の
安定感がより増大したようには感じました。
安定感と言うと大太鼓のような低音楽器を思い起こしますが、私はストバイの線が太くなって
生の演奏会で感じられる弦楽器のffに於ける充実感が、マイ装置からも聴こえるようになった事
が、何より嬉しく思いました。オケの質が上がると言う事の中には、明らかに弦の奏法上の質が
含まれる事は、言うに及ばないでしょう。
一流オケは例外なく弦に厚みがあります。ベルリンフィル、ウィーンフィル、然りです。英国
のオケが超一流になれないのは、金管や木管が下手だからではありません。弦の厚みが無いから
です。ロンドン響は上手いオケですが、ストバイの音は線が細く厚みが感じられません。そこが
オケとして大きな弱点なのです。
私が日フィルに通う理由は、サントリーホールの良い席が取れた事と、失礼ながら国産オケの
中では、弦が綺麗で力強さがあると感じているからです。(本当に良いのはコンサートマスター
が扇谷氏の時ですが)私に取って弦、とりわけストバイの充実した音は何よりの歓びです。
最近、東京芸大の第6ホールで行われたピアノによる交響曲の4手連弾の録音に息子のお供で
行って来たのですが、その時の曲目が「ブラ3」と「チャイ5」だったのです。どちらも最近は
聴いていない曲でしたが、特に「チャイ5」の第4楽章の演奏が良かったので、繰り返し聴いて
いる内に、オリジナルを聴いて見たくなりました。
私が「チャイ5」を聴く時のソースは何時も小澤/ボストン響のグラモフォン盤です。ピアノ
版と同様に第4楽章を聴いて見たのですが「ボストンのストバイってこんなに厚みがあったの?」
と言いたくなる程の充実した弦の音に触れて大変満足しました。以前はボストン響のストバイは
もう少し線が細く再生されていたはずです。
前回「面で押して来る」と言う表現をしましたが、この弦の厚みこそ、正しくそう言う感じで
聴こえて来るのです。今まではどちらかと言えばストバイは線で聴こえてくるので、オケに余程
実力がないと細目に聴こえてしまうのです。ボストン響は勿論並のオケより良いのですが、一層
厚みを感じる事が出来るようになりました。そう言う安定感がこの新実験で確認されたのです。
そんな訳で、この改造がどの程度の人に理解されるか分かりませんが、ケミコンに質の良い物
を使う限りデメリットはありませんので、何かの機会に改造される事をお勧めします。出来れば
多くの方に試して頂き、ご意見を伺いたいと思っています。
既にちょっと触れましたが、Δ6/miniのユニットを安定化電源で駆動する新規パワーアンプの
音は「少し野卑ではあるが摩訶不思議な安定感」に満ちています。これが何とも言えない魅力な
のです。こちらもどうぞご期待下さい。
1351川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者)
Fri Aug 10 22:30:00 JST 2012
WRP-Δ6/miniディスコンのお知らせと今後の予定について
ご好評を頂いております、WRのハイC/P パワーアンプWRP-Δ6/miniをディスコンにさせて頂く
事になりました。市販シャーシを母体にしておりますが、前・後面のデザイン料が嵩み、部品も
高騰していまして、ご注文の度に利益はマイナスになっております。これに伴いまして6の付く
アンプは全てディスコンになります。
当初は、WRのコレクタホロワの良さを皆さまに気安く知って頂く為には、ある程度は覚悟して
おりましたが、赤字体質から抜け出せないまま販売し続けるのは適切ではないと判断致しました。
どうかご理解の程をお願い申し上げます。
急に言われて予定が狂った方もおありかと思いますので、限定2台のみをお受け致しますので、
お気持ちのある方は早めにショッピングサイトよりお申し込みなって下さい。在庫がないと表示
された場合は売れ切れを意味しますので、どうかご容赦下さい。
後釜については未だ本格的な検討はしておりませんが、従来のような非安定化電源方式に依る
安価なパワーアンプと、電源を安定化電源方式にした中程度のパワーアンプを考えております。
日本人は黒か白か、ゼロか1かと言うようにグレーゾーンを選択したがらない傾向があります
ので、中間的な製品は概して売れない為に、現在のラインアップには中間価格のアンプが御座い
ません。
しかしながら、使うスピーカーによっては非力な非安定化電源式パワーアンプでは駆動しきれ
ないスピーカーも世の中には存在します。しかし、その為に30万円(特価セールでも25万円)を
出すのは、このご時世、容易な事ではありません。その為にWRのコレクタホロワアンプを諦める
方が居られるとしたら、設計者としては忍びないのです。
そこでΔ6/miniに載せている放熱器ユニットを、そのまま安定化電源で駆動したらどんな音に
なるだろうか、と思い立ちました。プロテクション回路等付属回路を簡素化すれば、半値位には
収まるのではないかと思っています。
本日、丁度作り上げたΔ6/mini用の放熱器ユニットがありましたので、我が家のΔZERO/BALの
放熱器ユニットと入れ替えて見ました。幸い使用コネクタは同じで置換可能ですし、取り付け穴
も3mm ビス1本ですが仮止め出来ましたので早速試聴して見ました。パワーは同じ電圧が掛かり
ますので50W 程度出るはずですが、実際には30W 程度に抑え込む予定です。
一聴して、普段聴いている音と違う事が分かります。それはΔ6/miniを直接聴いた時の印象に
近いのかも知れません。従来の音を基準にすると多少情報量が減り、ある意味大人しく、小ぶり
に聴こえます。躍動感が少し抑えられた印象で、地味と言っても良いかも知れませんが、決して
耳に不快な異常音は出ていません。コレクタホロワの特長は間違いなく発揮されています。
Δ6/miniの部品は一応音質チェックをして採用してるとは言え、殆んど普及部品(メーカー製
アンプと同等)を使っているので、ある意味当然の結果かも知れません。しかし耳が慣れて来た
のか、エージングが進んだのか、少しずつ引き込まれて行くように感じました。
先程の特徴を逆さに見れば、音が安定していると言えます。全く耳を変に刺激する音が出ない
のです。音が大きくなっても、ぐいぐいと面で押して来ます。偶々来ていた息子にも聴いて貰い
ましたがほぼ同じ意見で、息子は大変気に入ったようでした。その安定感と言う意味では本家を
凌ぐと言っても良いかも知れません。息子は50W 以上出るアンプだと思ったそうです。
その辺りの事を息子と話している内に、私なりにその技術的裏付けが何かが、分かったような
気がしました。まだ推測の段階ですし、一種のノウハウにもなるので、此処での発表は差し控え
ますが、これを本家にも適用すれば、現状よりさらに安定感のある音になる可能性も有り得ると
思いました。何れ実験だけはして見ようと思っております。
そんな訳で音の素性は少し劣りますが、独特の安定感は捨て難く、立派な中間的パワーアンプ
が完成できる見通しが立ちました。今回は電源部をそっくりΔZERO/BALに頼っているので、実際
の音は少し変わって来るかも知れませんが、基本路線は大きく変わらないだろうと思います。
初秋くらいまでにはΔ6/miniの後継機種と、中程度の安定化電源付きパワーアンプを発売する
事が出来ると思います。前者は6万円台、後者はその倍程度に納める予定です。どうぞ、ご期待
下さい。
1350川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者)
Sun Aug 5 13:00:00 JST 2012
霞仙人さん、ご返答ありがとうございます。
音楽やその演奏スタイルに対する趣向は、基本的には個人の問題であり、他人が口を挟む
べき事ではありません。その人が「この演奏は素晴らしい!」と感じれば、それがその人に
取っての正解なのだと思います。
しかし今回のように、その事に対して他人の意見を求められた場合は、あくまで参考意見
ではありますが、他の選択子について述べる事は決して無駄な事ではないと思います。私は
音楽の専門家でもなければ特にマーラーに詳しい訳でもありませんが、少しだけ多くの経験
を積んだ者として、私の持論を申し述べさせて頂いたに過ぎません。
「マラ5」に関して言えば、アバド/シカゴ響を推薦し「シカゴ響は世界の4大オケ」と
も受け取れる発言をしましたが、それには多少の説明が必要に思います。この「マラ5」が
録音された頃のシカゴ響は、ある意味絶頂期を迎えていたのです。
シカゴ響はフリッツ・ライナーの時代に一度絶頂期を迎えていますが、ライナー亡き後は
実力をかなり落とし低迷したと言われています。マルティノンが振った時期は、賛否両論が
あったのです。その後、あのショルティが迎えられシカゴ響は飛躍的に実力を高めて行った
のです。
この時期に客演指揮者として、アバド、ジュリーニ等一流の指揮者が招かれて、完成度の
高い演奏・録音を独グラモフォンに残したのでした。その一つが、この「マラ5」だと私は
思います。ジュリーニで言えば「展覧会の絵」や「グレート」が上げられるでしょう。
しかし同じシカゴ響でもバレンボイムは余り戴けないと思います。同じ頃にグラモフォン
に幾つかこの組み合わせで録音されていますが、「マラ5」や「展覧会の絵」の域に達して
いるものは皆無だと私は思います。それこそ、指揮者の格が違うのです。格が違えば生身の
オケの応え方も変わって来るのです。
こう言う経験をしました。ショルティ/シカゴ響の演奏会がサントリーホールで行われて
シカゴ響の実力を目の当たりにしたのですが、副指揮者として帯同していたバレンボイムの
演奏会も行われたのです。当時、世界的なオケは正指揮者に若手を随行させて演奏会を行う
慣習がありました。ベーム/ウィーンフィルにはムーティーが従って来たのを覚えています。
シカゴ響なら同じだろうと深く考えずに、バレンボイムのブラームスの交響曲を2曲組み
合わせたプログラムを聴いたのです。しかし、これが全くの期待はずれで、さすがに最後に
拍手する気すら起きない程失望したのです。これは私の個人的な好みの問題ではないと思い
ます。
余りにも拍手が少なくて、普通なら何回も呼び戻されるのに、結局バレンボイムは二度と
舞台に戻って来なかったのです。外来オケに付き物のアンコールも、勿論ありませんでした。
一流オケにもこんな事が起こるのです。この事は、オーケストラに取って、如何に指揮者が
大切かを物語っています。
しかし、ショルティ退団後、シカゴ響が選んだ指揮者はバレンボイムでした。圧倒的多数
と言うより、楽団内は割れていたようです。楽団は音楽的ポテンシャルより、楽な指揮者を
選ぶ傾向が無いではありません。ショルティ時代に築き上げた名声は急落して、赤字経営に
陥ったのでした。聴衆を馬鹿にする事はできません。指揮者とオケはセットで考えるべきだ
と思います。
オケには必ずしも好かれないが、高いレベルの優れた演奏を残す指揮者がいます。楽団に
迎合しない指揮者です。その数はそう多くはありません。録音がかなり進歩した戦後だけで
数えれば、10本の指くらいではないでしょうか。ベームとカラヤンは別格にしても、私なら
その中に、ジュリーニ、バーンスタイン、ショルティ、ハイティンク、アバド、シノーポリ
小澤を、先ずは入れたいと思います。これらに匹敵する指揮者が、今後出てくるのかどうか
私には少し懐疑的です。
ハイティンク、アバド、小澤は未だ存命ですが、もう峠を越えていて多くを期待する事は
出来ないと思います。だから過去に録音されたソースを、少しでも原音に近く再生し、その
芸術に触れる事に意味が出てくるのですし、オーディオの意義もあろうと言うものです。
最新のコレクタホロワ化技術によって、ソース再生時に於ける余計な過渡ひずみを極小に
抑え込む事が可能になりましたので、WRアンプシステムでお聴きになれば、ソースが有する
真の実力を引き出せるようになりました。システムとはプリとパワーアンプのセットを意味
しています。この2つのアンプは指揮者とオケのように非常に大切な関係なのです。
ジャズの事、ロックの事はよく分かりませんが、多分似たような事情はあり得ると思って
います。どうか、本物の演奏を本物のアンプシステムでお楽しみ頂きたいと願っております。
それが本来のオーディオ道楽ではないでしょうか。
1349霞仙人さん((山の中))
Wed Aug 1 10:23:00 JST 2012
川西先生
ご回答ありがとうございます。
確かに、Blu-Spec CD のシリーズ、魅力的な音源が少ないと思います。
パガニーニ・アンサンブルの「煙が目にしみる」(COCO-71819)がBlu-Spec CD
であれば、欲しいですが。
マーラーの演奏、ご推薦のを聴いてみます。
八尋さんのお好きなスウィトナーもよさそうですね。
1348川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者)
Fri Jul 27 17:00:00 JST 2012
八尋さん、おはぎさん、ご投稿ありがとうございます。
八尋さんのご投稿を最初からお読みでない方には、話の筋が少し見え難いと思いますので,
先ずは私から補足説明をさせて頂きます。
事の始まりは、WRアンプをまだボンネット無しでお売りしていた頃に遡ります。その期間
は2~3年だったと思いますから、八尋さんにはWRアンプの黎明期に買って頂いた事になり
ます。ボンネット無しで18万円と言うのが当時の価格でした。機種は30W+30Wの安定化電源
付きのWRP-α1だけの時代でした。
その頃私は教職の身で、2足の草鞋を履いて平野氏にはおんぶにだっこと言う状況でした。
試聴会は共立女子大学の学園祭の時に、4号館第一会議室で行っていました。勿論八尋さん
にも何回か来て頂いた事がありますが、α1はそれなりに快調に鳴っていると言うレポート
を頂いておりました。
それ以来WRアンプはプリを始め、徐々に機種を増やして行きましたが、八尋さんは会社が
忙しくなったのでしょう、年1回の年賀状のやり取りだけになっておりました。年賀状には
オーディオの話題すらなくなり、もうオーディオは諦められたのかな、と内心危惧しており
ましたが、今年の年賀状に「そろそろ退職するので又オーディオを始めたい」と言う主旨の
言葉が添えられていました。
それなら「一度我が家に来て最新のWRアンプの音を聴いて見ませんか?」と言う事になり
1月の末に、大学の同じクラスの友人と一緒に拙宅に来られたのです。丁度、その時は寒中
セールの真っ最中で、コレクタホロワ化されたWRP-αZERO/BALと新型プリのご予約をされて
お帰りになられたのでした。
10年前にお買いになったα1も生かして、ブリッジ駆動にしたら如何ですかとお勧めして、
結局α1もコレクタホロワにアップグレードされる事になりました。αZEROとα1は、出力
こそ違いますが、基本回路や部品のグレードは同じなので、α1がクリップするレベルまで
なら、ブリッジ駆動をしても違和感はないだろう、と思ったのです。
それまで八尋さんは、中高音用ホーン(α1で鳴らす)と大型低音スピーカーでマルチ駆動
されていたのすが、それは開店休業にしてブックシェルフの良いもので行こうと決心されて
いたようです。それで、B&W のPM-1を選ばれたのです。現在はαZEROとα1でブリッジ駆動
されているのではないかと思います。因みにブリッジ駆動にすると、αZEROは150W、α1は
90W のモノアンプに生まれ変わります。
パワーアンプ単体では、そのような機能はありませんが、フルバランスのWRプリを使えば
簡単にブリッジ駆動が行えます。但し4Ωスピーカーの場合は、アンプの負荷が2Ωなって
しまいますから余りお勧めできません。その点PM-1は8Ωですから、全く問題なくお楽しみ
頂けると思います。もし左右の微妙な違いが気になるようでしたら、α1を実質的にαZERO
と同等の出力にアップする事も可能ですからお申し出下さい。
さて、八尋さんの文章中に「ボンネット」と言う行がありますが、これはボンネットだけ
最近になって買い足したと言う意味です。シールド効果があり、八尋さんも音質が向上した
と仰っています。古いα1をお持ちの方で、ボンネットをご希望の方はご相談下さい。
アンプとスピーカーが整ったところで、最後にCDプレーヤーを新しいOPPOにされた訳です
が、一長一短があるようですね。確かに中高域は最新DAC に分があると思いますが、低域は
DAC に依ると言うよりは、アナログ回路によるところが大きいと思います。最新式のDAC は
先ずICでしょうから、ディスクリート部品で組み上げた旧型プレーヤーに劣る可能性もあり
得るでしょう。
プレーヤーのバランス回路が疑わしい場合は、RCA ピンジャックから取り出し、WRプリの
RCA 入力に入れてバランス化して見て下さい。WRプリのアンバランス-バランス変換回路は
負性抵抗を除去する回路を搭載した基板を2枚も使う本格的なものですから、場合によって
はプレーヤー内部のバランス化回路より音が良い可能性があると思います。
OPPOはおはぎさんからの情報で、私もマルチプレーヤーにしては安いし良いと思って紹介
したのですが、低域の問題が何らかの方法で解決してくれると良いと思っています。まさか
電源ケーブルが低音域に大きく関与してるとは思えませんが、太くて硬いケーブルは概して
音が硬くなるので、ご注意下さい。
WRアンプには、安価なものにも高価なものにも電源ケーブルを付属させています。それは
手持ちのケーブルをお使いになって、音質上に何らかの問題が起きる事を防ぎたいからです。
付属させているケーブルは、音質に悪影響が無い事を確認してあります。どうしてもご自分
のケーブルをお使いになりたい場合は、先ず付属のケーブルを使った時の音を確認してから
にして下さい。
最後に「精密機械で再生された精緻な音の世界」が八尋さん宅のリスニングルームに展開
されているご様子「さもありなん」と思います。それはWRP-α9/A +WRP-Δ6/miniをお持ち
のおはぎさんも容易に想像できると仰っています。コレクタホロワ化され過渡ひずみが大幅
に減少した事により、ソースに入ってる各楽器の音が一つ一つ分離して聴こえるようになり
以前にも増して分解能が上がったからだと思います。過渡ひずみが無くなれば、音を大きく
しても耳に煩く聴こえませんし、音を絞っても色が褪せる事はありません。
最近頂いたレポートでは、他のアンプではどうしても良い音で鳴らなかった、HELICON400
と言うDALIのスピーカーが、最新のΔZEROで鳴らしたら全く問題なく鳴って今までのアンプ
は一体何だったのか、不思議な気がした程劇的な効果があったと言う嬉しいニュースでした。
皆さん、安心してWRのコレクタホロワ型アンプに投資して下さい。それだけの見返りが必ず
あると思います。それは最早、私一人の独善、希望的観測、自己陶酔の域を遥かに超越して
います。もう、疑う余地はないと言っても過言ではないでしょう。
1347八尋さん(会社員)
Tue Jul 24 22:21:45 JST 2012
BDP-95のこと(お礼)
おはぎさん
いろいろ貴重な情報有難うございます。
電源ケーブルですね。見た目は良いのですけどね。
ほんとWR電源化は魅力的な話です。
この際、WRプリのオプションとしてWR-DAC作ってくれると・・・
と色々期待してしまいます。
それにしても、BDP-95の音はオリジナルでも楽しめます。
明るく、メリハリがあり、前にグッと張り出してきます。
実にアメリカ西海岸の音というかJBL風の音でJAZZには合うようです。
B&WでJBL風というのも変ですが。そうゆう音作りなのかもしれません。
エージングが落ち着いたら電源ケーブルの件も含めて、また報告させていただきます。
まずは、有難うございました。
柏市 八尋
1346おはぎさん(会社員)
Mon Jul 23 13:22:55 JST 2012
BDP-95のこと
こんにちは、おはぎです。八尋さんご購入のプレーヤーについて少し書きたいと思います。
川西さんにBDP-95の話を申し上げたのは私でして、八尋さんがプレーヤーをお捜しとのことも
その折、小耳にはさみました。早速ご購入とのことで、行動がお早くびっくり致しました。
私も実は購入予定であったので、BD、DVDはもとよりSACDマルチやDVDオーディオもかかる
ということや、各種レポートを見てみても(ピュアオーディオプレーヤーとしても)コストパ
フォーマンスは良いようでしたのでおすすめした次第ですが、八尋さんのレポートを拝見する
に(ご使用者のレポートは本当に有り難く嬉しいです。ありがとうございます)、流石にかつ
てのリファレンス機とは比較にならないといったところでしょうか。とはいえ、さらなるエー
ジングでまだ変わるかもしれませんから、今後のお話も楽しみにしております。
ネットで購入者のレポートなどを見ていると、付属の電源ケーブルは太いけれどあまり評価は
良くないようですね。私が見たものでは、根岸通信のZAC1(1m 5,250円)に変えたところ、
「高音が伸びて、低音もぐんぐんとでるようになった」というものがありました。ZAC1は私
もプレーヤー用に使用していますが、癖がなくて悪くないと思います。
WRアンプの場合はやたらに電源ケーブルを変えても良いことはないでしょうが、メーカーの
ものは意味がある場合もあるかもしれませんね(変な表現ですが)。お手持ちが何かあれば、
お試しになるのも一つかとも思います。元からWR電源化したらもっと面白いと思いますが…。
それからDVDのリージョンが違って再生できない件ですが、これはネットで拾えるsuperdisk
というファームウェアを入れてやるとリージョン変更が可能になって、日本盤もかかるように
なります。isoファイルの焼き方さえ間違わなければ比較的簡単な手順ですし、プレーヤー自体
のファームウェアの更新にも支障はありません。ただしこれは、メーカー保証の限りではない
と思いますので、実行なさる場合には予めご承知置き下さい。
http://www.multi-region.net/oppo_bdp-83 (BDP-95も共通です)
isoファイルの焼き方(Windows7の場合)
http://pasofaq.jp/windows/mycomputer/writeiso.htm
BDの場合は北米とリージョンが同じなので問題ないのですが、英国のものなどを再生したい
場合は、リージョン切り替えのキット(ハードウェア)も探せば販売してるようです。
と、私も結構下調べはしていますが、購入は新居が出来てからの予定です。ES9018はDSD信
号をPCMに変換せずにD/Aするらしく、最近評価が高いチップのようです。私も2ch(ネット
ワークプレーヤー)用にES9018を使用したDACを購入したいと考えていますが、こちらも先
立つものの手当がついてからでして、妄想の日々はもう少し続きそうです。
最近思ったようにWRアンプでゆっくりと音楽を聴く時間がとれませんが、ほんの隙間15分で
もゆったりと聴くと実に心地よく、気持ちがリフレッシュされます。八尋さんがお書きになら
れた「精密機械で再生された精緻な音の世界」という表現は、私の普及機であっても想像に難
くないイメージで、WRアンプのグレードアップも大変楽しみになります。
1345八尋さん(会社員)
Sun Jul 22 19:21:30 JST 2012
WRアンプによるシステムリニューアル(その後)
WRプリアンプとαシリーズによる、B&W PM-1のフルバランス駆動システム
が一応完成し、感動も新たに、溜め込んだCDの聴きなおしを日夜続けてはやくも
3ヶ月以上が経ちます。その間にエージングも進んだのか益々音が冴えてきました。
深夜に室内楽やボーカルの小編成のものを聴きこむとそれぞれの音がくっきり空間に
浮かび感動させられます。
変な表現ですが、精密機械で再生された精緻な音の世界のイメージです。
ここで、リニューアルの最後になったのが、20年来愛用してきたSONY製
CDプレーヤCDP-R3が時々音とびを生じるようになり、その更新です。
20年前の製品ですが、当時のSONYのレファレンス機です。
今回、バランス出力をはじめて接続しましたが、その完成度の高い音はさすがです。
現在、SONYでこれに相当する機種は残念ながら見当たりません。
よさそうな機種はみなバカ高く手を出しかねていたところ、川西先生より
「ES9018というDACチップは評判がいいよ」との情報をいただきました。
Webで検索すると米国OPPO社のブルーレイプレーヤ(BDP-95)がある
とのこと。早速、OPPO本社Webサイトで発注をかけると、円高もあり10万円
以下で1週間ほどで入手できました。(国内仕様正規品の半値に近いです)
驚いたのは、付属の電源ケーブルでパワーアンプ用とも思えるほど太くごついもので、
これは期待できそう。早速、バランス接続でWRC-ΔZEROに接続し、クラシック
を中心にJAZZなど聴きなれたもので試聴開始。
DVDはリージョンコードで再生できませんがBDおよびSACD/CDは問題なく
再生。
まず、CDですが、音の透明度、切れはさすが最新DACの威力か申し分ないもの
でした。しかし、R3と比較すると、低域のスケール感はR3の方が勝っている
ようです。これはバランス出力のアナログ回路の差のような気がします。
SACDも、鮮度が高く緻密で滑らかなSACDの特長がよく分かる音です。
しかし、やはり低域の伸びが今ひとつの感じです。
ただし、まだ聴き始めて2週間程度なので今後エージングでどうなるか期待して
みます。また、このBDPにはUSBやe-SATAインタフェースもあり色々
遊べそうです。
今回で、一通りシステムが更新されました。やはり、WRアンプの威力は大きく、
今回の様に入力の品質の相違がはっきり分かります。アナログレコードもDENON
のプリ経由ですがかなり聴きやすくなり、アナログの良さが再認識できました。
数百枚のLPが無駄にならずに済むのは大きな収穫です。
気になっていたα1のボンネットも最近になって揃わせていただき、見た目だけで
なく音もぐっと落ち着いたようです。
これで、退職後はコンサートにも通って、音楽にじっくり付き合えればと思って
います。有難うございました。
ところで、私はマーラーの5番はスィトナー/シュターツカペレ・ベルリンが
なぜか好きです。名演という訳ではないのでしょうがしっくりきます。
柏市 八尋
1344川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者)
Sat Jul 21 15:15:00 JST 2012
霞仙人さん、ご投稿ありがとうございます。
WRアンプは益々いい音で鳴っているようで、ご同慶の至りです。やはり喜んで使って頂く
のが一番です。
さて、今回のご投稿の主旨は2つありまして、
1.Blu-Spec CD の音質の問題。(SHM-CDを含む)
2.マーラーの演奏は何が良いか?
と言う事だと思います。
正直に申し上げて、私は未だBlu-Spec CD を買った事がありませんでしたので、レコード
店に早速足を運びました。いろいろ悩んだのですが、次の3点を買って帰ってきました。
1.マーラー交響曲第5番:インバル/フランクフルト放送響(COCO-73074)
2.パガニーニV協1番・2番:カントロフ/オーベルニュー室内管(COCO-73100)
3.モーツァルトV協6番・7番:カントロフ/ハーガー/オランダ室内管(COCO-73296)
「マラ5」は兎も角も、「パガニーニのV協」は2番の良いものを持っていなかったのと
カントロフに魅力を感じて購入しました。「モーツァルトのV協」は珍しいソースで今まで
買うチャンスが無かったので、カントロフだし、つい買ってしまいました。6、7番は本来
偽作とされ、モーツァルトの作品ではない可能性が大なのですが、その事を気にしなければ
佳曲である事は間違いありません。
本当は、どれか旧盤(千円盤)を買えると良かったのですが、旧盤は殆ど姿を消していて
買えませんでしたので、本当の比較は後の機会に譲ることにしたいと思います。
その点、SHM-CDの方は、通常CDと組み合わせたテスト盤が発売されていますので、比較が
容易に行えます。そのクラシック盤(UCCG-9869/70)を先ず聴いて見ました。あの騒動以来
全く聴いていなかったので、コレクタホロワ化されて評価が変わったか試して見たのです。
やはり音は明らかに違いますが、以前よりは差が少ないと感じました。唯、一聴して肌で
分かるのは、通常CDの方が滑らかで雰囲気が自然だと言うことです。SHM-CDの方は、表面に
細かな凸凹があるような、大げさに言えばザラツク感じがあり、どう見ても優位性を感じる
事は出来ませんでした。
さて、Blu-Spec CD の印象ですが、3枚をざっと聴いたところでは、特に不自然さを感じ
はしませんでした。これらDENON の録音自体に、私は余り慣れていないので、確固たる事は
言えないのですが、特に良いと言う印象はありません。少しスッキリしてるのかな、と思う
程度です。
コレクタホロワ化以降、何回か書きましたが、CD再生のクオリティが上がって通常CDでも
特に、問題が無くなったからだと思います。寧ろ、大切なのはCDその物の質より録音の良し
悪しが大きく影響すると思います。
同じDENON の録音ですが、以前にも取り上げましたパガニーニ・アンサンブルの「煙が目
にしみる」(COCO-71819)がBlu-Spec CD で入手できれば、的確な比較ができるのではないか
と思います。このCDはカントロフの素晴らしさにバックも的確に花を添えていますし、録音
もDENON では良い方だと思います。
さて、ユニバーサルに対抗して開発されたBlu-Spec CD ですが、残念なのはクラシックの
良い音源が余りないと言うことです。独グラモフォン、英国デッカ、蘭フィリップスと言う
クラシックに於ける3大レーベルを除外すると、正直に言って魅力的なソースがガタ減りに
なってしまいます。
これこそ個人の好みの問題ですが、敢えて申し上げると、世界3大オケの殆んどの録音は
ユニバーサルに集中しているのです。3大オケとは次の3つです。これには異論はないはず
です。
1.ベルリンフィル
2、ウィーンフィル
3.コンセルトヘボウ
これらの次に位置するオケは、個人的な趣味もあって分かれるところでしょうが、私なら
4.シカゴ響
5.ボストン響
だと思います。その他、ドレスデン管やニューヨークフィル等を推薦する人も居るでしょう。
大切なのは、これらオケの演奏するソースがLP、CDを含めて豊富に存在する事です。
何故こんな事を書いたかと言えば、やはりオケの品格と言うものがあります。マーラーの
ような難しい楽曲を、苦も無くこなす力量が最低条件として備わっている事が、名演になる
資格を有するのです。これら超一流オケには超一流の指揮者が招かれる事も見逃せません。
日フィルの定期で「マラ5」を聴いて以来、座右にはアバド/シカゴ響のCD(POCG-6001)
が置いてあります。最近ご注文頂いたパワーアンプの放熱器ユニットの音質テストに、この
第5楽章をよく聴いていました。
だから今回購入したインバル盤も真っ先に第5楽章を聴いて見ましたが、やはり演奏の質、
楽器の音の質、録音の質、どれを取っても明らかな見劣りがしました。悪く言えば素っ頓狂
な感じさえ受けてしまいます。これで各種の賞を受けているとは、ちょっと信じられません。
これがどうしても埋まらない、超一流と並のオケの差なのです。アバド、シカゴは超一流
ですし、独グラモフォンの録音スタッフも超一流です。結果が違うのは仕方ないところです。
どうせ聴くなら超一流の演奏を聴いて頂きたいと思います。但し、録音は水物です。超一流
でもダメなものはダメです。そこはご自分の耳で判断して下さい。
あくまでも参考にですが、私が聴いているマーラーの交響曲のソースを紹介して置きます。
1.1番:小澤/ボストン響→LP時代から愛聴盤です。
2.2番:ショルティ/ロンドン響→これもLP時代からの愛聴盤です。
3.3番:メーター/ロスフィル→これもLP時代からの愛聴盤です。
4.4番:ハイティンク/コンセルトヘボウ→これもLP時代から聴いています。
5.5番:アバド/シカゴ響→これもLP時代からの愛聴盤です。
6.6番:アバド/シカゴ響→これもLP時代からの愛聴盤です。
7.特に愛聴盤はありません。
8.特に愛聴盤はありません。
9.9番:ジュリーニ/シカゴ響→これもLP時代からの愛聴盤です。
このように、私のマーラーの交響曲に対する評価は既にアナログLP時代に決まっていた事
になります。その後、デジタル録音でこれを凌ぐ名演・名録音もあると思いますので、他の
方の意見も参考にして下さい。
最後に思ったのですが、インキネン/日フィルの「マラ5」は生と言う強みはありました
が、少なくても素っ頓狂な違和感は全く感じませんでした。超一流オケを除いてもう西欧の
オケを崇拝する時代ではなくなった、そんな気がしています。
1343霞仙人さん(山の中)
Mon Jul 16 13:45:17 JST 2012
川西先生 ご無沙汰しております。久々の投稿です。
我が家のWRアンプは、プリ・パワー共に絶好調です。最近、来訪したオーディオ仲間も、
とても良い音になったね、と言ってくれます。何もしていないのですが、エージングに
よるものなのか、ますます、空間性、高域のミスト感、広がり感が出て来ました。
さて、今回は、川西先生及び掲示板読者の皆様にちょっとアドバイスをいただこうかと
思い、投稿しました。
WRアンプで聞く音楽ソースとして、おすすめかな、と思える高音質CDとしてBlu-Spec CD
(ブルーレイ用の樹脂を使ったCD)があります。同じく高音質CDとしてSHM-CDがあります
が、WRアンプでは高音がキンキンして聞けません。Blu-Spec CD がダントツ良い音です。
たまたま、秋葉のヨドバシカメラで、コロンビア創立100周年記念 DENON CLASSIC
BEST 100シリーズが出ているのを知りました。このシリーズ、Blu-SpecCDでしかも値段
は1200円と格安だったので、購入してみました。
まず、マーラーの交響曲第5番インバルの指揮でした。非常に録音がよく、Blu-Spec CD
であることも功を奏しているようで、ダイナミックレンジの広い音楽を楽しめました。
さらにインバルのマーラーを同シリーズから買おうと思っているのですが、それ以前に、
マーラーの名演としては、どの指揮者のものが良いのか、興味が出て来ました。
そこで、質問です。
川西先生(皆様)がお聞きのマーラーの演奏、どなたの演奏がお気に入りでしょうか。
という質問です。
1342川西 哲夫さん(WRアンプ開発・設計者)
Sun Jul 15 16:00:00 JST 2012
斬新で新規性のあるアンプだと分かりましたが、WRアンプは本当に音が良いのですか?
音が良いと言う定義は難しいですが、私は生演奏、特にクラシックコンサートのライブを
規範にして判断しています。音は味覚のように個人的好みで左右されますが、それでも誰が
食べても美味しいものや、逆に誰が食べても不味いと感じるものがあるでしょう。
音の良し悪しを単なる個人的な好みだけで割り切ると、アンプ本来の姿を見誤ってしまう
可能性が大いにあります。そこで私は一つの物差しを導入し、ある程度、正確な判断をする
必要があると考えて、それをクラシックコンサートのライブに求めたのです。
分かり易く言えば、上質なコンサートホールの特等席で聴いた感じが、自分の装置で再現
出来るかどうかを判断基準にしたのです。そうすれば個人的な好みを完全には排除出来ない
にしても、かなり客観的にアンプシステムの音を評価出来ると思うのです。
何故、客観的な評価が必要かと申せば、WRアンプは自分だけで楽しめれば良い訳ではなく、
お買いになった全ての方に満足して頂く必要があるからです。ライブに行った時の音の感じ
を多く体験すればするほど、自分の装置から出て来る音が、良いのか悪いのかが正しく判断
出来ると確信しています。
そこで、毎月日フィルの定期に通い、いろいろな曲を聴いて耳をリセットし、再び自分の
装置から出る音をチェックする、この事を繰り返して、ここまでWRアンプを作り上げて来ま
した。生なら何でも良いとは限りません。ホールと聴く場所によって雲泥の差があります。
サントリーホールは日本でも有数の音の良いホールとして認知されていますし、私の席も
中央前よりで、これは特等席の範囲に入ってると思います。事実、どんな曲を聴いても音の
バランスは最高で、音の偏りも癖もありません。低音から高音まで何一つ不満はありません。
オケのffでも飽和しません。
この感じを身体に叩き込んでおけば、家でWRアンプの音を聴いた時に、各楽器の聴こえ方
が正しいかどうか、客観的に判断できるのです。ホールでホルンがどのように聴こえるのか、
そして自分の装置からはどの様に聴こえるのか、コントラバスのピッチカートは? 大太鼓
は? ストリングスは? 例を挙げれば枚挙に暇がありません。
WRアンプ発足当時は、まだサントリーホールの特等席では聴いてませんでしたが、それら
楽器の音の再現に、多少或いはかなり差があったと言わなければなりません。その差が僅少
に思えて来たのはつい最近の事です。そう、アンプや安定化電源の出力段をコレクタホロワ
にしてからです。
これまでもかなりいい線行ってるとは思っていましたが、特に再現の難しい楽器で微妙な
音の差異を感じ続けて来たのです。何かが違う、何処かに未だ問題が残っているに違いない、
そう、確信するに至ったのです。特に私が気になっていたのはピアノとホルンでした。
もう日フィルの定期に通い出して5年以上になりますが、もし通っていなければ、この事
が解決できたかどうかは分からないでしょう。寧ろ、解決できずに未だにコレクタホロワを
踏襲していたと考える方が自然でしょう。
少し前の日フィル定期で聴いた「ラフマニノフのP協3番」を我が家でチェックする為に
取り出したCD(オロスコ/エド・デ・ワールト/ロイヤルフィル: 438 326-2)が机の上に
未だに置いてあります。最近はその2番をチェックに使っていますが、オロスコのタッチが
素晴らしい事もありますが、最初から最後まで、30分を優に越すこの曲の、どのタッチから
も耳を異常に刺激するピアノの音は聴かれません。全くビクビクせずに、音楽が楽しめるの
です。
こんな事は今までに有りませんでした。ラフマニノフに限らずP協を満足に聴く事はあり
得なかったのです。何処かのタッチで耳が打ん殴られたのです。これは個人的な好みの問題
では決してありません。耳に優しく響こえる事は誰に取っても必要な事なのです。この事が
可能になった事は、少なくても私に取って画期的、革命的な事です。
ピアノはジャズにも多々使われていて、結構、怪しい音のするソースがあります。5月の
試聴会の時にテストCDとして使った、ダイアン・リーブスの「FOR ALL WE KNOW 」の冒頭に
出て来るピアノの音も何の問題も無く安定に鳴るようになりました。そしてジャズのピアノ
を、クラシックのように輝かしい音で鳴らさない理由が少し分かったような気がしました。
ジャズのピアノは幾つかある楽器の一つであって決して独奏楽器ではありません。もしも
倍音を多く含む輝かしい音で鳴らしてしまうと、それが目だってしまい、全体のバランスを
崩して、このCDの場合なら主役のダイアンが霞んでしまうからなのでしょう。だから、少し
モコモコした音のピアノを使うのか、録音でそのような操作をするのではないでしょうか?
そのモコモコしたピアノの音は、余計再生を難しくします。つまり、耳に着き易い音になる
のです。
しかし、今現在の最新のコレクタホロワ型WRアンプで聴けば、そのジャズのピアノも何の
問題も無く、自然に、音楽に溶け込んで聴けるのです。
以上から、WRアンプはかなり客観的にいい音のするアンプである、と言っても良いと思い
ます。それは個人的な好みを排して、客観的な事象に基づいてアンプの音の良し悪しを判断
しているからです。だから音楽を愛する方なら、何方にも適合するアンプだと言えると思い
ます。
最後に誤解がないように申し添えますが、WRアンプの場合は、先ず理論に基づいた回路が
存在し、その回路がなるべく正確に動作するような高級型部品を選択してアンプを作り上げ
ています。その過程で音のチューニングは行っていない、と言う事をご銘記頂きたいのです。
クラシック音楽のライブを参考にして、基本的な音の良し悪しを判断していますが、だから
と言ってクラシックが綺麗に聴こえるようなインチキな操作をしている訳ではありません。
音のチェックはしますがそれはアンプ全体の辻褄合わせの為に行うのではなく、回路又は
部品の適正を見る為に行っているだけなのです。辻褄合わせは、何がしの欠点を補完する為
に行われるのが通例であり、WRアンプの場合は正しい回路に正しい部品を組み合わせる事で
製品を作り上げていますので、辻褄合わせとは無縁だとお考え頂きたいのです。正しい部品
とは、ヒアリングを重ねて、実体験に近い音がする部品かどうかと言う意味です。
従ってWRアンプは偶然に出来上がったアンプではなく、必然の重ね合わせで出来ています
から、どのような目的の方にも、音楽を心から楽しむのが真の目的あれば、安心してお買い
求め頂く事が出来ると思います。
妄想上の音を追求し、結局は、同じ所をグルグル回っている事に気が付かないマニアには
全く不向きなアンプだと思います。