オーディオアンプ WRアンプ掲示板2 コレクタホロワ

過去のWRアンプの掲示板2

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橋本陽英さん(マスタリングエンジニア) Wed Mar 19 14:34:12 JST 2003

        WRアンプが届いて１ヶ月が過ぎました。
その間に今まで聴いていたＣＤをどれだけ聴き直したでしょう。
１枚のＣＤを聴き終わるとまた次のＣＤが聴きたくなります。

その音源はどのような音なのか？という最も重要な事。
先生もご存じの通り私はＷＲアンプを職場で使用しているのですが、音源を忠実に
再現しているので非常に仕事がやりやすいです。
大容量のアンプに引けを取らないパワー感を感じるのに余計な音が付加されないので
個々の楽器の本来のレンジの広さを感じられる。悪い録音はちゃんと悪く聞こえる。
要するにマスタリング時に何が余分なのか、何が欠けているのか、という事が非常に
わかりやすいので余計な事をしないで的確に求めている音質にたどり着けます。
今までスタジオで定番となっている高価なアンプも何台か使ってみましたが、
数年前ＷＲアンプを一度聴いてからは常にその音が調整の目標になりました。
（ちなみにスピーカーはレイオーディオＲＭ１１です）
その頃から音を聴く度に感じたことを並べさせていただきますと（支離滅裂で
申し訳ないのですが）余裕、スピーカーを意識しない、自然、歪みがない、今まで
（他のアンプでは）聞いたことのない音、小音量でも楽しい等々。
スタジオモニターというともすれば冷たい印象がある環境で、様々なジャンルの
アーティストが満足しているのを見ると自分の音をよく知っているミュージシャンでも
納得の音なんだという事にもこのアンプの選択は正しかったんだと改めて思います。
面白いのが以前はよく言われていた「でかい音で聴かせてください」と言われないこと
です。
普通の音量でも充分満足できるという事でしょうか。
適正な音質調整が出来ればどのような再生装置で聴いてもバランス良く再生される
という信念の元に作業をする為にはこのアンプに出逢えたことは僕にとって本当に
幸せです。
そしてこのアンプから出てくる音を聴く限り次世代のフォーマットに行く前にＣＤで
出来ることはまだまだあるのではないかということを感じました。
私の次の目標は自宅にＷＲアンプです。
そのために色々頑張ろうかと思っています。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

川西　哲夫さん(共立女子短期大学) Sat Mar 29 11:39:09 JST 2003

        橋本様ご投稿ありがとうございます
　プロの仕事をされている方にWRアンプを使って頂いたのは初めてで、貴重なご意見を
頂き、大変感謝しております。そもそも、WRアンプは入力信号を正しく増幅してSPに
導く、という事が設計の大方針であった訳ですから、今回、モニターにご使用になられた
環境には、ピッタリマッチしていたと思います。
　オーディオアンプは必ずしも正しく増幅するアンプが求められるのでなく、場合に
よっては全体でバランスが良く取れるアンプ、即ち、悪く言えばつじつまを合わせる
事ができるアンプが好まれる事が多くあります。
　だから世の中には「組み合わせ理論」があり、何処何処のSPにはどれそれのアンプが
合う、等と言う事がよく言われ、そこに多くを聴くチャンスのある評論家がその存在
価値を誇示しているように思われます。
　それはそれで一つのオーディオの楽しみ方だとは思いますが、結果、騙される人が
続出し、高いオーディオ製品を何回も買い換える羽目になると思われます。それでも
結局、求めているものに中々到達できずに、路頭に迷う人も多くいるはずです。
　メーカーや評論家はそれでいいでしょうが、消費者はたまったものではなく、結局
お金が続かなくなって、オーディオの趣味から撤退して行かざるを得ない事になります。
　その点、WRアンプは入力信号を正しく増幅して次のステージに引渡します。だから
何がダメなのかがよく分かるのです。例えば、これはCDプレーヤーがおかしいとか、
あるいはSPが能力不足であるとか、だから、次の一手が正しく打てて、早く自分の
理想とするシステム構築ができる事になります。
　そんな訳でWRアンプはスタジオで本領を発揮する事ができたのだと思います。そして
それが、生の音を聴きなれている音楽家から評価されていることも重要なポイントです。
生の音に近い音質で楽しみたい音楽愛好家にも、WRアンプはうってつけだと思います。

北条さん(会社経営) Mon May 26 10:39:19 JST 2003

　ウエストリバーアンプ(プリ、パワーセット)が届いて一つ月を迎えようとしております。
始めは、半信半疑だったのですが、いざ、聴いてみると川西先生のコンセプトどおりの
素晴らしいアンプに驚いていると同時に、音楽を、再生を満喫しており、私のオーディオの旅は
やっと終着駅につきました。
　これまでも内外の高価なアンプ等、試してはみましたが、どうしても解決できない問題が内包されて
いるようで、いずれも大同小異、これが限界ということでそこそこのシステムで使い分けをしておりましたが、
このアンプを導入することにより、一切の原因がアンプにあったんだということが、よく判った次第です。

　よく、オーディオ雑誌等で、高価な名器はそのままでは鳴らない、使いこなしが必要として
オーディオルームやアクセサリー等をばんばん活用しなければいけないと書いておりますが、実際問題、
そうやって納得のゆく結果を得られた方はおそらく一人も 存在しないのではないかと思っております。
私も、金額に正比例して正解が、頂点がそこにあるのだという幻想を抱いて一千万円は費やしましたが、
結果は変わらず、また、著名なオーディオ評論家の指南を受けている数十年のキャリアを持つマニアの自信の音も
聴かせていただきましたが、私のシステムと大差がありませんでした。価格は四倍以上であるにもかかわらずです。

　米国が軍需産業保護の為、一定のサイクルで口実を設けて戦争を起こさざるを得ない状況同様、オーディオ業界も、
技術的に飽和点(特にアンプ)に達しており、評論家も中身の変わらない新製品の販促コメントには
正直苦労しているのが実情でしょう。
  だとしたら、ユーザーの方もある程度の製品で消極的満足というか限界を納得するしかないだろう
ということで必要最低限の最上位製品を使用していたのですが、正直いってこのウエストリバーアンプは
そんな疑問を不満を根底から払拭してくれる申し分の無い製品といえます。

　特筆すべきは、ノイズが無いこと。これはFMチューナーでお聴きになると顕著で、既存の高級アンプでも
克服できておりません。

  このせいかどうか判りませんが、使用しているスピーカーの特性を最大限発揮してくれるので、
それまで平面的だった音が立体的になり、しかも静かでクウォリティーの極めて高い再生が行われ、
部屋全体が音のシャワーに包まれたような音場感たっぷりになり、非常に心地よいものです。

　更に、小音量時でも低音と中高音のバランスが崩れることがありませんので既存のアンプにある音痩せが
一切無いのにはこれまた驚いた次第です。

それと、重量もそんなにありませんので、プリとパワー共、腰を痛めることもなく女性でも運べるくらい
軽いのもメリットです。(随分、ウェイトリフティングを強いられましたので)

  最後に、これからオーディオライフを始めようという方に一言

　オーディオ変遷が趣味ではなく、単に、優れた音を必要最少額で堪能したいなら、経験から申し上げて、
百万円が目安といえるでしょう。(但し、それ以上はホームユースでは不要)
その内、半分はアンプ等に、残り半分はスピーカーとプレヤー等に配分してください。
アンプはウエストリバーのプリとパワーとケーブルのセットで、スピーカーはオールマイティなら
ヤマハのNS1000M(製造中止)かテクニクスのSBM800を、クラシック、ジャズオンリーなら、テクニクスの
SBM1000が適切と思います。

　既存のメーカーアンプを活用されていればいるほど、また、高価な物を使用していればいるほど、
ウエストリバーアンプに変えてみてください。

　きっと世界が変わります。

東　宏樹さん(非常勤職員、学生) Wed May 28 12:14:59 JST 2003

        北条さんのメール興味深く読ませて頂きました。
私もWRアンプユーザですが、テクニクスのスピーカについて言及されていたので
書き込ませて頂きました。北条さんと同じく私もテクニクスのスピーカを使っています。
私のはウーファが漆塗りの2WAYの機種ですが、松下の古田さんがチューニングした
一連のスピーカはほかの国産品になかなか聴く事の出来ない高品位な音が楽しめます。
モデルチェンジ前の最高位機種は、ウイーンの国立歌劇場で
オケ無しリハーサル用スピーカに採用されている事からも、評判は確かなようです。

ただ、川西先生がお使いのB&WのMATRIXシリーズのほうが
ソースのすべてが見通せるように聴けるので、ずば抜けた高音質ソースを
沢山持っている方は、私としてはMATRIXの方がおすすめです。
私も足に血豆が出来る位中古屋を練り歩いて程度の良い
ラッパを探し求めることが出来ました。

大阪朝日放送の音楽ホールの天吊りマイクから
ダイレクトにDATに録音したテープがあるのですが、
こういうソースに、MATRIXは極めてよく効きます。
「まるでホールに居るような」を通り越した臨場感は
MATRIXシリーズの真骨頂です。同じことがWRアンプにも言えるのです。

東　宏樹さん(非常勤職員、学生) Wed May 28 18:14:29 JST 2003

WRアンプをプリとパワー両方購入してまもなく半年が経とうとしています。

随分以前からWRアンプに興味を持っていて、３年前に意を決して　「一度聴いてみたい」と
先生にファンレター(？)を出し、試聴の機会を得ました。
「CDから、こんな音が出るんだ！」
「ヴァイオリンの音がこんなにしなやかに鳴るんだ！」
「fffでも、楽器の音と残響が全く曇らない！」
（今まで、歪んでいたことに気が付かなかったのですが）
目から鱗の体験でした。

巷にあふれるオーディオ用の表現が、バカバカしく思えるほどの体験でした。
僕の常識は根底から覆されました。オーディオはそれなりに経験を積んでいるつもりだったものの、、
「今まで何を聴いていたんだろうか・・・・・」と頭を抱えてしまうような事件でした。発振に悩みながら、
某完全対称アンプを見よう見まねに自作していた日々が、 遠い過去になった瞬間です。思えば無駄な
投資を続けていたものです。

　その日の体験で、完全に耳がWR最適化されてしまい、家の装置で聴く音楽が、
全く色褪せた物に感じられました。当分の間、苦痛の日々が続きます。
２年前、念願が叶いやっとパワーアンプを手に入れる事が出来、渇きは癒されました。
家にアンプが届いた一週間は、普段聴いているCD、レコードはもちろん
長い間押入にしまっていたエアチェックテープまでありとあらゆるソースを
片っ端から聴いてみて、とにかく今まで体験のした事がない響きに驚きました。
一本のヴァイオリンは音像がぶれることなく目の前のステージに定位し、
フルオーケストラは、ピアニッシモからフォルテまであらゆる楽器が
クリアーに表現される。時空を超えて、我が家に名演奏家が現れたような
まるで夢の中にいる気分でした。家で実験用に転がしてある、10cmスピーカシステムでも
低音の限界を忘れたかのようなドライブ力で、ダイナミックな音楽を聴く事が出来るので舌を巻いてしまいました。

　WRアンプの特徴は、低音から高音まで限界知らずの力強さとクリアーさだと思います。
　古いエアチェックテープなどが、ヒスノイズやコモリから解放されて
堂々と鳴り響く様は感動的です。CDでもヒスノイズだらけであるクリップスのハイドンが、
今時の優秀録音盤よりもよっぽど素晴らしい音質で記録されている事を思い知ったり、
別に優秀録音でもない、ムラヴィンスキーのショスタコーヴィチでも、
ただ事でない凍てついたような厳しい響きから、人を切り裂いてしまいそうな
フォルテまで、恐ろしいくらいの表現力を持っていとも簡単に再現します。

　今年になって、イコライザアンプ付きでプリアンプを購入し、再生音にも一段と
力強さが加わりました。普通どんなプリアンプでもある程度の
「ボケ」が加わるのは致し方ないものですが、WRプリの場合は美質を保った上で
一段と音場表現に厳しさが加わり、非常に満足しています。
ひょんなことから、フルトヴェングラーの有名な第九のレコードの
フランスオリジナル盤を入手しました。CDとあまりにも音質に落差があることや、
CDだと合唱が「ダンゴ」状に不明瞭なつぶれ方になるのが、オリジナルでは
かなりクリアーに録音されていることが判明したりと、あらゆるソースに
うれしい発見が続く毎日です。

　オーディオの楽しみが、直接音楽に反映されたような・・・WRアンプは僕の宝物です。
たばこは止めることが出来ても、このアンプとは離れられそうにもありません。

北条さん(会社経営) Wed May 28 22:03:40 JST 2003

        東さんのコメント拝見しました。
　テクニクスは総合的に廉価で、かつ、手抜きのない丁寧な音作りに専念している国産の代表的な
オーディオブランドであることは間違いないと思います。
私がこれを推奨したのは、予算的に最少限で実現するにはこれが無難ということで申し上げました。
B&Wも音の分離等が優れている良いスピーカーではあると思いますが、若干、高音部のきつさが感じられるところと、
やや、コンサートホールよりのコンセプトのような気がしまして、私などは、楽器そのもの、
奏者そのもののデリバリーをコンセプトとしているテクニクスが比較的好みに近いです。
　従って、対極にあるタンノイなどは好きではありません。
予めホール残響を組み込んでいるので明瞭さがなく、かぶりつきの場合の再生ができないからです。
ただし、マニアの中には、ホールの二階席あたりの雰囲気が、音が好きだという方が多くクラシックファンには
かなりのシェアを持っているようですが、ここは、好みというより、スタンスの問題と思います。
デリバリー機器の場合は、これをホールステージで鳴らすと、奏者の代用となるというのに対して、
各自のリスニングポジションや環境で感じた音の再現を図る機器という具合です。
　大半は後者をベースに開発が進められており、ユーザーもこちらを理想としてオーディオルーム等、
試行錯誤しているようですし、私が聴かせてもらったマニアも各自の好み(かぶりつきの再生)でした。
私が、上記のことを云うと、対極にあるということをおっしゃっておりました。
要約すると、僕らは、感動を重視するので原音とかノイズとかにはこだわらないし、
実体と異なった音でもよいという価値観をもっているということです。
つまり、絵画と同じで、どんな天才が描いても写真のように忠実な描写はできない、むしろ、
非現実で嘘だが、見た感じ、本物、いや、本物以上に美しいところにこそ、醍醐味があるんだということなのです。
　その点は理解できるんですが、私などが要求しているのは、犯罪捜査や事実認定の鑑定が要求される
現場保存の証拠を保存する精度なのです。
これが絵であると必ず見落としが生じますし、取り返しがつかない事態となってしまいます。

　この例のような写真機のような再生機が私の望みであり、私見ではありますが、
本来はこのコンセプトで製作するのが原則と思っている次第です。

　感動も大事だし、一方で事実に忠実な写実も必要で、この前提を抜きにしてはオーディオ評論は
難しいだろうなと思っている次第です。
勿論、写真機のような再生機は現存しておりませんが、ここを目指している機器は少なからずありますし、
アンプにおいては、ウエストリバーがそうだと思っております。

　だから、忠実というのは時として無味乾燥になることもあり、派手にデフォルメした市販
の内外の高級アンプのほうがズドンと心に響くこともあるかも知れませんが、これらはシアターの
効果音の世界、良い音、忠実な再生とは別のものと考えております。

　えてして、実物より写真、映像のほうが美しく感動ものであることも珍しくありませんが、
旅は、現地でなければ味わえないのと同じことと思っております。

　いずれにしましても、素晴らしい音楽ライフを満喫されていること、WRアンプあってのこと、
この共通項は変わりませんので、このアンプ大切にしていきましょう。

北条さん(会社経営) Sun Nov 2 20:17:19 JST 2003

        購入して半年が過ぎました。
当初より、音がよくなった感じがします。
プリメインアンプのみではなく、プリとケーブルの一体セットで
なければ完成しないように思いますがこの三点セットさえあれば
素晴らしい音が満喫できます。
最近はチューナーの再生がよいので専らFMを聴いておりますが、
CD再生と間違うような瞬間があるのに驚いております。
極めて自然なナチュラルな音といえます。
以上、感想まで

川西　哲夫さん(共立女子短期大学) Fri Nov 7 11:41:08 JST 2003

        北条さん書き込みありがとうございます。
　暫く掲示板が回転休業になっておりましたが、WRアンプの活動は元気に続けておりますので
ご安心下さい。その間、準コンプリアンプや、1F（1ファラド＝100万マイクロファラド）を
搭載したアンプを開発して来ました。これらは電源部を簡素化したもので、殆ど音響部品も使わ
ない言わば廉価版ですが、先日大学祭でのデモでも講評をはくし、元祖WRアンプにもひけを取
らない音質を得ています。現在、これらの製品化に向けて努力しているところです。
　ところで、ますます音に磨きがかかったとの事、大変嬉しく読ませて頂きました。我田引水に
なりますが、これはWRアンプが真のアンプであり、音作りをしたまやかしのアンプではない事を
証明する貴重なご感想だと思います。
　新しい物を購入しても、段々飽きがくるのが普通です。使うにつれてその良さを発見して行け
るアンプこそ本物のアンプと言えるでしょう。こういうアンプがこれまでメーカーによって開発
されて来なかったことが、オーディオフアンには不幸だったと思います。その為に無駄な投資を
繰り返す羽目になって、結局はオーディオから撤退して行く人が後を絶たないのだと思います。
　最近もある方が準コンアンプを聴いて感激され、ご自分のシステムを全廃してWRアンプを購入
して下さった方が居られます。そして、WRアンプの存在に気が付いて良かったと感謝して頂き
ました。そうでなかったら、まだこの先無駄な投資をしただろう、とおっしゃっていました。
　北条さんにも機会がありましたら、準コンアンプや1Fアンプの試聴をして頂きたく思います。
これをお読みになった方、是非一度WRアンプをご検討下さい。信じる方のみが救われると思い
ます。

古屋さん(会社員) Sat Nov 8 23:06:07 JST 2003

        初めまして古屋です。
川西様より準コンアンプをお借りした者です。学生時代からすでに３０年ほどオーディオを
続けています。覚えているスピーカー遍歴だけでも、フォステックスのユニットでバックロー
ドホーンを作ったのを始めに、ヤマハの1000Ｍ、ＪＢＬLE8T、ランサー101、4343、
TAD2401、エールのユニットによるマルチ、マーチンローガン、ウィルソンのシステム５等。
当然アンプもそれにあわせて数え切れない数を使ってきました。
　３年前、このようなオーディオ遍歴を止めようとLINNのフルシステムを導入しました。
１年ほどはその音色で満足していたのですが、やはり今までと変わりませんでした。
やはり実際と違う音に満足できず、先日スピーカーをディナウディオのＣ４に買い換え、
アンプの変更を考え始めていました。
　そんな折、川西様から大学祭の案内を頂き、３年前にＷＲアンプを試聴用にお借りしまし
たが、多忙な時期と重なり聴くこともできずに返却したことを思い出しました。
大学祭に伺おうと思いましたが日程が折り合わず参加できませんでした。そんなことを
川西様にメールしましたところ、開発したばかりの準コンプリアンプを貸し出して頂きました。
アンプの買い換えを考え、ちょうど100万円を超えるデジタルアンプも借りていましたので、
自分のシステムも含め３機種で比較試聴ができました。１週間の期間でしたが準コンアンプの
実力は圧倒的でした。デジタルアンプは高い音から低い音までまんべんなく出ているのですが
音楽の楽しさが伝わってきませんでした。それに比べＷＲアンプは、夜中に小さな音で聴くの
ですが音痩せすることもなく、クリアーに音楽を奏でます。オーディオ機器の価格について
考えさせられた１週間でもありました。その後は川西様が述べられている通りです。
今は自分のシステムも手放してしまい、ＷＲアンプが届くのが待ち遠しい日々です。
アンプが届きましたらまたご報告させて頂きます。

川西　哲夫さん(共立女子短期大学) Mon Nov 17 00:10:12 JST 2003

        　古屋さんご投稿感謝します。
　小生が前回の投稿時にお名前こそ出しませんでしたが、古屋さんの事を書かせて頂いた
事が切っ掛けになって、この掲示板に引っ張り出させてしまい、大変申し訳ありません
でした。でも結果的には古屋さんの貴重なご体験が皆様にご披露され良かったと思い
ます。
　それにしましても、WRアンプを高く評価して下さり、またプリとパワーをセットでお買
い求め頂きまして本当に感謝しております。既に思い切って現在のシステムを処分され
随分ご決断が早いなあ、と敬服しております。
　高いお金を出して自分で購入したものは、そう簡単には諦められないのが普通です。
そして無理にでも良い音だと言い聞かせて聴いている方も少なくないと思われます。でも
音楽は我慢して聴くものではありません。あくまでも楽しく、気分良く聴ける環境が望ま
しいはずです。
　もう少しご辛抱下さい。現在、平野氏が鋭意努力中でまもなく完成の運びになると思い
ます。そうしたら存分に音楽を、映画をお楽しみ下さい。きっと満足して頂けると思いま
す。音楽はコンサートホールのように、映画は極上の映画館のように、古屋さんのお宅が
変貌すると思います。

藤波さん(静岡オーディオクラブ) Sat Dec 6 20:44:29 JST 2003

        ４０年以上のオーディオキチガイです
  真空管アンプが好きですが、今一番の悩みはJBL4344が満足にならないことです。
海外の著名なアンプもかなり聞き込みましたが、いまだに納得いくアンプにお目に
かかりません。ぜひWRアンプでJBL4344が鳴るのか教えてください。WRアンプの試聴会に
行きたいと思いますが、いままで残念ながらチャンスがありませんでした。
  次回の試聴会のスケジュールを掲示願います。

川西　哲夫さん(共立女子短期大学) Sat Dec 13 15:18:29 JST 2003

        藤波さんご投稿ありがとうございます。
　JBL-4344に関するお問い合わせですが、小生が体験した2つの事例をご説明致します。
まず、最初は忘れもしない、共立祭における始めてのWRアンプ視聴会の事でした。デモ
には大型SPが必要、と昔からの常識を適用して、平野氏の計らいで、ハーマンから4344を
借りたのです。勿論、クラシックも十分なプレゼンスで鳴ってくれましたが、やはり
なんと言ってもJazzの良さには、心から感心しました。ジャックルーシェの「トッカータ
とフーガ」を再生したのですが、このピアノの音といい、ドラムスの音といい又ベースの
音といい、やはり本場のスピーカーの威力にすっかり関心した事を今でもはっきり覚えて
います。それまで、B&W805MATRIXで聴いていた世界とはスケール感が違うと思いました。
JazzフアンにはWRアンプ＋4344は特にお勧めです。
　もう1件は、WRアンプのユーザーの方の中に4344を鳴らしている方がいて、何回か聴き
に来るようにお誘いを受けて、いろいろ聴かせて頂きました。その方はどちらかと言うと
クラシックがお好きでした。勿論、WRアンプを初めからお買いになった訳ではなく、最初
はA社のAクラス50Wモノアンプを2台で聴いておられたのです。当然、プリも同社のセパ
レートの最高級品を使っておられました。その方は諏訪内の大フアンで、いろいろなV協
を聴かれていましたが、どうもバイオリンの音が綺麗に再生できない、と悩んでおられ
ました。
　その方はよくWRアンプ視聴会にも来られていて、WRアンプのバイオリンの再生には特に
注目されていたので、小生の勧めもあってWRアンプ購入に踏み切られたのです。その方の
家で、諏訪内がプレビン指揮N響と演奏したショスタコV協の、Bモード生中継録画の
ビデオを、50インチのテレビを真ん中にして観賞した時は、本当に感動しました。NHK
ホールに自分たちも参加している、という錯覚さえしたのです。
　最初の内はA社のアンプに拘っていた彼ですが、段々にWRアンプを使う機会が増え、
WRプリも購入され、WRアンプを使う時間が増えていったのです。その頃、4344にスーパー
ツイターが加わり、バイオリンの音により磨きがかかったように思われました。
　以上、2つの例しか小生が直接経験した事例はありませんが、要するにジャズでもクラ
シックでも十分、WRアンプは4344を鳴らし切る事ができます。旧型の能率の良いSPを
使ったエンクロージャーのドライブにはWRアンプは上手く適合するように思います。

日比將人さん(公務員) Tue Dec 16 10:46:36 JST 2003

        　オーディオアクセサリー誌でＷＲアンプのことを知りました。
　かつて、知り合いのマニアの方の装置で（この方は、マイクロの大がかりなアナログ
プレーヤーに自作の管球アンプ、アルテックＡ７などを使用されていたようでした）
バロックあたりの合唱曲をを聴かせて頂き、これがあまりにも素晴らしく、そのレコード
をお借りして自宅で聴いたのが、いはば間違い？の始まりでした。当時の我が家のステ
レオ装置（昔良くあったセットもののコンポです）からでてきた音楽があまりにも
貧弱だったのには、本当にがっくり来ました。それ以来、というわけです。あちこちの
お店の視聴室にも出かけ、徐々に装置にも金をかける（と言ったって私、公務員です。
ご想像下さい）ようになり、それなりの音にはなってきたとは思いますが、最近では
いい音を手に入れるためには有名メーカーの高額商品を手に入れなければ、と半ば洗脳さ
れかかっていました。しかしこれはキリのない話であって、常に欲求不満との戦いでしか
ありません。
　いささか前置きが長くなりました。是非一度ＷＲアンプから流れてくる音楽を聴いて
みたいのです。試聴会の予定はございませんか。出来ればホームページにアップしていた
だけるとありがたいと思います。

古屋さん(公務員（№45ではどう書いて良いか分らず間違えました）) Fri Dec 19 17:06:25 JST 2003

         ＷＲアンプが届き十日ほど経ちました。アンプを購入後，再度変更するのも面倒ですので，
最初からBTL回路をプリに組み込んで頂き，パワーも２台一緒に注文しました。
通常の接続，BTL接続，２台のパワーをモノラル（贅沢な使用ですが）としての接続など,
さまざまな方法を試しています。BTL接続はパワー感が上がりますが，繊細さが若干後退し，
WRアンプの良さを僅かですがスポイルするように感じられます。パワー不足でない限り，
パワーアンプは通常の１台の使用で十分だと思われます。
　音質についてですが，まず感じたことはSNの良さです。音の鳴り止んだ僅かな間に，音楽を
感じることができる静寂があります。聴きに来た友人らが皆さん「静かなアンプだね」と感想
を述べられます。このアンプは弱点が感じられず音楽ジャンルに得手不得手は感じられません
音源に入っている音を全て気持ちよく放出するといった印象です。教会録音のCDを聞きますと
それまではあまり聞えてこなかったホール残響がきれいに響き，静かに消えていきました。
また，合唱の各パートの並び方が，声の出し方がよく分り，一人ひとりが見えるようです。
楽器ではピアノの打鍵の様子・弦楽器の擦る表現が私には良く聞えました。とにかく透明感，
切れ味，音場表現なども十分満足できるレベルですし，音楽の楽しさが伝わってくるアンプです。
　オーディオ的な取り組みとしては，RCAケーブルを何種類か試してみましたがWRのものが
合っているように思われました。また電源ケーブルには比較的敏感に反応するようです。
今プリにはACデザイン，パワーにはアイクマンを繋いでいます。電源は200Vを部屋まで引き
ステップダウントランスで100Vとして各機器に繋いでいます。スピーカーケーブルの違いも
よく表現します。あまり高価なスピーカーケーブルでなくとも，しっかりしたものですと良い
音がします。インシュレーターなどは現在使用していませんが，追々試してみたいと思ってお
ります。現在のメイン機器は，CDはLinn CD-12，スピーカーはディナウディオC4です。
WRアンプの導入で機器の買い換えからは卒業できそうですので，今後周辺機器の検討を徐々に
行っていきたいと思います。情報をお持ちの方は，是非公開してください。
長々と書いてしまいましたが，またしばらく使用しましたら感想をアップさせて頂きます。
お近くの方は是非聴きにお越しください。情報交換をしましょう。

川西　哲夫さん(共立女子短期大学) Sun Dec 21 18:36:01 JST 2003

        日比將人さんご投稿ありがとうございます。
　試聴会の件ですが、今のところ年1回10月に行われる、大學祭（共立祭）で行うものしか計画されていません。
過去には、神田のYMCAなどで行った事があるのですが、人手、時間、費用などの割りに
売れ行きに直結しないので、最近は上記の試聴会に止めています。
　最近、千葉県茂原市にあるオーディオ店「サウンドハイツ」さんにデモ用機器を置かせて
頂いたので、そこまで足を運んで頂ければ試聴が可能です。また、製作担当の平野氏の
工房（千葉県美浜区真砂）に出向かれても、なんらかのWRアンプの音を聴いて戴くことが
できます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

川西　哲夫さん(共立女子短期大学) Sun Dec 21 18:59:48 JST 2003

        　古屋さんご感想ありがとうございます。
　古屋さんにはプリ(BTL基盤付き)＋WRアンプ（α1）x2を一度にご購入頂きまして、改めて
御礼申し上げます。BTL接続した時のパフォーマンスがシングルアンプの場合に較べて
繊細さの点で少し劣るというお叱りを頂き、大変申し訳なく思っております。本来は
パワー感も増し、且つ分解能も上がる事が理想です。
　正直に言ってBTLについてはこちらの研究不足だったと思います。α1をただBTL接続
しただけで良いと思っていたところがあり、若干反省しております。これについては
手が回らなかったこともありますので、もう少しお時間を頂けたらと思います。
　幸い、平野氏がこの問題に関してはかなりのノウハウを保有しておりますので、必ずや
最適なポイントに調整できるように研究したいと思います。
　上記以外はWRアンプの本質を見事に見抜かれたご感想を頂きまして、古屋さんにご購入
頂けて本当に良かったと嬉しく思っております。小生がこのアンプを20年もかけて完成させたのは
少しでも多くの方に自宅で音楽を気持ちよく聴いて頂く為だった訳で、最近そういう方が
少しずつ増えてきた事を本当に喜んでおります。末永くご愛用下さい。ありがとうございました。

北条さん(会社経営) Sun Dec 21 23:57:55 JST 2003

        古屋さんのコメントについて

感想は私と同じで客観的なものだと思います。
実は、私もBTLについて考えていましたが川西先生から音質が悪くなるかもということで
経験と推測により、これを控えたからです。
これは、パワー不足がこのアンプの唯一の短所ということで若干の余裕が足りないかな
というところですが、ホームユースでは音質は極めてよく、ノイズも少なく静かで
透明な音を醸しだすなど、まず問題ありませんがこの点については今後の課題といえる
でしょう。

能率の高い、音圧レベルの高いスピーカーを使用していればよいですが、でない場合や
広い部屋(20畳以上)だと気になるかも知れませんが、通常は一台使用であればまず気に
なることはないのではと思います。

私はマニアではないので特に不満等はなく、セカンドアンプとしてのプリメインを期待
しているのですが、音質を維持したままのパワーアップができればこれに優るものはな
いとは思っております。

先生開発がんばってください。

川西哲夫さん(共立女子短期大学) Wed Dec 24 18:30:50 JST 2003

        北条さんご投稿ありがとうございます。
　北条さんもお認めになっていらっしゃる通り、古屋さんのコメントは客観的で当を得た
ご感想だと小生も思います。お二方ともWRアンプの本質をよく見抜かれておられるので
小生は大変嬉しく思います。こうして、WRアンプによって過去の経緯を消し去り、前向きに
オーディオと迎え合える人が増えて来ることを期待しています。
　ただ、北条さんもご指摘の通り、唯一パワーが30Wという弱点があります。これもすべて
音質を最優先にした結果であり、又、長年に亘って故障が無く安定に動作するように配慮
した結果でもあり、ある意味では仕方がなかったのです。そこで、どうしても物理的にパワー
が不足する環境の方が現れた時はBTLで凌いで頂くという風に考えておりました。
　その代わり若干の音質面でのマイナスを小生は覚悟していましたが、平野氏によれば
チューニングの余地がある、という事なので今後の研究に期待して頂きたいと思います。
これまでにBTLで使用されている方は少ないですが、今まで特にクレームが無かったので
今日まで何も手を打たないまま推移し、古屋さんにはご迷惑を掛けてしまいました。
　パワー感と繊細感はある意味相容れない面があるとは思いますが、できるだけその
ギャップを埋めるべく努力を重ねて行きたいと思います。

古屋さん(公務員) Fri Dec 26 17:32:31 JST 2003

        BTLの話題の発端であります古屋です。
当方のディナウディオ・コンフィデンスC4というスピーカーは88dBであり、部屋の広さは
11畳です。通常の接続でもほぼ問題なく鳴らせるのですが、パイプオルガンやベースの力
強さはややもの足りません。ウーファーが空振りしているような感じです。ところがBTL
接続にしますと、その部分が改善され、しっかりした低音が出て来ます。この効果は捨てが
たいものがあります。反面、通常の接続に比べ、音のにじみ・定位の不明瞭さが目立ってし
まいます。BTL接続のみで聴いているならば気にならない程度かも知れませんが、通常の接
続と比較してしまいますとやはり気になってしまします。今は低音の正確さ・力強さを優先
させBTLにしていますが、『チューニングの余地あり』とのことですから、できるだけ早期
に改善していただきたいと思います。
よろしくお願いします。

北条さん(会社経営) Fri Dec 26 20:37:38 JST 2003

        古屋さんのコメントについて

スピーカーの出力音圧レベルが88dBというのはこのアンプでは低いかもしれませんね。
私の愛用しているヤマハの1000モニターは90dBありますのでこの2dB差は大きいと思い
ますが、昔と違って現在、90以上のものはあまり製造されていないのでいいところ89dB
位が平均ではないかと思います。
理想は99dBですが技術的実用限界は92程度ですからこのあたりのものを選ぶとベター
でしょう。
やはり後は、アンプ自体の出力に頼らざるを得ません。
必要最低限の出力はと考えてみますとやはり、50wという目安がでてきますし、100wあれ
ばもう充分、残りはアンプの性能の問題となるようです。
たとえは異なりますが、おそらくこのような感じではないかと推察します。
映像プロジェクターで50インチ程度は美しいが100インチ以上になると大きさによる迫力
は増すものの、きめ細かさが売りの画質が粗くなって不鮮明になり、双方を比較すると
落差が気になってしまう。
画面の場合は、こんな場合、二台使って映像を二分割して一台に半分を受け持たせること
によって現実には50インチのみをフル稼働させているだけにすることにより、クォリティは
保たれるという訳で、BTLも基本的な考え方はこのようなものですから、素人的に考えると
上手くゆくはずですが、素材や技術上の壁でこのアンプの場合は一工夫も二工夫も必要な
ところが難題かもしれませんが遠からず解決にいたると思っております。

音の余裕というものは天井や敷居の高さのようなもので、必ずしも人の背丈以上であれば
それでよいかというとそうではなく、このデッドスペースが産み出す効果は絶大なもの
だから、この無駄の部分がアンプの出力の差でしょう。

昔、マークレビンソン(400w)使っていた時に、その差を感じることはありましたが、パワ
ーだけでは駄目なところが難しいところです。

野球でいえば重い剛速球はいいんだけどノーコンだからゲームにならず、その逆は球威が
なく滅多打ちされるといった具合で、その点、WRアンプはイチローや長谷川のような
タイプですから、若干力強さに欠けますがバランスはいいと思います。

とにかく、余裕の問題はアクセサリーやスピーカーでは根本的解決になりませんので、
チューニングも含めた上で先生のベストな発想に期待しようではありませんか。

平野紘一さん(マスターズ) Sun Dec 28 17:55:09 JST 2003

        ＷＲアンプを製作して数年経ちました。
始めて掲載させて頂きます。ＢＴＬ動作の件につき、見解を述べさせて頂きます。
ＢＴＬ動作は海外ではブリッジ動作と言い、デジタルアンプ関連ではフルブリッジ動作、
普通の動作はハーフブリッジと呼んでいます。ＢＴＬ動作にしますと、
アンプの電源回路はアースに関係なく、プラス側電源からプラス側アンプの出力をへて
スピーカーへそしてマイナス側電源に流れます。また、それぞれのアンプの負荷は
通常の１／２になります。従って、８Ωのスピーカーの場合はそれぞれのアンプは
４Ω分づつ分担します。ご承知のようにＴＲアンプの場合は負荷が小さくなるとパワーは
増加します。２倍ｘ２台＝４倍のパワーを取り出すことが出来ます。また、そのような
動作をさせるにはマイナス側のアンプには位相反転したオーディオ入力が必要になります。
それには反転アンプが必要になり、この音質も音質に関係します。ＢＴＬにしたから
と言って、音質がそのままでパワーが４倍になることは厳密に言うとありません。しかし
私の経験からすると、多くの場合良い方向へ変身します。ＷＲアンプの場合、それほど
検討していないですが、パワフルになったという報告を頂いています。わたしがサンスイ
でアンプの開発をしていた頃はＢＴＬ動作についてはいろいろ検討した経験がありますので、
来年早い時期に検討結果を報告したいと思います。
次にパワーの件ですが、皆さんの平均聴取レベルは０．２Ｗ～０．５Ｗ程度です。１Ｗも
あれば充分な音量が得られると思います。問題はそのくらいの音量でも音質はアンプに
よって微妙に異なることです。（能率８０ｄＢそこそこのＬＳ３／５Ａでも１０Ｗの
アンプで充分です。ちなみにこのＳＰの最大入力は音楽で５０Ｗが限度です。）要は車の
ように４０Ｋで走行していても余裕があるか、スポーティな走りかのところにあると思い
ます。そのあたりがオーディオの楽しみのひとつと思います。そのあたりの観点でＢＴＬ
動作の検討には取り組みたいと思っています。

北条さん(会社経営) Sun Dec 28 20:21:19 JST 2003

        平野さんしばらくです。
車のたとえはピッタリです。
メーカーアンプでのBTLで悪くなったという話はあまり聞いたことがないので
どこかに原因となる差異があるのかもしれませんが、私の場合、現状で満足して
おりますし、家内もその音(再生)に文句をいうこともなくなり、最近は音そのものを
意識することもなくなりました。
強いていえば私は、余裕の部分がもう少しあればという思いがありますが
古屋さんの結果を予測していたので現状で満足している段階での冒険は控えましたの
で、古屋さんの不満点の解決を期待しているところです。

メーカーアンプの場合はBTLは文字通り贅沢な活用ですが、WRアンプの場合は
余裕を得るには止むを得ずの感がありますので成功すればよいと思っております。
(一台で50wあれば私はBTLは考えません)

がんばってください。

北条さん(会社経営) Wed Dec 31 14:56:36 JST 2003

        位相反転アンプについて

平野さんが仰っているこのアンプの性能如何で音質劣化が左右されるということ
よく判りますが、現行の機器に組み込んでいる反転アンプの性能は充分なもの
でしょうか?
もし、ここに改善の余地があるのならこれでほぼ解決するのではと思うのですが
どうでしょうか。

教えてください。

川西　哲夫さん(共立女子短期大学) Wed Dec 31 19:15:54 JST 2003

        位相反転アンプについてお答えします。
　位相を反転すると言うと難しく聴こえますが、原理的には簡単な話しです。そもそも
真空管なりトランジスタで1段増幅すること＝位相反転、という事になり真空管で言えば
P-G帰還、P-K分割、カソード結合などの回路があります。
　プッシュプル構成のアンプを作る場合、必ず位相反転回路が必要になり、P-G帰還は
オートバランスアンプに、P-K分割はアルテックアンプに、カソード結合はムラードやウィ
リアムソンアンプにそれぞれ使われています。トランジスタアンプの場合は差動増幅回路
で行うことが多く、WRアンプもそうです。
　さて、WR用BTLアンプの為の位相反転回路として採用したのは、差動増幅回路ですが、
この場合、初段の帰還の帰って来ない側のベースを交流的に設置し、帰還の帰って来る
側のベースに、帰還抵抗と同じ値の抵抗を通して入力信号を加える方式で、マクロ的には
P-G帰還と同じ原理になります。
　問題はこの差動アンプの音質ですが、当然帰還アンプを使っていますので、音質劣化が
考えられますが、当然、入力インピーダンスに負性抵抗が生じないように、特許回路を
採用しており、WRアンプスタンダードが適用されています。差動アンプにはエミッタホロワ
は使われていませんので、出力インピーダンスに負性抵抗が発生する心配はありません。
　また、部品にはSE、BG、EROの各コンデンサーや進抵抗など、最高級部品を使っています
ので、部品による音質劣化もないはずです。即ち、ここで音質劣化が起こるようでは
そもそもWRアンプは誕生しなかった、と言ってもよいくらい保証された基盤であると
思っています。
　という事でこの基盤の作り直しでBTLの音質が改善される余地は殆どないでしょう。
やはり、2台のα1をBTL接続した時に起きる問題が直接的原因だと思われます。確かに
小生は単純に考えていて、いい音のするアンプをBTL接続すれば、音質も保存されると
漠然と思っていました。
　ただ、プロトタイプ時代に我が家でBTL接続した時に、経験的には少し分解能が落ちる
とは思っていましたが、BTLによって得られる雄大な音の安定感に満足していたように
思います。
　この点は、サンスイでかなり研究された平野氏がノウハウをもっていて、ある種の
回路を付加する事により、音質がかなり変化することを経験されていますので、この
経験をWRアンプに生かして貰うことを期待したいと思います。その準備もアンプ製作の
間隙をぬって準備してくれています。もう少しお時間を頂きたくお願い申し上げます。

北条さん(会社経営) Wed Dec 31 21:21:28 JST 2003

        川西先生回答ありがとうございました。

位相アンプ等、機器による改善の余地等がないということよく判りました。
何分、私自身が聴いたわけではないのでどの程度の落差が生じているのか知りませんが
古屋さんが納得できる水準になりましたら、BTLを検討しようと思っております。
気長に待っております。

日比將人さん(公務員) Fri Jan 9 21:56:41 JST 2004

        　あけましておめでとうございます。ＷＲアンプ大いなる興味を持っています。
でも、僕としては実際に聴いて納得するまでは手を出さない（購入するかどうか
を意味しています）つもりでいます。いずれ近いうちにサウンドハイツさんを訪
ねてみようと考えています。
　そこで質問ですが、パワーアンプのマークⅡは従来モデルと何が変わったので
しょうか。オーディオスパイス社とのコラボレーションとは具体的にどのような
内容なのでしょうか。もう一ついえば、定価の差は何を意味しているのでしょう
か。つまらない質問ですができれば回答願いたく存じます。

川西　哲夫さん(共立女子短期大学) Sun Jan 11 23:23:09 JST 2004

        　コラボレーションモデルについて
　日比將人さんのご質問にお答えします。
WRアンプの誕生から約5年の歳月が流れ、その間、ほとんど毎日のように音楽を聴いて
きました。WRアンプは一切の妥協を排して作り上げた物ですから、特に問題になるような
ところは無かったのですが、やはり時が経てばより良い部品も現れます。
　その一つがAudio Spice社の振動吸収剤です。実はWRプリには当初から基盤の取り付け
の台座に使っており、それなりに効果を上げています。今回、パワーの底板などにその
使用範囲を広げようという事であります。まだ、実験が完全に済んだ訳ではなく、1月
受注のアンプで最終的結論を出す事にしています。
　次に当初より使用していたブロックケミコンはフィリップス社のもでしたが、途中で
入手不可になり、最近までAerovox社のものを使用して来ましたが、これまた入手不可に
なりました。そこで、このチャンスによりWRアンプに合うものを探したところ、若干高価
ですが、RIFA社のものがよりピッタリすることが分かり、採用を決めました。容量も倍に
なり、音の抜けと低域のしまりがより改善されました。
　もう一点はパワーTRを駆動するドライバーの石を変えたことです。従来からft=100MHz
のものを使用してきましたが、予め準備していた型番のTRが底をつき、新しくTRを探す事に
なりました。もう既にTRは在庫不足になっており、限られた型番の中から使える規格の
ものを抽出し、WRアンプに合うものを選びました。
　採用したTRはft=140MHzのもで、より新しい規格のモノとして誕生したドライバーの石です。
パワーTRを含めてエミッタホロワにはより高いftを使用した方が、負性抵抗が生じ
難い事は理論計算から分かっており、音の向上はある程度予想できていましたが、今回
実際に変えてみて有意な音の違いを確認できました。
　最後にこれは技術的問題ではないのですが、WRアンプの中に数多く使っているSEコン
デンサが値上げされた事も関係しています。SEコンデンサはα1には欠く事のできない
コンデンサであり、値上げされても使わざるを得ない事情にあります。
　WRアンプは、もともと原価が高く、かつ回路が市販アンプに較べて遥かに複雑で組み
立ての手間がかかり、正直適正な売値にはなっていませんでした。これでは長続きしない
原因にもなり、今回の技術的グレードアップを期に若干値段を上げさせて頂きました。
　どうぞご理解頂きますようにお願い申し上げます。

加藤丈晴さん(会社員) Tue Jan 27 00:49:50 JST 2004

        α-1がついにやってきた！
川西先生殿
いよいよ家にやってきました。念願のα1が！
音出しして今2時間ほど経過。各種ケーブルもこの日の為に新品だったため、
最初はまだまだという感じでしたが、ようやく音に生気がこもり、楽器が唄う
ようになってきました。一月半待った甲斐がありました。今週水曜日は、
α1と真剣に向き合うため、思わず有給休暇を申請してしまいました。
いずれ私なりにレポートできたらなあと考えています。
これを書きながら五嶋みどりが10歳の時のパガニーニヴァイオリン協奏曲
を聴いていますが、ヴァイオリンソロがいろんな表情を見せ、心を掴まれます。
素晴らしい製品をありがとうございました。

川西　哲夫さん(共立女子短期大学) Tue Jan 27 23:22:48 JST 2004

        加藤さんお待たせしました。
　今回はα1のMK2化に伴い、シャーシ構造が若干変わった為に、通常より長い間お待たせ
することになってしまい、大変申し訳ありませんでした。この裏蓋の部分はHPにも一部
載せてありますが、振動と高周波ノイズを同時にカットする、Audio Spice社のマイクロ
ソーブという商品を使って作られておりおります。
　取り敢えず、いい音で鳴り始めたという一報を頂き、平野氏共々安堵しております。
加藤さん独特の文章表現によるWRアンプ試聴記が待たれます。水曜日じっくり聴きこんで
下さい。その頃には部品のエージング化も少しは進み、音も練れてくると期待されます。
　有効な有給休暇になることを祈っております。

加藤丈晴さん(会社員) Sat Jan 31 23:51:17 JST 2004

        α1 Mark2 との6日間
じっくりと対峙した水曜日を含め、この6日間毎日かかさず聴きこみ。仕事のある日も
ボリュームを絞っていたとはいえ、1時間以上。手元に着てから計15時間弱といったところ
です。相当音もこなれてきたと思います。まだまだ実力の片鱗だけとは思いますが、自分
なりにアンプの特徴をある程度把握できたと思いますので、2年如きのオーディオ暦で誠に
僭越ですが、愛聴版視聴記を書いてみたいと思います。きっと本HPをご覧になる方は、すく
なからず購入意欲をもっているのだとおもいますので、参考になればと嬉しく思います。

1月26日。最速なら今日到着するはず。最近腰を悪くして針を打ちに会社を18時に発つ。妻も
仕事に出ているので間違い無く宅急便の不在者連絡票がポストにあるはず。病院の前にちょいと
自宅に寄り、再配達の御願いをしてから針へ（針なんていってますがまだ20台です！）。
自宅へ戻ると、妻がきっちり受け取ってくれていた。「やった！やっときた！！待ってたぞ、
このやろう～。」思わず出たこの一言。ピッカピカの架体がついにその全貌をあらわす。
平野さんのところで視聴したα3試作機とはボリュームノブなど一部のパーツが異なり、よ～く
眺めてみると「思ってたよりカッコいいんでないの～。」と先生に言った一言をちょっぴり
後悔。さらに作りの良さに平野さんに感謝。

一通り結線していざ電源オン！！

まずは古い録音だがビルエヴァンス『オータムリーヴズ』。
う～ん、前定価2倍以上のアンプより良いことはイイが、まだ音色が不自然。ヌケもイマイチ。
平野さんのところで聴いたイメージとは程遠い。まあ、ほとんど全てのケーブルもこの日の為
に新調しているのでしょうがないか。

次々と2,3曲聴いてはCD取り替えて1時間弱。結構音がこなれてきた。
次は、平野さんのところでもかけさせて頂いたホリーコール。ここらあたりから鮮度、ヌケ、
音色が徐々に本来のものになりつつあるのを実感し始める。ホリーの声が生気を帯び、女性
らしい色気と艶をほのかに感じさせながら「あぁ、きっと本物のホリーはこんな声かもな～」
と声の質感に説得力がでてくる。途中、少し高めの音で抑揚をつけながら伸ばすところなんて
ぐっと心を掴まれ感動の電流がつま先から脳天目がけてほとばしる。やっぱりホリーは
説得力あるな～なんて思いながら次へ。

いよいよ以前は各パートの分離が悪く、ちょっとつぶれたオーケストラになっていた江崎録音
のアシュケナージ＆チェコフィル『新世界より』。まずなんといっても空間表現がやっぱり
抜群。そして弦楽器たちのこの音色。たまりませんね～。コンパクト２Wayなので、スケールは
ちょいと小振りですが、それでも十分なプレゼンス。こんなに気持ち良くオーケストラを聴け
たのは初めての体験。なんだか初めて「もっとＣＤ買ってこよう！」という気になってきた。
小編成はそれなりに聴けましたが、オーケストラはてんでダメだったので。これは、ほんとに
大きな大きな収穫！こうして初夜を終える。

1月28日。α1のために有給休暇。朝からα1とがっぷり四つ。
ようやくボリュームを時計で11時以上にグイッと回す。これまで深夜視聴だったので。
エリッククラプトン『アンプラグド』。ステージの再現性の確認とギターのカッコ良さで大体
どこのショップに行ってもかけてもらうほどのソース。かの有名なMTVでのライブ録音。
1曲目から。ステージ後ろの客席から沸きあがる拍手、歓声、口笛・・そしてその手前で
アーティストはそれぞれ楽器の試し弾き。このリアルさ。ライブが始まるんだという緊張が
こちらにも伝わるほどのリアルさ。思わずにやける。目を閉じると眼前にステージが浮かび
上がる。何度も言うけど空間再現は驚異的とすら思える。そして、クラプトンのギターに痺れる。
「くぅ～、こりゃいい！！」

次は、JazzピアノトリオTRIO ACOUSTICの『オータムリーヴズ』。こいつには物凄い唸るような
骨太ベース、ドラムスが入ってる。誰が聴いても絶対にのけぞるとんでも無いディスク。
最近のお気に入り。唸り、うねりを少し抑えつつも弦、スティックが弾け飛ぶ様は爽快の一言！
「やっぱ、Jazzはリズム隊がザクザク刻んでくれなきゃ！」。これはノレる！ 

五嶋みどり『パガニーニ ヴァイオリン協奏曲第1番』。今までイマイチ五嶋の音が前に
出てこなかったが、ソロが始まるとパーンッと竹を割ったように五嶋が飛出してきた。いや～、
こりゃたまらん。10歳だけあって恐れを知らないというか、なんとも開放的な音。それも
鳴るのではなく唄うといった方が適切か。弓を切り返したときの弦の震え、揺らぎがみえそう
なほど。五嶋の音にどんどん惹きこまれる。

今日も次から次へと掛け捲り、さらに3枚CD買ってきちゃいました。とにかく今はクラシックに
はまりそう。

全体を通して、α1に対する率直な感想を。
1.抜群のS/N
2.圧倒的な再生空間の広さ（特に奥行き方向）
3.各楽器の音色の自然さ、声の自然さ（あくまで主観）
4.上から下まで繊細
5.低域は締まって量感は抑え気味
6.若干乾いたドラムス

α1に対する不満は、5,6ぐらいのものでもう大満足！これらもチューニングでなんとかなる
だろうと思える程度のものです。これで自分の音作りがやりやすくなりました。音作りの揺るぎ
ない土台ができたという感じです。あとはケーブルとセッティングで追いこんでいけば欲しい
音にたどり着けそうだという感触があります。α1に出会えたことで相当近道になったことは
確かです。

α1の音を聴くと「世の中のアンプって何！？なんでこんなに高いのにこのレベル？」と
思っちゃいます。今自分自身身をもって体感するとα1を購入された先輩方の投稿内容に同感
できます。わずか2年、2台目でここにたどり着き、無駄に浪費せずにすんだことはほんとに
ラッキーとしか思えません。

私のようなオーディオ初心者こそ、雑誌やブランドに目を奪われることなく、
West Riverのような真なる音を適正な価格で提供するメーカーに目を向けるべきです。
オーディオは主観ですので、必ずしもここが最高とは申し上げませんが、この「基本性能の
絶対的高さ」と「自然な音色」はかなり広範なオーディオファイルの嗜好に合致するはずです。

最後になりましたが、川西先生、平野さん、重ね重ね厚くお礼申し上げます。
そして今後とも何卒末永くよろしくお願い申し上げます。

＜参考＞
システム紹介
 CDT：フィリップス LHH700
 D-cable：Belden 1605A
 DAC：Goldmund SR DA24/96 Evo
 Line-cable：Westriver RCA cable
 Premain：Ayre AX-7 → WRP-α1 Mark2
 SP cable：Audioquest type4
 SP：Wilson Benesch ARC

加藤丈晴さん(会社員) Sat Jan 31 23:56:15 JST 2004

        改行したつもりが・・・。
なんだか一部うまく改行できていなかったようでだらしなく横に伸びてしまいました。
すいません。

DACの足元を少し見なおしてみたらさらに良くなってきました。
まだまだ適当な御影石に乗っけている程度でアクセサリーに全然お金をかけて
いませんし、当分の間は何かをするたびにどんどん良くなって行きそうです。
楽しみでしょうがありません。それではまた。

川西広文さん(プリマスタリングエンジニア（ＷＲご意見番）) Sun Feb 1 13:08:28 JST 2004

        加藤様はじめまして。

このたびはＷＲアンプご購入ありがとうございました。
私は「ＷＲアンプホームページ作成」、「ＷＲご意見番（笑）」を担当しています。
オーディオ好きからはじまって今ではマスタリングを職業としています。

加藤様の掲示板書き込みを読ませていただき、少し気になったことがありましてので
書き込みをさせていただきます。

>5.低域は締まって量感は抑え気味
>6.若干乾いたドラムス

この２点ですが、ひょっとするとデジタルケーブルで使われている「Belden 1605A」
がかなり音への影響を出しているかもしれません。当方も仕事でベルデンを使用する
ことがありますが、かなり印象はドライ感の強いケーブルです。　
業界でかなり使われていますが、ベルデンの印象は「ドライ」「広がり間がイマイチ」
「安い」と言われています。
音を作りこむならば選択の一つとして候補に入れるのはよいですが、ナチュラルな
サウンドを好むのであれば、オランダの「ヴァン・デン・ハル（ＶＤＨ）」社のケーブル
がお勧めです。少し値段は高いのですが、ヨーロッパのクラシックレーベル（デッカ、
グラモフォン※・フィリップス）が標準で使っていると、信頼度は抜群です。
※現在は「Emil Berliner Studios」

また究極に値段を安くするなら、黄色いピンジャック!そう、映像用で売られている
数百円のケーブルです。あの中でもひどいのもありますが、意外とナチュラルで歪感が
少ないケーブルが多くあります。（私は仕事で時たまナショナルの黄色いピンジャック
を使います）


いろいろと好き勝手に書いてしまいましたが、参考になればと思います。
今後ともＷＲをよろしくお願い致します。

北条さん(会社経営) Sun Feb 1 18:12:20 JST 2004

        加藤さんのコメントについて

5と6の感想についてですが、プリ、パワー共WRを使用しているものでしょうか?
もし、パワーアンプのみの場合は、仰る通りの感が出ると思いますのでプリも併せて
使用されたほうがと思います。
結論からいうと、プリとパワーとケーブル一式がWRであって一つの製品ですから
一つでも欠けるとWRの音にはならないというのが私の感想です。
パワーのみで試してみたら乾いたシャカシャカした音と凝縮された低音でしたが、プリ
を通すと冷凍食品が解凍されたみたいにナチュラルに復元されて安心した経緯があり
ますのでなるべくセットでの使用をお奨めします。

後、川西(ご意見番)さんの話にあつたようにベルデンというのは良いケーブルではなく
マークレビンソンでも採用していましたが、電源ケーブルなどではその差が歴然となる
くらい薄い音になりますので、もし、パワーのみでご使用ならその傾向は拍車がかかっ
ているものと思われますので改善されたほうがよいと思います。

加藤丈晴さん(会社員) Sun Feb 1 20:09:21 JST 2004

        川西ご意見番様、北条様

ご意見ありがとうございます。

まず予算の都合上、プリレスで使用しています。いずれとは思っていますが、
CDTを先に手を出すか、プリに行くかちょっと迷っているところです。

オーディオペーペーの私には、ケーブルというものは良く分からない世界でして
非常に参考になりました。実は、今回デジタルケーブル、DAC＆α1の電源ケーブル
、電源タップのケーブルを全てBelden製にしてしまいました。値段が安いので。
それまでは、純正ケーブルやタップはPC用のもので仕方無しに使っていたところ、
これを契機にそれなりのものをおごってやろうと。まあ、まさかおっしゃられて
いるような影響があるなんて思いもよらず・・・。それでも自分の耳がそんなに
おかしかないのかという点では、ほっとしましたが。

川西ご意見番様

ナチュラル系がヴァンデンハルということですが、ベースとドラムにもう少しガッツと
エネルギーを与える（もちろんＷＲナチュラル世界の延長で）としたらどんな
ケーブルがお薦めでしょうか？

皆さんもどんなケーブルお使いなんでしょうか？

川西広文さん(ご意見番) Sun Feb 1 21:13:42 JST 2004

        「ご意見番」といっても本当に意見だけしか言わない川西です（笑）

>ベースとドラムにもう少しガッツとエネルギーを与える

そうですね、まずはベルデンを排除して普通のケーブルへ交換した方がよいと思います。
高級オーディオ用でなく普通のケーブル（安いの）で聴いてみて、徐々に交換していく
のがベストではないでしょうか。電源の取り方等を見直してみるのも良いと思います。
またＷＲアンプはケーブル等の違いがはっきり音に出てくるので、オーディオ雑誌など
で高評価されているケーブルでも良い音が出るとは限らないので要注意です。つまり
色付けされているものはＷＲには通用しないと言うことです。

ヴァンデンハル（オランダ）ですが、ナチュラルと書きましたが、ひ弱な感じはなく
ソースに忠実と書いたほうが良いかもしれません。決して音を作りこむケーブルでは
ないのです。

私のシステムではＷＲケーブルをラインケーブルにデジタルにはコアキシャル（同軸）
ではなくオプチカル（光）ケーブルを使っています。光ケーブルのほうがごく自然で
格段に上の音質が楽しめると思います。（オーディオ雑誌では悪評ですが）

光ケーブル・・・・・サエク　OPC-Z1　　http://www.saec-com.co.jp/opc-z1.html

川西　哲夫さん(共立女子短期大学) Sun Feb 1 23:46:31 JST 2004

        加藤さん、北条さんご投稿ありがとうございます。
　加藤さん、独特の表現による音質描写ありがとうございます。誰にでも真似の出来る
表現方法ではありません。どうやって身に着けられたのでしょうか？　オーディオ評論家
でも飯を食って行ける筆の力です。それにしても、WRアンプには身に余るお言葉を頂き
設計者としては光栄に存じます。これからいろいろな意味でエージングが進み、さらに
音質が向上することを期待しています。
　北条さん、サポートありがとうございます。小生の口から出ますと、拡販の為に言って
いるととられがちですが、代弁して頂きすと信憑性が上がり助かります。実は小生が完成
させたのは、アンプ単体ではなくアンプシステムなのです。まだ商品化されていませんが
電源コードや電源フィルター、またCDプレーヤーとプリの間に入れるノイズフィルター
などがセットされてWRアンプシステムは構成されます。
　高周波ノイズはCDプレーヤーからSPまで簡単に伝播しますから、その何処を取っても
手抜きはできないのです。現在は商品化の都合で、プリとパワーの間しかご購入頂け
ませんが、その部分だけでもシステム化する事により、より良い状態で音楽をお楽しみ
頂けると思っています。
　その事実を北条さんにご確認頂けた事は、小生の考えが別の環境でも立証された事に
なり、大変嬉しく思います。加藤さんにも是非プリアンプのご使用をお勧めする次第です。

加藤丈晴さん(会社員) Mon Feb 2 21:59:58 JST 2004

        川西ご意見番様

じっくりいろいろトライしてみます。
まずは、黄色のピンケーブルや安いものから入っていってのんびり合うものを
探していきます。ヴァンデンハルは一度試してみます。すぐにとはいきませんが。
１万から１０万までいろいろあるようですね。

川西先生様

私如きの表現でそこまでご賛辞いただけるとまことに恐縮ではございますが、少しでも
将来のユーザーの方々に何かを伝われば嬉しいなと思います。

アンプシステム・・・北条さんのご意見もふくめ、「ＷＲの至高の世界はきっとそこにある
のだ！」と夢見て、せっせと貯金と妻への理解活動を続けていきたいと思います。以前
メールにてフィルター等はまだ商品化は先との話でしたが、もうじきリリースされるの
ですね？懐具合と相談しながら追加してていくことができたらな～と思います。
ありがとうございまいた。

北条さん(会社経営) Thu Feb 5 21:42:37 JST 2004

        川西先生へ質問

先生の特許は現行のメーカーアンプに搭載されているトランジスタでも適合する
でしょうか?
音質、音色等は変わると思いますが、可能なら面白いのではと思うのですが。

よろしくお願いします。

川西　哲夫さん(共立女子短期大学) Sat Feb 7 23:35:18 JST 2004

        北条さんへのご回答
　ご質問ありがとうございます。出力素子は大別してバイポーラとMOS-FETがありますが、
最近はどちらも生産中止などで自由に使えなくなっているようです。前者にはWRアンプに
使っているEMeがあり、その後は製造しやすいTMeに変わりました。TMeは3重拡散といい
結晶を拡散で作る為、結晶軸が綺麗に揃わないと言われていますが、生産のコントロールが
簡単な為にEMeにとってかわっていました。しかし、音質はアグレッシブで悪く言えば
非音楽的な音です。これは特許回路をもってしてもカバー出来ない程のものです。
　一方、MOS-FETも音質の悪いものが多く、ハイエンドに使える物は極く限られている
ようです。一時、WRでもMOS-FETアンプを出しましたが、あれは音質の良いMOS-FETが
あるだけでもう終了寸前です。
　という訳で素性の悪いデバイスはどんな回路を使っても、程度の差こそあれ、出て来る
音はしれています。やはりWRアンプはEMeでこそ真価が発揮されると言っても過言では
ないでしょう。

古屋さん(公務員) Sun Feb 8 11:36:45 JST 2004

        古屋です。
  この掲示板でも話題になっていますWestRiverのRCAケーブル「WR-αC112」を必要以上に
購入してしまいましたので、必要な方はメールください。お譲りします。

北条さん(会社経営) Sun Feb 8 19:58:43 JST 2004

        川西先生ありがとうございました。

結晶のネック等がクリアできる発明を期待しております。

古屋さんへ

オーディオライフを満喫されていることお慶びします。
その後、いかがですか?

古屋さん(公務員) Mon Feb 9 20:51:15 JST 2004

        北条さんへ
お久しぶりです古屋です。おっしゃる通りオーディオライフを満喫しています。
パワーアンプにつきましては、以前掲示板に書きましたように通常の１台の使用とBTLとを
比較しますとBTLではやはり分解能がやや落ちて音がにじむような感じはありますが、
あくまでも通常の１台使用との比較という前提のものですから、BTLのみで聴いていますと
これでも満足してしまいます。通常の１台使用の繊細さを知ってしまいますとやや物足りなく
なりますが。しかし、BTLによる力強さや雄大さは捨てがたいものですので、今年になりまし
てから一度も戻すことなくBTLのままです。平野さんからの連絡ですと、３月にはBTL回路に
小さな改善と大きな改善を施すことが可能とのことですから、それを期待しているところです。

加藤丈晴さん(会社員) Wed Feb 11 00:21:52 JST 2004

        小音量再生の音場感

帰宅後、深夜に小音量で聴くことが結構多いですが、小音量（うちではボリュームが
１０～１１時）の方が大音量より意外と音場の提示が明確な気がする・・・。
気のせいかな～。

SPケーブルを Western Electric のビンテージワイヤー（1940年代）にしてみたら
嫌味な味は一切つかずに、かなり音が前にでてきて好ましくなりました。もうワンセット
手に入れてバイワイヤーにするとさらによさそう。

古屋様
ご期待に添えず申し訳ございませんでした。

北条さん(会社経営) Wed Feb 11 02:06:51 JST 2004

        古屋さん情報ありがとうございます。
三月の改善措置の結果楽しみにしております。
私は繊細さと力強さを天秤にかけねばならないとしたら前者を選ぶのでその場合は一台かな。
そんなわけで問題解消できることを私も期待しております。

加藤さん
パワーのみで満足できるのならプリをつけると相当満足されると思います。
ちなみに私はプリがなければ満足できませんが...。
ナチュラルな音になりますよ。

川西　広文さん(WestRiver) Wed Feb 11 10:36:14 JST 2004

        プリアンプについて

皆様ご投稿ありがとうございます。ＷＲアンプで音楽が心地よく聴けているようで
非常にうれしい思いがします。今後とも製品の向上に勤めてまいりますのでよろしく
お願い致します。ＢＴＬの方も研究中ですのでもうしばらくお待ちください。

ここで少しＷＲプリアンプの重要性について書いてみたいと思います。
一般的にプリアンプとはセレクターとボリュームボックスみたいな思いをされている
方が多いと思いますが、ＷＲプリはＮＲＬ回路を搭載したプリアンプですので、ＣＤ
プレーヤー等の高周波ノイズが直接パワーアンプへ流れ込まないようになっています。
北条さんの投稿にもありましたように音の硬さやくもりがなくなり、繊細さがＵＰい
たします。１度聴いたら取り外せなくなると思います。
プリアンプをご購入でない方は是非ご利用をお勧めいたします。さらにＷＲのシステ
ムがより理想的なオーディオへとバージョンアップ致します。

またアンプとの同時購入のお客様にはＷＲケーブル（シールド付き）をプレゼント!
プリとパワーアンプの接続に最適です。他社のケーブルより自然でよりリアルな音に
なります。もちろん単品での販売もお受けします。

川西　広文さん(プリマスタリングエンジニア) Wed Feb 11 11:09:24 JST 2004

        最近の音楽スタジオの現状・・・・１

ＷＲアンプとは関係がないですが、最近の音楽業界（スタジオ）の動きを少し書いて
みたいと思います。バブルがはじけ音楽業界もかなりの打撃を受けています。
有名スタジオがなくなったり、古い機材のメンテナンスができなくなったり。
一番大きく変わったのが、録音機材でしょうか。以前はＳＳＬ（イギリス）という会社
のコンソール（ミキサー）がスタジオには必ずあり、録音にはＳＯＮＹのPCM3348（48チ
ャンデジタルレコーダー）を使っていました。ものすごく大きくて重い。値段も高い。
総額数億円でしたか。

が、最近はそんなお金がかけられませんので、値段が安くメンテナンスに金がかからな
いＨＤＤ（ハードディスク）レコーダーが主流になっています。1台のパソコンで録音か
らミックスダウン（マルチチャンネルをステレオ化する作業）までできてしまうのです。
簡単に言えば４畳半の部屋があればスタジオになってしまうのです。最近のＶＡＩＯに
も似たような機能が付いていますね。（マスタリングもハードディスク化が進んでいま
す。この件については次回）問題はクオリティーです。作業的には非常に楽になりまし
た。やり直しが簡単にできるからです。パソコンですから、ワードやエクセルと同じよ
うに書いたり消したり、移動したりコピーしたり・・・簡単です。作業時間も短くなり
す。エフェクター関係も以前はハードを購入していましたが、全てプラグイン（アプリ
ケーション）で済みます。ですが、音質的にはやはりＳＳＬやＳＯＮＹのプロ用機材に
比べると格段に下がります。

　オーディオ界ではその逆、ハイスペック化が進んでいますね。DVD-A、SA-CD等の次世
代メディアが出てきてさらに高音質へと。しかし、ここで問題が。スタジオはこんなハ
イスペックな機材を入れる余裕がないのです。ハイビット、ハイサンプリングマルチ
チャンネル（5.1ch）・・・DSDレコーダー（SA-CD）しかも、SA-CDとDVD-AUDIOとでは
使う機材が異なります。どちらが今後主流になるのかがわからないので、機材をそろえ
るのはある意味バクチです。レコード会社に所属するスタジオは上の方針で決められま
すが、単体のスタジオは今究極の選択を迫られたいるのが現状です。SA-CDかDVD-AUDIO
か・・CDなのか。　　　　　　次回はSA-CD、DVD-AUDIOの現状とマスタリングを予定。


ソフト制作について疑問等がございましたらできる限りお答えしますのでご質問お待ち
しております。（クラシックの録音はどうやってるの？、どんなマイク使っているの?
等・・・）

隼さん(会社員) Fri Feb 20 19:54:43 JST 2004

        ＤＡＣとかを作られる予定は無いのでしょうか？

あとサラウンド用の７．１ｃｈパワーアンプとか
インピーダンスに最適に適応する切り替えスイッチ付きアンプ
海外製のアンプだと４Ωが多いので
実行出力５０ｗぐらいにアップされたアンプ

川西広文さん(WestRiver) Mon Feb 23 07:43:49 JST 2004

        『Audio Accessory』　112号（２月２１日発売）で紹介されました。

パワーアンプの「WRP-α３」とＲＣＡケーブルの「WR-αC112」の

製品評価が掲載されました。　どうぞご覧ください。

http://ongen.econ-net.or.jp/editor/audio-a/　　（ホームページ）

川西哲夫さん(共立女子短期大学) Fri Feb 27 18:18:01 JST 2004

        隼さんへのお答え

　まず、DACの件ですがWEST-RIVERはアナログアンプが本職なので、精々DACの中の
IVコンバータ及びその後の信号増幅に使う程度だと思います。実はそのアイデアは
前からもっていましたが、デジタル部分の会社とタイアップして設計する必要があり、
我々独自ではできません。もし実現すればかなり音の良いDACが完成するものと期待
されます。

　7.1chの件はアナログの範囲ですからやればできないことはないですが、今のところ
WRアンプを使った2chのシステムで十分なプレゼンスが得られるので、真剣に考えて
いないのが実情です。WRアンプは音がスピーカーに張り付きませので、奥行き感が出て
映画の雰囲気が十分楽しめるのです。もしWRアンプで7.1chまで行かなくても4chでも
構成できれば相当効果が上がると思います。
　その為にはα1をフロントに使い、α2をリアに使えば現在でも可能だと思います。普通
のアンプの場合はセンターSPがないと台詞が不自然に聴こえますが、WRアンプはフロ
ント2chでもちゃんと台詞が適当な位置に定位します。

　最後にアンプ又はSPのインピーダンスの件ですが、これは真空管アンプとTRアンプと
では違いがあります。真空管アンプの場合は適正な負荷インピーダンスが決まってくる
為、使用するSPに合わせてアウトプットトランスで切り替える必要が出てきます。
　一方、一般のTRアンプは単純で負荷インピーダンスが低ければ低いほどパワーが出る
仕組みになっています。ただしひずみ率は上昇します。ですから、真空管アンプの場合
は適正にSPのインピーダンスを合わせる事を条件に出力は一定の値で表示されます。
　TRアンプの場合は30W/8Ω、55W/4Ωのように負荷インピーダンスで出力の表示を変えて
います。つまり、8Ω負荷の場合は出力は減るけれどもひずみは低く抑えられます。
　従って、α1で50W出したければ4ΩのSPをお買いになればよい訳ですが、音質が多少犠牲
になる可能性はあります。8Ωで50W欲しい場合はアンプの設計をし直さなければならず
話は大事になってきます。現在±28V位の電圧で動作していますが、それを±35Vに上げ
る必要が出てきます。
　これは電気的及び熱的安定性に微妙な問題を生じさせ、必ずしも音質の改善にはなり
ません。ですから、我々はパワーを希望する人にはBTLをお勧めしていますが、BTL化
によって多少繊細さが失われるというご指摘が古屋さんからあった事は記憶に新しい
ことです。
　これについて現在平野氏が検討中であり、まもなく結論が出ると思います。パワー感
と繊細さを兼ね備えたBTLアンプになる事を目指しています。

川西　哲夫さん(共立女子短期大学) Tue Mar 9 23:08:50 JST 2004

        WRアンプの音質が優れている理由は？

　WRアンプには、長年の研究の結果特許を取得したNRL回路が搭載され、負帰還アンプにおいて
宿命的に発生する負性抵抗を抑制しているからです。トランジスタアンプは普通スピーカーを直接
駆動する為、できるだけ出力インピーダンスを下げる工夫をします。その第1が終段にエミッタ（ソース）
ホロワを使った回路を用いる事です。第2は深い負帰還をかけ、さらにインピーダンスを下げる事を
行います。この負帰還は上手く動作すれば、さらに、ひずみを改善しS/N比を良くします。

　この良い面だけを見て、戦後、負帰還アンプは急速に発達したのでした。しかし、そこに落とし穴が
有ったのです。小生の研究によれば、エミッタホロワを含む回路に多量の負帰還をかけると、その
入力及び出力インピーダンスに負性抵抗が生じてきます。この負性抵抗は系を不安定にし、場合に
よっては系を発振状態に導きます。負性抵抗が発生するメカニズムは難解ですが、負帰還によって
出力インピーダンスがゼロに限りなく近づかなくてはならないのに、何かの弾みでゼロを通り越して
負に行ってしまうと考えれば分かり易いかも知れません。そしてこれが巷のアンプで日常的に起きて
いるのです。

　等価回路を使ったモデルを使って系の微分方程式を立ててコンピュータ解析した結果、次の事が
分かりました。即ち負性抵抗は系を非線形又はカオス状態にする為、アンプは想像もつかないような
不安定状態に陥り、音楽信号を正しく増幅できない状態になる事でした。その結果アンプの音質は
混濁し、硬直し、引きつってしまう事がしばしば起こってしまうのです。この状態でさらに高周波ノイズが
系を刺激すると系はより不安定になり、正にカオスの状況に陥るのです。だから、帰還アンプには
ノイズが大敵なのです。

　これは著名な高級アンプもみな例外ではなく、これまでオーディオに決定的なシステムが存在しなかった
のは、実はアンプに原因があったのです。負帰還アンプに負性抵抗が存在しない為の条件は決して
甘いものではなく、偶然に達成できる確率はゼロに等しいと言っても過言ではありません。逆説的に
言えば、どのアンプを入手しても大同小異、本質的には何も解決しないのです。

　今からでも遅くありません。この絶望的な状況を救うアンプ、それがWRアンプですから、まずアンプから
固めて行けば、必ず理想とするシステムに辿り着けると思います。既にこれに気付かれた方々がこの
掲示板に書いてくれています。あとはあなた自身が考えて決断するだけです。評論家の井上千岳氏が
Accessory誌111で奇しくも述べておられますが、これはアンプの革命なのです。

＜参考＞NRL = Negative Resistance Less（負性抵抗が存在しない）

川西　哲夫さん(共立女子短期大学) Fri Mar 19 23:46:50 JST 2004

        準は純よりいい？

　α2として既に発売されている準コンプリメンタリーパワーアンプはα1やα3で採用している
純コンプリメンタリーパワーアンプより優れた面があることを今回はお話しましょう。

　トランジスタにはNPNとPNPがあり前者は正電源で、後者は負電源で動作する事はよく
知られている事です。これを利用してプッシュプルアンプを構成したものを、純(pure)コン
と言います。一方、両者のトランジスタが揃っていなかった頃は、NPN同士でプッシュ
プルを構成する必要がありました。これを、純ではないから準(semi)と呼んだのです。

　確かにこの時点では純にしたくても出来なかったので、仕方無しに考え出した便法で
あったと言えるでしょう。だから準は純より劣ると考えられていたふしがあります。
　しかし、前回お話した負性抵抗の事を思い出して下さい。出力インピーダンスに負性抵抗が
現れる必須条件はエミッタホロワ回路の存在でした。純コンは正側、負側とも完全にエミ
ッタホロワです。ところが準コンは負側の回路が、PNPのトランジスタの代用回路にする為
エミッタホロワではなく、コレクタホロワなのです。コレクタホロワはひずみは多いですが
エミッタホロワのように負性抵抗を発生させ、系を不安定にさせる可能性がずっと低いのです。

　という事は準コンはひずみの点では不利であっても、アンプとして大切な安定性は良い
はずなのです。その上、NPNは電子がキャリアであり、正負ともその移動度が同じなので
非常にスッキリしているとも言えるでしょう。（純コンは正側が電子、負側が正孔という
移動度が違う素子を組み合わせている）

　そんな訳で、日本人は「準」という漢字をみると「純」より劣っていると単純に考えて
しまうようですが、実は一長一短あるのです。まだ、PNPのトランジスタが手に入らなかった
頃は準コンのひずみを解消できずにいたのですが、α2ではそれを克服する回路が採用されて
いますので、ひずみに関する不利な条件は取り除かれています。しかも、安定性はいいはず
なので同じ部品で作れば準コンの方がいい音がする可能性もあり得るくらいです。

　α2はその事に注目して、高級部品を使わずに、なんとかα1と本質的には同じ音質を実現する
ように頑張ったのです。その結果α1の1/3の価格にコストダウンする事ができたのです。

　結果として得られた音質はWRアンプの範疇であっても、また一味違う音になりました。音が
無理なくスッと出てくる、気持ちの良いサウンドです。この掲示板でお馴染みの古屋さんが
最初にこの準コンを聴いてWRアンプを購入する気になられた事でもお分かり頂けると思います。

　どうか、WRアンプを買いたいけれど高価だし、と二の足を踏んでいる方は是非準コン
から入門してみて下さい。負性抵抗のより少ないアンプが如何に気持ちの良い音を出すかが
お分かり頂けると思います。決して準コンは２番煎じではないのです。

日比將人さん(公務員) Thu Mar 25 10:34:38 JST 2004

        最近ちょっと書き込み少なくて残念

　時々このサイトをのぞいています。当然ＷＲアンプに興味をもっているからですが、オー
ディオアクセサリーの記事も読んでみました。評論家のレビューというのはどう読んでいい
のか、まあ、行間を読む、という必要があるのでしょうけれど、１１１／１１２号のα－３
に関しては、井上氏があれだけはっきり言いきっているのに少なからず驚きました。実際に
聴いたらもっと驚くのかなー、とちょっとわくわくしています。こないだやっと時間が取れ
たら水曜日で、サウンドハイツさんの定休日だったので試聴かなわず残念。近いうちに、と
念じています。いつもつまらぬ書き込みで済みません。

川西　哲夫さん(WRアンプ設計者) Fri Mar 26 10:44:03 JST 2004

        日比將人さん書き込みありがとうございます。

　最近はWR側の書き込みが続いていて、我々も寂しい思いがありました。皆さん、短くても、
簡単な質問でもいいですから、気楽に書き込んで下さい。
　ところで、井上さんは我々に取っては神様ですね。仰るとおり、相反するするような形容詞の
連続である一般の論評に較べると、具体的で、矛盾が無く、かつWRアンプの本質を見事に
見抜いている筆力に脱帽です。行間ではなくて、行そのものが主張している評論は、例え
内容が良くても悪くても気持ちのいいものですね。
　これは、我々が特にお願いしたわけではなく、アクセサリリー誌の方で選んで頂いた結果です。
　日比將人さんにはWRアンプに注目して頂いて光栄ですが、実際に自分の耳で聴いてから
お買いになるポリシーは、それは又貴重なことだと思います。あいにく、サウンドハイツさんが
お休みであったのは、お気の毒でした。確か、今ならα1からα3まで、全て試聴できる状況だと
思います。いろいろ聴かせて貰って下さい。そして、経済状態と相談しながら、一番良い物を
お求め頂いて、是非WRアンプの仲間に入って下さい。よろしくお願いします。